マーケティング

最終更新日: 2024.04.04

認知獲得に強いコンテンツマーケティング手法と導入の流れを解説

認知獲得に強いコンテンツマーケティング手法と導入の流れを解説

コンテンツマーケティングは、企業の認知度を高めるのに適した方法です。他にも、コンテンツマーケティングには、広告費用の削減や潜在顧客への認知、ソートリーダーシップの獲得などさまざまなメリットがあります。

しかし、コンテンツマーケティングは短い期間で素早く結果が出るものではないため、コスト面でつり合いが取れないケースもあります。コンテンツマーケティングについて正しく理解しないと失敗に終わる可能性もあるのです。

そこでこの記事では、認知活動に注力したい企業担当者の方に向けて、コンテンツマーケティングが認知活動に適している理由や、獲得した認知を実際の売り上げにつなげる方法などを徹底解説します。

コンテンツマーケティングとは?事例とともにわかりやすく解説 コンテンツマーケティングとは?事例とともにわかりやすく解説
石田 哲也

監修者

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

目次

コンテンツマーケティングが認知獲得に強い理由

コンテンツマーケティングが認知獲得に強い理由

コンテンツマーケティングが認知活動に強いとされるのには、大きく3つの理由があります。まずは、コンテンツマーケティングの基礎的な部分を理解していきましょう。

情報収集段階からアプローチできる

コンテンツマーケティングは、悩みや課題が顕在化する前の状態からアプローチをかけることができます。「今すぐに特定の商品やサービスが欲しい」と感じているのは、解決策がすでに見えている顕在顧客です。

しかし「なんとなく気になっている」「興味はあるが行動するほどではない」といったような、潜在層の方が圧倒的に多くなります。この潜在層に対して、コンテンツでの情報提供を通じてアプローチできるのがコンテンツマーケティングの強みです。

コンテンツマーケティングでは、一度コンテンツを作れば不特定多数の人に長期間見てもらえます。同じ悩みを抱えている人同士でコンテンツをシェアし合ったり、口コミでの評判が広まる可能性も大きいです。

ソートリーダーシップを獲得しやすい

コンテンツマーケティングは、ソートリーダーシップを獲得することにもつながります。ソートリーダーシップとは、考えや志、信念などを先導・主導していくという意味です。ソートリーダーシップは、新しいアイデアや将来を見据えた提案をすることによって、顧客からの高評価や共感を得ることができます。

コンテンツマーケティングでは、ユーザーが抱える悩みや課題に対して何度も、継続的に情報提供をし続けます。顧客からの信頼や愛着を得やすくなるため、自社が顧客へソートリーダシップをとっていく関係性が構築できるのです。この関係づくりが、顧客の第一想起につながるため、認知獲得が可能になります。

マーケティングの対象地域が広い

コンテンツマーケティングでは、記事や動画などのデジタルコンテンツをネット上に公開することができます。そのため、地域に関係なく全国、または全世界を対象に顧客を獲得することが可能です。

認知活動の対象範囲だけでなく、口コミや評判もネットを通じて全国、世界に届くうえ、デジタルコンテンツは共有も簡単です。そのため、評判が広まる速度も速くなり、マーケティングの対象地域を大きく広げられます。

認知獲得に強い7つのコンテンツマーケティング手法

認知獲得に強い7つのコンテンツマーケティング手法

コンテンツマーケティングは、さまざまな手法があります。自社の特色に合わせて手法を使い分けたり、組み合わせたりすることで効果を高めましょう。ここでは、BtoBのコンテンツマーケティングで使われる手法を7つ紹介します。

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手法①:コンテンツSEO

コンテンツSEOとは、記事コンテンツを作成して検索エンジンの上位表示を目指す方法です。有益で質の高い記事コンテンツを用意し、ユーザーが検索するキーワードの語句に合わせてSEO対策を施していきます。

ユーザーは、身近な検索機能を使って自分にとって必要な情報を自ら探します。従来の電話や訪問による営業、DMなどのプッシュ型営業やマス広告とは違って、顧客自ら事業に接触してくれるため自然な信頼関係を構築できるのが特徴です。

コンテンツSEOのメリット

  • インハウスなら低コストで実践可能
  • 検索上位を獲得すれば持続的な集客が可能
  • ブランディングができる
  • 会社の資産になる

コンテンツSEOのデメリット

  • リソースの確保が大変
  • 成果が出るまでに時間がかかる
  • 記事コンテンツやサイトメンテナンスが必要
  • CVに直結させるのが難しい

良質な記事を公開し続けること自体が、企業の営業資料や提案書の代りにもなり、顧客からの信頼度を底上げします。ただし実現するためには多くのリソースが必要で、念入りな設計や戦略も必要になるため「長期的な施策」ということも念頭に置いておきましょう。

コンテンツSEOの成功事例は数多くあります。アパレルECサイトや広告運用サービス、イベント企画会社などではコンテンツSEOでの流入数アップと共に、問い合わせ件数や契約・購買実績も増やすことに成功しています。

ただし、コンテンツSEOは継続的な運用で実践しないと中地半端な形で挫折するケースも少なくありません。成功事例に共通しているのは、マーケティング担当者だけでなく経営陣にも理解を深めてもらうことです。また、専門家にアウトソースして強靭なプロジェクトチームを結成するのも成功のポイントになります。

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手法②:ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、企業から顧客に向けて提供される「お役立ち資料」のようなものです。記事コンテンツのように一般公開されているものとは別に、ダウンロード資料などで自社でしか知り得ない濃い情報を提供する形になります。

  • カタログ
  • 無料の情報資料
  • アンケートデータやレポート
  • ガイドブック
  • 診断、チェックシート など

顧客の悩みを解決できるデータや情報、ノウハウなどをまとめたものを無料で提供するのがホワイトペーパーの定義です。ホワイトペーパーを提供する際には、顧客がメールアドレスや連絡先などをフォームを通して企業に伝えます。その顧客情報をリスト化し、リードマーケティングにつなげることが可能です。

ホワイトペーパーとは?作り方と目的、デザインサンプル事例 ホワイトペーパーとは?作り方と目的、デザインサンプル事例

ホワイトペーパーのメリット

  • 顧客のリードを獲得できる
  • 顧客のサービス理解を深めCVにつなげる
  • 営業資料の強化

ホワイトペーパーのデメリット

  • DLされた資料は修正ができない
  • 資料作成へのリソースが必要

ホワイトペーパーは統計データなどの定量的な情報を元に、深い内容を考察してまとめることが必要です。そのため、テキストの分量も多く専門性の高い内容が求められます。

例えば、営業代行を担う企業では、顧客への営業や電話対応時に使えるトークスクリプト(シナリオ)をホワイトペーパーにまとめて提供しています。業種ごと、対応する担当役職ごとに個別の資料を作成して提供するなど、ニーズごとに細分化したホワイトペーパーを用意しているのです。

このように、ホワイトペーパーを使ってコンテンツマーケティングの効果を高めるには、自社のターゲットを深く理解し、提供する資料を細かく分けてニーズを満たす考え方が重要です。また、コンテンツ→ホワイトペーパー→CVの導線をしっかり計画して戦略的に実践するのが成功の秘訣になります。

手法③:YouTube/SNS運用

コンテンツマーケティングでは、SNSやYoutube動画の有用性も高いです。SNSは、特定の趣味嗜好の傾向をもとにユーザー同士がつながっているため、企業がSNSを使ってコンテンツを発信する情報は素早く、適切なターゲット層へ広がります。

SNSもコンテンツSEO同様にユーザーの行動を分析しながらの運用が可能です。他のコンテンツマーケティングの手法と組み合わせて実践すれば相乗効果も期待できます。

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SNS運用/Youtubeのメリット

  • シェア・拡散力がある
  • SEOへのリソース削減
  • 広告費の削減
  • Googleアルゴリズムの影響を受けない

SNS運用/Youtubeのデメリット

  • 情報に寿命が短い
  • 運用リソースの確保が大変
  • アカウント凍結や炎上リスク

SNSは情報の流れるスピードが速いため、素早く情報を広げられますがその分SNSコンテンツの寿命は短くなります。適切な更新頻度と継続的な運用が必要なため、SNS担当者への負担は大きく、運営にかける一定のリソース確保も重要です。

また、動画配信サービスのYoutubeもコンテンツマーケティングには重要な位置づけになっていますが、動画の撮影や編集が別途必要になるためここでもリソース確保が必要になります。

SNSやYoutubeを使って飛躍的に成長したのは、レシピ動画コンテンツを配信している「kurashiru」です。kurashiruは1分以内にまとめたレシピ動画をアプリやYoutubeチャンネルで配信しています。女性や若年層に人気のInstagramでは、フォロワー数200万人を超える人気アカウントへ成長しました。

kurashiruの提供するコンテンツとSNSの特色、ターゲット層の相性がぴったりマッチしていたことに成長の理由があるといえます。視覚的に情報を届けることで魅力を伝えやすい、理解しやすいジャンルではInstagramやYoutubeなどがブランディングやファン強化につながりやすくなります。

手法④:プレスリリース/寄稿

プレスリリースとは、多くの人が信頼する規模の大きなメディアに対し、企業が情報提供するコンテンツマーケティング手法です。企業がメディアから取材を受けたり、記事を寄稿するなどして情報提供を行い、最後に自社のPRします。

プレスリリース/寄稿のメリット

  • 宣伝費用がかからない
  • 宣伝効果が高い
  • 信頼性が高い

プレスリリース/寄稿のデメリット

  • コンテンツ内容の自由度が低い
  • 競争率が高い

プレスリリースのポイントは、自社の伝えたいことを「ニュース」として扱う点にあります。

たとえば、大手製薬会社「ロート製薬」は“各大学の女子大生の傾向、カラコンで明らかに!?”のリリースタイトルで、調査データなどをまとめて情報提供しています。コインパーキング事業を展開する「パーク24株式会社」は“クルマ利用時にスマートフォンを使う人は約3割”のリリースタイトルで記事を寄稿。

両社とも、自社の宣伝文や広告コピーとは違い、確かな調査データや事実をニュースとしてまとめつつ、自社のPRを行っています。効果的なプレスリリースを作るには専門の書き手に依頼することや、メディア掲載率を上げるためのコツを押さえるなど、良質な記事を作る工夫が必要です。

手法⑤:書籍出版

書籍の出版も、コンテンツマーケティングの手法の一つです。顧客にとって有益で為になる情報を1冊の書籍にまとめることで、権威性が高まります。書籍出版は、出版社と連携して出版する場合や、自費出版をする場合があります。

書籍出版のメリット

  • ソートリーダーシップをとれる
  • 顧客に親近感を持ってもらえる
  • 他社との差別化につながる
  • ブランディング強化
  • コンテンツの自由度が高い

書籍出版のデメリット

  • 出版費用がかかる
  • 制作費用とリソースも必要
  • 書籍への評価が企業評価に直結する

タクシー会社を経営する元社長の大塚いさお氏は、自費出版で“元社長のタクシー運転手奮戦記”を出版しました。競合の多いタクシー業界で、本を出版している人は非常に珍しいものです。

彼の書籍を読んで共感や愛着を感じた顧客は「この土地でタクシーを呼ぶなら、彼の会社のタクシーを」と想起するようになります。また「カリスマタクシードライバー」として認知が広まったことで、テレビ出演なども数多く依頼が来るようになりました。

書籍には、商品やサービスに関する内容だけでなく、自社の立ち上げに至った経緯や下積み時代のことなどありとあらゆる情報を盛り込むことができます。内容は比較的自由にデザインできるため、他のコンテンツとは違った形でファンを獲得できる可能性があります。

手法⑥:セミナー

セミナーの開催もコンテンツマーケティングの一種です。無料、有料問わずセミナーを開催することで顧客との距離感を急速に縮めます。結果的にリードの獲得を増やすという流れが一般的です。

セミナーのメリット

  • 顧客との距離感が縮まる
  • 顧客の生の声を聞ける

セミナーのデメリット

  • 会場の手配や告知など手間がかかる(オフライン)
  • 会場のレンタル費用がかかる(オフライン)
  • 通信状況に左右される(オンライン)

最近ではオンラインツールを使用し遠隔でセミナーを行う「ウェビナー」を開催する企業も増えています。オンラインでウェビナーとして開催する場合には、会場を手配したりレンタル料を支払う必要もありません。ウェビナーツールを使用すれば、顧客への快適なサービスシステムを利用することができます。自社サイトやSNS、告知サイトなどを使って集客してみてください。

株取引ツールを開発、提供しているマネックス証券会社では、GigaCastというツールを利用したセミナーを開催し、業績アップにつなげています。先進的なツールの説明を実践して見せることで、顧客の商材への理解度が高まります。

また、有用なウェビナーツールを導入したことで、顧客からのアンケート回収率が6割もアップするという結果を出しています。顧客からの生の声を聞いたり、質問に答えたりすることで関係をより深めることが可能です。

ウェビナーの料金は?おすすめツール18選を比較 ウェビナーの料金は?おすすめツール18選を比較 コロナ禍のリモート生活で一躍注目されているウェビナー。自社サービス・商品の展示会や人材採用の説明会、社員研修などに利用でき、直接リードを獲得できるメリットもあります。そこでウェビナーのメリットとデメリット、おすすめのツールをご紹介します。

手法⑦:スライドシェア

スライドシェア(slide share)は、社内で作成したプレゼン資料を共有できるプラットフォームです。BtoBのコンテンツマーケティングに有用な方法として、近年注目されています。

プレゼン資料のスライドは、自社にしかない有益な情報が詰まっており、記事コンテンツを読み込むよりも素早くわかりやすく理解できることも多いです。スライドの最後に自社の情報を記載しておくことで、問い合わせや受注が発生することもあります。

スライドシェアのメリット

  • セミナーなどで使用したスライドを有効活用できる
  • BtoBマーケティングに強い
  • twitterやFacebookより反応が良い

スライドシェアのデメリット

  • 資料の手直しが必要

スライドシェアは、社内に眠っているプレゼン資料をそのままアップロードするだけでも自社のコンテンツマーケティングになります。

ただし、検索から実際にスライドを見てもらうためには、それなりの工夫が必要になるのでその点には手間がかかります。表紙のデザイン変更、SEO対策仕様にタイトルを変更する、ブログやSNSなどとの連携など、不随する作業が出てくることを念頭に置いてください。

クラウドサービスやマーケティング支援を行う企業は、過去にイベントで使用した資料をスライドシェアにアップロードしたところ、3ヶ月で300PVを獲得しました。継続して7本のスライドを公開したところ、年間で700PVまで成長するという結果に。これは実際にイベントへ参加した顧客の人数よりも多い数字でした。

まずは、社内で使用して活用機会のないプレゼン資料や提案書などがあれば、公開して問題なさそうなものからアップロードしてみるとよいです。

認知獲得の流れ①:顧客&環境分析

認知獲得の流れ①:顧客&環境分析

ここからは、コンテンツマーケティングで顧客からの認知を拡大していく流れを順にみていきましょう。まずは、自社がターゲットとする顧客についてや、自社が扱うビジネスの環境分析を行います。

顧客が求めている情報はどんなものかを理解し、コンテンツのテーマを定めましょう。コンテンツマーケティングのテーマ設定には、業界や市場の動向、競合の取り組みなどの外部環境を調べることが重要です。また、自社顧客のへのアンケートやインタビュー、営業部門やサポート部門からヒアリングなどで内部環境もしっかり調べましょう。

ペルソナ設計

コンテンツマーケティングに限らず、自社の商品やサービスを求めている顧客像を理解することは事業全体にとって必要なことです。ターゲット像をより深く細かく定めるために、まずは「ペルソナ設定」を行いましょう。

ペルソナの設定をすることで、プロジェクトに関わる人たちの顧客に対する思い込みや先入観などを取り払い、正しい顧客のニーズを理解できます。

ペルソナは顧客像をひとりの人物として作りあげるのが特徴です。性別・年齢・職業・家族構成・趣味嗜好・休日の過ごし方……といったように詳細なキャラクターを定めることで、ターゲットにピンポイントで刺さる情報を精査できるようになります。

ペルソナとは?役割と定義、設定ポイントを解説 ペルソナとは?役割と定義、設定ポイントを解説

カスタマージャーニー作成

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを発見してから購入するまでの道順をマップ化したものです。

顧客の購買行動を時系列で整理し、各段階ごとに抱く感情・思考・課題をそれぞれ明確化します。図や表にして社内共有することで、自社がコンテンツマーケティングをどのように進めていくかがわかるだけでなく、メインで押し出したいテーマやメッセージなどがブレにくくなります。

カスタマージャーニーを作成すれば、コンテンツマーケティングでどのようなチャネルを利用すればよいかわかり、具体的なキーワードも導き出しやすくなります。

カスタマージャーニーマップとは?目的と作り方、事例を解説 カスタマージャーニーマップとは?目的と作り方、事例を解説

認知獲得の流れ②:競合分析

認知獲得の流れ②:競合分析

コンテンツマーケティングでは、競合との差別化を図り、顧客に自社の情報を選んでもらう必要があります。競合の中に埋もれてしまわないためにも、競合分析は念入りに行いましょう。

競合メディア

同じターゲットを相手にしている企業のメディアを調査しましょう。競合メディアの調査には、専用ツールを使用するのが効率的です。

なかでも、エイチフレス(Ahrefs)世界で60万人のシェアを誇る人気のSEOツールとしておすすめです。導入すれば競合メディアのあらゆる情報を入手でき、自社のコンテンツマーケティングのヒントにすることができます。

エイチフレスでわかる競合メディアのこと

  • 被リンク状況
  • SEO上位表示コンテンツ
  • 想定する流入キーワード
  • SNSでの反応 など

競合施策

競合施策としては、SNSやオウンドメディアなど競合が行っているマーケティング施策を調査して分析します。

  • 集客経路
  • リード獲得方法
  • コンテンツの質
  • 対策キーワード など

競合が運用しているオウンドメディアやSNS、動画チャンネルなどを偵察します。ポイントは自社目線だけでなく、ユーザー目線で分析をすることです。ユーザーにとって必要な情報や、好反応を得ているコンテンツはどんなものかを参考にすることで、自社のコンテンツ作りのヒントや課題が見えてきます。

認知獲得の流れ③:チャネル設計

認知獲得の流れ③:チャネル設計

チャネルとは、流入経路のことを指します。コンテンツマーケティングでは、コンテンツSEOがメインに考えられがちですが実際には様々なチャネルが存在します。

  • コンテンツSEO
  • 動画配信
  • SNS
  • メルマガ
  • WEB広告
  • オンラインセミナー など

まずは競合や顧客がよく使っているものを分析し、効果的なチャネルを選択することが重要です。チャネルによってコンテンツの作り方や指標が異なるため、チャネルごとにどんなコンテンツが適しているかを把握しておくのも重要です。

最初は複数のチャネルを用意し、運用を進める中で流入数が多いものを残す、もしくは強化していくような流れが効率的です。

認知獲得の流れ④:指標設計

認知獲得の流れ④:指標設計

ここまでで「誰に何をどうやってコンテンツを発信するか」という基盤の設定が決まりました。ここからは運用に必要となる指標について解説します。

コンテンツマーケティングは中長期的な施策です。継続していくためには、分析データに表れる数字をチェックしながら実際に成果が出ているのかどうか判断しなければなりません。どの数値を使って成果の良し悪しを判断するか、決めていきましょう。

まずは、KPIやKGIなどの目標値を設定して、いつまでにどの程度の数値目標をクリアすべきか検討しましょう。また、チェックする指標はコンテンツを投入したばかりの初期段階と、徐々に流入数の増えるグロース段階とで異なります。コンテンツマーケティング全体を意識した指標の分析がポイントになるでしょう。

流入数

流入数とは、自社のメディアにどのくらいの人が訪問したかを示す数です。記事コンテンツの場合はGoogleアナリティクスでセッション数を確認します。セッション数とユニークユーザー数が別になっているため、それぞれ確認が必要です。

SNSやYoutubeでもエンゲージメントの分析が可能ですので随時チェックしましょう。

口コミ数

口コミ数とは、顧客が自社コンテンツについての評判をシェアした数と考えればよいでしょう。Googleアナリティクス上で、被リンク数やSNSのシェア数などを確認できます。

指名検索数

指名検索とは、自社の会社名や商品、サービスの名称などを検索された数を表します。指名検索数を調べるには、Googleトレンドというツールが便利です。Googleトレンドに自社ブランドに関係のあるワードを入力するだけで簡単に調べることができます。

認知獲得の流れ⑤:コンテンツ設計

認知獲得の流れ⑤:コンテンツ設計

続いて、実際のコンテンツどのように制作するのかの大枠を設計していきます。ホワイトペーパーや事例資料など、導線となるコンテンツが必要な場合には必ず作成してください。

エディトリアルカレンダー作成

エディトリアルカレンダーとは、コンテンツの作成や公開などのスケジュールをまとめて管理するための進行表です。

コンテンツマーケティングは、月間15~20件の記事公開が理想的とされています。この目標達成のためにはディレクターやデザイナー、ライターなどさまざまな人員が参加し、月間の掲載目標をクリアしていかなければなりません。

各々が抱える企画や作業の進捗状況を全体共有することで、スムーズで抜けや漏れのないプロジェクト進行が可能になります。

ガイドライン作成

多くの企業がコンテンツマーケティングを実践するようになったものの、その品質を一定に保ことが難しいといった課題もあります。記事構成や文章の型、トンマナなど、コンテンツの内容や品質にバラつきがあると、企業の印象を下げてしまうことになりかねません。

そこで制作するコンテンツの質や方向性を均一にするためのガイドラインを作成しておくようにしましょう。ガイドラインは別名、マニュアル・レギュレーションなどとも呼ばれます。

ガイドラインは自社オリジナルのマニュアルを作成するか、無料テンプレートなどをダウンロードして自社の方針に沿って書き換えていく方法があります。

認知獲得の流れ⑥:運用体制設計

認知獲得の流れ⑥:運用体制設計

続いては、継続的なコンテンツ配信をしていくために運用体制の設計をします。

コンテンツマーケティングにおける最大の壁は、継続することです。長期の継続的な運用には、工程ごとの責任を明確化したチーム編成が欠かせません。コンテンツマーケティングの担当者は、それぞれが自分に任された課題・役割を明確に理解し、それを確実に遂行していく必要があります。

各担当者ごとの役割と、プロジェクト進行のポイントや注意点を確認しておきましょう。

編集者

編集者の役割とは、計画の進行や進捗管理、予実管理などです。全体の動きを把握して、ライターやデザイナーなどへのフォローや連絡など、常に各所へ注意を向けておく必要があります。

また、全体の進行管理だけでなくコンテンツの質をチェックすることも編集者の仕事です。

コンテンツ制作者

コンテンツ制作者とは、実際に記事や動画などの中身を作る人材のことです。デザイナーやイラストレーター、ライター、動画編集者などを指します。社内で完全に内製化して制作することもできますが、外部パートナーに委託する方法もあります。

コンテンツ制作を内製化すると発注コストが大幅に削減できます。しかし、社内に必要な人的リソースがない場合や、コンテンツ制作に必要なスキルを持っている人材が揃わない場合には、専任の人材を新たに採用するか、外部パートナーへ委託する必要があります。

アナリスト

アナリストとは、サイトのデータを分析して数値から運用状況や改善施策を導き出す人です。

アナリストは、KPIに基づいて数値を検証するのが役割となります。Googleのサーチコンソールやタグマネージャー、アナリティクスなどのツールを理解し、データ解析を行える人材です。コンテンツを改善するための数値計測ができる状態を作っていきましょう。

Googleサーチコンソールとは?使い方と登録方法や設定を解説 Googleサーチコンソールとは?使い方と登録方法や設定を解説 Webサイトの集客状況を分析する際にGoogleアナリティクスと同じくらい役立つのがGoogleサーチコンソールです。サーチコンソールへの登録方法やGoogleアナリティクスとの連携方法について、わかりやすく解説します。

認知獲得の流れ⑦:効果測定

認知獲得の流れ⑦:効果測定

運用体制を構築し、コンテンツをいくつか発信し始めたら数値を計測していきましょう。数値はチェックして終わりではなく、KPIに基づいて数値の良し悪しを判断して検証する視点が重要です。

認知獲得の流れ⑧:改善グロース

認知獲得の流れ⑧:改善グロース

改善グロースでは、プロジェクトの進行具合を数値で判断していきます。一定期間コンテンツを配信したら、事前に設定していたKPIをどの程度クリアできているか確認しましょう。

改善の基本は、改善インパクトが大きいところから着手することです。また、ある程度伸び幅が決まっているファネルの底から行うのも効率的な改善策になります。

運用し始めたばかりのうちは改善すべき点が多すぎると感じるかもしれませんが、なるべく課題は1つに絞って段階的に着手していくようにしましょう。

また、法律や価格などに関する記事コンテンツは、情報が定期的に変更になる場合があるので、その都度早めに更新作業を行ってください。

コンテンツマーケティングで認知を売上につなげる方法

コンテンツマーケティングで認知を売上につなげる方法

コンテンツマーケティングで獲得した認知を、実際の売上につなげるにはどうしたらよいでしょうか。ここではコンテンツに集まってくれるユーザーを「顧客」へ転換するためのぽポイントを解説します。

見込み客に転換する

自社のコンテンツに集まったPVを、見込み客に転換していくには、ホワイトペーパーのダウンロードやメールマガジンへの登録を促します。ダウンロードやメルマガ登録の際には、フォームへメールアドレスの記載が必要です。このメールアドレスを見込み客リストとして収集しリードを獲得します。

見込み客への転換がどのくらい達成できているかをチェックするには、ホワイトペーパーのダウンロード数やメルマガ登録者数、またその導線となるバナーがどの程度クリックされているかをチェックしましょう。

検討客に転換する

見込み客からさらに一歩踏み込んだ「検討客」へ転換するには、メールマガジンによる情報提供やセミナーの開催が有効です。顧客は、一般公開されていない情報をリアルタイムで受け取ることができ、企業への信頼度が高まっていきます。

検討客がついてきているかどうかの確認は、メルマガの開封率やセミナー後のアンケート回収率、商談実施率などから分析しましょう。

購入してもらう

実際に自社の商品やサービスを購入してもらうには、商材に関する事前資料や無料トライアルの実施などが効果的です。既に検討中の顧客にの背中を、最後に一押しする施策を考えましょう。

無料で提供するサービスの継続率やその後の購買率をチェックし、無料施策からどの程度購買に至っているかを確認し、施策の効果を測定してください。

ファンになってもらう

顧客には、自社のファンになってもらうことが重要です。新規顧客から継続顧客へと進展すれば、ライフタイムバリューも上がり自社の利益が伸びやすくなります。

顧客のファン化を促すには商品やサービスの使い方をまとめたガイドの作成やケーススタディなどを用意して、顧客の商材への理解をより深めましょう。ライフタイムバリュー(LTV)を算出、リピート率などを確認など継続顧客の状態をチェックしてみてください。

シェアしてもらう

自社のコンテンツをユーザーにシェアしてもらえば、より広い認知につながります。コンテンツの分かりやすい場所にSNSシェアボタンを設置したり、コンテンツを作成したらSNSの自社アカウントで拡散するなどの作業も必要です。拡散機能のあるSNS広告を利用するのもおすすめです。

自社コンテンツのシェア数を計測するには、SNSのエンゲージメントで共有数、ハッシュタグ数を見てみてください。指名検索数を調べることで、どのくらいシェアされているかを確認することも可能です。

コンテンツマーケティングで認知獲得する際のポイント

コンテンツマーケティングで認知獲得する際のポイント

コンテンツマーケティングで認知拡大を図るために、以下のポイントを押さえてプロジェクトを回してみましょう。

コンテンツ制作にリソースを割く

コンテンツマーケティングにおいて、コンテンツの品質は非常に重要です。記事本数が重要な指標であるのも事実ですが、質の低い記事を量産しても成果が出ることはありません。

実際に、少ない記事数でも確実に成果を出している事例も存在します。量よりも「質」を重視したの方が、顧客ロイヤルティの獲得やブランド力の向上、成果獲得に繋がりやすくなるのです。

とても基本的な部分ですが、より深く濃い内容のコンテンツを作ることにしっかりリソースを確保し、妥協しないことも認知拡大の秘訣といえます。

顧客が知りたいことを伝える

コンテンツを制作するときには、ユーザー視点を忘れないようにしてください。コンテンツマーケティングでは、ときどき企業側や担当者の目線が強く出すぎて、ユーザーを置き去りにしている内容のものがあります。

「企業が言いたいこと」と「ユーザが知りたいこと」は基本的に異なります。ユーザーにとって価値ある情報を届け顧客との接点を作るためには、ユーザ視点のコンテンツ制作が欠かせません。

自社の商品やサービスを宣伝したい場合でも、まずはユーザーが必要としているコンテンツの制作を重視して進めましょう。自社のPRしたい商品やサービスは、別途導線を設計して求めている人に届くように促すのがよいです。

導線をわかりやすくする

コンテンツマーケティングで成果が出ない場合、導線が分かりづらくなっていることが多いです。

ユーザーのモチベーションが高く、自社への接触やアクションを求めていても、どこから問い合わせや申込などをすればよいかわからないと成果獲得にはつながりません。また、複数のコンテンツを組み合わせたマーケティングを実践している場合、各手法が適切な導線でつながっておらず、乱雑になっているこもあります。

導線が分かりづらいと、どのように改善すべきかもわからず運用自体が困難になるので導線設計を適切に行いましょう。

記事以外にもコンテンツ制作を考える

近年のコンテンツマーケティングでは、記事コンテンツだけでなく動画やイラスト、図解などを取り入れたさまざまなコンテンツを使うことが増えてきています。

SEOでも、記事ではなく画像や動画が上位表示されるケースが増えています。たとえば「ダンス 初心者」のようなキーワードで検索したとき、上位表示されるのはすべて動画コンテンツです。

その他、文章で説明するよりも写真や動画を見せた方がユーザーが理解しやすいキーワードもあるため、記事以外のコンテンツを増やしたり使い分けたりすることも必要です。パッと見てわかりやすいイラストや図解などは、SNSでも拡散されやすい傾向にあります。

ユーザーが求めている情報を、もっともストレスなく伝えられる方法を選んでください。

外部パートナーを活用する

コンテンツマーケティングを効果的に進めていくには、外部パートナーへの委託をすることも有力な選択肢です。外部パートナーは、コンテンツ制作をはじめデータ分析やSEO対策などにおける専門の人材です。コンテンツ制作やメディアの運営経験のない内部社員で取り組むのに比べて、知見もスキルも豊富です。

たとえば、WEB制作会社に自社のコンテンツマーケティングを委託した場合、以下のような人材が自社サイトに携わります。

  • キーワード/コンテンツ選定 :SEO担当
  • 記事執筆:ライター
  • 画像制作:デザイナー・イラストレーター
  • アクセス解析/データ分析 : マーケター
  • 運用管理: ディレクター

これらのプロフェッショナルを社内で内製化するのは非常に難しいでしょう。外部パートナーへの委託では、完成するコンテンツの品質や、安定した継続的運用も保障されます。

ただし、外部パートナーを選ぶときには慎重に会社の選定するようにしましょう。

まず自社でどの範囲の作業をパートナーへ依頼するか明確にします。部分的な作業を頼むか、コンテンツマーケティングを丸ごとアウトソースするかで依頼する会社が変わるためです。

自社が達成したい目標や、目標達成までの期日なども明確化して担当者に相談しましょう。自社の目標を共有し、実現に向けて互いに擦り合わせができる企業を選ぶとよいです。

また、外部パートナー企業の担当者の人柄やコミュニケーションの感触も重要視したいところです。面談や見積依頼などをするときに、対応に疑問を感じるような会社はおすすめできません。

コンテンツマーケティングは認知獲得におすすめ

コンテンツマーケティングは認知獲得におすすめ

コンテンツマーケティングは、顧客に「情報を届ける」ところから始めるため、顧客との関係構築がしやすく認知獲得に適したマーケティング施策です。

一方で、コンテンツ制作へ中長期的に取り組む必要があるため、難易度は高くなります。自社にノウハウがない場合には、コンテンツマーケティングを外部パートナーに任せることで成功確率が上がります。良質なコンテンツを蓄積し、自社の資産を築き上げていきましょう。

ニュートラルワークスは、自社メディアの検索流入数34倍、獲得件数24倍にまで成長させている実績をもっています。コンテンツマーケティングの企画にお悩みの方は、当社ニュートラルワークスまでお気軽にご相談ください。

コンテンツマーケティングのよくあるご質問

コンテンツマーケティングが認知獲得に強い理由は?

コンテンツマーケティングが認知活動に強いとされるのには、大きく以下の3つの理由があります。
・情報収集段階からアプローチできる
・ソートリーダーシップを獲得しやすい
・マーケティングの対象地域が広い

コンテンツマーケティングで認知を売上につなげる方法は?

ユーザーが「見込み客に転換する」「検討客に転換する」「購入してもらう」「ファンになってもらう」「シェアしてもらう」の段階を踏むことで売上につながります。

コンテンツマーケティングで認知獲得する際のポイントは?

コンテンツマーケティングで認知拡大を図るために、以下のポイントを押さえてプロジェクトを回してみましょう。
・コンテンツ制作にリソースを割く
・顧客が知りたいことを伝える
・導線をわかりやすくする
・記事以外にもコンテンツ制作を考える
・外部パートナーを活用する

監修者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格