「コンテンツマーケティング」には、コンテンツSEOやSNS運営、動画配信サービスの活用などさまざまな手法があります。コンテンツマーケティングの成功には、事業目的や社内リソースに応じた戦略と、適切なマーケティング施策の採用が欠かせません。
この記事ではコンテンツマーケティングのメリットや手法について、具体的な事例を交えて分かりやすく解説します。成果を出すための注意点や発注先の選定方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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コンテンツマーケティングとは?事例とともにわかりやすく解説
目次
- コンテンツマーケティングとは
- コンテンツマーケティングを導入する5つのメリット
- コンテンツマーケティング導入時の注意点
- コンテンツマーケティングの9つの手法を総まとめ
- コンテンツマーケティング手法①:コンテンツSEO
- コンテンツマーケティング手法②:ホワイトペーパー
- コンテンツマーケティング手法③:事例資料
- コンテンツマーケティング手法④:SNS運用
- コンテンツマーケティング手法⑤:メルマガ・LINEマガジン
- コンテンツマーケティング手法⑥:企画型メディア
- コンテンツマーケティング手法⑦:動画コンテンツ
- コンテンツマーケティング手法⑧:ウェビナーやセミナー
- コンテンツマーケティング手法⑨:書籍出版
- コンテンツマーケティングのよくある5つの失敗と対策
- コンテンツマーケティングを導入する流れ
- コンテンツマーケティング導入時の相談先の選び方
- コンテンツマーケティングは手法選定が重要
コンテンツマーケティングとは
「コンテンツマーケティング」とは、インターネット上で潜在的な顧客に有益な情報を発信して、ユーザーを商品やサービスの購入へ導くマーケティング手法です。
まずはコンテンツマーケティングが必要な理由と、広告を活用した従来型のマーケティング手法との違いを確認しておきましょう。
コンテンツマーケティングが必要な理由
現在はインターネットが発達しているため、従来型の「アウトバウンドマーケティング」や「売り込み式(プッシュ式)」の手法では限界があると言われています。なぜなら、ユーザーは検索エンジンやSNSなどを活用して、自分が望む情報を得られるようになったからです。
こうした変化に対応するために、Googleは2011年に「ZMOT(ジーモット)」を提唱しました。ZMOTとは「顧客は来店前に購入商品を決めている」という概念です。ユーザーはインターネット検索を通じて、商品に関する情報をあらかじめ入手しています。
コンテンツマーケティングは、ウェブサイト上で有益な情報を公開して、潜在的なユーザーを獲得できます。ユーザーが情報を収集するZMOTの段階で、自社の商品やサービスへの認知度を高めることができるのです。
広告中心の従来型マーケティングとの違い
インターネットを活用するコンテンツマーケティングは、広告を主体とした従来のマーケティング手法とは一線を画しています。テレビCMやマスメディアでの広告、サイトのバナーや電話によるセールスなど従来型マーケティングは、顧客を振り向かせるためのものでした。
こうした「売り込み型」のマーケティング手法は、コミュニケーションの主体は企業側にあります。しかし、インターネットやSNSの普及によって、消費者は自ら積極的に情報を入手できるようになりました。その結果、売り込み型のマーケティングを好ましく思わないユーザーが増えたのです。
コンテンツマーケティングは商材を直接売り込むのではなく、顧客に役立つ情報を提供します。ユーザー目線でマーケティングを行い、信頼関係を構築することが目的です。適切なコンテンツマーケティングを継続すると、顧客の関心が企業の商品自体に向かうようになり、コンバージョンの獲得へ結びつけることができます。
コンテンツマーケティングを導入する5つのメリット
企業がコンテンツマーケティングを導入すると、次の5つのメリットを得られます。
- 潜在顧客との接点を獲得できる
- 中長期的な顧客獲得コストが低下する
- 業界の第一想起を獲得しやすくなる
- リードの獲得や育成を行いやすい
- 顧客ロイヤリティが向上する
それぞれのメリットについて、具体的な理由を確認しておきましょう。
潜在顧客との接点の獲得
コンテンツマーケティングを導入すると、潜在的な顧客との接点を獲得できます。多くのユーザは課題を感じているだけであり、解決策としてすでにニーズが顕在化しているユーザーはごく一部です。
コンテンツマーケティングには、潜在的な顧客のニーズを顕在化させる効果があります。カ課題有益な情報を提供することで、顧客の情報収集プロセスに介入して、課題に対する解決策として自社の製品やブランドをアピールすることができるのです。
コンテンツはインターネットという開かれた場所に公開されるため、不特定多数のユーザーに宣伝効果が及びます。しかも高品質なコンテンツの提供を継続すると、同じ悩みやニーズを抱えるユーザー同士の口コミで、情報が拡散されやすいことも特徴です。
コンテンツマーケティングは、企業ではなくユーザー主体のマーケティング戦略なので、潜在顧客の好感度が上がりやすく、顧客との接点を獲得する機会が増えます。従来のマーケティング手法にはない、企業にとって大きなメリットだと言えるでしょう。
中長期的な顧客獲得コストの低下
コンテンツマーケティングは、主に記事や動画などのコンテンツで行います。インターネット上で公開したコンテンツは、情報自体の価値が低下しない限りは、集客効果を発揮し続けます。つまり、制作したコンテンツは資産として蓄積されるということです。
そのため、基本的にはコンテンツの掲載数が多いほど、ROI(投資利益率)が高まります。例えば、3万円で1本の記事を制作した場合、初期段階では3万円の赤字となります。しかし、長期の継続でCV(成約数)が増えれば3万円を大幅に上回る収益を確保できるため、CPA(顧客獲得単価)は下がるのです。
従来型のマスメディアやウェブサイトでの広告は、効果を得られるのは広告を出した期間に限られていました。そのため、ニーズが発生するたびに広告を打ち直す必要があり、そのたびに新たなコストが発生します。
しかし、コンテンツマーケティングで発信した情報は、長期間の継続によってむしろ情報の価値は高まります。さらに、潜在顧客のニーズは定期的に繰り返し発生するため、資産として蓄積するため費用対効果が良いのです。
業界の第一想起の獲得
コンテンツマーケティングを導入した企業のブランドは、「第一想起」になりやすい傾向があります。第一想起とは「トップ・オブ・マインド」とも呼ばれ、特定ジャンルの商品やサービスで最初にイメージされるブランドのことです。
例えば、「検索エンジン」で「Google」を思い浮かべたユーザーが最も多い場合、Googleが第一想起になります。コンテンツマーケティングでは顧客のニーズに対して何度も情報を提供し続けるため、企業のブランドが第一想起になりやすいのです。
企業のブランドが第一想起になると「指名検索」が増えます。指名検索とは、検索エンジンで企業名やブランド名を加えて検索を行うことです。例えば、「Intel CPU 性能」と検索した場合、「Intel」という企業を指名して検索したことになります。
指名検索が増えると、検索エンジンでの信頼性が高まりSEOに有利になるため、コンバージョンを獲得しやすくなります。コンテンツマーケティングでは、有益な情報提供が第一想起につながり、指名検索を増やすという好循環を作り出せるのです。
リード育成など関係構築
コンテンツマーケティングを導入すると、潜在顧客へのアプローチだけではなく、見込み客の獲得や購買意欲の醸成(リードナーチャリング)にもつながります。
例えば、不動産など高価格帯の個人向け商材や企業向けのBtoB商材は、購入までの意思決定が長い傾向があります。そのため、定期的かつ継続的なリードナーチャリングが欠かせません。実際にアメリカのSiriusDecisions社が行った調査によると、コンテンツをフォローしなかったリードのうち、約8割が2年以内に競合他社から製品を購入することが分かっています。
リードナーチャリングには、成約の可能性が高い「見込み客」の流出を防ぐ役割があります。リード育成に効果的な手法は、メールマガジンやオンラインセミナーなど様々です。接触回数が増えて自社ブランドを想起する確率が高まるため、リードを見込み客へ誘導しやすくなります。
リードナーチャリングとは?見込み客を育成する手法と事例を解説顧客ロイヤリティの向上
コンテンツマーケティングは「顧客ロイヤリティ」の向上にもつながります。顧客ロイヤリティとは、企業やブランドに対する顧客の愛着や信頼度のことです。例えば、あるユーザーがいつも同じメーカーの自動車を購入している場合、ユーザーの顧客ロイヤリティが高いと言えます。
良質な情報をコンテンツマーケティングで提供し続けると、ユーザーのニーズを多く満たすことができます。何か悩みがあったときは「あの会社のメディアなら信頼できる」と考え、積極的にコンテンツをフォローするリードになってくれるのです。
有益な情報を得た潜在顧客は企業やサービス自体への関心を高め、「この企業の製品なら購入に値する」と考える見込み客になります。しかも、一連の流れは単発のものではなく、連鎖的に起こるようになるのです。
現在はSNSや動画配信サービスなどの普及により、同じようなニーズを持っている人同士で情報を交換できます。質の高いコンテンツは口コミで他のユーザーへ広がり、コンテンツの検索順位や閲覧数も向上するという好循環が生まれるのです。
コンテンツマーケティング導入時の注意点
コンテンツマーケティングの導入時は次の3つのポイントに注意する必要があります。
- 運営に手間がかかる
- 成果まで時間がかかる
- 社内協力の獲得が難しい
いずれの社内での検討や対策が求められるので、あらかじめ確認しておきましょう。
手間がかかる
コンテンツマーケティングは導入や運営に手間がかかります。「言うは易く行うは難し」のマーケティング手法の中でも、上位に来るのがコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングを導入する企業は増えています。そのため、求められるコンテンツの質も高くなっています。
ジャンルによってはほとんどの情報が既存のメディアで公開されていて、目新しさや有益性に乏しくなります。ユーザーに有益な情報を継続的に提供できなければ、コンテンツマーケティングの成功は困難です。
専門的な知識を分かりやすい表現で解説されたコンテンツが求められています。効果的な施策を打つためには、専任の担当者が必要です。しかも、コンテンツマーケティングは記事や動画の制作だけではなく、下記のような付帯業務も発生します。
- 品質向上のためのリサーチ
- 記事の構成や入稿などの作業
- サイトデザインやコーディング
- SEO対策やアクセス数などの解析
- コンテンツ制作用の編集部の設置
- 数値計測を踏まえた戦略設定
上記の付帯業務を担当できる適任者が社内にいない場合は、専門家に外注する必要があります。アウトソーシングでコンテンツマーケティングを導入する場合は外注費もかかるなど、手間とコストがかかる点には注意が必要です。
成果まで時間がかかる
コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかります。株式会社WACULが行った調査によると、メディアの運営開始から収益が出るようになるまで、6か月~1年ほど必要です。そのため、短期間で成果を得たい場合は向いていないマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングを導入した初期段階では、検索エンジンでの表示順位やアクセス数が低く拡散も期待しづらいため、収益を獲得するのは極めて困難です。SEOなどの数値を改善させるためには、まずはコンテンツ数を増やすことが求められます。
半年ほど経過した段階では、成果を評価する各種データも収集しやすくなっています。PV数やCV数など、具体的な収益へ繋がる成果指標への遷移も欠かせません。公開済みのコンテンツをブラッシュアップするなど、既存コンテンツへの対応も成果を得るために必要な工程です。
コンテンツマーケティングで成果を得るまでには時間がかかり、細かなKPI(重要業績評価指標)設定も欠かせません。だからこそ、適切な戦略やロードマップを敷くことが極めて重要です。社内で検討を重ねて具体的な戦略を立案してから、コンテンツマーケティングの施策を開始することをおすすめします。
社内協力の獲得が難しい
コンテンツマーケティングのカギは、顧客に有益な情報を提供することにあります。そのために、顧客が知りたい情報や具体的なターゲット層をイメージすることが必要です。
しかし、コンテツマーケティングの担当者だけでは、正確な戦略を立てることは困難です。
企業側が想定するターゲット像と実際の顧客層が違っていると、コンテンツマーケティングの成果が低下してしまいます。そのため、営業やサポート部門などの担当者へのヒアリングなど、現場の状況をよく知っている社員のサポートが必要です。
また、専門性の高いコンテンツを制作する場合は、技術部門などに監修を依頼する必要があります。もし内容が間違っていてユーザーに不利益や損害が生じると、問題になってしまう可能性があるからです。
コンテンツマーケティングにはROI(投資利益率)の改善に時間がかかるため、社内で重視されないこともあります。そのため、コンテンツの制作や運営を始める以前に、コンテンツマーケティングに関する提案は後回しにされるケースが少なくありません。
コンテンツマーケティングの施策はマーケティング部門だけでは完結しづらいため、総合的な戦略設計が欠かせません。事前に社内ヒアリングなどで課題を洗い出しておくと、施策を進めやすくなるでしょう。
コンテンツマーケティングの9つの手法を総まとめ
コンテンツマーケティングにはさまざまな手法があります。ここでは次の9つの手法について、成功事例を交えて見ていきましょう。
コンテンツ マーケティング手法 |
メリット | デメリット |
---|---|---|
コンテンツSEO | ・見込み顧客に商材をアピールできる ・掲載した記事がサイトの資産となる ・SNSと相性が良く拡散を期待できる ・商談やブランディングに活用できる ・内製なら低コストでも実施しやすい |
・収益を獲得できるまで時間がかかる ・既存記事の定期的なリライトが必要 ・良質な記事の制作には時間がかかる ・内製の場合は制作体制の構築が大変 ・検索アルゴリズムに左右されやすい |
ホワイトペーパー | ・顧客情報を獲得できる ・リードを育成しやすい ・他分野にも応用できる |
・潜在顧客は確保できない ・誤情報の修正ができない ・構成内容には注意が必要 |
事例資料 | ・顧客情報を入手しやすい ・自社の商材を紹介できる ・商材購入に繋がりやすい |
・資料制作に手間がかかる ・資料の構成内容に要注意 ・電話での追跡営業も必要 |
SNS運用 | ・SEO対策の手間やリソースを省ける ・ユーザー同士の拡散を期待できる ・顧客との親密な関係を築きやすい ・広告よりもリードにつながりやすい |
・メディアが炎上するリスクがある ・誤った情報の訂正が極めて難しい ・適切なペルソナ設定や戦略が必要 ・適切なSNSを使用する必要がある |
メールマガジンや LINEマガジン |
【メルマガ】 ・より多くの顧客に送信しやすい ・長文でも問題なく送付できる ・高額商品のCVにつながりやすい 【LINEマガジン】 ・開封率がメルマガよりも高い ・ユーザーと親密な関係を築ける ・登録者を続々と増やしやすい |
【メルマガ】 ・LINEマガジンより開封率が低い ・個人情報の収集が困難な場合もある ・配信内容や配信時間に注意が必要 【LINEマガジン】 ・ブロックされるケースも少なくない ・長文の送付や高額商材の宣伝に不向き ・配信数が多い場合は有料プランが必要 |
企画型メディア | ・オウンドメディア自体が資産となる ・専門性の高い企業と顧客に認識される ・リードの獲得や育成を実施しやすい |
・成果を得られるまでに時間と手間がかかる ・記事の量と品質を両立させる必要がある ・外部発注する場合は運営コストが高くなる |
動画コンテンツ | ・直感的に情報を伝えることが可能 ・ユーザー同士の拡散効果が高い ・動画コンテンツ自体が資産になる |
・動画制作に時間とコストが必要 ・動画の第一印象が成果を左右する ・通信環境への配慮が求められる |
ウェビナーや セミナー |
・集客力の高いセミナーを低コストで実現可能 ・事前の準備や運営などの手間を軽減しやすい ・セミナー動画を活用して顧客を獲得しやすい |
・通信環境によっては映像や音声の遅延が生じる ・参加者の反応をリアルタイムに確認しづらい ・集客方法を確立していないと参加者を集めづらい |
書籍出版 | ・信頼度や認知度を高めることができる ・読者の五感に訴求することができる ・長期的な集客効果や他の施策への応用 |
・書籍出版には多額の費用負担が必要 ・情報の更新や修正を行うことが困難 ・幅広い層へのアプローチができない |
上記のように、各マーケティング手法のメリットとデメリットはさまざまです。詳細を確認していきましょう。
コンテンツマーケティング手法①:コンテンツSEO
「コンテンツSEO」とは、検索エンジンからの集客を目指すマーケティング手法です。コンテンツSEOでは、主に記事を掲載してユーザーに有益な情報を提供します。コンテンツ数を増やして検索エンジンからの評価が高まると、顧客がキーワードで検索したときに、自社のウェブサイトがヒットする確率が高まります。
コンテンツSEOのメリットは次のとおりです。
- 見込み顧客に商材をアピールできる
- 掲載した記事がサイトの資産となる
- SNSと相性が良く拡散を期待できる
- 商談やブランディングに活用できる
- 内製なら低コストでも実施しやすい
一方で、コンテンツSEOには次のようなデメリットもあります。
- 収益を獲得できるまで時間がかかる
- 既存記事の定期的なリライトが必要
- 良質な記事の制作には時間がかかる
- 内製の場合は制作体制の構築が大変
- 検索アルゴリズムに左右されやすい
コンテンツSEOの大きなメリットは、掲載した記事で潜在的な顧客にアプローチできることです。しかも、一度掲載した記事は長期的に集客能力を発揮し続ける資産となります。良質なコンテンツはSNS上でも拡散されやすいため、さらなるコンバージョンも期待できるでしょう。
一方で、コンテンツSEOの成果が出るまでには時間がかかります。株式会社WACULが行った調査によると、安定した収益を確保するためには60本以上のコンテンツが必要です。相当の工数を要するため、初期段階ではROIが悪くなります。さらに、掲載した記事は定期的にリライトを行い、検索エンジンに再評価を促すことも欠かせません。
成功事例:株式会社ニュートラルワークス
「株式会社ニュートラルワークス」は、オウンドメディアの検索流入数を34倍、獲得件数を24倍にまで成長させている実績があります。コンテンツSEO分野では、次の5つの専門知識を活用したサービスを提供しています。
- ユーザーのニーズを知り尽くした専門家による企画戦略の立案
- 競合サイトを徹底的に分析して他社との差別化を可能にする
- SEO対策を有利にするためのサイトマップや導線を構築する
- 商材の魅力を伝えるための洗練された設計やデザインを行う
- 300人以上の専門知識を持つライターが高品質な記事を作成する
ニュートラルワークスのコンテンツディレクターは、大手ネット広告代理店で活躍していた実力者です。どのようなコンテンツが検索エンジンで上位表示されるかを知り尽くしているため、常に潜在顧客の流入を見込める記事を制作することができます。
記事を執筆するライターも、専門知識を持つ300人以上の中から、サイトのテーマやニーズに相応しいライターが担当します。SEOに有利なオリジナリティの高い記事がサイトに掲載されることで、高い集客率を見込めるようになるでしょう。
さらに、競合他社よりも有利なコンテンツを制作するための分析や戦略の策定も行います。ユーザビリティの高さとSEO対策を両立したサイトマップや、ブランドのイメージを引き立たせるサイトデザインも、ニュートラルワークスならではの強みです。
コンテンツマーケティング手法②:ホワイトペーパー
「ホワイトペーパー」とは、自社製品を紹介するためのコンテンツです。ホワイトペーパーの施策では、自社の商品やサービスの特徴やメリットをまとめたコンテンツを制作して、ダウンロード形式で公開します。後述するサービス資料とは異なり「顧客視点」の施策です。顧客に有益や情報を提供することで、見込み客の獲得や育成などの効果を得られます。
ホワイトペーパーとは?作り方と目的、デザインサンプル事例
ホワイトペーパーには以下のメリットがあります。
- 顧客情報を獲得できる
- リードを育成しやすい
- 他分野にも応用できる
一方で、ホワイトペーパーには次のようなデメリットもあるので注意が必要です。
- 潜在顧客は確保できない
- 誤情報の修正ができない
- 構成内容には注意が必要
ホワイトペーパーのダウンロード時は、フォームに顧客情報を入力してもらうため、見込み客の情報収集やリストの作成が容易です。顧客に良質な資料を提供すれば、企業やブランドに対する信頼が高まり、リードの獲得につながります。また、ホワイトペーパーで作成した内容は、メルマガやオウンドメディアでの記事制作にも応用できることも魅力です。
一方で、ダウンロード後は内容の修正が困難な点も注意が必要です。また、自社製品の宣伝が多かったり、顧客の課題を論理的に解決できていなかったりする内容では、顧客の信頼を得られません。客観的やデータを交えた構成が必要です。
<無料>資料ダウンロード
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Webのスペシャリストが見込み顧客・リードを獲得するホワイトペーパーを制作します
成功事例:株式会社キーエンス
「株式会社キーエンス」は、コンピュータ制御技術を用いた生産ラインシステムの設計開発を行っている企業です。複雑なFA機器の魅力を理解してもらうために、同社はホワイトペーパーを導入しました。
同社のホワイトペーパーでは、「リチウムイオン電池 製造工程/装置 改善実績事例」や「電子顕微鏡とレーザ顕微鏡の違い 詳しく教えます!」といった、専門知識を平易に解説しています。
「設備投資のための税制優遇ガイドブック [XG-X/CV-X]」や「中小企業経営強化税制の活用のすすめ」といった、一見すると自社製品とは関係ないようなホワイトペーパーも提供しています。
ターゲット層や資料のテーマが絞り込まれていて、顧客の課題をすっきり解決できる工夫が施されています。自社製品の宣伝ばかりではなく、顧客の利益になる情報を積極的に公開する姿勢は参考になります。
さらに、同社は「安全知識.com」や「測り隊.com」などオウンドメディアも運営しており、各ページからホワイトペーパーのダウンロードへ遷移できるようになっています。オウンドメディアで潜在顧客を獲得し、ホワイトペーパーでリードを育成するという理想的な運用形態です。
【BtoB】ホワイトペーパーのマーケティング事例7選!サンプル事例ご紹介
コンテンツマーケティング手法③:事例資料
「事例資料」は自社の製品やサービスを紹介するコンテンツマーケティング施策です。「営業資料」や「サービス資料」とも呼ばれています。前述したホワイトペーパーと似ていますが、サービス資料は企業視点である点が大きな違いです。見込み客に積極的に自社製品をアピールすることで、コンバージョンにつながる効果を得られます。
サービス資料には次のメリットがあります。
- 顧客情報を入手しやすい
- 自社の商材を紹介できる
- 商材購入に繋がりやすい
一方で、サービス資料では次のようなデメリットに注意が必要です。
- 資料制作に手間がかかる
- 資料の構成内容に要注意
- 電話での追跡営業も必要
サービス資料もホワイトペーパー同様に、基本的にダウンロード形式で配布します。ダウンロード時にユーザー情報を入力してもらうと顧客情報を入手できます。また、サービス資料はホワイトペーパーとは異なり、積極的に自社製品をアピールできることも特徴です。
サービス資料を求める顧客の中には、意思決定権を持つ担当者も少なくありません。顧客に有益や情報や商材の魅力を伝えることができれば、見込み案件につながりやすい施策です。サービス資料の請求後に営業を行えば、両者にとって良い関係を築けるでしょう。
一方で、サービス資料にはテキストや画像、調査結果のデータなどが必要なため、制作に時間がかかります。資料の構成に関しては、自社製品の魅力を端的に訴求できるものでなければ、顧客を商材の購入へつながりません。また、資料請求後に電話での営業も必要になるなど、付帯業務はやや多い傾向があります。
成功事例:WACUL株式会社
WACUL株式会社では、実際に調査を行って収集したデータを元にして、マーケティングの課題を解決する「WACULテクノロジー&マーケティングラボ」を公開しています。無料で手に入るとは思えないほど情報量が豊富です。
同社がB2B企業に対して行った「資料請求・ホワイトペーパーDLの現状をアンケート調査」では、サービス資料やホワイトペーパーと成果について検証しています。B2Bサイト上に資料請求への導線を設けている企業のうち、75.7%は明確に受注につながっており、CV率は平均約2割でした。
重要なポイントは、資料請求後に電話を掛けた企業ほど、CVに結びつきやすい傾向があるということです。リード顧客の資料請求後5分以内に電話をかけると、10分以内の場合より4倍もCVに繋がりやすいという海外のデータもあります。逆に、顧客の資料請求後に何の対応も行わないと、CVの獲得は難しくなるようです。
WACUL株式会社では、顧客に有益な情報を無償で公開しています。その結果、同社への関心や信頼性が高まり、Webマーケティング業界において優れた成果を残せているのです。サービス資料の制作時はぜひ見習いたいところです。
コンテンツマーケティング手法④:SNS運用
「SNSマーケティング」は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用して、企業の商品やサービスを広く宣伝するという施策です。主なSNSにはTwitter・Instagram・Facebook・LINE・TikTokなどがあります。単に企業が顧客にアピールするだけではなく、良質な商材はユーザー同士の交流で広まることが特徴です。
SNSマーケティングのメリットは次のとおりです。
- SEO対策の手間やリソースを省ける
- ユーザー同士の拡散を期待できる
- 顧客との親密な関係を築きやすい
- 広告よりもリードにつながりやすい
一方で、SNSマーケティングのデメリットには注意が必要です。
- メディアが炎上するリスクがある
- 誤った情報の訂正が極めて難しい
- 適切なペルソナ設定や戦略が必要
- 適切なSNSを使用する必要がある
総務省の調査によると、令和元年には個人の約7割が何らかのSNSを使用しています。しかも、ユーザーが企業に愛着を感じやすい傾向もあるため、よりロイヤリティの高い顧客獲得に結びつきやすい施策です。
一方で、SNSには常に「炎上」つまり悪い情報が一気に拡散してしまう恐れがあります。コンプライアンスに問題のある発言や、誤った情報の発信には細心の注意が必要です。炎上リスクがあるため、SNSマーケティングの担当者にはリテラシーが求められます。
また、SNSの利用率は若年層ほど高いので、ターゲット層が実際の顧客層に合っているか注意が必要です。SNSには多種多様な種類があるため、適切な媒体を選ぶことも重要です。たとえば、画像や動画などのコンテンツを配信している企業の場合は、TwitterやFacebookよりも、InstagramやTikTokの方が成果を得やすいでしょう。
成功事例:クラシル
株式会社delyが運営する「kurashiru(以下クラシル)」は、2016年に開始した「レシピ動画配信サービス」です。パソコンや携帯端末からアクセスすると、多種多様な料理のレシピが1分程度にまとめられた動画を視聴できます。同社はクラシルの発展に「Instagram」を活用しました。
クラシルのInstagramアカウントでは、レシピ動画を掲載しており、本サイトへのアクセスへ結びつくように導線の設計もされています。同社が運営する「クラシルミールキット」は、クラシルのレシピで生み出された冷凍食品の宅配サービスです。Instagramアカウントのプロフィールページから、クラシルミールキットへアクセスできます。
SNSマーケティングの結果、クラシルは200万人以上のフォロワーを獲得しました。ハッシュタグ「#kurashiru」を利用した投稿も多いことから、ユーザー同士での拡散や口コミも非常に多いと考えられます。コンテンツSEOや広告よりも大幅にコストを抑えた施策で成功したクラシルは、他の多くの企業のモデルケールとも言えるでしょう。
コンテンツマーケティング手法⑤:メルマガ・LINEマガジン
「メールマガジン(メルマガ)」や「LINEマガジン」は、企業が獲得している顧客にメールやLINEで資料を一括送付して、企業の商品やサービスへの認知度を高めるための施策です。メルマガとLINEマガジンには明確な違いがあるため、両者を分けてご紹介します。
メルマガのメリットは次のとおりです。
- より多くの顧客に送信しやすい
- 長文でも問題なく送付できる
- 高額商品のCVにつながりやすい
一方でメルマガには次のデメリットもあります。
- LINEマガジンより開封率が低い
- 個人情報の収集が困難な場合もある
- 配信内容や配信時間に注意が必要
メールアドレスはLINEアカウントよりも保有率が高いため、より多くのユーザーに資料を送付しやすい傾向があります。長文も送信できるので、高額商材の魅力を丁寧に紹介して、CVに結びつけることも可能です。
一方で、メルマガは開封率が3割程度と、7割前後のLINEと比べると半分以下です。メルマガ用のアドレスを登録されたり、迷惑メールに指定されたりすることもあり、個人情報の取得効率は意外と高くありません。また、同じような内容のメルマガを決まった時間に配信するとユーザーに飽きられるので、構成や配信時間に工夫が必要です。
LINEマガジンのメリットは次のとおりです。
- 開封率がメルマガよりも高い
- ユーザーと親密な関係を築ける
- 登録者を続々と増やしやすい
一方で、LINEマガジンでは以下のデメリットに注意が必要です。
- ブロックされるケースも少なくない
- 長文の送付や高額商材の宣伝に不向き
- 配信数が多い場合は有料プランが必要
LINEマガジンの開封率は約7割と、メルマガの倍以上です。メルマガよりユーザーとの距離感が近いため、SNS同様に企業やブランドへの親近感を得やすくなります。登録もQRコードなどで「友だち追加」するだけなので、口コミなどで登録者を増やしやすいことも魅力です。
一方で、LINEは簡単にブロックされやすいため、顧客が興味を感じるマガジンの制作が必要です。LINEで長文を送付するとユーザーが読む気をなくすため、長文での高額商材の宣伝には向きません。また、LINEは1か月あたり1,000通以上送信する場合は、有料プランが必要です。
コンテンツマーケティングのメルマガ活用!メルマガのコツを解説成功事例:有限会社KEIJI
有限会社KEIJIは、注文住宅の設計や施工、リフォームやメンテナンス工事などを行う工務店です。同社は着実かつ誠実な施工で実績を積み重ねてきました。さらなる収益の拡大のために、不動産業界を対象としたメールマガジンツールを導入し、メールマガジンの改善を開始しました。
同社の運用方法は、資料請求のあった顧客に対して、施工事例をテーマとしたメールを週に一度配信するというものです。主に新規顧客の開拓が主な目的でした。メールマガジンの開封状況やサイトへのアクセス状況も踏まえて、営業のアプローチ方法を変えるなど、総合的な観点からリードナーチャリングを行いました。
その結果、メルマガ配信後の着電率が大幅に向上しました。メールマガジンツール導入前は2割~3割だったものが、導入後は9割近く見込み客を確保できるようになったのです。さらに、以前は新規顧客全員にメルマガを送っていたものを、メールマガジンツール導入で効率化できたためメルマガの制作コストも大幅に削減できました。
メルマガによるコンテンツマーケティングは容易ではありません。この事例のように便利なツールを活用すれば、より効果的にメールマガジンを運営できるでしょう。
コンテンツマーケティング手法⑥:企画型メディア
「企画型メディア」は、企業が運営するインターネットメディアで、顧客に有益な情報を提供するための施策です。一般的にはブログ形式で運営されることが多く、オウンドメディアと呼ばれています。オウンドメディアでは、顧客にとって有益な情報を発信するために記事を掲載します。コンテンツマーケティングの中でも主流となっている施策です。
オウンドメディアのメリットは次のとおりです。
- オウンドメディア自体が資産となる
- 専門性の高い企業と顧客に認識される
- リードの獲得や育成を実施しやすい
一方で、次のような点がオウンドメディアのデメリットです。
- 成果を得られるまでに時間と手間がかかる
- 記事の量と品質を両立させる必要がある
- 外部発注する場合は運営コストが高くなる
自社メディアで掲載した記事は、情報自体の価値が失われない限り、常に集客効果を発揮し続けます。メディア自体が不動産のような資産となり、運営期間が長くなると資産価値も上昇していきます。高品質な記事を掲載し続けると、ユーザーから「専門性の高い企業」と認識されるため、リードナーチャリングにも効果的です。
一方で、オウンドメディアで収益を確保するためには、時間と手間をかける必要があります。近年ではGoogleの検索アルゴリズムが進化しており、記事の量だけではなく内容と品質が伴っていないと成果は得られません。
成功事例:ライオン株式会社
「ライオン株式会社」は国内最大手の生活用品の製造販売企業です。同社では「Lidea」というオウンドメディアを運営しており、日々の生活に役立つ情報を提供しています。コンテンツの内容は多岐にわたり、生活に関連するニュースや新製品の紹介などです。
Lideaでは信頼性を担保するために、社内の専門家を監修として起用しています。記事の更新頻度も2日に1回以上と多いため、ユーザーにとって魅力のあるメディアに清涼しています。Googleでの検索結果も優秀で、メディア内では同社の製品も紹介されているため、非常に収益性の高いメディアだと言えるでしょう。
Lideaの運営にあたっては、企業側ではなく顧客側の目線に立つことはもちろん、迅速に情報を提供できるように社内での協力体制を構築しています。会員登録で毎月のプレゼントキャンペーンに応募可能になるなど、リードとの関係も積極的に育成できるようにするなど、コンテンツ制作以外の点でも参考になる点は多いです。
コンテンツマーケティング手法⑦:動画コンテンツ
動画コンテンツを活用した「動画マーケティング」は、文章や画像ではなく動画を用いて、情報の提供や商材の紹介を行う施策です。動画マーケティングでは主に、YouTubeやInstagramなどの動画配信サービスやSNSを活用します。幅広い層にアピールして、ユーザー同士の拡散の連鎖を期待できます。
動画マーケティングのメリットは次のとおりです。
- 直感的に情報を伝えることが可能
- ユーザー同士の拡散効果が高い
- 動画コンテンツ自体が資産になる
一方で、動画マーケティングを導入する際は、次のデメリットに注意が必要です。
- 動画制作に時間とコストが必要
- 動画の第一印象が成果を左右する
- 通信環境への配慮が求められる
動画コンテンツは伝えられる情報量が最も多いコンテンツマーケティング施策のひとつです。文章や画像とは異なり、必要な情報を直感的かつ正確に伝えられます。「メラビアンの法則」によると、視覚が人に与える影響は文字単体と比べて8倍近くも高いのです。
動画マーケティングはSNSとの親和性も高く、ユーザー同士のSNS上での拡散も期待できます。さらに、動画コンテンツは一度投稿すれば継続的に集客効果を発揮するため、動画は資産として蓄積していきます。
一方で、動画制作には撮影と編集、エンコード、投稿など、さまざまな知識が必要になります。制作に莫大な時間と労力がかかるだけではなく、外部発注する場合はコストも増大します。また、動画の印象が悪い場合はブランドのイメージにも悪影響を与えかねません。
例えば、動画内で表情や声のトーンが暗いと、どれだけ口では魅力的なことを言っていても、視聴者に暗い印象を与えてしまいます。ユーザーによっては無音状態で動画を見ることもあるので、字幕を入れて分かりやすくするなどの配慮も欠かせません。
成功事例:マルキユー
「株式会社マルキユー」は、フィッシング関連アイテムの製造販売を行う企業です。同社はフィッシング愛好家の間では知名度のあるメーカーでしたが、さらなる顧客層の獲得が課題でした。そこでYouTubeを活用した動画マーケティングを導入しました。
コンテンツの内容は、主に同社の製品を活用したフィッシングの映像です。フィッシングのテクニックを紹介したり、知っておくと便利な知識を提供したりするなど、幅広いコンテンツを公開しています。テレビの専門チャンネル並みに充実した内容であることから、既存のマルキユーユーザーのみならず、新規の顧客にもアピールできる内容です。
同社はこれまでに700本近い動画を公開し、現在ではチャンネル登録巣は4万人を突破しました。月に5本~6本の動画を提供するというコンスタントな運営を続けており、チャンネルの概要欄には同社のオウンドメディアへの導線が貼られています。そのため、リードナーチャリングと見込み客獲得の効果も高いと言えるでしょう。
自社製品のマーケティングを動画コンテンツで行うのは、コンテンツマーケティングの中でも難易度の高い手法です。しかし、マルキユーの成功事例を参考にすれば、動画マーケティングも成功させやすくなるでしょう。
コンテンツマーケティング手法⑧:ウェビナーやセミナー
「セミナー」とは、特定のテーマに関心のある人が集まって知識の共有を行う活動です。例えば、コンテンツマーケティングのセミナーに参加すると、講師から手法や施策などを学んだり他の参加者と意見を交換したりできます。近年ではYouTubeなどのライブ配信サービスを活用して、オンラインでセミナーを行う「ウェビナー」も主流になりつつあります。
今回は主にウェビナーに焦点を絞って詳細を解説します。ウェビナーのメリットは次のとおりです。
- 集客力の高いセミナーを低コストで実現可能
- 事前の準備や運営などの手間を軽減しやすい
- セミナー動画を活用して顧客を獲得しやすい
一方で、ウェビナーには次のようなデメリットのあるので注意が必要です。
- 通信環境によっては映像や音声の遅延が生じる
- 参加者の反応をリアルタイムに確認しづらい
- 集客方法を確立していないと参加者を集めづらい
ウェビナーはオンライン上で開催するので、会場の確保やセッティングなどのコストがほとんど掛かりません。参加者が増えてもウェビナーのコストはほとんど変わらないので、多くの顧客を相手にセミナーを開催したい場合も安心です。しかも、ウェビナーを録画しておけばアーカイブとして配信できるので、動画コンテンツとしての集客効果も高いのです。
ただし、ウェビナーは主催者と参加者どちらかのネット回線の環境や混雑状況が悪いと、映像や音声の遅延が生じます。参加者側がWebカメラを使わないウェビナーでは、表情を確認できないのでペースを掴みづらいこともあります。また、ウェビナーは企業の公式サイトに開催告知をするたけでは集客しづらいため、そもそも集客方法の確立も必要です。
ウェビナーの料金は?おすすめツール16選を比較 コロナ禍のリモート生活で一躍注目されているウェビナー。自社サービス・商品の展示会や人材採用の説明会、社員研修などに利用でき、直接リードを獲得できるメリットもあります。そこでウェビナーのメリットとデメリット、おすすめのツールをご紹介します。成功事例:マネックス証券株式会社
「マネックス証券株式会社」は証券取引や為替取引など各種金融商品を扱う企業です。同社では既存顧客が株取引を円滑に行いやすくするために、定期的なウェビナーの開催を行って株取引専門ツールの操作方法の解説など行っています。
配信が滞ってしまうなどのトラブル対策として配信ツールの導入や、ウェビナー後のアンケート調査などツールにもこだわることで、スムーズなウェビナー運営を実現しています。
ウェビナーに参加している顧客は、株取引の件数が約2倍も増えているようです。顧客の取引件数が増えることは、企業側にもメリットがあります。双方がウィンウィンの関係に慣れるウェビナーを提供するという企業努力は、ぜひとも見習いたいところです。
コンテンツマーケティング手法⑨:書籍出版
「書籍出版」は最も古典的なコンテンツマーケティングの手法ですが、現在でも効果的な施策です。出版マーケティングも他の施策と同じように、企業の商材やブランドの認知度を高めるために行います。顧客の役に立つ情報はもちろん、さまざまなエピソードや企業努力、仕事や商品への思い入れを交えて執筆すれば、他の施策との差別化を図れるでしょう。
書籍出版には「紙面書籍」と「電子書籍」の2種類のものがありますが、今回は紙面出版に焦点を当ててご紹介します。書籍出版のメリットは次のとおりです。
- 信頼度や認知度を高めることができる
- 読者の五感に訴求することができる
- 長期的な集客効果や他の施策への応用
一方で、書籍出版には次のようなデメリットもあるので、施策を実施する前は検討しましょう。
- 書籍出版には多額の費用負担が必要
- 情報の更新や修正を行うことが困難
- 幅広い層へのアプローチができない
ネット上でのマーケティングより顧客の信頼感を得やすい傾向があります。書籍の出版には知識や資金力が必要で、「著者」という立場になることで「専門家」という印象を与えられるからです。しかも、紙の書籍はディスプレイなどで表示されるものより、五感全体で認識しやすいため「知識」として記憶に残る傾向があります。
書籍出版によって顧客の信頼感は高まり、顧客ロイヤリティが向上しやすいなど効果を期待できます。また、出版した書籍をコンテンツSEOなど他の施策で発信することで、連鎖的な集客効果を作り出すことも可能です。
一方で、書籍出版には多額の費用や手間が掛かります。出版社が費用を負担する「商業出版」では、執筆の主体が出版社になるため思いどおりの書籍を制作できません。また、書籍は改訂版を出版しない限り、情報の修正を行うのが困難です。書籍を購入した読者にしかアピールできないことも、書籍出版のデメリットです。
成功事例:タクシー運転手
ある「タクシー運転手」が出版マーケティングを行い、タクシー事業のコンテンツマーケティングで優れた成果を遺しました。彼は建設会社の社長や区議会議員を経験して、タクシー運転手へ転身したというキャリアの持ち主です。書籍ではタクシー運転手になってからのエピソードや地道な営業努力、仕事への熱意や思想などが描かれています。
彼は数十万円かけて自費出版を行いました。わざわざ多額の費用をかけて出版することで、他のタクシー事業者との差別化を図ることができます。コモディティ化が進み運賃が均一化しているタクシー業界では、他者との違いを明確にすることは困難です。書籍を出版してエピソードを公開したことにより、読者は彼を特別なタクシー事業者と認識しました。
この書籍では、新人時代に高速道路でバックしてしまったなど、驚くようなエピソードが述べられています。あえて隠さず表現することで、著者への共感を呼ぶのです。仕事へのこだわりを表現することでソートリーダシップにつながり、信頼感が増します。このように、自身を書籍に投影することが、書籍出版で実施するときに見習うべきポイントです。
コンテンツマーケティングのよくある5つの失敗と対策
コンテンツマーケティングを行う際は、次の5つのことが原因で成果を得られないことがあります。
- 導線設計が不十分
- コンテンツの質が低い
- 目的に沿ったコンテンツがない
- 効果検証ができていない
- 外部パートナーとの相性が悪い
コンテンツマーケティングに失敗してしまう原因と、その対策方法について詳しく見ていきましょう。
導線設計が不十分
コンテンツマーケティングを行う際は、どの施策を取る場合も「導線の設計」が必要です。導線とは商品やサービスの購入や資料請求など、顧客に何らかの行動を起こしてもらうための道筋のことです。導線の設置は「CTA (Call To Action)」とも呼ばれ、コンテンツマーケティングで成果を得るための極めて重要な要素となります。
コンテンツマーケティングでは記事や動画など、質の高いコンテンツをたくさん作ることが重要です。しかし、そればかりに気を取られて導線設計がおろそかになると、最も重要なコンバージョンを生み出せません。例えば、せっかく濃密で分かりやすい記事を書いているのに、肝心の商材購入へのリンクが記事の先頭だけに設置されているなどのケースです。
重要なポイントは、コンテンツに応じた導線を設計することです。記事や動画などの集客コンテンツだけではなく、ホワイトペーパーのようなリード獲得コンテンツや、サービス資料などの見込み客獲得コンテンツにも導線を設定するなど、複数のマーケティング施策を組み合わせることが重要です。
例えば、オウンドメディアに掲載している記事からホワイトペーパーなどの資料を請求できる導線を設けたり、動画コンテンツの概要欄からオンラインショップへアクセスできるようにするなどです。いずれの場合も、ユーザーの興味が高まった段階で自然とCTAへ流れるような、ユーザー目線の分かりやすい導線設計が欠かせません。
売上を作るコンテンツマーケティングの導線設計方法を解説!種類別の事例も紹介コンテンツの質が低い
コンテンツマーケティングを成功させるためには、コンテンツの品質を担保する必要があります。コンテンツSEOや動画マーケティング、ホワイトペーパーやオウンドメディアなど、すべての施策でコンテンツの品質は最も重要な要素です。しかし、質の高いコンテンツを提供し続けるためには、それなりのリソースが必要です。
ライティングや動画制作などを社内で行う場合は、できればコンテンツマーケティング専門の人員を確保する方が無難です。既存業務がある場合は、コンテンツ制作のためのリソースが不足して、プロジェクトの遅れや品質低下などを招いてしまうからです。インハウス化する場合はライターなどの技術だけではなく、ディレクション体制も欠かせません。
なお、インハウス化が難しい場合は一部の業務で外部リソースを活用すると、業務を効率化できます。外注費などの費用がかかりますが、社内リソースが確保できる分野は社内で対応するなどの工夫で、コストを抑えながら良質なコンテンツを効率的に制作することができるでしょう。
目的に沿ったコンテンツがない
コンテンツマーケティングでは、顧客層やニーズに応じたコンテンツを提供することが重要です。顧客の目的に合わないコンテンツを公開しても、コンバージョンには繋がりません。例えば、CRM(顧客関係管理)に関するコンテンツマーケティングを行う場合は、潜在顧客向けと見込み客の両者で提供すべきコンテンツが異なります。
例えば、潜在顧客向けには、コンテンツSEOやホワイトペーパーなど、一般的かつ有益な情報を提供することが重要です。しかし、商品やサービスを比較検討している見込み客に対しては、具体的な導入事例や競合他社との比較表などを掲載することが重要です。
ユーザ像や検討段階に応じたコンテンツ設計をすることで、より効果的なコンテンツマーケティングを実施できます。
効果検証ができていない
コンテンツマーケティングでは、効果の検証を行うことが重要です。
コンテンツを公開したらユーザーの反応をチェックして、結果が好ましくなければ効果測定を参照して改善しましょう。改善を続けることでコンバージョン獲得率も高まります。しかし、こうした数値はコンテンツ公開直後には計測しづらいです。直帰率や読了率などは平均値なので、数値を評価するためにはある程度大きなサンプルが必要になります。
また、数値が取れているからといって、必ずしも良質なコンテンツとは限りません。たとえ一時的にコンバージョンを獲得できていても、記事が読みにくかったり情報が不正確だったりするコンテンツでは、すぐに競合他社に対抗できなくなるでしょう。
読者に有益なコンテンツを提供できているかどうかについては、数値などの定量的な観点では測定できないため、定性的な観点から評価することが大切です。読者の目線に立ってコンテンツを再確認したり、ファクトチェックを欠かさず行ったりするようにしましょう。
外部パートナーとの相性が悪い
コンテンツマーケティングに外部リソースを活用する場合は、業者の選定方法に注意が必要です。外部パートナー選定の際は見積価格だけではなく、業者側の提案内容や対応業務などを観察して、レベルを見極めることが大切です。
そのためには、事前にコンテンツマーケティングの目的や発注内容を明確にしておくことが重要です。
さらに、コンテンツ制作やSEO対策など一部業務だけ発注するのか、マーケティング施策全体を委託するのかも重要です。例えば、オウンドメディアの制作を任せたいのであればWebサイト制作会社、サイトの運営全体を依頼したいならコンテンツマーケティング会社を選ぶ必要があります。
これらの事前準備を整えた後は、業者への打ち合わせや見積もりを行いましょう。コストや実績などで選ぶのではなく、担当者の技量を見極めることが重要です。こちらが抱えている問題に的確な解決法を提示できる業者、目先の利益だけではなく中長期的な成果を出せる業者だということが分かってから契約を締結しましょう。
コンテンツマーケティングを導入する流れ
コンテンツマーケティングを導入する際は、下記の流れで進めることが大切です。
- 目的設計
- 顧客分析
- カスタマージャーニーマップを作成
- 競合コンテンツ分析
- 導入チャネル設計
- KPI・KGI設計
- 制作コンテンツ設計
- 運用体制設計
- 効果測定
- 改善グロース
いずれも重要な工程なので、各段階で意識すべきポイントを確認しておきましょう。
目的設計
コンテンツマーケティングを実施するときは、まず目的を設定することが大切です。企業が何のためにコンテンツマーケティングを導入するのか、ビジネスのために何が必要なのかを検討しましょう。例えば、コンテンツマーケティングを行う目的としてよく挙げられるのは次の7つです。
- 既存顧客の維持
- ロイヤルティの醸成
- 商材の成約を獲得する
- ブランドの認知度を高める
- 販売数や口コミを増加させる
- リードの獲得やリードの育成
- アップセルやクロスセル
目的を定めずにコンテンツマーケティングを始めても成功しません。なぜなら、目的に応じて導入すべき施策は異なるからです。例えば、顧客ロイヤリティの醸成にはコンテンツSEO、商材の制約獲得にはサービス資料、口コミの増加にはSNSなどが適切だと考えられます。
また、目的に応じた具体的な成果指標を定めることも重要です。成果指標はコンテンツマーケティングの達成度を定量的な指標で評価するためのものです。例えば、リード獲得が目的の場合は「問い合わせ数」やホワイトペーパーのダウンロード数、サービスの認知度や顧客ロイヤリティを向上させたい場合は「指名検索数」などが考えられます。
ただし、初期段階の成果指標に「売上数」を設定することはおすすめしません。収益は最終的な目標であり、コンテンツの成果を評価できる指標にはならないからです。成果指標は短期間での成果を評価する「マイルストーン」のような役割も果たします。細かな成果指標を達成し続けた後に、事業目的の達成があることを意識しましょう。
顧客分析
コンテンツマーケティングを導入する目的や成果指標が定まったら、「ペルソナ」の策定を行いましょう。ペルソナとは、マーケティングの対象とする「具体的な顧客像」のことです。ペルソナを設定することで、誰にどのような情報を発信すべきなのかを整理して、先入観や直感によるコンテンツ制作を防ぐことができます。ペルソナの要素は次のとおりです。
定量的特性 (個人のステータスに 関するもの) |
年制 性別 居住地 出身地 家族構成 職業 収入 学歴など |
---|---|
定性的特性 (ライフスタイルや好みに 関するもの) |
趣味 嗜好 人生観 価値観 悩み 食習慣 運動習慣 交流関係 娯楽の傾向 旅行の傾向 情報収集の傾向 利用しているSNS 休日の過ごし方など |
これらの要素からペルソナを設定すると、「顧客インサイト」つまりユーザーの隠された本音が見えてきます。設定項目が細かすぎるような気がするかもしれませんが、ペルソナを正確に策定するためにはこれくらいの項目が必要です。なぜ自社の製品を利用するのか、逆になぜ関心がないのかという点が分かります。
ただし、ペルソナはやみくもに設定しようとすると、実情から外れたものになることもあります。そこで、アンケート調査やインタビュー、競合他社の調査などを活用してみると良いでしょう。ペルソナ設定時に重要なことは、企業にとって都合の良いユーザー像にしないことです。客観的なデータに基づいて、現実的なペルソナを設定する必要があります。
以上の方法でペルソナを設定すると、社内や外部パートナーとの認識を共有できます。担当者によってターゲット層の認識に食い違いがあると、戦略の立案やコンテンツの制作時に問題が生じがちです。調査データから基づいた客観的なペルソナを策定することで、より効率的にプロジェクトを進められます。
カスタマージャーニーマップを作成
ペルソナを策定した後は「カスタマージャーニーマップ」を作成します。「カスタマージャーニー」とは「顧客の道のり」のことです。ユーザーがどのように企業と接点を持ち、興味を深めて製品の購入に至るかを、顧客の目線に立って整理します。いわば顧客の「思考」「行動」「感情」の3つを図式化したものがカスタマージャーニーマップです。
カスタマージャーニーを制作すると、顧客目線に立った戦略を社内や外部パートナーと共有できます。そのため、施策の企画や運用をスムーズに進められるようになります。カスタマージャーニーマップが目的地つまり事業目標への地図となり、迷うことなくコンテンツマーケティングの施策を行えるでしょう。
カスタマージャーニーマップを制作するときは、次の5つの要素を検討してから組み込んでいきます。
- ペルソナ
- フェーズ
- チャネル
- キーワード
- 行動と思考および感情
カスタマージャーニーマップはペルソナに基づいて作成します。ペルソナは先ほど策定しているため、フェーズを設定しましょう。フェーズとはユーザーが取る行動の段階のことです。例えば「認知」「興味」「比較」「購入」など、ユーザーが企業について知り、商材の購入に至るまでの道のりを細かく区切りましょう。
次にチャネルを想定します。チャネルは情報を入手するための手段です。例えば、スマホでWebサイトからアクセスする場合は、スマホとWebサイトがチャネルとなります。パソコンとスマホでは、ユーザーの集中力が異なるといわれています。スマホの方が気が散りやすいため、ユーザーがページに復帰するなどデザインを工夫することが重要です。
最後にユーザーの行動や思考、感情をまとめていきます。ポジティブなことだけではなく、ネガティブな面についても書き出すことが重要です。思いつくキーワードを羅列していきましょう。ネガティブな感情は新しいアイディアや改善につながります。これらのポイントを整理できたら、カスタマージャーニーマップの完成です。
カスタマージャーニーマップとは?目的と作り方、事例を解説競合コンテンツ分析
ペルソナとカスタマージャーニーマップを作成したら、コンテンツの内容を検討していきます。まずは、コンテンツマーケティングによる情報発信のテーマと顧客が求めている情報を決めましょう。その際は、競合他社のコンテンツを分析して、自社のコンテンツを磨くことが重要です。
コンテンツマーケティングに取り組む企業は増加しているため、他社がすでに同じようなテーマやペルソナを定めていることもあります。競合他社を上回るコンテンツを制作する必要があるので、メディアの内容や更新頻度、各種資料の提供状況やSNSの反応などをチェックしましょう。
オウンドメディアやコンテンツSEOの場合は、競合調査が特に重要です。競合調査をせずに作成したコンテンツは、ユーザーの検索意図を満たせない可能性があります。検索キーワードを入力して、上位表示されているサイトを詳しく調査してみましょう。その上で次の4つの点について分析を深めていきます。
- タイトル
- 見出し
- 文字数
- 共起語
他者と同じようなコンテンツを制作しても成果は得られません。自社のオリジナリティを出すためには、独自の調査と対策が必要です。外部環境については業界や市場の動向などの調査、内部環境には既存顧客へのアンケートや営業およびサポート部門へのヒアリングなどが効果的です。より現実的な戦略設計が可能になるでしょう。
競合サイトの順位比較!分析ツールおすすめ10選と見るべきポイント導入チャネル設計
競合コンテンツの分析が完了したら、次は導入チャネルの設計を行いましょう。チャネルとは情報へのアクセス手段や媒体のことです。オウンドメディアを立ち上げて記事を掲載しても、マーケティング効果はほとんど得られません。例えば、コンテンツマーケティングではコンテンツSEOがメインだと考えられがちですが、他にも様々なチャンネルがあります。
コンテンツマーケティングでは複数のチャネルを活用して、コンテンツをユーザーに「発見してもらう」ことが重要です。競合他社や顧客が活用しているチャネルと調査すると、どのチャネルを使うべきか分かります。YouTubeなどの動画サイトや各種SNS、ホワイトペーパーやメルマガなど効果的なチャネルを選択しましょう。
選択するチャネルによって、コンテンツの制作方法や後述するKGIやKPIなどの指標が変わってきます。このステップで導入チャネルをしっかり検討しておかないと、コンテンツマーケティングの施策が安定しないので注意が必要です。
KPI・KGI設計
カスタマージャーニーマップや導入チャネルが決まったら、運用時の成果を測定するための指標を定めましょう。指標にはさまざまなものがありますが、基本的には「KGI(重要目標達成指標)」と「KPI(重要業績評価指標)」が分かりやすいのでおすすめです。KGIはコンテンツマーケティングの最終的な目的を示すもの、KPIは短期の評価を行うためのものです。
例えば、KGIとして「成約数を3割増やす」ことを設定したら、そこへ繋がるためのKPIが必要です。重要なポイントは、KGIは一度設定したら基本的には変更しませんが、KPIはプロジェクトの段階に応じて変更することです。
例えば、コンテンツSEOの導入段階では、まずユーザーへの認知を獲得することが大切です。「検索流入数」や「キーワード順位」などをKPIとすると良いでしょう。複数チャネルと活用して認知度がある程度高まったら、リードの獲得状況を評価します。
その後、リードを獲得できる段階になったら、いかに自社製品を選択してもらうかを意識することが重要になります。ホワイトペーパーやサービス資料の「ダウンロード数」や「問い合わせ件数」など、コンバージョン獲得に直接つながるKPIを設定しましょう。
KPIを一度に設定しても達成できないので、段階に応じて遷移していくことが重要です。
KPI指標とは?KGIとの違い、設定例を分かりやすく解説 重要な指標を設定し、目標達成のために具体的な施策を考えるためにKGI、KPIを設定する手法が一般的です。では、具体的にどのようにKGI、KPIを設定すればいいのでしょうか?OKR、KSFの紹介とあわせて解説します。制作コンテンツ設計
KGIやKPIなどの指標を設定したら、具体的なコンテンツの設計へ移りましょう。まず検討すべきことは、コンテンツ制作を内製化するか、外部パートナーを活用するかという点です。双方とも相応のメリットとデメリットがあるため、社内リソースの状況を見極めて判断しましょう。
内製化するメリットは、制作コストを抑えられる点と認識を共有しやすい点です。発生する費用は基本的には人件費だけで、外部の担当者が関与しないため認識の共有や意思疎通をスムーズに行えます。一方で既存業務が存在する場合は、コンテンツの制作や分析の時間を十分に確保しづらいことがデメリットです。専任の担当者を設置することが望まれます。
外部パートナーを利用するメリットは、コンテンツの量産を効率的に行える点や難しい分野を専門家に任せられる点です。一方で、相応の外注費が必要になることや、自社製品への知識に乏しいことがデメリットとなります。例えば、記事制作の外注には1文字2円~8円必要です。自社製品の認知を広めたい場合は、外部パートナーへの知識共有も欠かせません。
また、ホワイトペーパーやサービス資料など、導線となるコンテンツが求められる場合は必ず制作しておきましょう。実際にコンテンツの制作を開始して問題点が浮上したら、先送りせずに解決法を探ることも重要です。
運用体制設計
コンテンツマーケティングで最大の壁は「継続すること」です。たとえ滑り出しは順調でも、運用体制が整っていなければコンテンツ制作を継続できません。長期的に運用するためには、工程や役割ごとの責任を明確にしたチーム編成が欠かせません。編集チームには次のような人材が欠かせません。大まかな役割と共に確認しておきましょう。
人材 | 役割 |
---|---|
ディレクターおよびプランナー | プロジェクトの進行や進捗状況の管理、予実管理などを行う |
コンテンツ管理者 | コンテンツの品質を管理する |
コンテンツ制作者 | コンテンツを実務的に制作する |
運用担当者 | ウェブサイトのグロースハックや炎上対策などを行う |
アナリスト | 効果測定や課題分析などを行い、改善点を洗い出す |
材を確保する方法は企業によってさまざまです。前述したように、社内リソースに余裕のある分野に関しては社員を起用できますし、リソースに余裕がない場合は外部パートナーに依頼する必要があります。
ディレクターおよびプランナーはプロジェクト全体を管理します。基本的にはディレクターの指示によってプロジェクトが進行するため、統率力のある人材を登用することが重要です。コンテンツ管理者は品質管理を担当します。実務的なコンテンツ制作者は複数人であることが多いため、担当者によって品質や内容に大きな違いが出ないように調整するのです。
運用担当者は、コンテンツを成長させるための改善策を立案する「グロースハック」や、動画サイトやSNSなどでの「炎上対策」を担当します。特にSNSアカウントを運用する場合は、対応策の構築など事前の炎上対策が欠かせません。社員の個人アカウントなどが原因で炎上することも考えられるため、コンプライアンスの徹底が必要です。
アナリストはコンテンツマーケティングの効果を測定して、問題点や改善点を模索します。導入初期の段階ではGoogleアナリティクスなどのデータ収集も難しいので、月間のコンテンツ公開数など分かりやすい指標を設定して、その達成状況を評価することも大切です。
効果測定
運用体制を構築して実際にコンテンツを公開し始めたら、効果測定を行いましょう。先ほど設定したKPIに基づいて数値を評価することが大切です。KPIの分析を行うと、現在公開しているコンテンツのどこに問題があるのか、改善点を洗い出すことができます。
例えば、導入段階のKPIが「検索流入数」や「キーワード順位」であれば、Googleアナリティクスなどのツールを活用します。ただし、効果測定にはある程度まとまったデータ数が必要なので、導入段階ではコンテンツ数を増やすことが大切です。
KPIに達していない場合は、コンテンツの改善が必要です。ただし、初期段階では問題点が多くて、どこから改善すべきか分からないかもしれません。まずは課題をひとつに絞り込むと、改善のための施策に集中しやすくなるでしょう。
改善グロース
効果測定を行ったら、KPIやKGIの数値に基づいてコンテンツの改善を行います。前述したように、コンテンツマーケティングの初期段階では改善点が多いため、ひとつずつ絞り込んで改善を続けることが重要です。
コンテンツの公開を継続してある程度データが集まりやすくなったら、「ファネルの底」を意識しましょう。ファネルとは逆三角形の漏斗のことで、顧客が企業やサービスを認知して購入に至るまでの段階を示します。カスタマージャーニーマップに近いと言えるでしょう。
成約に至る「見込み度」は高まります。ファネルの底へ到達する顧客を増やすために、コンテンツの質を高める改善策を実施しましょう。
コンテンツマーケティング導入時の相談先の選び方
コンテンツマーケティングには各分野の専門知識が必要なので、外部パートナーを利用する方が効率的です。相談先を選ぶ際は、次の3つのポイントを意識しましょう。
- 業者が得意とする業界や商材との相性
- 得意なコンテンツマーケティング施策
- 支援範囲はワンストップかスポットか
外部パートナー選びを誤るとコンテンツマーケティングの成功率が下がってしまうので、必ず事前に確認しておくようにしましょう。
コンテンツマーケティングに強い21のおすすめ会社を紹介|パートナー会社の選びのコツとは得意な業界や商材
事業者によって得意とする業界や商材が異なります。自社の製品やサービスとの相性が良くなければ、コンテンツマーケティングの成果を達成しづらくなります。相談先の企業に業界や商材への理解があるか、事前の打ち合わせで必ず確認しておきましょう。
例えば、コンテンツマーケティングの主な目的が自社製品の宣伝にある場合は、外部パートナーが商材の魅力やメリットを理解して、適切な施策を実行できることが重要です。そのためには、過去に同様の分野での経験がある事業者が望ましいのです。コンテンツの制作や管理を発注する場合は、事業者の実績や実例を提示してもらうと、適性を判断しやすくなります。
外部パートナーの得意分野とマッチすれば、過去の知識を活用してコンテンツマーケティング施策を実行しやすくなります。どのような施策を取れば効果を得られるかが分かっているため、自社の抱えている問題にも適切な解決法を提示してくれるでしょう。
ただし、担当者のコミュニケーション能力が低ければ、認識や目的の共有が上手くいかなかったり、問題が発生したときに満足な対応を得られなかったりすることがあります。コミュニケーションの頻度や円滑さは、長期的なパートナーシップに必要不可欠です。
得意なコンテンツマーケティング手法はなにか
コンテンツマーケティングにはさまざまな手法があります。KGIやKPIによって適切な施策は異なりますし、実行する施策によって選ぶべき業者も変わります。外部パートナーの候補がどの施策を得意としているか、公式ホームページや問い合わせなどで事前に確認しておきましょう。
例えば、オウンドメディアの運用が得意な業者を選ぶ際には、SEO対策やWebサイトの制作、運用などさまざまな知識と経験が求められます。アルゴリズムに変化が大きいため、最新の情報感度やノウハウが必要です。
企業の公式SNSアカウントで認知度を高めたい場合は、SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングの専門業者を選びましょう。YouTubeなど動画サイトの公式チャンネルで顧客を確保したい場合は、動画マーケティングの実績がある業者を選定することが大切です。
自社が求めるマーケティング施策と外部パートナーの得意分野が一致していなければ、外部パートナーに発注しても十分な成果を得られません。また、社内リソースに余裕がある分野は社内で対応したり、本当に必要な施策だけを発注したりすると、より専門性の高い業者に絞り込むことができるでしょう。
ワンストップかスポットか
発注先の外部パートナーが対応できる業務の範囲内も確認しておきましょう。事業者によって得意分野が異なるため、対応できる業務範囲も異なります。幅広い分野の業務にまとめて対応できる場合は「ワンストップ型」、一部の業務のみ対応可能な場合は「スポット型」と呼びます。
コンテンツマーケティングの導入や運用には、さまざまな業務が発生します。社内で対応できないものやノウハウがない分野については、まとめて発注可能なワンストップ型の業者を選ぶ必要があります。
一方で、社内にリソースやノウハウがある分野については、社内の人材で対応する方がコスト面で有利です。その場合はスポット型の業者に特定分野に専念してもらうと、コストを抑えつつも品質の高いコンテンツを制作できるようになります。
いずれの場合もまずは事業者に相談して、自社の要件を整理した提案を作成してもらうことが重要です。業務範囲の認識に食い違いがあると後でトラブルになることがあるので、可能であれば「SLA(サービス水準合意)」などで業務内容を確認しておきましょう。細かな点まで条件を確認しておくことが、円滑なプロジェクト進行に役立ちます。
コンテンツマーケティングは手法選定が重要
コンテンツマーケティングにはさまざまな手法があり、適切な施策は事業目的や社内リソースの有無によって異なります。成果を得られるまでに一定の期間がかかるため、適切なマーケティング手法の選定や、事前の指標設定および運営体制の構築が重要です。
自社にコンテンツマーケティングのノウハウがない場合は、実績のある外部パートナーに相談してみることをおすすめします。「ニュートラルワークス」には、オウンドメディアの検索流入数を34倍、獲得件数を24倍に成長させた実績があります。
コンテンツマーケティングの記事制作に課題を抱えている方は、ニュートラルワークスにぜひご相談ください。
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弊社のサイト改善コンサルティングでは、サイトのどこに課題があるかを実績豊富なプロが診断し、ビジネスに直結する改善策をご提案します。
コンテンツマーケティングのよくあるご質問
- コンテンツマーケティングとは?
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「コンテンツマーケティング」とは、インターネット上で潜在的な顧客に有益な情報を発信して、ユーザーを商品やサービスの購入へ導くマーケティング手法です。
- コンテンツマーケティングと広告中心の従来型マーケティングとの違いは?
-
コンテンツマーケティングは商材を直接売り込むのではなく、顧客に役立つ情報を提供します。ユーザー目線でマーケティングを行い、信頼関係を構築することが目的です。
- コンテンツマーケティングを導入するメリットは?
-
企業がコンテンツマーケティングを導入すると、次の5つのメリットを得られます。
・潜在顧客との接点を獲得できる
・中長期的な顧客獲得コストが低下する
・業界の第一想起を獲得しやすくなる
・リードの獲得や育成を行いやすい
・顧客ロイヤリティが向上する