BtoBマーケティングの基本から戦略、手法まで解説

BtoBマーケティングの基本から戦略、手法まで徹底解説

BtoBのビジネスモデルを採用している企業では、BtoCとはまた違った戦略が必要です。企業向けに展開している自社サービスを利用してもらうためには、BtoBに適したマーケティングをおこなう必要があります。

とはいえ、すでにマーケティングに取り組んでいるもののなかなか成果が出ていない・BtoBマーケティングをはじめたいけれど何から始めれば良いのかもわからない人もいるでしょう。BtoBマーケティングで上手く成果を出すには、BtoBマーケティングについて理解したうえで適切な方法をとることが大切です。

この記事ではBtoBマーケティングについて解説します。基礎的な部分から具体的な手法・さらには成功事例なども取り上げました。

目次

BtoBマーケティングとは

BtoBマーケティングとは

BtoBマーケティングとは、その名のとおり企業間における取引であるBtoBに特化したマーケティングです。企業向けの自社商品やサービスが選ばれるよう、選ばれる仕組みを作るために戦略立てて活動します。

入り口的な部分としては、新規の見込顧客から自社を選んでもらい、商談の機会を獲得するための活動がBtoBマーケティングとして挙げられます。しかしそこで終わりではなく、顧客となった企業から選ばれ続ける状態を作ることもBtoBマーケティングにおいて大切な部分です。選ばれ続けるためには商品やサービスの改善、タイミングを見ての適切なプロモーション活動などが必要です。

BtoCとの大きな違いは顧客が個人ではなく企業という点です。商品やサービスを売るための活動という意味では同じですが、相手が個人か企業かというだけでとるべき手法やマーケティング段階における活動の持つ意味が異なります。

ひとくちにマーケティングとして扱ってしまうと、BtoC向け手法をとってしまう可能性もあります。誤った方法ではせっかくの活動が無駄になってしまうでしょう。BtoBマーケティングとは顧客である企業に、自社の商品やサービスを選んでもらうためのマーケティングです。

BtoBマーケティングの役割

BtoBマーケティングの役割について理解するために、「マーケティング」という言葉が持つ意味を理解する必要があります。

マーケティングとは本来価値の創造をし売れ続ける仕組みを考え実行する活動全般を指す言葉でした。しかし現代においては、本来の意味よりも狭義の意で使われることが多いです。プロダクトが生まれる前の活動を含むものではなく、より狭く限定的な範囲を指します。

この記事においてマーケティングという言葉は、新規見込顧客の創出から契約に至るまでの範囲を表すものとします。この定義で考えると、BtoBマーケティングは新規見込顧客である企業を創出し実際に契約を結ぶまでの役割を示す言葉です。

BtoBマーケティングの場合は戦略の策定やコンバージョン地点の設計などが非常に重要です。トレンド的な手法として以下のようなものが挙げられます。

  • コンテンツマーケティング
  • アカウントベースドマーケティング(ABM)
  • WEBサイトにおける導線改善
  • インテントデータの活用

見込顧客となる企業が好意的な印象を持つようなコンテンツの追加や、営業対象としてターゲット設定をして攻略を進めるなどの手法がよく見られます。

また導線の改善も有用な手段です。ライオン株式会社は法人向けの販促ノベルティサイトを公開していますが、このサイトにおいて綿密な導線改善をおこなったことでアクションが増加したという事例があります。定期的なコンテンツ追加も効果的だったと考えられますが、導線改善も有用といえます。

ライオン株式会社の販促ノベルティサイトはこちら

BtoBマーケティングは、企業間取引の実現に特化した役割を担うマーケティングです。

BtoCマーケティングとの違い

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの具体的な違いについて解説します。BtoBマーケティングとBtoCマーケティングにおいて、基本的な概念や定義には違いがありません。どちらも新規の見込顧客を獲得し、自社商品やサービスを選んでもらうために想起率や好感度を上げるための行動です。

ここでマーケティングにおける4Pフレームワークについてお話します。4Pフレームワークとはマーケティングにおいて大切とされる4つの要因のことです。これらは人為的なコントロールが効きやすい部分であり、それぞれの要因に対して考えを巡らせたうえで活動を進める必要があります。具体的な要因は以下のとおりです。

  • プロダクト:Product(製品・商品)
  • プライス:Price(価格)
  • プレイス:Place(販路・流通)
  • プロモーション:Promotion(宣伝・販促)

4Pフレームワークが指す内容は同じですが、具体的な意味合いが多少違います。プロダクトの部分では機能やデザインなど、顧客のニーズに合わせた開発を進めます。BtoBとBtoCでは、プロダクトにおける違いがもっとも明確でしょう。BtoBでは企業向け商品やサービス、BtoCでは個人向けを取り扱います。

プライスは販売価格やそれに関わる部分で、この段階では目標とする利益を得るための価格設定などを検討します。市場や商品内容に合わせた適正な価格設定が必要です。BtoCでは定価を決められる、もしくは自社で自由に割引が設定できるなど自由な部分があります。しかしBtoBの場合は顧客である企業の見積りをとりながら希望も聞き、そのうえで価格を決めることが多いです。

プレイスは顧客が商品を販売する場所や手段を指します。店舗へ来店するだけでなく、インターネットによる通販も需要が高いです。BtoCの場合には通販や小売店を通して販売しますが、BtoBは間を挟まず直接販売する・パートナーを経由しての販売がメインとなります。

プロモーションは広告宣伝や販売促進を意味する言葉です。本来は宣伝の意味合いが強かった部分ですが、現在は認知度や想起率の向上だけでなく、その後のコミュニケーションもマーケティングで重要とされています。

リピーターを増やすための活動や顧客管理などが含まれます。BtoCではマスメディアの活用が効果的ですが、BtoBは相手によってそれぞれ求めるものが違うため大々的な活動よりは個別提案が大切です。

BtoBとBtoCでは、意思決定までの時間にも違いがあります。BtoCは顧客である個人が商品の認知から購入まで一貫しておこなうことがほとんどです。しかしBtoBの場合は商品やサービスの利用者と意思決定者が異なるケースもあります。そのためBtoBのほうが意思決定に時間を要することが多いです。

BtoBマーケティングの市場

BtoBマーケティングの市場

続いては日本のBtoBマーケティング市場について解説します。もともと日本では、マーケティング力が不足しているといわれていました。マーケティングが足りていないと考えられていたのです。

マーケティング力の不足を実感することになった出来事が、リーマンショックです。リーマンショック以降売上が低迷する企業が非常に多く存在しました。リーマンショックによる売上低迷を機に、マーケティングの重要性に対して注目が高まるようになってきました。

この章ではBtoBマーケティングの市場について、市場規模や市場推移などを中心に解説します。BtoBマーケティング市場においてこのような推移が起きている背景や理由についても取り上げました。

BtoBマーケティングの市場規模

まずはBtoBマーケティングの市場規模を紹介します。独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アールが、統合型マーケティング支援市場の規模を発表しています。これによれば、それぞれの市場規模は以下のとおりです。

  • BtoBマーケティング 2015年が25億円→2016年が39億円 2021年には80億円の予測
  • BtoCマーケティング 2015年が42億円→2016年が69億円 2021年には190億円の予測
  • 全体 2015年が67億円→2016年が108億円 2021年には270億円の予測

株式会社アイ・ティ・アールによる調査結果はこちら

マーケティングの市場規模が順調に伸びている理由として、統合型マーケティング支援市場の拡大が挙げられます。統合型マーケティング支援市場とは、マーケティング活動全般を支援する製品の販売市場であるMA市場を指す用語です。

統合型マーケティング支援市場は、導入済みの大企業を中心にSFAやCDP(Customer Data Platform)・CMSとの連携が進んでいるため、導入範囲が拡大しています。特にBtoB市場においては以下の理由から、デジタルな流入経路(チャネル)を活用した見込顧客へのアプローチがより重要になっています。

  • 直接的な営業に携わることができる人材が不足している
  • より高いコストパフォーマンスのために業務の効率化を図る必要がある

また新規ベンダーによる積極的な販促活動の結果、認知度の向上も実現されました。これにより、BtoBに比べて年商規模が小さいBtoCにおいても新規導入数が増加の傾向にあります。

BtoBマーケティングの市場推移

BtoBマーケティングの市場推移について考えていきます。まずBtoB取引においては、対面での営業による契約や実店舗での売買は減るという予想が主流です。リアルでの売買が減少するかわりに、インターネット上で商品やサービスの売買をおこなうECが盛り上がると考えられています。実際にEC市場の規模は、以下の表からわかるように毎年どんどん大きくなっています。

また、MA(マーケティングオートメーション)が伸びる見込です。MAとはマーケティング活動におけるさまざまなプロセスについて、自動化を支援するために開発されたツールです。2000年頃にアメリカで生み出されたものですが、日本に導入されたのは2010年代の半ば頃と遅れていました。

前述したように、リーマンショックを機に売上が低迷した企業は非常に多く存在しました。既存の顧客だけでは売上を確保できなかったため、新規顧客の獲得が重視されるようになります。マーケティングの重要性に対する注目度が高まるにつれ、BtoB向けのMAも注目されるようになったのです。BtoB向けのMAにおいて、新規顧客の獲得に関する機能として以下が挙げられます。

  • セミナーや展示会などのイベント
  • メルマガの作成から配信
  • WEBサイトにおけるコンテンツの作成から更新
  • 顧客のデータや名刺などの管理

MAはマーケティングに必要とされるさまざまなシステムがパッケージ化されています。プロセスごとのシステムを個々に管理しつつ必要に応じて連携をおこなうのでは、マーケティングに関する負担が大きくなってしまい非効率的です。

マーケティングのシステムをまとめて管理・運用することで、効率化が実現できるためマーケティング活動をより良いかたちで進められるようになります。BtoBマーケティングをおこなうならば、MAはチェックしておきたい部分です。

MA以外にも有用な企業向けSaaS(※)は増加傾向にあります。SaaSを展開する主な企業とそのサービス例は以下のとおりです。

  • Google:メール・オンライン広告・アナリティクス機能など
  • Slack:ビジネスチャットツール・ビデオ会議システムなど
  • Shopify:ECサイトプラットフォームなど
  • Zoom:ビデオ会議ツールなど
  • Salesforce:顧客管理システムなど

(※Saas:Software as a Serviceの略。パッケージではなく特化型としてクラウドで提供されているソフトウェア)

日本国内におけるSaas市場は2019年度において6,000億円を超えており、2024年には11,000億円を突破する見込とされています。より効率的にマーケティングを進める必要があるため、MAやSaasなど自動化や効率化を支援するサービスの需要が高まっています。

BtoBマーケティングを進めていくならば、負担を減らし効率化を実現するためにもMAやSaasの導入についても検討する必要があるでしょう。

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BtoBマーケティングの基本プロセス

BtoBマーケティングの基本プロセス

BtoBマーケティングを適切に進めるためには、各プロセスに対する理解が必要です。プロセスを理解したうえで優先順位を決めることで、より効率的なマーケティング活動が可能になります。

BtoBマーケティングにおいて必要となるプロセスはどの企業でも一見同じに感じられますが、実は自社の展開するサービスや商材によってポイントとなる部分や優先順位は異なります。

BtoBマーケティングにおいては、良いサービスを提供すればそれで終わりではありません。顧客に選ばれ続けるためにはサービスを紹介するプロセスを繰り返しおこない、分析や確認をしながら改善をすることがもっとも重要です。

それではこの章で、BtoBマーケティングの基本的なプロセスについて内容や重要性などを紹介します。

顧客の課題・ニーズ理解

マーケティング施策を進めるうえで、顧客の抱える課題やニーズの理解は欠かせません。顧客がどのような製品やサービスを求めているのか把握し、自社で実現できる内容を考えていきます。

自社の強みを活かすことは大切ですが、独りよがりになってはいけません。市場分析をおこないユーザーにとって価値となるものを把握しなければ、せっかく展開した製品やサービスを利用してもらえないという事態が考えられます。

顧客の課題やニーズを理解するためには、市場調査や分析が必要です。以下のように分けられます。

  • PEST分析 Politics(政治)・Economy(経済)・Society(社会)・Technology(技術)といったマクロな環境調査
  • 3C分析 Customer(顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の調査。客観的な事実のみを集める
  • SWOT分析 自社におけるStrength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)を再確認

市場調査で顧客がお金を払っても良いと思うような課題やニーズを見つけ出し、自社分析をおこなって現実的な戦略策定を進めます。BtoBマーケティングにおいて最初におこなうプロセスです。

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課題を解決するサービス・商品の開発

課題やニーズを理解したら、それらを実際に解決するためのサービスや商品の開発をおこないます。顧客の求める要素を兼ね備え、かつ高評価を得られるサービスや商品の開発が必要です。マーケティング活動は取り扱うモノが良いことが前提条件であるため、顧客に受け入れられる良いモノを作ります。

このプロセスでは顧客の課題やニーズに合わせることはもちろん、自社の強みを活かすという観点も意識するべきです。強みを活かして開発することで、自信を持ったアピールや魅力の強調などがよりおこないやすくなります。他のプロセスに比べ、サービスや商品の開発は一度進めてしまうとなかなか改善がしにくい部分です。そのためしっかりとした戦略に基づいて開発を進めていきましょう。

課題を解決するサービス・商品の開発というプロセスは、その後のマーケティング活動において重要となる他社との差別化や独自性確立などを強化する部分です。その後のマーケティング活動を大きく左右する部分ともいえます。

完全に新しいものを開発するだけでなく、既存商品やサービスのリニューアルや新機能追加なども効果的です。時代や市場に合わなくなったモノも、改良すればまだまだ活躍できることがあります。顧客の課題を解決するには完全な新商品の開発が必要か、既存商品のアレンジで叶いそうかを検討しましょう。

リードジェネレーション:見込顧客の獲得

開発したサービスや商品の利用者となり得る見込顧客を獲得することを、リードジェネレーションといいます。リードジェネレーション活動が上手くいっている企業ほど、営業活動における生産性や売上の伸びが高いという調査結果があります。

リードジェネレーションはマーケティング活動において最初にぶつかる壁といわれています。BtoBマーケティングにおいて欠かせない要素でもあるため、力を入れる必要があるプロセスです。リードジェネレーションの手法として以下のようなものが挙げられます。

  • 展示会やセミナーの開催
  • WEB広告の出稿
  • SNSマーケティング
  • 自社WEBサイトにおけるコンテンツ提供

デジタル化が進行しているBtoBにおいては、オンラインでのリードジェネレーション活動が欠かせません。そのため従来のような展示会・セミナーの開催だけでなく、WEB上での活動も積極的に展開します。

リードジェネレーションを成功させるためには、まずコンテンツを最適化しましょう。WEBから流入する見込顧客の多くは、コンテンツに魅力を感じて興味や関心を抱くようになります。そのため良質なコンテンツを作り、SEO対策を進める必要があります。

すでにWEBトラフィック(訪問数・閲覧数)が高いのであれば、検索意図に沿ったCTAが設置できているか見直しをおこないましょう。トラフィックがあるにも関わらずリード獲得までにつながっていないのであれば、導線が作れていない可能性が高いです。リードジェネレーションはその後のBtoBマーケティングを左右する重要なプロセスです。

リードナーチャリング:見込顧客の育成

リードジェネレーションが成功したら、獲得した見込顧客の育成であるリードナーチャリングに入ります。見込顧客との中長期的な接点を作り良好な関係を築くことで、実際の購入につなげます。また購入というアクションを得たら関係が終了というわけではなく、その後のリピーター化を狙った活動も大切です。

せっかく獲得した見込顧客に何のフォローや施策もしなければ、購入してもらえないまま離れてしまう可能性があります。見込顧客に自社のサービスや商品を購入してもらう機会を増やすと同時に、機会損失を防ぐという効果を果たすプロセスです。

前述したように企業では商品やサービスの利用者と意思決定者が異なるケースが多いため、BtoBでは見込顧客獲得から購入に至るまで比較的時間がかかります。この期間において特に活動を起こさないでいると、どんどん長期化して最終的には商談機会が消えてしまいます。

また意思決定者と直接コミュニケーションをとることが難しい・他社と比較検討されやすいという点も大きな課題です。見込顧客となる企業を獲得して満足せず、信頼関係を築くための活動が必要です。

BtoBマーケティングにおけるリードナーチャリングでは、見込顧客とのより直接的で綿密なコミュニケーションが中心となります。そのうえで相手が抱える課題を汲み取り、自社サービスや商品を活用した解決策を提案します。課題解決に効果的だと認識されることで、購入可能性が高くなるでしょう。

リードナーチャリングとは?見込み客を育成する手法と事例を解説 リードナーチャリングとは?見込み客を育成する手法と事例を解説

商談

見込顧客から購入意思の提示がされたら、いよいよ商談に移ります。商談プロセスに入れば一段落ですが、実際の案件獲得に至る直前段階ということで油断はできない状態です。

商談は自社のサービスや商品の営業をおこない、購入の契約を促す行動を指します。自社からのアピールだけでなく、顧客からの価格交渉や提案などへの柔軟な対応も必要です。
商談を成功させるためには、以下のポイントを意識したトークをおこないます。

  • 顧客の課題を自分の課題のように扱うなど、顧客に寄り添った対応
  • ポイントをしっかりアピールしつつも、独りよがりにならないようヒアリングを重視
  • タイミングを見計らってクロージングを切り出す

商談の場において大切なのはサービスや商品を購入してもらうことそのものではありません。サービスや商品を利用することで課題の解決ができると認識してもらうことです。そのためいくらアピールをしても、顧客目線が足りていなければ成果を得ることは難しいでしょう。顧客に対して親身に寄り添い、顧客の立場で考えながら適切に商談を進める必要があります。

ヒアリングを重視するのも大切です。課題を知り解決に導くためには、顧客について知らなければなりません。とはいえ自社サービスや商品のアピールも大切なので、ポイントを押さえて説明をしつつヒアリングも意識的におこないます。

目標となるゴールは顧客からの購入意思提示を受け契約を締結することです。商談の雰囲気が良く話が盛り上がったとしても、クロージングができなければ商談成功とはいえないでしょう。タイミングを見計らってクロージングを切り出します。サービスや商品について理解してもらえたか、テストクロージングで確認をするのも効果的です。

受注

商談が成功し購入意思を確認できれば、いよいよ受注段階に入ります。受注段階では提供するサービスなど契約内容を具体化し見積りなどをおこないます。受注が完全に完了すれば案件獲得です。
受注段階では見積りや契約内容のすり合わせや、共通認識の獲得などが大切です。見積りや契約内容についてお互いが違う考えを持っていては、スムーズな契約や業務進行が実現できません。

また認識に相違がある場合も後々のトラブルにつながります。自社にとって良い条件で案件を受注するために契約内容の説明を意図的に省く行為は絶対に避けるべきです。契約内容については契約書に記載されており、顧客は納得したうえで契約を結ぶのが前提です。

とはいえ実際のビジネス現場では、大切な部分のみ口頭で説明しあとは流し見程度で済ませてしまうケースもあります。顧客の損益に大きく影響するということを理解していながらもあえて流してしまうと、契約書に記載があるとはいえ心象が悪くなってしまう可能性が高いです。

受注に至ればその案件については一安心ですが、その後の継続や満足度獲得のためには注意が必要です。受注後のトラブルや悪い心象などを防ぐためにも、細やかなすり合わせや契約内容の説明をおこないます。

継続

マーケティングにおいて、一度購入してもらえればそれで終わりとは考えません。その後も自社の利用を継続してもらえるような活動が必要です。既存顧客をリピーターにすることで、その後の安定的な売上につながります。

既存顧客の継続が重要な理由はコストパフォーマンスの良さにあります。一般的に新規顧客の獲得に必要とされるコストは、既存顧客のリピーター化にかけるコストの5倍以上です。コストを抑えながらも顧客の購入を促すため、継続へ力を入れることも大切とされています。

継続のための施策はBtoBマーケティングで特に重要とされています。BtoCに比べると顧客対象に限りがあるからです。企自社製品の利用を期待できる新たな企業の誕生もそれほど頻繁に起こることでもないため、既存顧客である企業との関係を維持し利用を継続してもらう必要があります。

一度獲得した顧客を維持し続けその後も継続利用してもらうためには、以下のような活動が必要です。

  • 定期的なコミュニケーション
  • 新商品展開時などに連絡
  • 顧客管理や情報収集など

より優良顧客化を促すためには、購入回数や点数の増加も図る必要があります。長く利用し続けてもらうこと、購入頻度や一回あたりの購入額を上げることも継続において有用な施策です。

満足度調査&課題・ニーズ把握

顧客の流出を防ぎつつ自社商品やサービスをさらに良いものにするためには、購入後の満足度調査が求められます。既存顧客が自社の商品やサービスに対してどれほど満足しているかを調査します。単なる数値だけでなく、その満足度をつけるに至った理由についても詳しく調査できるとより効果的です。

顧客が自社商品などに対してどのような印象を持っているかというのは、その後のマーケティング活動において非常に役立つ情報です。良いと思われている点についてはそのまま維持もしくは伸ばし、逆に不満を持たれている部分については改善をします。

自社で把握している課題と顧客である他社から見た改善するべき点は異なることが多いです。顧客の目線で考えるとはいえ、どうしても限界が存在します。そのため満足度調査をおこない課題の把握をし、顧客が解決したいと考えているニーズを把握します。

調査をおこない必要な情報が揃ったら、それを活かすことが大切です。関係者へのフィードバックや改善に向けての活動などをおこないましょう。課題の重要度や対策の容易性にもよりますが、あまりにも放置をしてしまうと顧客流出の原因になり得ます。課題やニーズの把握をしたら、すぐに行動に移すようにしましょう。

【オンライン編】BtoBマーケティングのトレンド・手法

【オンライン編】BtoBマーケティングのトレンド・手法

BtoBマーケティングのトレンドや手法について紹介していきます。最初に紹介するのはオンラインによる内容です。近年は効率化を重視する風潮や、新型コロナウイルスの流行によるテレワーク化などにより、オンラインでのマーケティング活動が必要とされるようになっています。

BtoBマーケティング活動を進めるうえで、オンラインでの対策は必要不可欠です。オンラインにおけるBtoBマーケティングのトレンド・手法を紹介します。

SEO・コンテンツマーケティング

SEO・コンテンツマーケティングは、BtoBマーケティング施策のなかでも特に重要です。良質なコンテンツの発信を継続して続けることで、検索エンジンからの流入を図ります。SEOとは検索エンジン最適化のことで、自社のコンテンツが検索エンジンで上位表示されるよう対策をおこなうことです。検索上位表示のためには以下のような対策が必要です。

  • キーワード選定・コンテンツ内への盛り込み
  • 顧客の役に立つような有用情報の掲載
  • 内部リンクの最適化

コンテンツとは一般的にはWEBで公開されている記事を指しますが、BtoBマーケティングにおけるコンテンツは自社商品の説明・事例の紹介・ホワイトペーパーなども含まれます。

なぜSEO・コンテンツマーケティングが必要かというと、見込顧客である企業からの信頼を得るためです。BtoBにおいてはサービスや商品の購入までに、担当者や意思決定者など複数の人が関わります。また認知してから購入を決定するために時間もかかるため、信頼獲得が非常に重要です。有用なコンテンツの発信は信頼獲得に効果的ということで、以前からも活用されてきました。

加えて新型コロナウイルス流行によるオンライン化の進行が、コンテンツの重要性をさらに高めたのです。オンラインで情報収集をおこなう企業がかなり増えたため、BtoBマーケティングではWEBコンテンツの充実が必須条件となっています。SEO・コンテンツマーケティングのメリット例は以下のとおりです。

  • 実行するためのハードルが低い
  • コンテンツは半永久的に価値を生み続ける資産となる
  • 自社のブランディングや専門性の構築・信頼獲得に効果的

一方でデメリットも存在します。

  • 効果が出るまでに時間がかかる
  • 短期的なコンテンツ配信ではなく、継続が必要
  • コンテンツ制作のためにある程度の時間や労力を要する

SEO・コンテンツマーケティングは導入が容易なうえ、一度制作すれば資産として価値を生み続けます。ブランディングなどにも効果的です。

しかし短期的な効果は期待できず、継続やある程度の労力が必要とされます。SEO最適化をしても、検索エンジンに認知され上位表示されるまでには数ヶ月ほどかかることもあります。

自社内での実行も可能ですが、人材確保が難しい・執筆経験が少ないのであれば外注するのが効率的です。コンテンツSEOの場合には、初期費用が数万円~数十万円・1記事あたりの費用が数千円~数万円程度です。

短期的な効果は難しいものの、信頼獲得や将来的なことを考えれば取り組むべき施策といえます。WEBサイトからの流入をアップしたいと考える企業であれば、業種を問わず効果的です。


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WEBサイト・LP改善

WEBサイトやLPの改善をおこなうことで、コンバージョン率のアップが実現できる可能性が高いです。せっかくWEB上での集客が成功し流入数を確保できたとしても、その後のコンバージョンにつなげられなければ売上にはなりません。見込顧客を集めるだけでなく、契約に導くことが大切です。WEBサイト・LPが改善の主なメリットは以下のとおりです。

  • 使いやすいデザインにすることで見込顧客をコンバージョンに導ける
  • 不要なデータやコンテンツを整理できるため無駄が減る
  • 企業イメージを刷新する機会をつくれる

LPOとは?LPO(ランディングページ最適化)対策とポイントを解説 LPOとは?LPO(ランディングページ最適化)対策とポイントを解説 ランディングページ(LP)を改善せず、放置していませんか?せっかく作ったLPはLPO対策を実施すれば成果を伸ばしていくことができます。この記事ではLPO(ランディングページ最適化)の方法、ポイントを解説します。

オンラインでのBtoBマーケティングにおいてコンバージョンにつながらない理由として、WEBサイトやLPがわかりにくい・導線がしっかりしていないことが挙げられます。この部分を改善するだけでもコンバージョン率のアップが期待できます。無駄を減らす・企業イメージを刷新できるというのも嬉しいポイントです。しかし以下のような注意点の把握も必要です。
  • 工夫しないと検索順位が下がってしまう可能性がある
  • 改善の規模によっては多額の費用がかかる
  • しっかりとした計画や知識が必要とされる

WEBサイト改善の過程でURLを変えてしまうと、検索順位が下がってしまう可能性があります。すでに高い検索順位を得ているのであれば、URLは変えないなど注意が必要です。ちょっとした修正ではなくリニューアルと呼べるほどの大規模な改善をおこなうなら、WEBサイト制作と同程度の費用がかかる可能性もあります。明確なゴールを決めたうえでの適切な対策も必要です。

WEBサイト・LP改善に要する費用は、どれほどの規模で進めるかによって大きく変わります。すでに改善するべき点が明確であり、自社内の人間で対応できるなら費用はほとんどかからないでしょう。もし外部に相談するのであればコンサルティング料として数万円~十数万円が必要です。もしWEBサイト制作会社などに大規模なリニューアルを依頼するのであれば安くても数十万円、場合によっては100万円以上かかります。

WEBサイト・LPのアクセス数があるにも関わらずコンバージョン率が低いのであれば、改善が必要である可能性が高いです。またオフィス機器の販売や専門性の高い内容など、取り扱っている製品数が多い・パンフレットなどで詳しく説明をしたい場合にはWEBサイトから資料請求につなげる必要があります。導線整備のためにWEBサイト・LP改善をするべきでしょう。

WEB広告出稿

WEB広告出稿はWEB上に広告を出すことをいいます。まだ自社を認知していない企業へのアピールに効果的です。WEB広告には以下のような種類があります。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告
  • 動画広告

Web広告の仕組みを解説!広告の種類/特徴/効果的な運用方法とは Web広告の仕組みを解説!広告の種類/特徴/効果的な運用方法とは Web広告にはさまざまな種類があります。Web広告の初心者の方には広告の種類が多すぎて、どの広告にいくら出稿すればいいのかわかりませんよね?Web広告の種類と特徴、Web広告出稿時にやるべきことをわかりやすく紹介します。
リスティング広告とは検索エンジン上で表示される広告です。検索ワードに連動して表示されるため、ユーザーが求める情報に適しやすくクリックが期待できます。検索エンジンからの流入を増やしたい企業に適した広告です。

リスティング広告の掲載順位は入札単価・品質ランク・ユーザーからのクリック率などによって決まります。1クリックにつき広告費が発生するクリック課金型です。1クリックあたりの単価は10円~数千円と幅広く、キーワードや業種によって相場が異なります。月間費用は20万円~50万円程度です。

リスティング広告とは?特徴や費用、運用方法を解説 リスティング広告とは?特徴や費用、運用方法を解説 リスティング広告の基本的な知識から効率のいい運用方法、成果を出すためのポイントをご紹介します。

ディスプレイ広告はWEB上に画像や動画・バナーなどの形式で表示される広告です。テキストのみのリスティングに比べ目立ちやすく訴求力があります。広告枠を用意しているさまざまなWEBサイトで表示されます。

ディスプレイ広告はユーザーの年齢などの情報や閲覧履歴を分析して表示されるため、ニーズがあると考えられるユーザーを絞り込んでのアピールが可能です。単価が高い広告ほど優先的に表示されます。クリックによって費用が発生するクリック課金型と、表示された分だけ費用が発生するインプレッション課金型があります。月間費用はリスティング広告と同じく20万円~50万円程度です。

SNS広告はTwitter・Facebook・Instagramなどに表示される広告です。一般の投稿に混ざるようなかたちで表示されるため目に入る機会が多く、ユーザーの属性に合わせた表示も期待できます。

BtoBマーケティングにおいてもっともよく使われているのはFacebook広告です。数あるSNSの中でもFacebookはビジネスを目的に利用する人が多いため、まずはFacebook広告から始めましょう。最初は月3万円~5万円程度の予算設定がおすすめです。

広告の目的によっても予算相場は変わるため、Facebook広告で実現したいことを明確にしましょう。TwitterやInstagramも便利ではありますが、BtoCとしての傾向が強いためBtoBマーケティングでの優先順位は低めです。

動画広告はYouTubeなどで動画を再生するときに流れる広告です。訴求力が高く目に入る機会も多いため、印象づけることができます。ただしこちらもBtoCの色が強いため、BtoBマーケティングにおいて利用する広告としてはやや難しい部分があります。

SNSアカウント運用

SNSが非常に普及している現代において、SNSアカウント運用の運用は効果的です。BtoB・BtoC問わずSNSを利用する企業は非常に増えています。

しかし企業の公式アカウントがBtoBマーケティングで役に立つケースはそれほど多くありません。SNSの大きな特徴としてユーザー同士が気軽にコミュニケーションをとれる点が挙げられますが、企業の公式アカウントは一般顧客に対する広報としての性質が強いためです。

企業の公式アカウント同士が交流している場面を目にしたことがあるかもしれませんが、契約や商談まで発展するケースはあまり多くないでしょう。ただし企業公式アカウントを顧客企業内の個人が目にして、そこから自社に興味を持ってもらえるということはあります。

SNSアカウントを運用するのであれば、公式アカウントだけでなく役員やインフルエンサーなどが個人アカウントを運用するのも効果的です。所属している企業や自身の情報などを明らかにしたうえで、有用な情報の投稿・別企業の個人アカウントとつながるといった活動をしていきます。商品やサービスからではなく、個人から自社に興味を持ってもらいます。

よく使われるSNSは、Twitter・Facebook・Instagramなどです。気軽なコミュニケーションにはTwitterが便利でしょう。140字という文字数制限や容易な投稿・フォローシステムにより近しい距離でのやり取りができます。

参入ハードルも低く上手くいけば拡散してもらうこともできるため、大きなリターンを得られる可能性もあります。気になる企業に属する個人アカウントに、直接コミュニケーションを図りやすい点も特徴です。

Facebookはビジネス利用率が高いSNSです。ビジネス色の強い情報を発信するのであればFacebookがもっとも適切でしょう。さまざまなコミュニティも存在しており、適したものに参加できればつながりたいと思う人を見つけやすくなります。

Instagramでは写真や動画がメインであり、より視覚的な投稿に適したSNSです。写真映えする商品やサービスなどがあれば有用でしょう。ただしInstagramは無関係の個人同士がフォローし合うことはあまりないため、新規顧客の獲得には難しい面もあります。

SNSアカウント運用にはほとんどコストがかかりません。大きな効果は実現しにくいとはえ、手軽にできるマーケティング活動です。ある程度余裕ができたらSNSアカウント運用にも着手してみましょう。

プレスリリース配信

プレスリリースとは広報施策のひとつで、新商品の展開や企業体制の刷新など最新情報を発表します。自社ブログやSNSでの配信も効果はありますが、より広範囲に届けるには第三者を通じて配信するのが効率的です。最近ではPR TIMESやvaluepressのような、注目度の高いプレスリリース配信サイトも存在します。

プレスリリース配信をすることで、大手メディアやニュースサイトに取り上げられることがあります。より多くの人に見てもらえる可能性が高くなり、想定していなかった企業から問い合わせがくることもあるでしょう。そもそもプレスリリースを重視する企業は非常に多いため、プレスリリース配信の内容がキッカケで新規顧客を獲得できることもあります。

ただしプレスリリースがメディアやニュースサイトでどのように報道されるかはわかりません。意図と合わない報道のされ方や、アピールしたい部分が軽く流されてしまうこともあります。またプレスリリースの反響が大きすぎた場合は対応に追われることになってしまうため、落ち着いたBtoBマーケティングが進められない可能性も高いです。プレスリリース配信時には、以下の内容を必ず盛り込みます。

  • 興味をひくタイトル
  • 内容を要約したリード文
  • 発表した内容の特徴
  • 企業情報・問い合わせ先

このほかにも展開するに至った理由や今後の展望などを付け加えるとより良いものになります。アピールするためにさまざまな情報を記載したいと考えるかもしれませんが、冗長でわかりにくい文章になっては逆効果です。大事な部分をしっかりアピールしつつも簡潔にまつめる必要があります。

せっかく本文が良いものであっても、企業情報と問い合わせ先が明記されていなければ顧客獲得にはつながりません。忘れずに記載しましょう。広報担当者の連絡先を別記しておくことで、メディア関係者と見込顧客の連絡先を分けることができます。

また適切なポイントで画像を使うのも大切です。新商品やサービスであれば外観や特徴などを写真に載せると良いでしょう。画像を使うことでより訴求力の高いプレスリリースになり、伝わりやすさもアップします。

プレスリリースの配信を外部サイトでおこなう場合、1回の配信につきかかる費用は3万円程度です。力を入れた新商品や新サービスをより広く知ってほしい・メディアに掲載される機会を作りたい企業であれば、ぜひプレスリリース配信をしましょう。外部サイトを使用する場合は、企業向けサイトを使用すると効率的です。

フォームマーケティング

フォームマーケティングとはWEBサイトのお問い合わせフォームで営業をおこなう手法です。接点を作りたい企業のお問い合わせフォームから、自社の紹介や商品提案などの連絡をします。BtoBにおいては接点を持つということが難しいですが、フォームマーケティングならメールアドレスなどの連絡先を知らなくても確実かつ手軽に連絡が可能です。

フォームマーケティングの大きなメリットとして、メッセージを確認してもらえる可能性が高いことが挙げられます。一般のメールでは他のメールに埋もれてしまい、重要なもの以外は開封されないことも多いです。

しかしお問い合わせフォームからのメッセージなら高確率で確認してもらえるでしょう。これまで紹介してきた手法の多くが相手企業からのアクションを求めるものであるのに対し、フォームマーケティングはこちらから接点を作るという点もポイントです。

またフォームマーケティングは、意思決定者など決裁者へのアプローチがしやすいです。お問い合わせフォームからの連絡は決裁者のチェックが入りやすいため、より効率的にマーケティングを進めることができます。ただしフォームマーケティングには以下のようなデメリットもあります。

  • 一社ずつWEBサイトに訪問し都度お問い合わせフォームからメッセージを送信するため時間がかかる
  • 文字数制限にひっかかってしまう場合がある
  • 定型文をそのまま貼り付けることができず、企業に合わせた修正が必要とされる

自分から気になる企業との接点を作りにいけるとはいえ、WEBサイトを訪問しお問い合わせフォームに入力・必要に応じて文章の作成や修正など工数が必要です。費用はほとんどかかりませんが、時間と労力が求められます。フォームマーケティングで文章を送るときは、以下のような点に注意します。

  • 結論を最初に述べる
  • 自社の強みや相手にとってのメリットなどをアピールする
  • 特別感を演出し、手当り次第の営業ではないことを伝える

しっかり読んでもらうためには、読みやすくわかりやすい文章にすることが重要です。回りくどい文章ではわざわざ時間を割いてまで読む必要はないと判断されてしまう可能性があります。自社商品やサービスのメリットなども欠かせない情報です。

手当り次第の営業は心象が悪いので、真意はどうであれ「貴社だからこそ連絡しました」という特別感を出しましょう。接点を作りたいと考える特定の企業が存在するのであれば、フォームマーケティングでこちらからアクションを起こすのが効果的です。

メールマーケティング

メールマーケティングとは見込顧客に対してメールを配信し、リードナーチャリングを進めるための施策です。まったく接点のない企業と接点を持ち見込顧客にするための方法ではなく、すでに獲得している見込顧客を受注につなげるためにおこなわれます。過去に購入履歴があるものの現在は休眠状態である顧客に対し、再度の利用を促す手法としても効果的です。

メールマーケティングはとにかくコストが小さいことが大きなメリットです。リストを活用したマーケティング手法として他にも紙のDMやレター送付がありますが、こちらは消耗品費や通信費などある程度の手間と費用がかかります。メールマーケティングならコストを抑えたアプローチが可能です。

また属性によってメールの内容を変えたうえで一斉に送ることもできます。属性例として以下のようなものが挙げられます。

  • 資料請求などお問い合わせがあったものの、その後の進展がない
  • 最後の購入やアクションから一定以上の時間が経過している
  • 自社に対して良い印象を抱いており、さらに売上を獲得できる可能性がある

メール配信ツールを活用すれば、メールの開封率など数値の計測も可能です。メール配信ツールは機能や規模によりますが、1ヶ月あたり数千円~数万円で利用できます。

配信したメールがどのような成果を得られたかを数値として把握することは非常に有用なため、メールマーケティングをおこなうのであればツールの活用をおすすめします。メールマーケティングの主なデメリットや注意点は以下のとおりです。

  • 迷惑メールに格納されてしまい開封されない可能性がある
  • 反応が返ってこないことが多い
  • リストの属性によって文章を考えなおす必要がある

せっかくメール配信をしても、迷惑メールだと判断され自動的に迷惑メールフォルダに格納されてしまうことがあります。迷惑メールフォルダまでしっかり確認する企業はそれほど多くないためこうなると開封されない可能性が高いです。

メールが読まれたとしても反応が返ってこないことも少なくありません。属性ごとにリストを分けられるのは魅力的ですが、その分しっかり文章を作らなければならないということでもあります。金銭的なコストはオフラインに比べれば低いですが、労力が必要な点は変わりません。

とはいえすでに獲得している見込顧客へのアプローチとしては非常に有用です。リードナーチャリングを進めたい・リピーターを増やしたいということであれば、ぜひ取り組みたい手法です。

マーケティングオートメーション(MA)

マーケティングオートメーション(以下:MA)はすでに少し触れていますが、マーケティングに必要とされるさまざまなシステムがパッケージ化されたツールのことです。

見込顧客のリスト化やメール配信・コンテンツ作成など、幅広いプロセスについて効率化・自動化を支援します。BtoB市場におけるデジタルマーケティングの重要性が高まりつつあるなかで、より効率的な活動のためにMAが注目されています。MAを導入する大きなメリットの例は以下のとおりです。

  • 見込顧客との中長期的なコミュニケーションが容易になる
  • 見込顧客からの反応や状態などをわかりやすく管理できるため、アクションを起こすべきタイミングがわかりやすくなる
  • バラバラのツールを連携・管理する必要がなくなり負担が減る

リードナーチャリングにおいて大切なのが中長期的な関わりです。一度アクションがあったからといって放置してしまうと、その後の購入につながりにくくなってしまいます。

MAを導入すれば連絡が容易になり、さらに見込度合いについてもわかりやすくなるため効率的な連絡が可能になります。マーケティングプロセスごとに別のツールを使っていた場合は、すべてを一括で管理できるようになるためより効率化が進みます。

ただしすべてのBtoB企業にMAが適しているわけではありません。以下のような企業では持て余してしまう可能性があります。

  • 見込顧客の獲得ができていない
  • WEBコンテンツが用意できていない
  • 求めている機能が限定的

見込顧客やWEBコンテンツが少ない状態では、MAを導入しても十分に活かすことはできないでしょう。MA導入の前にやるべきことがあります。またシステムがパッケージ化されたツールなため、求めている機能が少ない企業にとっては無駄な部分が多いです。

毎月安定した見込顧客の獲得ができている・またはすでに多くの見込顧客を抱えているBtoB企業であれば有用です。定期的にコンテンツを作成できるだけの社内体制も求められます。すでに基盤ができており、BtoBマーケティングをさらに効率化したいという企業に適しています。

MAの導入や利用にかかる費用はサービスによって差が大きいです。初期費用・月額費用ともに1万円程度のツールもあれば、数十万円が必要なこともあります。高額なツールを導入しても自社に必要ないものであれば使いこなせず無駄になってしまうため、必要な機能や予算感をハッキリさせたうえで選びましょう。

アカウントベースドマーケティング(ABM)

アカウントベースドマーケティング(以下:ABM)とは、企業が特定の顧客をターゲットとしてアプローチをおこなう手法です。ここでいうアカウントとは、顧客である企業を指します。

すでに見込顧客となっている企業に対して最適なアプローチを展開することで、相手に適したより戦略的なマーケティング活動が実現できます。ABMはすべての見込顧客に対しておこなうものではありません。以下のような企業をターゲットに絞ることが多いです。

  • 売上ポテンシャルが他の顧客に比べて高い
  • 市場や業界における優位性が 高く関係を持つことに大きなメリットがある
  • 自社の理念や目的と一致している・相性が良いと感じる

ABMとは?効果と導入手法、おすすめツールを紹介 ABMとは?効果と導入手法、おすすめツールを紹介 ABM(アカウントベースドマーケティング)が日本で普及しはじめてかなりの時間が経ちました。ABMは営業の成果向上に非常に効果があるマーケティング施策です。ABMの基本からメリット、代表的なABMツールや導入事例を紹介します。
ターゲットを絞った限定的なマーケティング活動ができることが大きなメリットであるため、自社にとって大きな利益となり得る顧客を対象とします。

売上見込が100の企業に対して50のコストをかけるより、売上見込が1,000の企業に対して300のコストをかけるほうが得られる利益は大きいです。見込顧客の地位や理念なども、自社におけるその後の事業展開に影響することもあります。

ABMの主なメリットとして以下が挙げられます。

  • マーケティング活動を効率的におこなえる
  • ROI(投資利益率)の向上につながる
  • 活動によって得られた効果の測定や分析が容易

ABMではターゲットを絞り込んで徹底的なアプローチをおこなうため、効率的な活動が可能です。ターゲットが少ないためPDCAも速くなります。またROIの向上にも効果的です。売上ポテンシャルが大きい顧客なら、仮に大きなコストをかけてもROIは大きくなります。またターゲットが少ないため、効果の測定や分析がしやすい点も特徴です。

ここまで紹介してきたように、ABMはすでに獲得している見込顧客のなかから特定のターゲットを設定してアプローチを進める手法です。そのため見込顧客が少ない企業や特別力を入れたいと感じる顧客がいない企業には適していません。

ABMを進める前に、まずは必要性を検討したうえで戦略を立てます。社内の連携が必要なため関係者同士の理解や共通認識を深めることが大切です。ターゲットとなる顧客に適したコンテンツやチャネルなどを選定し、具体的なアプローチに入ります。確実な成果のために、定期的な効果測定と改善をおこないましょう。

展開する活動の内容や顧客の状況によって、費用や効果実現までの時間には差があります。特定の見込顧客からの受注を得たい企業におすすめの手法です。

【オフライン編】BtoBマーケティングのトレンド・手法

【オフライン編】BtoBマーケティングのトレンド・手法

BtoBマーケティングのオンライン化が進んでいるとはいえ、オフライン施策がおこなわれなくなったわけではありません。従来から活用されてきたオフラインでの手法には、今での十分に効果を発揮するものがあります。

オンラインだけでなくオフラインでのマーケティング活動にも意識を向けましょう。続いてはオフラインにおけるBtoBマーケティングのトレンド・手法を紹介します。

セミナー開催

セミナー開催はリードジェネレーション・リードナーチャリングにおいて効果的な手法です。セミナーには以下のような種類があります。

  • 自社による製品紹介セミナー
  • 自社ノウハウ共有セミナー
  • 顧客登壇による事例紹介セミナー

ほかにも別企業と一緒におこなう共催セミナーや、外部イベントに登壇して開催するかたちのセミナーもあります。セミナーを開催するうえで大切な要素として、以下の例が挙げられます。

  • ターゲット(自社商品への興味具合い、業界、社内での役職や担当など)
  • ニーズに合っていると思わせるための内容作り
  • KPI(重要業績評価指標:目標達成度を測るための指標)を設定

ターゲットが決まっていなければ、セミナーの内容や目標を具体的に決めることができません。まだ具体的な受注に至ったことのない見込顧客と、リピーター化の可能性がある顧客をターゲットにした場合とでは適したセミナーは異なります。

内容を練り上げることも必要ですが、セミナーは集客が大切です。1ヶ月~3週間前あたりから集客を始めましょう。メルマガのほか、公式サイトや広告などさまざまな手段を活用します。

セミナーの成果が出る時期はターゲットや状況によって異なります。セミナー後すぐに話を受ける場合もあれば、数ヶ月以上かかることも珍しくありません。定期的に効果測定や評価をおこないつつ、セミナー参加者へのフォローなどもおこないます。

イベント出展・協賛・登壇

自社が開催したセミナーではなく、外部イベントへの出展や協賛・登壇なども効果的です。BtoBビジネスの場合、展示会のようなイベントに出展することで見込顧客にアピールができます。営業担当者が参加すれば、その場で直接商談が生まれるケースもあります。イベント出展などの活動におけるメリット例は以下のとおりです。

  • 新規の見込顧客を獲得できる
  • 認知度をアップできる
  • 既存顧客のリピーター化や関係向上につながる

イベントはテーマが明確なため、自社の求めている見込顧客を見つけられる可能性が高いです。出展はせず参加する側の企業も取引先候補を見つけやすいため、効率的といえます。

営業やアピールがしやすいという一方で、出展する企業数が多いため流し見されてしまう可能性がある・印象づけが大変といった注意点もあります。印象的な内容になるよう工夫が必要です。

展示会などのイベントでは、その日のうちに商談がおこなわれることもあります。イベントで配布した資料を見て、後日連絡をする見込顧客もいます。協賛や登壇の場合は後日連絡が来るケースが多いです。

展示会の費用は出展料や広告費などを含め数十万はかかります。見込顧客に自社商品やサービスを直接アピールしたい・商談発生の機会を増やしたいという企業に適しています。

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DM・レター送付

オンラインマーケティングが発達しているとはいえ、紙のDMやレターが効果を失ったわけではありません。紙のDM・レター送付をおこなうことでリードナーチャリングを進めることも可能です。

メールの受信件数が多い企業が相手では、メールマガジンを配布しても開封してもらえない可能性もあります。しかし紙のDMなどであれば、目にしてもらえる機会は多いでしょう。実際に開封に至らせるには外観やキャッチコピーなどに工夫が必要ではありますが、メールマガジンではなく紙なら見てもらえるということもありえます。

ただしDMやレター送付は、メールマガジン配信よりも費用がかかるケースが多いです。まずDM送付までのステップは以下のようになります。

  • 宛先リストの用意
  • デザインや文章の作成
  • 印刷
  • 封筒用意~封入といったDM作業
  • 発送

紙や封筒の用意、デザインの発注などさまざまな費用がかかります。送料も自社側の負担です。件数や発注範囲によって金額に差はありますが、ある程度まとまった金額が必要と認識しておくべきでしょう。

即効性があるというよりは、顧客との継続的なコミュニケーションやフォローなどに有用な施策です。すでに顧客を多く抱えており、しっかり関係性を築きたいと考える企業に適しています。

FAXマーケティング

FAXマーケティングとはDMやレターを郵送ではなくFAXで送るマーケティング手法です。封筒用意やそれなりの送料が必要な郵送での送付に比べてコストが低く、開封されない可能性が高いメールマガジンよりも見てもらえる可能性が高いというメリットを持ちます。

またFAXの場合、発送までにそれほどの時間を要しません。コストを抑えて手軽に発送できるというのが、FAXによるDM配信の特徴です。

ただしFAXマーケティングは他の配信手法に比べてクレームの発生率が高いです。FAXマーケティングはFAXの性質上、受け取るための紙やインクを受信側である顧客が負担します。興味のある内容であれば良いのですが、顧客のニーズにまったく合わない・意味のない商品やサービスの広告では心象を悪くしてしまいます。

FAXマーケティングは、白黒で用紙1枚分の情報しか掲載できない点が大きな特徴です。簡潔にわかりやすく情報をまとめることができれば非常に有用ですが、少ない情報では足りないと考えるのであれば別の方法が良いかもしれません。

FAXマーケティングでかかるコストは1通あたり数円~数十円程度です。使いどころがやや難しいですが作成にかかる労力も小さいため、上手く活用できれば非常にコスパのよい手法といえます。

テレアポ

テレアポとはテレフォンアポインターの略で、電話で営業をかける手法です。見込顧客からのアクションを待つのではなく、こちらから直接コミュニケーションの機会を作って顧客の獲得を図ります。

オンラインマーケティングが発達した現代は特に、テレアポに対して非効率的なイメージを持たれることは少なくありません。しかし自分から情報収集を進めることにそれほど力を入れていない企業との接点を作るには、非常に効果的な手法といえます。テレアポでは以下の準備が必要です。

  • トークスクリプト(話す内容を記載した台本のようなもの)
  • リスト
  • 想定される質問とその回答

テレアポはその場で商談を発生させるためのものではなく、基本的にはリードジェネレーションを目的としています。そのため長く話をするよりは、話すべきことをしっかり決めてポイントを押さえることが大切です。効率的にテレアポを進めるためには、営業先のリストも用意しておく必要があります。スムーズな案内のために質問例も準備しましょう。

テレアポはその性質上、1人が長い時間拘束されることになってしまいます。件数をこなすには時間も人数も必要なため、他の手法を進めながらもテレアポも着手できるような、ある程度余裕のある企業におすすめです。

マス広告

マス広告とはテレビ・ラジオ・新聞・雑誌といったマスメディアで掲載される広告です。インターネットの利用率が高まったとはいえまだまだ利用者数が多く、幅広い層へ一気に宣伝ができます。

オンラインマーケティングが進んでいるとはいえ、インターネットをそれほど利用しない人も多くいます。そのためWEB広告だけではどうしても情報を伝えられない企業も存在し、そのような企業に対して自社を認知してもらうことはそう簡単ではありません。

WEB広告が届かない層の見込顧客へ情報を提供するだけでなく、目にしやすい・頭に入りやすいといったメリットもあります。WEB広告と合わせてマス広告にも着手できると、より幅広い層への認知度拡大や想起率向上などの効果が期待できます。

しかしマス広告には多額の費用が必要です。テレビCMの場合は15秒のCM1本であっても40万円程度かかり、別で制作費もかかります。ラジオCMは数万円程度ですが、音声だけの広告であるため訴求力が低めです。雑誌では100万円前後、新聞ではそれ以上の予算が必要です。

オンラインマーケティングが主流となっている現代においては、まずはWEB広告から始めるべきでしょう。オンラインでの活動がある程度進んでおり予算にも余裕があるならば、マス広告にも着手するという流れが効率的です。

BtoBマーケティングの始め方・進め方

BtoBマーケティングの始め方・進め方

顧客獲得や安定した売上のためには、BtoBマーケティングが必要不可欠です。しかし必要なプロセスが非常に多くイメージしにくい部分もあるため、何から始めればいいかわからないと考える担当者は少なくありません。

またマーケティング手法が多岐に渡りすぎており、自分たちで選ぶことが難しいという声も多いです。効率的なマーケティング活動のためには、始め方や進め方を知っておく必要があります。そこでBtoBマーケティングをどう始め、どのようなステップで進めれば良いかを解説します。

自社の課題を把握する

最初におこなうべきなのは、自社の課題を把握することです。自社のマーケティングにおいてどこが課題になっているか確認しましょう。以下のような課題例があります。

  • 集客ができておらず、見込顧客が少ない
  • 見込顧客はいるものの売上につながっていない
  • リピート率が低く優良顧客といえる企業がいない

抱えている課題によって取り組むべき手法は変わります。今回の例でいえば、集客ができていないのにリードナーチャリングに着手してはそれほど大きな意味がありません。リピーターを作る仕組みがなければ、いくら集客ができても効率的な売上は難しいでしょう。

まずはマーケティングにおける自社の課題を把握しましょう。最初に方向性を定める段階が、マーケティング活動において特に重要といえる部分です。

取り入れるマーケティング手法を選定する

課題の把握ができたら、実際に取り入れるマーケティング手法を選定します。見込顧客の獲得ができていないのであれば、まずはSEO・コンテンツマーケティングやWEB広告などで集客を進めるべきでしょう。オフラインであればイベントへの出展なども効果的です。

WEBサイトへのアクセス数があるものの実際のアクションが少なければ導線ができていない可能性があります。WEBサイトやLPの改善を検討しても良いかもしれません。

一度は購入してもらえるけれどリピートにつながらないのであれば、満足度が低い・ニーズの解決に至っていない可能性が高いです。満足度調査や分析に力を入れ、既存商品の改善や新商品の開発などを進めます。コミュニケーションが足りなければ、メールやDM配信などで接点を作り続けるようにします。自社の課題が解決できるマーケティング手法を検討しましょう。

テスト導入してみる

マーケティングの方向性が決まったとはいえ、いきなり力を入れすぎるのはリスクが高いです。最初の段階はテスト導入というかたちで進めていくことをおすすめします。

テスト導入とはいえ、手を抜いて良いというわけではありません。期限や予算を決めますが、その期間中はしっかりとマーケティング活動を進めます。マーケティングの成果が出るまでにはある程度時間がかかるとはいえ、成果が出ない手法を続けるのは非効率的です。半年程度が目安となります。

定期的に効果測定や分析をおこない、選定したマーケティング手法が適しているか確認します。成果が出ていれば引き続きその手法を進めて良いでしょう。逆に思ったような結果が出ていなければ、課題設定や選定した手法・もしくは進め方が誤っている可能性があるので改めて分析し直します。

BtoBマーケティングでの成功事例

BtoBマーケティングでの成功事例

BtoBマーケティングが上手くいった企業について知ることで、自社の成功確率を上げることが可能です。イメージの助けとなる成功事例があれば、成果が期待できる具体的な方法を取り入れやすくなります。

とはいえすべての成功事例が必ずしも活かせるとは限りません。まったく異なるビジネスモデルをとっている企業の場合は適した方法も変わってくるため、自社で取り入れようとするのは難しい可能性があります。自社のビジネスモデルに近しい企業の事例を参考にするのが効率的です。

BtoBマーケティングでの成功事例を5社紹介します。さまざまなケースを取り上げましたので、ぜひ自社で活かせそうなところを参考にマーケティング活動に取り入れてください。

コンテンツ追加やアクセス解析が効果を実現|株式会社ブイキューブ

コンテンツ追加やアクセス解析が効果を実現|株式会社ブイキューブ

株式会社ブイキューブは、企業向けのWEB会議ツールやセミナー動画の配信サービスなどを展開する企業です。社内外での円滑なオンラインミーティングやオンラインイベントの配信など、オンラインという部分を重視しています。

新型コロナウイルスにより注目度が高まったテレワーク、それから負担の削減と効率化につながるオンラインの営業活動という、デジタルが注目を集めている時代にマッチしたビジネスを展開する企業です。

株式会社ブイキューブはBtoBマーケティングとして、コンテンツ制作に力を入れました。新規見込顧客を獲得するべく、「WEB会議」のようなテレワーク関連のキーワードでコンテンツを制作し自社の保有するサイトで公開します。これらのキーワードを使用したコンテンツが検索上位表示を実現し、結果として流入数が増加しました。

サイト内のアクセス解析も大きな効果を実現させた行動です。それまではCVポイントが多すぎたため改善するべきポイントの把握すらできていなかったのですが、Googleアナリティクスを導入することでアクセス解析ができるようになりました。CVが発生するポイントや効果が出ておらず修正が必要な部分などを正しく把握できるようになったため、必要な改善ができるようになったのです。

株式会社ブイキューブはコンテンツ追加やアクセス解析というBtoBマーケティングを通して、新規のリード獲得数を10倍以上・受注率を前年当月比3倍増という結果を実現しました。

株式会社ブイキューブの公式サイトはこちら

サイト内のコンテンツ改善で問い合わせ数が3倍以上|株式会社シマテック

サイト内のコンテンツ改善で問い合わせ数が3倍以上|株式会社シマテック

株式会社シマテックはパーツフィーダーを製造する小さな企業です。パーツフィーダーとは工場の生産ラインにおいて、必要なパーツなどを一定方向に並べて次の生産工程へ搬送するための装置です。

株式会社シマテックは他社では対応できないような難しい案件も請け負うことができる非常に高い技術力を持つ企業ですが、WEBサイトを公開してからしばらくの間はサイト経由での受注はほとんどありませんでした。

WEBサイトで成果を得られていないという課題を解決するため、まずはどこに問題があるかの把握からおこないました。正確な情報や具体的なデータを集め分析するうちに、公開しているコンテンツに課題があることがわかります。

株式会社シマテックは高い技術力を持つ故に、一般的には難易度が高くわかりにくい部分が多く存在しました。そのため製造業者としての感覚で制作していたコンテンツは、顧客となり得るような一般人である企業担当者には理解されにくかったのです。せっかくの高い技術力が伝わらず、WEBサイトのコンテンツを見た人を受注につなげることができていませんでした。

またターゲットや他社製品と比較したときの違い・注文の仕方・購入することで得られるメリットなどもはっきり明記されていませんでした。これらの課題を改善するために、既存コンテンツの修正や動画などわかりやすいコンテンツの追加などをおこないます。これらの活動が実を結び、売上が1年間で1.7倍になり、東証一部上場企業からの注文増加が実現されました。

株式会社シマテックの公式サイトはこちら

デジタルマーケティングの積極展開|キヤノンマーケティングジャパン株式会社

デジタルマーケティングの積極展開|キヤノンマーケティングジャパン株式会社

キヤノンマーケティングジャパン株式会社は日本国内でキヤノン製品の販売やサポートをおこなう企業です。プロジェクターや複合機などさまざまなオフィス機器を取り扱っています。展開する製品の数が多く幅広い点が強みですが、一方で課題をもたらす原因でもありました。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社が抱えていた課題のひとつが、営業担当がすべての製品を紹介することができないという点です。営業担当が企業へ訪問し製品を紹介・販売する手法をとっているなか、取り扱っている製品数に対して営業担当が足りていませんでした。またWEBサイトで製品を検討したうえで製品を購入するパターンが増えたため、従来の手法とは別の対応が必要と考えられるようになります。

そこでおこなったのが、デジタルマーケティングの積極的な展開です。営業担当者の負担軽減とWEB上での製品アピールの両方を実現するために、デジタルマーケティングが効果的と考えられました。これまで以上にPDCAサイクルを回す機会が増えたため時間がかかるようにはなったため不安を感じることもあったようです。しかしデジタルマーケティング施策をおこなうことで、PV数・CV率ともに伸びる結果となりました。

デジタルマーケティングではWEBサイトの運営やコンテンツの制作など、即効性は得られない施策が必要です。しかしスピード感のみを意識するのではなく、将来的な成果という点で非常に効果的です。キヤノンマーケティングジャパン株式会社では、プロジェクター分野でのCVが前年当月比2.6倍、A4レーザー複合機ではECサイトにおける販売数20%アップという結果を成し遂げています。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社の公式サイトはこちら

ターゲットの明確化やマッチングシステムの活用|豊田通商株式会社

ターゲットの明確化やマッチングシステムの活用|豊田通商株式会社

豊田通商株式会社はトヨタグループ唯一の商社で、自動車関連事業を主軸としながらさまざまな事業に展開しています。高いアンテナ機能やグローバルな視点を活かし、新規事業の推進をおこなう企業です。今回紹介する事例は、グローバルな分野に関わる内容です。

豊田通商株式会社は、米国でトップシェアを占める「ビッグアスファン」という製品の輸入販売を開始しました。この商品は天井が高く広い空間にも効率的に風の対流を作り、熱中症予防や空調コスト削減などを実現する大型のシーリングファンです。

しかし輸入販売をはじめた頃は日本における認知度がゼロという状態でした。そのためWEBサイトの運営やカタログの展開などさまざまな販促活動をおこないます。これらの販促活動は良い反響を得られたのですが、実際に購入するという段階にはなかなか進みませんでした。

売上に結びつかないという課題を抱えるなか、BtoB製造業向けのマッチングサイトから提案を受けます。これまではターゲットの絞り込みをせず、問い合わせを受けてからはじめてカタログの郵送・営業担当者が訪問して説明という方法をとっていました。しかしマッチングシステムの導入により、商品のカタログをダウンロードした見込顧客を営業の対象にするといった効率的な方法が可能となりました。

認知度が低い状態の製品を広めるには時間がかかりますが、見込顧客を洗い出しターゲットを絞り込んだアプローチができれば高い確率で成果を実現できます。販売台数を毎年およそ1.5倍ずつ増やすという結果を出しました。

豊田通商株式会社の公式サイトはこちら

ビッグワードでのSEO最適化が成功|株式会社グローバル・リンク・マネジメント

ビッグワードでのSEO最適化が成功|株式会社グローバル・リンク・マネジメント

株式会社グローバル・リンク・マネジメントは、資産運用目的とするマンションの土地仕入から管理といった必要な行動を一貫してサポートする企業です。不動産ソリューションとITをかけ合わせたサービス展開をおこない、ユーザーのニーズに沿った需要の高い事業を進めています。

株式会社グローバル・リンク・マネジメントではマンション運用や不動産投資に関するさまざまな事業を展開していますが、大きなフロー収益として卸売業者向けの建物卸といったBtoB事業が挙げられます。不動産デベロッパーへの土地売却や不動産販売業者への土地・建物売却など、BtoBの販売チャネルとしての役割を持つ企業です。

デジタルマーケティングの注目度が高まるなかで、オウンドメディアのへの注力を勧めることになります。そこで流入数を獲得するためにはどうしたら良いのかを考えるようになりました。見込顧客の最大化とリード獲得のために、流入数は欠かせないポイントです。

流入数獲得のために、コンテンツの強化をおこないました。毎月の配信本数目標を定め、良質なコンテンツ制作のために工夫を進めます。結果として「不動産投資」といった自社コンセプトに適合したビッグワードの検索上位表示が実現され、検索エンジンからの流入数も安定するようになったのです。

ビッグワードでの検索上位表示というのは、検索エンジンからの流入増加において非常に効果的です。仲介業者からの問い合わせ数や新規契約数が安定しているのは、SEO最適化の成功が大きな理由といえるでしょう。BtoBマーケティングにおいて、まずは知ってもらうことが必要という意識は欠かせません。

株式会社グローバル・リンク・マネジメントの公式サイトはこちら

BtoBマーケティングにおすすめの本

BtoBマーケティングにおすすめの本

BtoBマーケティングはトレンドの移り変わりが早いうえ、日に日に高度化されています。そのため最新の動向を掴みながら、時代に合わない部分やトレンドの活用など修正や対応が必要です。

その一方でBtoBマーケティングを専門分野とし、BtoBマーケティングのプロとして起業支援をする人もいます。そのような人が持つような知識は普遍的で実用性も高いです。

BtoBマーケティングの知識を本から習得することで施策の成功確率を上げることができます。BtoBマーケティングを学ぶにあたっておすすめの書籍をいくつか紹介します。

デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』「潜在リード」から効率的に売上を作る新しいルール

デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』「潜在リード」から効率的に売上を作る新しいルール

「デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』「潜在リード」から効率的に売上を作る新しいルール」は竹内哲也氏著作・志水哲也氏監修の書籍です。この本の特徴は、少人数で効率良く売上を実現させるためのBtoBマーケティング施策に特化している点です。

見開き片面図版の構成となっており、初心者でもわかりやすく書かれています。基礎的な部分はもちろんのこと、具体的な事例を交えながら実践的な手法についても触れています。基礎から実行まで一連の勉強ができる本です。これからのマーケティングにおいて必要とされる統合的なマーケティング手法についても学べます。

当記事の「BtoBマーケティングの市場」部分で触れた、MAの活用法についても記述されています。BtoBマーケティングについて幅広く勉強することができる書籍です。以下のような人にぜひお読みいただきたい本です。

  • BtoBマーケティングを基礎からしっかり学びたい
  • 少ない人数で効率的に売上を伸ばしたい
  • 成果を実現できる具体的かつ実践的な手法を知りたい

書籍が購入できるページをいくつか紹介します。

Amazon
楽天ブックス
翔泳社

[デジタル+オフライン]BtoB企業のためのマーケティングコンテンツ制作ガイド

[デジタル+オフライン]BtoB企業のためのマーケティングコンテンツ制作ガイド

「[デジタル+オフライン]BtoB企業のためのマーケティングコンテンツ制作ガイド」は宮﨑晃彦氏著作の書籍です。著者は15年にわたりBtoBマーケティング・セールスプロモーションに携わってきました。そのため具体的な事例や実際に活かせるノウハウなどが多く載っており、実際のBtoBマーケティングに活かしやすい内容となっています。

従来型のマーケティング手法は非効率で属人的な要素が強いです。それらをアップデートし、仕組み化を実現するための手法を多く取り扱っています。企業が抱えがちな課題例やその対策方法など、すぐに活かしやすい内容が揃っています。

以下のような人にぜひお読みいただきたい本です。

  • デジタルツールを導入したものの成果が得られていない
  • 営業方法などマーケティング活動を刷新したいものの、必要性が伝わらず経営層が非協力的な態度
  • 外注している営業資料のクオリティやコストなどに不満を覚えている

書籍が購入できるページをいくつか紹介します。

Amazon
楽天ブックス

BtoBウェブマーケティングの新しい教科書 営業力を比較させる戦略と実践

BtoBウェブマーケティングの新しい教科書 営業力を比較させる戦略と実践

「BtoBウェブマーケティングの新しい教科書 営業力を比較させる戦略と実践」は渥美英紀著作の書籍です。この書籍ではBtoBマーケティングについて、WEB分野について学ぶことができます。WEBサイトのリニューアルやWEBマーケティングツールの活用は効果を得やすい施策ではありますが、これだけで完結しては具体的な効果は得られません。

この本をしっかり読むことでBtoBのWEBマーケティングに関する基本的な内容から具体的な実践方法まで、成果を得るために必要な内容を総合的に理解することが可能です。これからマーケティングをはじめる初心者から、効果を感じないため改善したいと考える担当者まで使えます。

以下のような人にぜひお読みいただきたい本です。

  • 顧客の求めるようなWEBコンテンツを制作したい
  • WEBサイトで思うような成果が出ていないため改善したい
  • BtoBのWEBマーケティングについて正しい知識をつけたい

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BtoBマーケティングのまとめ

BtoBマーケティングは、顧客獲得から継続利用といった商品・サービスの売上向上に関する全般的な活動を指します。自社を知ってもらい選んでもらうには、しっかりとした戦略のもとで継続的な施策実行が必要です。
BtoBはBtoCと比べ、意思決定までにかかる時間や顧客との関係の深さなどさまざまな点で違いがあります。そのためBtoBマーケティングへの理解や適した手法に関する知識がなければ、効果を実現させるのは難しい可能性が高いです。
今回の記事で紹介したBtoBマーケティングの進め方や手法などをぜひ活かしていただければと存じます。とはいえBtoBマーケティングは難しく、押さえるべき点も多いです。そのため進めるにあたって不安を感じたり、頻繁に疑問が生まれてしまったりするのはどうしても仕方のないことでしょう。
もしBtoBマーケティングでお困りのことがあれば、ぜひ株式会社ニュートラルワークスへご相談ください。BtoBマーケティングのプロであり多くの企業様におけるサポート経験を持ちます。すべてを抱え込んで解決しようとするのではなく、外部を頼り効率的に解決するのも大切です。
BtoBにおける事例はこちらをご覧ください。BtoBマーケティングが上手く進み、良い成果が出るよう全力でサポートいたします。

BtoBマーケティングのよくあるご質問

BtoBマーケティングとは?

BtoBマーケティングとは、その名のとおり企業間における取引であるBtoBに特化したマーケティングです。企業向けの自社商品やサービスが選ばれるよう、選ばれる仕組みを作るために戦略立てて活動します。

BtoBマーケティングの役割は?

マーケティングという言葉は、新規見込顧客の創出から契約に至るまでの範囲を表すものとします。この定義で考えると、BtoBマーケティングは新規見込顧客である企業を創出し実際に契約を結ぶまでの役割を示す言葉です。

BtoCマーケティングとの違いは?

BtoBとBtoCでは、プロダクトにおける違いがもっとも明確です。BtoBでは企業向け商品やサービス、BtoCでは個人向けを取り扱います。

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監修者紹介

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

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