マーケティング戦略がうまくいかない、WebサイトのCVRがよくないといったお悩みをお持ちのマーケティング担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんなときは「リードジェネレーション」と「リードナーチャリング」を検討すべきです。
そもそも、「リードジェネレーション」とはどのようなものなのか、その意味は?など、リードジェネレーションの基本的な知識を解説します。また、リードジェネレーションと併せてよく使用される「リードナーチャリング」の意味と、それぞれの違いについてもみていきます。
それらを踏まえた上で、Web広告、SNS、メール、イベントなど、リードジェネレーションの具体的な手法についても紹介します。リードジェネレーションを積極的に実践し、より強いマーケティング戦略を打てるようになりましょう。
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目次
リードジェネレーションとは?
最初に、リードジェネレーションとは、どんな意味なのかといった基礎的な知識から解説します。リードジェネレーションをとらえる際のポイントについても紹介します。
リードジェネレーションとは、見込み客を創出すること
リードジェネレーションとは、「自社の商品・サービスに興味関心のある見込み客(リード/lead)を、創出すること(ジェネレーション/generation)」という意味を示す言葉です。
リードジェネレーションを理解する際のポイントは、「不特定多数の顧客」ではなく、「自社の製品・サービスに関心を示す個人や企業」を獲得していくための手法として用いられるという点です。
リードジェネレーションのポイントとは?
リードジェネレーションの手法のひとつに「メール配信」があります。以前のメール配信というと、不特定多数の人に大量のメールを送りつける手法でしたが、リードジェネレーションでは、「自社に興味があるリードに対してメール配信を行う」という点がポイントといえます。
大量の情報があふれている現代では、一般大衆向けに作られたような情報には、顧客はもはや見向きもしません。顧客自体の情報リテラシーが向上しているのです。
このような社会では、「リード」を意識したマーケティング戦略が必須です。その代表格となるのが、自社の商品やサービスに興味があるリードだけにターゲティングして、何らかのアクションを行う「リードジェネレーション」。うまく実践できれば、効率的なリード獲得につながります。
リードジェネレーションとリードナーチャリングとの違いとは?
リードジェネレーションと似たようなマーケティング用語に「リードナーチャリング」があります。これらは、マーケティング戦略を考えていく上で、非常に重要な概念といえます。リードジェネレーションとリードナーチャリングの違いやポイントについて解説します。
リードジェネレーションとリードナーチャリングとの違いとは?
「リードナーチャリング」とは、「リードジェネレーションのワークフローで集めた見込み客(lead/リード)を、中長期的な視野で育てていき(ナーチャリング/ Nurturing)、最終的に商品やサービスの購買や取引につなげていくこと」を意味しています。
「リードジェネレーション」との違いは、リードを「generation」=「獲得する」ことではなく、リードジェネレーションですでに獲得したリードを「Nurturing」=「育てていく」という点です。
具体例で示すと、商品の購入には至っていないがWeb広告からメール登録をしてくれたリード(=リードジェネレーション)に対して、定期的なメール配信で商品への興味を深めてもらったり、キャンペーンを周知して購入につなげたりする(=リードナーチャリング)こと、といえるでしょう。
リードジェネレーションとは?リードナーチャリングとの違い、手法を解説
リードナーチャリングのポイントとは?
リードナーチャリングを考える際のポイントとなるのは、「自社の商品やサービスに対する興味や関心、商品購入に対する意欲の違いに応じて、適切なアプローチを継続的に行う」という点です。
以下A~Cの例で考えてみましょう。
- A:Web広告から自社サイトへ訪問してくれてたリード
- B:Web広告閲覧後、数回にわたり自社サイトを訪問しているリード
- C:自社サイトへの数回の訪問後、メール配信に申し込んでくれたリード
これらの例の場合、購入意欲はCが最も高く、確度の高いリードと分類することができます。この場合、まずはCの購入への関心を高め、最終的に収益に結びつけることを意図しています。
例えば、リードへのメール配信、事例紹介、テレアポ、社内レクチャーなどが挙げられるでしょう。見込み客を作るのがリードジェネレーションの役割で、見込み客を商品やサービスを購入してくれる顧客へと育成するのがリードナーチャリングです。
リードナーチャリングとは?見込み客を育成する手法と事例を解説
リードジェネレーションの具体的な手法とは?
見込み客の獲得はどのように行われるのでしょうか。このパートでは、リードジェネレーションの主要な手順を詳しくみていきます。
Web広告
Yahoo!JAPANなど、アクセス数の多いポータルサイトでのビジュアル広告をはじめ、さまざまなWeb広告があります。Webサイトを活用するユーザーであれば頻繁に目にするため、Web広告の活用はより多くのユーザーに認知してもらうために有効でしょう。
しかし、ユーザーが広告に興味を持たなければ、逆にネガティブな印象を与えてしまうため、必ずしも会社の売上や評価向上につながるわけではありません。
ユーザーの目を引き、ターゲットに見てもらいやすくなるのか、また、嫌悪感を抱かれない内容になっているのかなど、設置場所や表示方法などにも気を配る必要があります。
SNS(ソーシャルメディアネットワーク)
Twitter、Instagram、Facebook、TikTokなどの媒体を使った方法です。SNSでは、「フォロー&リツイートキャンペーン」など、リードに直接アプローチして関係性を構築する手法も簡単に行えるのが特徴のひとつです。企業独自のプロモーション方法で、自社の商品やサービスをPRすることができます。
また、より多くのユーザーにリーチするために、SNS上で広告を展開する方法も、多くの企業が導入しています。
ただし、フォロー&リツイートのようなキャンペーンでは、単にインセンティブを求めただけの確度の低いユーザーも混在します。そのため、最終的なコンバージョンにつながる質の高いリードを獲得するための施策を練ることが重要です。
メール配信
メール配信は、個人または企業に対して、ホワイトペーパーやノウハウなどを発信していく施策です。
メールによる継続的なコミュニケーションで、見込み客の課題解決に役立つ知見を提供し、関係育成ができます。メールマガジンを潜在的なビジネス収益に変えていく仕組みのひとつといえるでしょう。
しかし、メールという手段は、ときに迷惑メールに分類されてしまうなど、「自社からのメール配信を許可しているユーザー」にアプローチが限定されることも事実です。
興味のあるユーザーには有益な情報として届きますが、興味を持たない、自社をまだ知らない潜在的なユーザーには届きにくいというデメリットがあります。
リード獲得とは?見込み顧客の集める方法やリード獲得の施策や手法を解説
DXやデジタルマーケティングの導入により、リードの獲得方法が変わりつつあります。新型コロナウィルスの影響もあり、従来型のマーケティング手法ではリードの獲得が難しくなりました。オンラインとオフラインのより効率的なリードの獲得方法について解説していきます。
ホワイトペーパーとは?作り方と目的、デザインサンプル事例
電話
電話は、顧客獲得に長年使われてきた代表的なリード獲得手法です。売り込みたいものに対し検討期間中である潜在客に接触できれば、リードナーチャリング、商談・販売へと迅速に進められるでしょう。
ネット広告とは異なり、人材とターゲットの電話番号を準備できれば比較的容易に始められるというメリットがあります。しかし、迷惑電話に思われるなど、コンバージョン率の低さは否定できません。
セミナー・展示会・イベント
オフラインでのセミナー、展示会、イベントという施策は、最も一般的なリーディング活動のひとつです。大規模な展示会であれば、何百、何千というビジネスコンタクトを得られます。来場したリードは、同じイベントに出展している競合他社と比較することを前提としていますが、会場に足を運ぶという具体的な行動に出ているため、商品購入より手前の「商談の申し込み」段階を含めたコンバージョン率は、平均して5〜10%程度は確保できるとされています。
一般的なリスティング広告のコンバージョン率が、2~6%前後といわれているので、リード獲得率は比較的よいほうといえるでしょう。
しかし、展示会ブースへ出展するにあたっては、多くの出展費用がかかり、人的リソースの確保も必要です。比較的小規模なセミナーやイベントであっても、費用面はもちろん、場所の確保やパンフレットなど事前準備にも一定のリソースを割く必要があります。そのため、Web広告と併用してバランスのよい運用を目指すのが得策といえるでしょう。
SEO対策
SEO対策とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、自社のコンテンツが上位表示されるために行うマーケティング施策のひとつです。Webサイトの検索結果として、上位表示させることができれば、潜在的なリードの目にとまりやすくなり、サイトへの訪問者数の増加、自社の認知向上、ブランド力の強化などを見込めます。
リードジェネレーションがうまく進めば、、ホワイトペーパーのダウンロードや、問い合わせにつながります。その際に入力してもらった情報こそ、新規のリード情報となるのです。
SEO対策の中でもコンテンツ施策は、コンテンツ内容を自社で定期的にメンテナンスすることで、コストをかけずに一定の集客とリード獲得を見込めます。しかし、SEO対策の効果として、検索エンジンの評価を得て上位表示されるまでには数カ月から1年程度かかるというデメリットについても考慮しなくてはなりません。
SEO対策でやることとは?初心者向けに分かりやすく解説
この記事では、「SEO対策」とはどういうものかを初心者の方でも理解できるように解説します。SEO対策の基本情報や押さえておくべきポイント、具体的な対策方法なども織り交ぜて解説するので、ぜひ参考にしてください。
リードジェネレーションを行う上での注意点
リードジェネレーションの成果を確かめる目安や、実際に考えるべきポイントを紹介します。
目的やターゲット、KPIの明確化
どのようなマーケティング施策でもいえることですが、より的確な効果を得るためには、キャンペーンの目標と評価指標を明確にすることが重要です。
リードジェネレーションに置き換えた例で説明しましょう。キャンペーンにおいて、リードの移動先ごとにキャンペーンの目標にあった中間点のKPIを設定し、リードの移動推移を追跡します。その移動先で見られたリードの行動履歴や、コンバージョン率などを評価指標とします。その中で、よりよいコンバージョンにつながったキャンペーン内容や目標を、今後の成功例として蓄積していくといった方法などがあります。
リードの移動先、獲得目標としては、ホワイトペーパーのダウンロード数、問い合わせや資料請求の数など、購入や申し込みといった最終的なコンバージョンに至るまでに踏むべきマイルストーンについても設計することがポイントです。
このコンバージョンポイントは、マーケティング施策が商談や受注という最終目的の達成に役立っているかどうかの見極めに有効であるため、リード育成の評価指針として大いに活用できるしょう。
個人情報を活用した効率的な運用
顕在的なリード、いわゆる見込み客に対応する場合、顧客の購買行動の流れ(カスタマージャーニー)を描くことが重要です。自社に興味を持ったリードが、どのような体験を必要とし、どのような感情の変化を経て最終的に顧客となるのか、その手段の整理から始めましょう。
BtoB企業の場合、購買決定までのプロセスには複数の人が関わり、検討のために一定の時間を必要とします。ターゲットとしている企業規模、発売する商品の価格帯などによって、購買決定までにかかる工程数や期間が異なることをふまえ、自社のターゲットに合わせたサイクルを構築していきましょう。
BtoCの場合であっても、カスタマージャーニーを描く重要性に違いはありません。何がきっかけで自社の商品やサービスに興味・関心を抱いたのか、行動に至ったきっかけは何だったのかを詳しく調べ、成功情報として蓄積していきましょう。
リードジェネレーションだけに固執しない
潜在層も含めたリードを集めるリードジェネレーションという施策は、自社の発展を支える顧客を継続的に確保するために必要不可欠な考え方といえます。
しかし、顧客心理を無視するような強引なWeb広告や、SNSキャンペーンはかえって顧客離れを引き起こします。
メールや展示会で、自社商品の宣伝や社員の想いのような企業寄りの情報ばかりを提供するだけでは、リード獲得にはつながりません。「ユーザーの興味・関心を高めるために必要な情報は何か」を考え、適切な情報を適切な顧客に提供する施策が求められます。
リードジェネレーションという考え方に固執してしまうと、思わぬ失策につながるので、注意が必要です。
リードジェネレーションはユーザー視点で
潜在的リードの獲得、見込み客の獲得を目指すリードジェネレーションという施策においては、まだ獲得できていない潜在顧客との接点を作るべく、Web広告やSNS、展示会やセミナーといったさまざまなチャネルの活用が必須です。
そのとき忘れてはならないのが、ユーザーが何を求めているのかという視点です。なぜなら、ターゲットとなるリードの嗜好や考えに合う情報やサービス、商品の提供ができていれば、リードは増えていくはずだからです。
もしも、リードジェネレーションが難航しているのであれば、ターゲットや目標、KPIが、自社やターゲットとマッチしているかどうかを見直してみましょう。目標やKPIが、過去の慣習に基づいた古い概念のものであったり、数字やロジックを根拠とせず感覚的に決めたものであったりすることで失敗しているケースは少なくありません。
最新データに基づいた根拠のある目標やKPI、カスタマージャーニーを設計し、自社の発展につながるリードジェネレーションを実現させていきましょう。
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