フレームワークは、枠組みという意味を持ちます。フレームワークがあると、問題の洗い出しや、整理に解決策の発見、将来発生しうる問題や、潜在的な問題に対する対処などの課題解決に役立ちます。しかし、マーケティング分析を進めるにつれて「どのフレームワークを使えばいいかわからない」「企業がどのように問題解決をしているのか知りたい」と疑問に思っていませんか?
この記事では、マーケティング分析におけるフレームワークとは何なのかを解説しながら、導入するメリットや目的別の種類、企業の導入事例などを紹介します。目的によってフレームワークを使い分けられるようになるほか、ビジネスに関する問題、課題を見つけ出して、しっかりと解決ができるようになるでしょう。
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目次
マーケティング分析におけるフレームワークとは
マーケティング分析におけるフレームワークは、ビジネス上のさまざまな課題を見つけ出したり、速やかに解決したりするツールや枠組みを指す言葉です。ビジネスにも市場や顧客の分析、商品開発や課題抽出などそれぞれの目的に合った種類があります。
それらのフレームワークをシーンによって使い分けられるようになれば、たびたび生じる課題の、対処方法を見つけ出すのに役立つでしょう。特にビジネスを行う企業は、マーケティング戦略を正しく行わなければ、顧客が何を求めているのか、なぜ商品やサービスが必要なのか見極められません。
またマーケティング分析で使われるフレームワークは、ビジネスに必要な情報をできるだけ正確に集め、分析できるように作られています。目的に応じたツールを活用することで、自社ならではの課題がわかるように設計されているので、戦略を立てる上でも欠かせません。
自社で課題解決を行おうとしても、なかなか解決策が見つからないときは、フレームワークの導入をおすすめします。
マーケティングにフレームワークを導入するメリット
フレームワークを導入するメリットには、大きく分けて以下のようなものがあります。
- 分析基準や思考がパターン化された枠組みによって明確化される
- さまざまな企業が活用する実績のある手法として説得力がある
- チーム全体で会社のビジネス手法や考え方を統一できる
- 課題をスムーズに見つけ出し効率的な課題解決が可能になる
フレームワークは、課題解決に効果のある分析基準や思考がパターン化されたものなので、明確な情報集めが可能です。またさまざまな企業に使われてきた実績もあるため、ビジネス分析の結果にも説得力を持たせられます。
さらに会社内で情報共有できるため、チーム全体でどのようなビジネス手法を活用し、どういった方針で活動するかなど、考え方を統一できるでしょう。フレームワークの使い方さえ覚えてしまえば課題の発見から分析、解決までの作業を効率的に進められます。
しかし、フレームワークの分析結果が絶対に起きるというわけではありません。それでもあらゆるリスクがわかるので、前もって戦略を立てられるのも事実です。
マーケティングに導入するフレームワークの順番
マーケティングに導入するフレームワークのステップは、以下の順番で行われます。
- 1.市場や競合の理解をするための分析
- 2.顧客分析や商品開発を行うための戦略を立てる
- 3.解決策の実行
自社のビジネスにおける課題を見つけるためには、市場や競合を理解しなければなりません。分析を行えば課題の定義や構造化できるので、どのような問題があるのか可視化できます。
次に、分析結果により把握した課題を解決するために必要な、対処方法や施策を考える戦略を立てていきましょう。この段階では顧客分析も行い、顧客が求めている商品を開発するための具体的な方法やプランを決めます。
そして具体的な方向や施策が決まったら、解決策の実行を行うのが最後です。解決策を実施した後にまた分析を行い、戦略を立てて実行という流れを繰り返すのは、ビジネスの重要なファクターといえるでしょう。
思考整理・情報整理のためのフレームワーク
では実際に、思考整理や情報整理を行う際に役立つフレームワークの2つを紹介します。どちらも多くの企業で活用されている方法でもあるので、フレームワークのイメージをつかむためにも覚えておくといいでしょう。
MECE
MECE(ミーシー)は、以下の言葉の頭文字を組み合わせて作られた言葉です。
- Mutually(互いに)
- Exclusive(重複せず)
- Collectively(全体に)
- Exhaustive(漏れがない)
その言葉通り、全体から物事を分類する際に、情報の重複や漏れが発生しないように整理を行う、論理的思考を意味します。代表的な種類は、「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」という分析方法です。
「トップダウンアプローチ」は、物事を大きな分類から小さな分類へ細分化する方法で、ノウハウやゴールが明確な業務に向いた手法といえるでしょう。「ボトムアップアプローチ」は、思いつくアイデアをすべて洗い出して、分類する方法です。全体像を整理する手法として用いられることが多く、新しい課題を見つける際に役立ちます。
このように物事の把握段階で使い分ける方法があるため、新しい情報の分析と、ノウハウを向上させるための分析に活用しましょう。
MECE(ミーシー)とは?フレームワークの活用法をわかりやすく解説
マーケティング企画などで課題を分析するときに役立つ思考方法がMECE(ミーシー)です。その基本概念と、MECEの活用方法、MECEを実践する際に役立つ8つのマーケティングフレームワークを紹介します。
ロジックツリー
「ロジックツリー」は、課題の原因や解決策を分析するために作られたフレームワークです。複雑で大きな問題をツリー状で細分化することで、単純な問題やその原因まで落とし込めます。その情報を活かすためにも、論理的な分析を行い、問題の全体像を明確にしましょう。
分析を行うためには、漏れやかぶっている部分がない、MECEの状態まで持っていき、階層の次元を整理してそろえるのが大切です。ロジックツリーには以下のような3つのタイプがあるので、それぞれの特徴を理解して使い分けていきましょう。
- 問題解決ツリー:問題に関する「どのように(How)」を繰り返し、解決策を見つける
- 原因追求ツリー:問題に関する「なぜ(Why)」を並べ、問題の根本的な原因を探し当てる
- 要素分解ツリー:物事に関する「要素(What)」を細分化し、網羅的に要素をまとめ把握する
市場分析・現状分析のためのフレームワーク
続いて市場分析や、現状分析するためのフレームワークを紹介します。自社がビジネスでどのような状況にあるのか理解することは、今後の戦略を立てていく上でも重要な役割を持ちます。
3C分析
3C分析の「3C」は以下の3つを指します。
- Company(自社):自社の強みや独自性
- Customer(顧客):明確なターゲット
- Competitor(競合):競合調査や自社との比較
以上3つの情報をまとめ、自社の強みや顧客層の分析を行うと同時に、他社と比較し自社の立ち位置を把握できるようにするのが役割です。また分析を行う際は、主観的や感覚的な情報を入れないように、ポジティブな要素もネガティブな要素も、第三者視点で分析するようにしましょう。
主観的な視点で情報を集めてしまうと、どうしても情報に偏りが出来てしまいます。チーム内外の現状を客観的に把握することが大切です。さらに感覚的な情報を入れてしまうと憶測の部分もできてしまうので、分析に感情論を持ち込まないように意識しましょう。
社内だけでなく顧客や他社から見た自社は、どのように思われているのか把握していなければ、適切なビジネス戦略も立てられません。
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ファイブフォース
「ファイブフォース」とは、業界内の競合状態を把握するために用いられるフレームワークです。以下の収益に影響を与える5つの要素を分析して評価し、現状や課題などの将来性を分析します。
- 買い手(顧客):買い手の交渉力
- 売り手(供給業者):売り手の交渉力
- 競合業者:競合社数や競合の調査、業界の規模と成長率
- 新規参入者:業界への新規参入のしやすさ
- 代替品:顧客にとって代替品となる商品やサービスの、価格や性能の調査
顧客や供給業者の関係性や、競合業者の数や状態などが見えてくれば、どのように競合の中で強みを活かせるのか施策を検討できます。また自社製品の代替品になるような商品やサービスを調査することで、価格の見直しや性能の向上などといった目処が立つようになるでしょう。
いかに自社の状態を客観的に見て、現実を捉え、他社に負けない強みや独自性を発揮できるかが、今後の会社の運営に大きな影響を与えます。
ファイブフォース分析(5F分析)とは?事例も紹介
自社や自社サービスの収益性を分析するためのフレームワークが5F(ファイブフォース)分析です。5F分析をビジネスにどう活かすか、分析方法、コンビニ業界での分析例を紹介
します。
PEST分析
「PEST(ペスト)分析」は、自社だけではコントロールしきれない外部からの要因を、大きなスケールで分析して整理するものです。分析は以下の5つの原因について行われます。
- Politics(政治)
- Economy(経済)
- Society(社会)
- Technology(技術)
政治や経済は国の状況によって変化します。社会や技術は国内外の人々の動向によって変化するので、会社だけですべてに対応することは難しいものです。
そこで、政治や経済などの視点から分析を行う「PEST分析」は、世の中の変化やトレンドによってもたらされる、自社への影響に対する準備ができます。社会の変化に抗うのではなく柔軟に対応していくことが、ユーザーニーズを満たすことにもなるでしょう。
社会や顧客がいることにより、ビジネスは成り立ちます。政治や経済、社会、技術の情報は常に最新のものを集めて分析するのが重要です。
PEST分析とは?目的と分析方法、分析テンプレートを紹介
PEST分析は3~5年後に自社や自社サービスが世の中でどのようなポジションにいるのか、中長期的視点でどのような打ち手をすべきかを考えるのに役立つフレームワークです。目的や分析方法、注意点をご紹介します。
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SWOT分析・クロスSWOT分析
「SWOT分析」は、自社の現状をより深く理解できるフレームワークです。以下の4つの要素で作られた言葉で、内部要因から外部要因が分析できます。
- Storength(強み)
- Weeknes(弱み)
- Opportunities(機会)
- Threats(脅威)
自社の強みと弱み、利益を上げる機会、経営状態に影響する脅威を洗い出します。さらにSWOT分析に続けて、「クロスSWOT分析」を導入すると戦略がより立てやすくなるでしょう。
クロスSWOT分析では、前述した4項目をそれぞれ掛け合わせてさらに深く分析が可能です。たとえば強みと機会を掛け合わせた分析では、利益を上げる機会に、自社の強みをどのように活かせば達成できるのか戦略を立てます。
その他にも弱みを強みでカバーする方法や、どのような弱みが脅威をもたらしているのかなどの分析も行えるので、うまく掛け合わせていきましょう。2つの分析を順序立てて行っていけば、自社に足りない部分や武器にできる特徴をより具体的に再認識できます。
SWOT分析のメリット・デメリットとは?目的、やり方、活用事例も解説
数あるマーケティングフレームワークのなかでも実践されることが多いSWOT分析を基本的なことから実践方法、実践する際の注意点までを解説します。SWOT分析を上手く活用して、成果の出るマーケティング戦略を見つけましょう。
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現状把握と戦略への落とし込みに活用できる!
顧客分析のためのフレームワーク
ここでは、顧客分析のために使われているフレームワークを紹介します。顧客を理解することは、見込み顧客の予測や効果的な販売方法を見つけられる、重要な情報源です。自社商品やサービスを購入してもらうためにも、顧客の目的や興味などを把握していきましょう。
RFM分析
「RFM分析」は、以下の3つの指標によって構成された分析方法です。
- Recently(最終購入日)
- Frequency(購入頻度)
- Monetary(累積購入金額)
これらの指標から顧客をランク分けして分析を行い、累計購入金額が大きい優良顧客を探します。つまり、購買意欲が高い顧客層を発見することで、効果的なアプローチや優先的な営業が可能です。
ランク分けする際は、一定の基準を設けることから始めましょう。その基準を中心に採点を行い、離脱顧客や既存顧客、優良顧客のようにグループで分けるのが一般的です。顧客がスコアで可視化されるため、どのような人が高額商品を購入しているのか、サービスを継続しているのかなどが把握しやすくなるでしょう。
そこから顧客のスコアを上げたり、維持したりするための施策の検討が可能です。また層ごとに合った商品やサービスも紹介できるようになるため、離脱を防ぐことにもつながります。
RMF分析とは?顧客分析の手順と施策例、活用事例をわかりやすく解説
デシル分析
「デシル分析」は、購買データから顧客分析を行うフレームワークです。デシルは10等分という意味を持っていて、購入金額で顧客を10グループに分けて分析を行います。グループごとの売上がわかるようになれば、購入金額に合わせた施策が立てられるでしょう。
たとえば、購入金額が最も高い層と最も低い層で、購入する商品に違いがあるのかを分析します。同じ店舗に通っている顧客でも趣味や収入、生活の違いなどによって購入金額が異なるのは、不思議なことではありません。
そのため、購入金額で分けたグループの顧客はどういった人が多いのか調べておくと、その傾向から適切な商品やサービスの提案ができます。事実をもとに正確な営業をかけることができれば、無駄な施策を減らせるでしょう。
AIDMA
「AIDMA(アイドマ)」は1920年のアメリカで、サミュエルローランドホールによって提唱された概念です。以下のような、消費者の心理によって移り変わるプロセスを組み合わせて作られます。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動・購入)
プロセスごとで、顧客にあった施策を検討するのに役立つフレームワークです。またペルソナを具体的にするのにも効果的な方法で、購入までのプロセスがつかめていれば、ターゲットとなる人物像もイメージしやすくなるでしょう。
たとえば“Attention(注意)”の段階の顧客は、商品やサービスを知らない状態であることから、インターネット広告やテレビなどを使った周知が必要です。そこから商品に関心を持ち始めた“Interest(関心)”、商品を使いたいと思い始めた“Desire(欲求)”など、顧客の状態に合わせた施策が求められます。
AIDMA(アイドマ)とは?活用シーンとAISAS(アイサス)の違い
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AISAS
「AISAS(アイサス)」は、AIDMAから派生したタイプです。プロセスは以下で構成されています。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Action(行動・購入)
- Share(共有)
顧客が購入した商品の情報を、口コミ投稿やSNSなどで情報発信できるようになったため、検索や共有についての分析が含まれています。消費者が情報を持つ時代から、自身で情報を集める時代になったからこそ、AISASによる検索や共有についての分析は重要だといえるでしょう。
AISASと異なるプロセスの“Search(検索)”は、ソーシャルメディアや検索エンジンで情報を検索し、情報の収集や比較をする行動です。もう1つの“Share(共有)”は、商品やサービスに満足した顧客が、SNSといったさまざまな媒体を使って情報を発信する行動を指します。
それらの情報が加えられたことで、顧客がどこから情報を集めているのか、商品のどのようなところが評価されているのかわかるようになりました。
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SIPS
「SIPS(シップス)」は、SNSを中心に考えて以下のような購買心理モデルをまとめたものです。
- Sympathize(共感)
- Identify(確認)
- Participate(参加)
- Share&Spread(共有・拡散)
顧客の態度変化が行われてから、商品やブランドに共感が生まれると、SNSで情報を発信してもらいやすくなります。その発信された情報によって、新たな顧客が生まれる循環を概念化したものが「SIPS」です。また商品購入だけでなく、商品に関するリツイートや、いいねボタンを押す行動、動画閲覧なども“Participate(参加)”の要素に含まれます。
現代では、商品やサービスの情報が簡単に手に入るので、どれだけの顧客にそのサービスや商品のストーリーに共感してもらえるかも重要視されるようになりました。ただ商品を購入してもらうだけでなく、商品やサービスに満足をしてもらえる質を保てれば、認知度と売上アップにつながります。
DECAX
「DECAX(デキャックス)」は、SIPSと同様にSNSを中心とした購買心理モデルで、以下の項目に分けられます。
- Discovery(発見)
- Engagement(関係構築)
- Check(確認・注意)
- Action(行動・購入)
- EXperience(体験・共有)
「SIPS」や「AISAS」などと異なる点は、企業側からのアプローチではなく、顧客側から発見してもらえるシステムを構築するところです。また、扱う情報は顧客にとっての有益な情報で、商品やサービスを紹介するものではありません。
具体的にはオウンドメディアやSNS開設などを行い、顧客にとって利益になり、信頼度も高い情報を発信して、共有してもらうきっかけを作ります。さらに企業との関係が構築できれば、自社商品やサービスも認知してもらえるだけでなく、購入してもらえる可能性も高まるでしょう。
そして商品購入後に満足してもらえれば、口コミやSNSでシェアしてもらえる可能性もあります。そのため企業側は顧客がシェアしやすいような有益な情報や環境を作って、拡散される土台となる施策が大切です。
商品開発のためのフレームワーク
商品開発を行うために必要な情報を分析できる、2つのフレームワークを紹介します。どちらも自社の商品を分析し、強みや改善点を発見できるようになるため、今後の商品開発に役立てていきましょう。
STP分析とは?目的と分析方法、事例をわかりやすく解説
売れるマーケティング戦略、販売戦略を立てるときに欠かせないマーケティングフレームワークの1つがSTP分析です。STP分析の基本から分析方法、注意点、STP分析での成功事例をご紹介します。
STP分析
「STP分析」は以下の3つの視点を主軸に、自社の強みを活かして、商品を売り出す方法を決めるために使われるフレームワークです。
- Segmentation(セグメンテーション):年齢、性別、職業などでグループに分けて、同じニーズを持っているかを分析し、市場の細分化を行う
- Targeting(ターゲティング):セグメンテーションしたグループからターゲットになる市場を絞って、優先順位を決める
- Positioning(ポジショニング):競合他社と比較し、差別化が図れる部分がないか分析する
つまり市場を正しく認識して、効果的な方法を探し、他社との差別化ができれば、自社の強みをより活かした商品やサービスの提供が行えます。ターゲットとする市場の中で自社がどの位置にあるのか正しく認識する作業は、強みのアピールだけでなく改善点を見つけるのにも効果的です。
5W1H
「5W1H」はプレゼンテーションや企画作成時に、情報を整理するのにも活用できるフレームワークの一種です。以下の5つの「W」と「H」に分けて物事を考えると、具体的な新しいアイデアを生み出すきっかけになるでしょう。
- Why(なぜ):なぜ必要とされるのか?
- What(何を):何をすればいいのか?
- When(いつ):いつ使うものなのか?
- Where(どこで):どこで使われるのか?
- Who(だれが):誰によって使われるのか?
- How(どのように):どのようにして使われるのか?
「5W1H」のフレームワークを用いて物事を考える際は、「なぜ」の部分にあたる“Why(なぜ)”から考えるとユーザーのニーズも具体的にイメージできます。さらに商品やサービスが使われるタイミングや場所、年齢層や職種、使われ方などの視点から捉えれば、自社製品を客観的に理解できるでしょう。
自社サイトを作成する際にも、このフレームワークで考えると、サイトの目的や意義などもより明確にとらえられます。
5W1H/5W2Hとは?5W3Hなど意味とビジネスに活かす方法
学生時代に英語の授業で習った5W1H。実はこのフレームワークはマーケティング企画や戦略を考えるときに役立ちます。5W1Hにもう1つ要素を付け加えた5W2Hを企画戦略に活かす方法を紹介します。
目標設定・課題抽出のためのフレームワーク
マーケティング施策を実施する上で、目標設定や問題の改善は大切です。そこで自社に適切な目標を設定し、振り返って改善するためのフレームワークを紹介します。正しい課題が抽出できれば、マーケティングに効果のある目標が立てやすくなるでしょう。
PDCA
「PDCA」は以下のフェーズを活用し、生産性の向上を図るためのフレームワークです。
- Plan(計画):目標、仕事内容、納期、担当者の整理
- Do(実行):計画に沿った行動
- Check(評価):振り返り、成果、検証
- Action(改善):評価を受けての改善策、計画の見直し
目標を決めてチームで業務を行い、計画通りに活動した成果を見て振り返り、検証を行います。さらに、検証結果をもとに、問題点を改善します。洗い出された問題点から、より良い計画へと見直すのが「PDCA」の考え方です。計画を見直したらまたそれを実行して評価して改善するというフェイズを繰り返すことで、改善策の発見や効率的な業務が実現できるでしょう。
PDCAサイクルは古い?OODAループとの違いを解説
会議などで何度も聞いたことがあるPDCAについて、いまさら聞けないと思っていませんか?PDCAサイクルのメリットについて、PDCAに代わって注目を集めつつあるOODAループについてもわかりやすく解説します。
SMART
「SMART」は、以下5つの観点から目標を見直し、実用性が高いものを設定するのに役立つフレームワークです。
- Specific(具体的)
- Measurable(計測可能)
- Achievable(実現可能)
- Relevant(関連)
- Time-bound(期限)
目標は、具体的な内容にするだけでなく、継続もできて期限までに実現ができるものでなければなりません。実現できないような目標や関係のないものを掲げてしまうと、思うように結果も出ず、会社全体のモチベーションを下げる恐れがあります。そのため目標を決めるときは、5つの観点から具体的で実用性のあるものであるかどうか確認しましょう。
マーケティング分析におけるフレームワーク導入事例
マーケティング分析を導入した企業の、事例を2つ紹介します。自社と共通する部分がないか比較しながら、分析方法を参考に自社の課題解決にご活用ください。具体的なイメージをつかむためにも、他企業の事例を見ておくといいでしょう。
無印良品
無印良品は衣服、生活雑貨、食品などの幅広い商品を提供している企業です。「誰でも、いつでも使える無難さ」をテーマに、シンプルなものづくりで、ゴミを減らした商品開発を掲げています。
このような目標やテーマについての情報を発信する方法として、「暮らしの良品研究所」というオウンドメディアを展開しています。またスマホアプリの「MUJIpassport」を活用して、顧客の意見やアイデアを集める取り組みは、無印良品ならではの工夫といえるでしょう。無印良品では、ターゲットをシンプル志向の顧客に絞って、評価を高めているのが特徴的です。
日本マクドナルド
日本マクドナルドは、ハンバーガーをメインにしたアメリカ生まれのファーストフード店を、日本全国に展開している企業です。2014年に一度経営不振に陥ったことがありましたが、2年ほどで業績を立て直した過去があります。立て直しができた理由には、理念を見直し向上させたことにありました。
その理念とは、「QSC&V」のことで、以下のような4つの観点から考えるフレームワークです。
- Quality(品質)
- Service(サービス)
- Cleanliness(清潔さ)
- Value(価値)
4つの観点を徹底的に見直したことで、イメージを払拭することに成功しました。またSNSを活用して「議論したくなる・つっこみたくなる・写真を撮りたくなる」を条件にしたキャンペーンが話題になったのも理由の1つです。このように、問題点となっている部分を分析して改善し、顧客が興味を持つような施策を実行した結果、日本マクドナルドは立ち直ったのです。
マーケティング分析に役立つフレームワークのまとめ
フレームワークは、目的に合わせた情報を効率的に分析する枠組みが作られているため、マーケティング分析に効果的な情報を集めるのに適しています。また改善点を見つけ、目標や施策を見直すきっかけづくりにもなるため、今後のビジネスにも役立つツールとしておすすめです。
自社の商品やサービスを顧客に気持ちよく使ってもらうためにも、さまざまな視点から売り出し方や、開発方法を見直し、改善を続けていきましょう。
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