株式会社ニュートラルワークスでは、WebマーケティングやSEOに関するさまざまな知見をセミナー(ウェビナー)を開催して発信しています。今回はニュートラルワークスCMOである石田が、2年半で63.5倍にまでCV獲得数を増やした最新の成功実績を使い「BtoBサイトで劇的に成果を上げる改善手法」について解説します。
BtoBマーケティングには勝ちパターンがあります。そこで必要となる「BtoBサイトで成果を出すための考え方」と「具体的な手法」を紹介。BtoBマーケティング施策のご担当者や、自社のサイト改善に取り組んでいる事業担当者の方には必見の内容となっています。
※本記事は、2023年3月9日に行われた「2年半で獲得数63.5倍!BtoBサイトで劇的に成果を上げる改善手法」のセミナー(ウェビナー)講演内容から、本題となる部分を抽出・編集して記事化しています。
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石田 哲也氏(株式会社ニュートラルワークス 取締役 CMO)
神奈川生まれ、高校卒業後に起業、SEOのみで事業を軌道に乗せる。
SEO以外のマーケ手法を学ぶため、ネット広告代理店にて、広告コンサルタントとして従事。スマホ市場の成長性を鑑みて、複数のアドネットワークやサービス立ち上げ、ゲーム会社にてゲームプロデューサーやマーケからアライアンスまで幅広い範囲を経験。2018年に地元へ戻り、ニュートラルワークスに入社。
目次
マーケティングファネルとは?基本となる考え方
今回のメインテーマは「マーケティングファネル」の理解です。コンテンツSEOや広告など、いろいろなマーケティング手法がありますが、コンバージョン獲得に至るまでの経路をきちんと理解した上で、それに対して適切な対応をしていくことが、BtoBマーケティングにおいて非常に重要なポイントになっています。「サイト改善」など、Webサイトにおける成果を出していくために共通する重要な部分について、さっそく解説していきます。
マーケティングファネルとは?基本の考え方
マーケティングファネルを理解するためには、「マーケティングファネルの基本的な考え方(上記図)」を理解することが重要です。
そもそも、マーケティング施策で良く聞かれる「CVR(コンバージョンレート:コンバージョン獲得率)」とは、どういった意味、定義をもった言葉なのでしょうか?
そもそもCVRとは?
CVRとは、「Webサイトへの流入数」に対して、「CV(コンバージョン:上記図の一番下)」がどれぐらいの割合で発生しているかを知るための大切な指標です。
一方で、CVRは、あくまで大まかな指標のひとつであるととらえるのが、実は適切なのです。
「CVまで導く」という考え方
CVとは、一般的に「商品購入」「商談決定」など最終的な成果だけをイメージしがちです。しかし、実際のところ、ユーザーはWebサイトに流入してから、すぐに商品を購入するのではなく、さまざまなページに遷移します。
Webサイトの改善で非常に重要なポイントとなるのは「ユーザーは遷移する」という点を意識しておくこと。その過程の中で、最終的に狙うべきコンバージョンまでいかに離脱させないで「CVまで導く」のかという点なのです。
「CVまで導く」という考え方こそ、Webサイトの改善において非常に重要な事柄であり、CVRだけにとらわれ過ぎてはいけないという理由でもあります。先ほど紹介した図を使って、それぞれ詳しく説明していきましょう。
マーケティングファネルにおける流入とは?
マーケティングファネルにおける流入(セッション)の計算式
流入=表示回数×クリック率
マーケティングファネルにおける流入とは、「セッション」のことを指しています。ここでいうセッションとは、「どれぐらいのユーザーがWebサイトに流入してきているか」「どのようなユーザーが流入したか」を示す数値です。
自社のWebサイトが「表示された回数」に対して、実際に「クリックされた率」を掛けることで算出できます。
表示回数とは?
ここでいう表示回数とは、「広告の表示回数(インプレッション)」や、「Google検索における上位表示(コンテンツSEOなど)」など、Webサイトがどれくらい露出されているかを意味しています。
クリック率とは?
先ほど示した表示回数に対して、ただ、表示されただけでなく、実際にどれくらいクリックされて、Webサイトへ遷移しているかを示す数値です。
クリック率について、SEM(Search Engine Marketing:検索エンジンマーケティング)の視点で捕捉すると、Webサイトやコンテンツの内容よりも、広告文やタイトル、ディスクリプションなど、検索エンジン上で表示されたときに、ユーザーが瞬間的に目にする入口部分の表現や文言が、大きく影響して成果が大きく変わるのが特徴です。
マーケティングファネルにおけるエンゲージメントとは?
マーケティングファネルにおけるエンゲージメント(数)の計算式
エンゲージメント(数)=セッション数×エンゲージ率
エンゲージメントについて、簡略化して説明すると、「Webサイトに流入したユーザーがすぐにサイトを離れることなく(直帰せずに)、Webサイトやページをきちんと閲覧している状態かを図るための指標です。
ここで大切になる視点店は、「いかにきちんと閲覧してくれるユーザーを増やすか」です。そのために行うべきこととしては、「ファーストビュー(FV)の最適化」といった施策が挙げられるでしょう。具体的な内容は、後ほど解説します。
エンゲージ(エンゲージメント)率とは?
「いいね」など、Webサイト、Facebook、Instagram、Twitter上で、なんらかの反応をしてくれた割合を指します。媒体によって分母や分子は異なりますが、一般的には、以下のような計算式で求められます。
エンゲージ(エンゲージメント)率=エンゲージメント総数÷リーチ数×100
マーケティングファネルにおけるフォーム遷移とは?
マーケティングファネルにおけるフォーム遷移(数)の計算式
フォーム遷移(数)=エンゲージメント数×フォーム遷移率
フォーム遷移(数)とは、流入(セッション)したユーザーが、フォーム記入のページまで遷移できているかを指す数値です。「お問い合わせフォーム」「資料ダウンロードフォーム」、ECサイトであれば「カート」などが、それに当たるでしょう。
フォーム遷移数は、前述した「エンゲージメント数」に対して、「フォームへの遷移率」を遷移率を高めていくことで増やせます。フォーム遷移(数)も、非常に重要な指標になるので、注目していきましょう。
マーケティングファネルにおけるCVとは?
マーケティングファネルにおけるCVの計算式
CV=フォーム遷移数×入力完了率
ここで示す「CV(コンバージョン)」とは、「フォームに遷移したユーザー数」に対する「入力完了率(最後まで入力したユーザーの割合)」を指しています。
マーケティング施策でいう「EFO(Entry Form Optimization:エントリーフォーム最適化)」にあたる部分といえるでしょう。フォームの最適化を図ることで、「入力完了率」を上げていこうというのが、この段階でのポイントとなります。
CV・CVRを高めるために重要なマーケティングファネル施策
これまでの話をまとめると、CVRは重要な指標ではありますが、あくまで流入数(セッション)に対して、どれくらいCVがあったかを示す大まかな数字ということができます。
「CVRを上げたい」といったご相談をよく受けますが、そのために必要なのはCVやCVRの数値の上下に注目するのではなく、「流入」~「エンゲージメント」~「フォーム遷移」という途中過程を最適化していくことが、とても重要になってくるといえるのです。
「流入」における「リスティング広告」施策事例
マーケティングファネルの「流入」段階における有効な施策について、ニュートラルワークスの事例を使って紹介していきます。
まずは「流入」の質を高める
マーケティングファネルの「流入」という最初の段階で取るべき、最新の施策事例とは「質の高い流入の最大化」です。
質の高い流入とは、「良いユーザー」の流入を意味します。具体例でいえば、たまたま通りかかったユーザーやなんとなく見ているだけのユーザーではなく、サービスなどをすでに検討している「サービス検討ユーザー」などを指します。
広告施策やSEO施策などを使って、このような良いユーザーを多く集めてくることがマーケティング施策として非常に重要です。ニュートラルワークスで実際に取り組んで成功しているリスティング広告の事例を紹介しましょう。
リスティング広告で質の高い流入を担保するコツ
質の高い流入を確保するのに、「リスティング広告」は有効な施策です。それは、リスティング広告からの流入で直接CVが狙えたり、ユーザーの遷移歴といった戦略的な調査を行えるからです。リスティング広告における有効な施策事例は以下の通りです。
潜在層が検索するキーワードで出稿
リスティング広告では、キーワード選定がとても重要になってきます。それは、ユーザーのモチベーシンによって検索キーワードが異なるため、似たようなキーワードであっても、「潜在層」「顕在層」など、検索するユーザー層が変わるためです。
「サービス検討ユーザー」のような質の高いユーザーを集めるためには潜在層ではなく、「顕在層」が集まる検索キーワードで広告を出稿するのがポイント。この視点をもってキーワードを選ぶようにするのが、コツです。
軸キーワード×掛け合わせで効果アップ
業界や業種によっても異なりますが、「顕在層」である質の高いユーザーに効果が高いキーワードとは、軸となるキーワードに、エリアやアクションなどを掛け合わせた「2語のキーワード」です。
良いユーザーにリーチする検索キーワードの具体的な組み合わせ例は、以下の通りです。
・軸ワード×エリア
例:旅行×沖縄/ツアー×北海道
・軸キーワード×アクション
例:リスティング広告×運用代行/SEO×コンサルティング
広告文でユーザーを絞り込む
リスティング広告における広告文を考えるときに大切なのは、「広告に対するユーザーの期待値」に対して、「広告文がユーザーの期待値に応えられているか(超えているか)」という視点です。なぜなら、ユーザーの期待値を超えていない広告文では、ユーザーの直帰率が非常に高くなる傾向があるからです。
しかし、このような傾向を逆手にとるような戦略が「広告文で意図的に質の高いユーザーを絞り込む」という施策です。
例えば、旅行会社のリスティング広告文の中に「価格は19,800円〜」と記載すれば、19,800円以下で検討しているユーザーは、流入を控えます。
リスティング広告では1クリックごとに広告費がかかるため、広告文で意図的に良いユーザーに絞り込むという施策はとても有効。無駄な流入や広告費を省いて、有効な流入だけを増やすことを可能にするのです。
リスティング広告とSEOの関係性を理解する
あまり意識されない業界の方も多いのですが、「リスティング広告」と「SEO」はとても相性がいい関係性があるといえるのです。
リスティング広告で成果が発生しているキーワードというのは、実は、SEO対策として活用しても、条件がそろえばほぼ確実にSEOでの成果が見込めるキーワードといえます。
以下のようなリスティング広告とSEOの関係性を理解して、効率的なSEO施策へとつなげていきましょう。
リスティング広告とSEOの関係性
可能性のあるいろいろなキーワードや掛け合わせキーワードで「リスティング広告」を配信
↓
それぞれのキーワードごとにデータを分析
↓
リスティング広告で「獲得できている(成果の出ている)キーワード」をピックアップ
↓
「獲得できているキーワード(成果の出ている)キーワードを活用して、SEO施策へと展開
↓
SEOの上位表示など、SEOでの成果獲得を狙う
SEOとリスティング広告の違いとは?使い分けと考え方を解説
Webサイトの集客にはSEOもリスティング広告も欠かすことはできません。では、SEOとリスティング広告をどう使い分ければいいのでしょうか?それぞれの特徴から使い分け方法をわかりやすく解説します。
リスティング広告だけで対策は十分?不十分?
リスティング広告で効果が出るなら、「リスティング広告だけで十分では?」といわれる方が多いです。
しかし、ニュートラルワークスが行った「約7割が広告を意識的に避けることが判明!リスティング広告に関するユーザー意識調査(株式会社ニュートラルワークス実施)」による結果では、約70%ものユーザーがリスティング広告を意図的に広告を避けていることが分かりました。大手企業のマーケターの方などITリテラシーが高い方ほど、避ける傾向があると分析しています。
「リスティング広告では獲得できないユーザー」=「SEOでしか獲得をできないユーザー」対策という意味でも、SEO施策を並行して講じていくことがとても重要なのです。
「流入」におけるSEO施策事例
ここからは、リスティング広告と並行して取り組みたいSEO施策を中心に解説していきます。マーケティングファネルにおける「流入」の段階で、どのようなSEO施策があるのか、一緒に見ていきましょう。
SEOで大手企業のリード獲得ができる?
「そもそも、SEOで大手企業など、狙いたい企業のリード獲得などできるのですか?」というご質問をいただくことがありますが、結論から申し上げると、SEOで大手企業のリード獲得はできます。
ニュートラルワークスが、SEO経由で獲得したリード(直近1年間)の中には、大手企業やマーケティングに注力されているような企業の獲得ができています。
今後、広く拡大を狙っていきたい場合は、リスティング広告だけでなくSEO施策も取り組んでいくべきと考えています。
■海外企業
検索エンジン、世界的なマーケットプレイス、コンサルティングファーム、国際人権NGO
■国内上場企業
ロケット開発、家電メーカー、スクール事業、広告代理店、アパレル
■国内スタートアップ
メタバース(IPO)、ペットメーカー(IPO)、SaaS(IPO)、AI(上場準備)
SEOの失敗の多くは「流入」の段階で発生
SEOでも一流企業のリード獲得ができるとお話しましたが、一方で、SEO施策を講じているのに成果が出ないというケースもあります。そのような企業の多くは、「流入で失敗」しています。
ユーザーがせっかく流入してきたとしても、自社商品やサービスと関連性が薄い「自社が狙うべきでない間違ったユーザー」だったとしたら、その後の施策はほぼ意味がありません。
流入において「自社が狙うべき正しいユーザー」を、いかにして流入させるのかが、SEOの大前提であり、重要な部分なのです。
間違った流入につながっている課題と間違えているポイントは、以下のいずれかでしょう。
・「顕在層」の流入がほとんどない
キーワード選定が間違っている:顕在層向けのキーワードになっていない
・「獲得率」が低い
上位表示ページが間違っている:どのページを上位表示させるのか
それぞれについて、解説していきます。
記事ページと以外のページの獲得率の比較
まずは、記事ページと記事以外のページの獲得率について、ニュートラルワークスの事例で見ていきましょう。
ニュートラルワークスの例では、約90%が検索からの「自然流入」(上記図の左)です。さらに、その流入の内訳は92%が「記事コンテンツ」、残りの8%が「記事以外のページ」からの流入経路と分かっています。
一方で、獲得数の比率は、記事ページが23%、記事以外のページが77%を占めています(上記図の右)。これを「獲得率」として換算すると、記事からの獲得率は0.12%、記事以外の獲得率はその40倍にあたる4.77%という結果です。
つまり、流入としては全体の8%しかない「記事以外」の流入の方が獲得をしっかり取れており、その割合はニュートラルワークスの獲得全体の77%を締めていることになります。
この数値はあくまでニュートラルワークスの事例ですが、他の企業でも、似たような傾向があると考えています。
上記のような結果が出る理由は、同じようなキーワードであってもページ内容によってユーザーが流入する目的が変わるからです。ここは非常に重要なポイントになるので、この後に詳しく解説しましょう。
SEOの成功施策①「キーワードの最適化」
流入を成功させるための1つめのポイント「キーワードの最適化」から具体例で解説しましょう。
左の「失敗例」から見ていきます。キーワードはページ上部に入力してある「コーポレートサイト制作」です。
このキーワードのコンバージョンの獲得単価は15,855円(左図の下部)と、良いキーワードといえます。しかし、この失敗例では、CV獲得が1カ月で0件でした。
この理由が、キーワードの最適化ができていないということです。
ここで上位表示されているのは、「コーポレートサイトの作り方」を解説する記事ページ。制作会社を探すユーザーではなく、主に自分でサイトを作ろうとしているユーザーが見るページなのです。
一方、成功した右のキーワードは「リスティング広告 運用代行」。リスティング広告を作ろうとしているユーザーではなく、すでに「運用代行」を検索しているユーザー向けのキーワードなのです。
自社につながるキーワードであるのか、キーワードの最適化がSEO成功のためのひとつのカギになります。
SEOの成功施策②「上位表示ページの最適化」
前節、左の失敗例。上位表示されているのは「記事ページ」です。
「コーポレートサイトの作り方」というキーワードで調べている方の多くは、自分でサイトを作ろうという方です。もちろん作り方を調べているうちに、やっぱり制作会社に依頼しようと行動変容が起こる方もいますが、それほど多くはないでしょう。つまり、この「キーワード」かつ、その作り方を教える「記事ページ」で上位表示されても、実際のサービス申し込みといったCV獲得にはつながりにくいのです。
右の成功例では、すでに「運用代行」という自社サービスに直結するキーワードを探しているユーザーかつ、「サービスページ」が上位に表示されています。この成功例では、複数のCV獲得を得られました。
失敗している事例では、「キーワードの最適化」「上位表示ページの最適化」のどちらか、もしくはいずれかが最適化できていないケースだと推察できます。自社のケースでも見直してみましょう。
「エンゲージメント」はFV+αの最適化がカギ
エンゲージメントはファーストビュー(FV)が重要
「エンゲージメント」の段階で成功させるためにもっとも考えてほしいことは、直帰させないことです。
直帰させない一番のポイントは、ファーストビュー(FV)と呼ばれるスクロールをしなくても良い位置にあるコンテンツを最適化することです。
エンゲージメントを最適化するための4つの+α
エンゲージメント獲得のために、ファーストビューを工夫されている企業は多いかと思いますが、実は、それにプラスして4つの最適化ポイントがあります。
①キャッチコピー
検索KWを含んだわかりやすいコピーになっているかが最初のポイントです。ユーザーが検索していたキーワードと合致していれば、そのままページを読み進めてもらえますが、ズレていたりすると、ユーザーはすぐにサイトから離れてしまいます。
これはオンライン特有の傾向です。オフラインの実店舗であれば、期待と少しずれていても労力とお金をかけて来ているので「せっかくだから、ちょっとだけでも見てみよう」とお店を見てくれます。
一方、オンライン検索では、基本的には労力やお金がかからないため、期待から外れればユーザーはすぐに離脱してしまうのです。
検索目的にあったキーワードを含んでいること、どんなサービスが一目でわかるようなわかりやすいコピーであることが重要です。
②メインビジュアル
キーワードから連想するビジュアルであるかも、直帰率に影響します。キーワードとマッチするようなメインビジュアルにも、気を配りましょう。
③構成/訴求
構成案がユーザーの検索意図と合致しているか、見出しなどが刺さる訴求になっているかも、非常に重要です。また、お問い合わせへの導線となる「CTA」を邪魔しない構成になっているかにいても、意識しましょう。
④CTA
実際の問い合わせを促進するためのCTAも重要な役割をもっています。魅力的な成果地点、目立つ・わかりやすいデザイン訴求になっているかがポイントです。
BtoB企業のWebサイトの役割とは?デザインの参考事例も紹介
エンゲージメントは最初の5秒が勝負
ニュートラルワークスのFacebookの例でみていきましょう。Facebookページで、1レコードあたりのユーザーの動きが記録されています。最適化する前は、滞在時間が数秒〜数十秒という非常に短い時間で離脱がみられました。
その後、エンゲージメント最適化のための施策を実施後(上記図)は、滞在時間が1分を超えるユーザーが増えています。
つまり、多くのユーザーは最初の5秒〜10秒ほどで、そのサイトが自分にとって有用であるのかを判断しているということなのです。
先の例では、改善を必要としている箇所は残っていますが、最適化を図ることによって滞在時間を伸ばすことは可能であり、獲得という結果につながる可能性を高められるといえるのです。
エンゲージメント成功のための具体的な5つの施策
エンゲージメント成功のためには、ファーストビューと4つの+αが重要とお伝えしましたが、+αについて、ニュートラルワークスのリスティング広告の事例を使って、具体的に解説していきましょう。
①キャッチコピーは流入キーワードと強みを打ち出す
まずは、流入キーワードの挿入です。「リスティング広告」「運用代行」といった、リスティング広告運用代行を検討している方が調べるであろう流入キーワードが、分かりやすく書かれています。
次に、「強み」と「特徴」の訴求です。ニュートラルワークスの例でいえば、「本物のプロ」「業界トップクラスの運用者」といった自社の強みを訴求します。
②メインビジュアルは中央に目立つように
よくあるレイアウトとしては、左に画像、右に訴求といったスタイルが多いですが、「流入キーワード」「強みや特徴」は、できるだけ真ん中、中央に目立つように打ち出します。
③構成/訴求を明確に
前述のところと重なりますが、「本物のプロ」「業界トップクラスの運用者」など強みや特徴について、中央部分でしっかりと訴求しています。ユーザーがぱっと見て、強みやサービス内容が明確に伝わることが重要です。
④CTAの工夫
誰がみても分かりやすく目立つCTAを、分かりやすい場所に設置しています。CTAボタンに記載する内容も「ボタンを押すと何ができるのか」について、不安にさせないよう、色味や文言なども工夫しましょう。
⑤権威性の訴求
補足となりますが、「権威性」の訴求も非常に重要です。GoogleやYahoo!のパートナーであることを入れることで、ユーザーへの安心感だけでなく、Googleからの信頼や評価にもつながります。加入している協会名や業界の関連団体名、保有している資格なども有効です。
エンゲージメント改善施策に対する評価方法
エンゲージメント改善施策のPDCAに有効なのが、サイトに訪れたユーザーが最後までサイトを見てくれたかの指標となる「スクロール率」です。「スクロール率を改善すること」=「直帰率の改善」につながるため、注目すべき指標といえます。
スクロール率は、「ヒートマップ」というツールを利用して確認できます。上記図の例だと、サイト上部の赤い部分のスクロール率は90%。サイト下部の黄色い部分のスクロール率は80%と、10%ほどの離脱が生じていることが分かります。
最後までスクロールしてくれるユーザー、最後まで閲覧してくれるユーザーを増やすべく、スクロール率を活用してみましょう。
「フォーム遷移」はコンテンツとCTAの最適化
続いて「フォーム遷移」の段階でとれる施策について見ていきましょう。ここで考えるべきことは、フォームに誘導すること。「エンゲージメント」の段階で、直帰せず滞在時間の長いユーザーを最大化したら、そのユーザーをフォームなどの成果地点の手前まで導くことが大事です。ポイントを解説しましょう。
フォーム遷移に導くコンテンツ
フォーム遷移に導くためのCTA作りで、大切なのがコンテンツです。コンテンツに関するポイントをまとめました。
興味関心のあるコンテンツの設置・すぐ下にCTA設置で獲得率アップ
興味や関心の持てるコンテンツで、ユーザーのモチベーションを上げておき、そのすぐ下にCTAボタンを設置しておくと、フォーム遷移に至る獲得率が上がります。
CTAボタンのデザインなどに注力される方も多いのですが、こういった点にも配慮することをおすすめします。
文脈を考慮した成果地点
例えば、ナレッジ系のコンテンツを読んでいるときに、「サービス資料はこちら」というホワイトペーパーがあっても、あまりクリックしたいとは思いません。検索キーワードと関連性が薄いコンテンツも、同様でしょう。コンテンツとの整合性がとれるCTAになっているか確認しましょう。
また、これらを評価して改善する際は、「ユーザー行動分析」から出た結果を指針として進めていくのがポイントです。
CTAのポイント①FVにCTAを入れる
ここからは、獲得につながるCTAとは?という視点で解説します。
まず確認したいのが、CTAのクリック数です。スクロール率のところで紹介した「ヒートマップ」というツールですが、CTAのクリック数についても計測することができます。
上記のリスティング広告の例でみると、FV(ファーストビュー)のところに設置したCTAボタンのクリック数は31。数として多くはありませんが、「フォーム遷移」という視点でみれば、きちんとフォームに誘導できていることが分かります。
「獲得につながるCTA」の1つめのポイントは、スクロールせずに、フォームの導線やフォームを直接露出して表示させること。スクロール率が高いファーストビュー(FV)のところにCTAを置くことで、CTAボタンのクリック率が高くなるためです。非常に重要なポイントといえるでしょう。
CTAのポイント②セクションごとに目立つCTAを設置
セクションごとにCTAを設置し、背景や訴求文言、人の絵、CTAボタンの色など、「きちんと見せる」ことを意識し、目立つように工夫しましょう。
この事例では、通常のコンテンツを読んでいる(見ている)ユーザーに対し、CTAをコンテンツの上にかぶせるように表示しています。通常のコンテンツの中にCTAを設置しているケースも多いですが、その際も、配置や色味などがコンテンツに埋もれないようにすることが重要です。
どのぐらいの数のCTAを設置したらいいかと質問されることが多いです。回答は、比較的、多めに置いてもそれほど嫌がられないだろうと考えています。バランスにもよりますが、セクションごとにCTAを設置する程度であれば、問題にならないでしょう。
CTAのポイント③獲得率と商談化率を理解し売り上げを最大化
上記図の右側にある「30秒で入力完了/」の部分が、追従のCTAです。この事例では、資料ダウンロードのフォームを埋め込んでいます。
ホワイトペーパーなどの資料ダウンロードは、「問い合わせ」などに比べると、ユーザーの心理的負担は少なく、ハードルが低くなります。一方で、ホワイトペーパーの種類によって獲得率や商談化率が変わります。
サービス資料
サービス資料は、ダウンロードされる率(獲得率)は低いですが、資料をダウンロードした企業というのは、サービスを検討している段階なので、商談化率は高くなるのが特徴です
ナレッジ系資料
何かを知りたいとナレッジ資料をダウンロードする方(獲得率)はとても多いのですが、実際の商談化率は低い傾向です。
CTAを設置する際は、獲得率と商談化率を十分に検討した上で行うのがポイントです。最終的な目的は、リードを増やすよりも、売り上げを増やすこと。売り上げの最大化につながるようなホワイトペーパーを用意しましょう。
CTAのポイント④効果的な価格表CTAの設置
具体的にサービスを検討しているユーザーの大部分は、価格を知りたいという心理があります。実際に、ほとんどのユーザーが、サービスを検討している段階で、価格表を見ています。
価格表の下に「価格表を詳しく見る」というCTAを設置することで、「価格を知りたいユーザー」の期待に応えることができます。この結果、ユーザーのモチベーションが高い状態を維持でき、「価格表をダウンロードする」といったCV(フォーム遷移や入力完了など)へ高い確率で促すことができるのです。
さらに、価格表を見ているユーザーは、サービスの検討段階である事が多いため、商談率も高い傾向にあります。フォーム遷移率、入力完了率、商談化率もふまえて、どういったホワイトペーパー(成果地点)が最適解なのかを考えることが重要です。
CTAのポイント⑤ユーザー行動から意図的にヘッダーを表示
獲得につながるCTAを作るためには、ユーザー行動を分析したデータの活用をおすすめします。
LPのセオリーにはいろいろありますが、単価の安い商品やサービスであれば、定番のセオリー通り、「ぱっと見て問い合わせをした」といったユーザーを逃さないよう、1ページだけのLPで、他のページへ遷移させない方法でいいと思います。
しかし、ニュートラルワークスの事例で、比較的高単価なサービスでCVまでつながったケースを分析したところ、ページの閲覧数は5〜15ページ、滞在時間も10分以上という方が多くいました。単価の高いものに関しては、「時間をかけて検討する」というユーザーの行動がわかったのです。
ニュートラルワークスの上記のLPの事例では、当初はヘッダーがなかったのですが、「制作実績」や「企業情報」などのヘッダーを意図的に表示するよう改善。その結果、獲得率が上昇しました。
参考として、このようなWebサイト上のユーザーの行動分析には、ユーザーの閲覧行動を記録できる「レコーディングツール」などが有効です。
「CV」はフォームの入力完了率を上げる
どの企業にとっても、最終的な目的はCV(コンバージョン)です。CVを高めるための施策について、ニュートラルワークスの成功事例を紹介します。
CVを上げるための基本のポイント
CVを高めるために考えるべきことは、入力を完了させることです。具体的なポイントは以下の通りです。
- 簡単そうに見えること
- 入力項目が少ないこと
- わかりやすいこと
- ストレスがないこと
- ゴールがわかること
EFO(Entry Form Optimization:エントリーフォーム最適化)」のために重要なことをまとめると、「分かりやすい」「簡単に入力できそう」「大変じゃなさそう」「迷わない」といった点が大事といえるでしょう。
EFOでコンバーションを改善!必要性や離脱しないための工夫
CV向上のポイント①フォームは「簡単そう」に見せる
この3つの入力フォームを比較すると、右端のフォームが「入力が簡単そう」と思ってもらえるでしょう。
聞きたい項目はたくさんありますが、入力フォームでは、入力箇所を可能な限り少なくして簡単そうに見せることが重要。聞きたいことは、CV獲得後の商談や営業の段階で伺うというのが正解なのです。
入力フォームでは項目を少なくして、CVの獲得率を最大化するという視点が重要です。
CV向上のポイント②エラーメッセージの工夫
入力フォームのエラーは、何がエラーになっているのかその場ですぐにわかるメッセージにしましょう。
例えば、郵便番号入力の事例。すでに半角で入力しているものの「ハイフン」があるためにエラーが起きている場合です。汎用の「半角数字でご記入ください」だけのエラーメッセージでは、「ハイフンを削除すること」に気づけず離脱につながってしまいます。
ユーザーに対し、なにでエラーが起きているのかわかるようにすることで、「ストレスを減らす」ことができ、離脱防止につながります。
CV向上のポイント③1画面内で送信ボタンまで見える
EFOを高め、CV獲得を高めるためには、1画面内で「送信ボタン」まで表示されている状態が理想です。
これはユーザーにとっては、ここまで入力すれば入力が完了して、自分の目的が果たせるという「ゴールがわかること」につながります。EFOにとって、非常に大切な視点なのです。
順番に改善すればCVは劇的に増加します!
以上のことを順番に改善すれば劇的にCVは増加します。ニュートラルワークスの実例では、2020年7月には8件だった獲得数が、マーケティング施策改善後の2023年の1月には、508件のリード獲得を実現しました。2年半で63.5倍に増加していることになります。
BtoBマーケティングは「再現性の高い勝ちパターン」を実践することで確実に成果を出すことができます。
「再現性の高い価値パターン」=「施策」を、その時の状況に合わせて最適なものを選べるかがカギです。マーケティングファネルの中で、どこが課題になっているのか理解した上で最適な施策を選びましょう。
その際は、「CVRを上げる」といった視点では、つい見過ごしがちな「流入の〇〇の数値を改善したい」など、より具体的な対策を講じることが大切です。本ウェビナーの内容を踏まえて、自社の勝ちパターンを見つけていきましょう。
▼動画_ダイジェスト版(7分13秒でご覧いただけます)
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