マーケティング

2020.08.05

5F(ファイブフォース)分析とは?目的と分析方法、コンビニ業界での分析例を紹介

5F(ファイブフォース)分析とは?目的と分析方法、コンビニ業界での分析例を紹介

自社や自社サービスの収益性を分析するためのフレームワークが5F(ファイブフォース)分析です。5F分析をビジネスにどう活かすか、分析方法、コンビニ業界での分析例を紹介します。

5F(ファイブフォース)分析とは?

5F(ファイブフォース)分析とは?

5F(ファイブフォース)分析は、業界の構造を分析するためのフレームワークです。

  • 競合企業・競合サービスの脅威
  • 新規参入の脅威
  • 代替品の脅威
  • 売り手の交渉力
  • 買い手の交渉力

「競合企業・競合サービスの脅威」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」の5つに絞って自社や自社サービスを取り囲む業界を分析します。

競合企業・競合サービスの脅威

既存の同業界にいる競合とは、自社と収益を争うことになります。業界内である企業の寡占化が進んでいる場合、競争は穏やかですが業界順位が入れ替わることはありません。反対に1社が業界売上を独占することがない業界だと、競争が激しくなり業界順位も頻繁に入れ替わります。競争が激しいほど、価格やサービス特性などでの差別化が求められます。

新規参入企業・競合サービスの脅威

新規参入企業が増えるほど、業界のパイを多くの企業で分割することになり、収益性が低下します。新規参入が容易な業界ほど収益維持が難しく、新規参入の障壁を上げることが収益の安定につながります。新規参入障壁を上げるためには、自社独自の強みを強化し、参入に手間がかかることをアピールすることが有効です。

代替品の脅威

自社商品やサービスが、競合他社や顧客のニーズを満たす商品やサービスに置き換えられてしまう脅威です。顧客は常に情報を仕入れています。コスパがいい他の商品やサービスが見つかれば、顧客は代替品に乗り換えてしまうかもしれません。代替品の脅威を減らすには、顧客が他社商品やサービスに乗り換える際に発生する「スイッチングコスト」を取り入れることがいいでしょう。他社にはない独自のサービス展開も、顧客を維持する手助けとなります。

売り手の交渉力

部品や原材料など、サプライヤーからの価格交渉などの強さのことです。寡占業界や独占技術がある業界では、売り手側のパワーが強くなりやすく、買い手側が不利な価格を受け入れざるを得ないことが多くなります。売り手の交渉力を下げるには、購入窓口の分散戦略が役立ちます。

買い手の交渉力

価格の値下げや品質向上の要求など、買い手側の強さのことです。買い手側の交渉力が大きいと過度な値下げを要求され、収益の減少につながります。買い手の交渉力を下げるには、例えば、法人向け商品・サービスの場合、販売ルートの拡大をして1社に偏らないことが有効です。

5F(ファイブフォース)分析の目的、どんな時に役立つ?

5F(ファイブフォース)分析の目的、どんな時に役立つ?

5F(ファイブフォース)分析の目的はどう設定すればいいのでしょうか?また、5F分析をどんな時に使うのがいいのでしょうか?5F分析を使うべきシーンを見ていきます。

1、自社、自社サービスに優位性があるかを知る

5F分析は、業界分析に用いられるフレームワークのため、競合比較に有効です。自社が属する業界に目を向けることで、自社サービスや商品にどんな優位性があるのかを知ることができます。外部要因である同業他社との比較で、他社にはない自社の強みをあぶり出します。

2、将来、どんな脅威に直面するかを予想する

5F分析は、将来どのような脅威に直面する可能性があるかを予想するのに適しています。競合企業や材料調達などのコスト分析を行うことで現状を把握し、将来的に何が脅威になるかを明らかにします。仕入れコストを削減するため、新たな調達先が必要なのか、または顧客の分散拡大が必要なのか、漠然とした不安ではなく具体的な改善点が明確になります。

3、さらに投資するか、事業撤退するかの判断をする

5F分析を用いて業界の現状分析を行うと、業界自体の規模や収益構造が浮き彫りになります。そのため、事業を継続するべきなのか、潔く撤退するべきなのかが見えてきます。業界内で自社がどのくらい収益をあげられるのか、またコストと利益のバランスが健全なのかを把握し、事業の継続性を判断します。

5F分析のコツと注意点

次に5F分析を行う上での注意点を解説します。

客観的なデータを収集し、評価する

5F分析は自社が属する業界を分析するため、視点がどうしても主観的になりがちです。自社が置かれている環境を、客観的に把握するよう努めて下さい。たとえば、開発に最もコストをかけているため、他社との商品差別化が自社の強みだと思っていても、競合他社にさらに優れた商品が存在し、実は商品の差別化ができていない可能性があります。脅威と分類されなかった他社の強みを見落とさないよう、客観的なデータ収集が大切です。

分析単位を明確にする

競合企業や競合商品の数など、分析対象の数値を明確にしましょう。業界規模や競合数によって、何を分析対象にすべきかが変わってきます。分析に入る前にリサーチ範囲を決め、チームでしっかり共有しましょう。また、分析単位(業界の定義)をどう設定するかによって、分析結果に差が生じます。

たとえば、測定期間を直近1年と設定するのか、過去5年間とするかによっても分析結果が変わります。もしくはD2C分野であれば、分析対象を有形サービスのみ扱っている競合にするか、無形サービスも含むかなどでも違いが出てきます。分析に入る前の分析単位の定義づけを、明確にしましょう。

5F(ファイブフォース)分析のサンプル:コンビニ業界

5F(ファイブフォース)分析のサンプル:コンビニ業界

5F分析の実際を、コンビニ業界を例に見てみましょう。

競合企業・競合サービスの脅威

業界間での競争が激しいほど、収益率の低下リスクに晒されます。競争が激しい環境は、以下のような項目です。

  1. 競争企業が多い
  2. 買い手が価格に敏感
  3. 寡占企業がない(シェアがばらけている)
  4. 商品・サービス品質に大きな差がない(汎用的)
  5. 顧客の囲い込みが厳しい(スイッチングコストが低い)

現在、日本のコンビニ市場は大手3社で上位の売上を競っています。セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートだけでシェア90%を占めています。コンビニ商品は日用品を主に扱うため差別化が難しい上、賞味期限が近い商品も値引きをしないのが暗黙のルールです。

コンビニでしか売っていないものはほとんどなく、スーパーやドラッグストアといった競合がうごめいています。商品や価格での差別化戦略をとりにくい上、寡占企業がないことからも、コンビニ業界の競争は、年々激化しています。

新規参入企業・競合サービスの脅威

コンビニ業界には以下の特徴があります。

  1. 設備投資額は小さくて済む
  2. ビジネスに必要な流通へのアクセスがいい
  3. 業界独自の規制(ルール)が少ない
  4. 顧客の既存ブランドに対する愛着が小さい

コンビニ業界に企業が新規参入する場合、次のような新規参入のハードルが考えられます。

  1. 24時間365日営業に対応するため、安定した流通ルートの確保が必要
  2. 初期段階はコンビニの規模が小さいため、妥当な価格で購入できる仕入先の確保が困難
  3. 立地条件のいい土地はすでに大手が開店しており、出店場所の確保が難しい
  4. 大手に比べるとプライベートブランドを多く展開できず、商品ラインナップが劣る

利用者にとっては身近なコンビニ業界ですが、新規参入の壁は意外と高いことが伺えます。

代替品の脅威

同業以外にも自社商品と同様の商品を扱っている企業が多いほど、代替品の脅威は高まります。顧客が自社商品に定着しない分、顧客離れが加速し、収益率の低下につながります。以下が代替品の脅威になります。

  1. 代替品の数が多い
  2. 自社商品と代替品に大差がない
  3. 代替品の方が自社商品よりもコストが安い
  4. 買い手が代替品を選ぶのに障害が少ない

コンビニ業界では、以下の脅威が考えられます。

  1. スーパーマーケット・ドラッグストア・カフェ・銀行が代替となる
  2. スーパーマーケット・ドラッグストアの方が、価格が抑えられている場合が多い
  3. コンビニとスーパーでは商品差が小さい(差別化の限界)

コンビニがスーパーやドラッグストアと違う点は、24時間利用でき、複数の用事がコンビニだけで完結する場合もあることです。たとえば、夜中の2時にアイスを買ってATMでお金をおろしたい場面では、代替の脅威は消滅します。場所と時間によって、コンビニ業界の代替品の脅威は変動するということです。

売り手の交渉力

売り手の交渉力が高いほど、買い手は売り手に有利な条件を飲まざるを得なくなります。

  1. 売り手の数が少ない
  2. 売り手の規模が大きい
  3. 売り手が(業界で有利な)特殊な技術を持っている
  4. 売り手が買い手側の状況を把握している(予算や納期など)

これらをコンビニ業界に当てはめると、大手3社はどこもプライベートブランドを展開しており、商品あたりの生産コストを把握しています。さらに、飲料メーカーや菓子メーカーなど、メーカー同士での競争は激しく、売り手であるメーカー側の力が相対的に弱いと言えます。 

買い手の交渉力

買い手の交渉力が高いほど、売り手は買い手に有利な条件を提示しなければならなくなり、結果的に収益率が低下します。買い手の交渉力が高い状態とは、以下のような環境です。

  1. 買い手の数が少ない
  2. 一度の注文量(数)が多い
  3. 代替品へ移りやすい
  4. 購入経路がたくさんある
  5. 買い手が売り手についての正確な情報を持っている(買い手の販路消失など)

一般消費者である買い手に対しては、24時間営業やATMがあること、宅配便や郵便物の配送ができるなどの利便性などを考慮すると、まだまだスーパーやドラッグストアなどの競合よりも優位性はあると捉えられます。そのため、スーパーやドラッグストアに比べて、同じ商品を高額な値段で販売できているのでしょう。ただ、コンビニの24時間営業が無くなる動きがあるなど、今後はコンビニ業界での買い手の交渉力が徐々に高まる可能性もあります。

コンビニ業界での5F(ファイブフォース)分析のまとめ

私たちの日常に密着しているコンビニ業界は、24時間営業のワンストップスポットと捉えると、メーカーから見ても消費者から見ても、コンビニに優位性があることが分かりました。大手3社が勢いを加速させる一方、北海道のセイコーマートなど地域に特化した独自路線で活路を見出す企業も存在します。5F分析は、自社の立ち位置を客観的に示してくれる強力なフレームワークです。業界分析・自社の未来計画にぜひ5F分析を役立ててみてください。

お気軽にご相談ください

5F(ファイブフォース)分析でわかったことはWebサイト制作やランディングページ制作にも活かせます。ニュートラルワークスは5F分析を含めた商品・サービスの各種分析からお手伝いし、成果に繋がるWeb制作までをサポートできます。お困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。

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著者紹介

三木 五月

三木 五月

代表取締役社長

神奈川県の湘南でWeb制作会社を経営しています。湘南をシリコンバレーみたいにしたく、社員一丸で突っ走っています! 座右の銘は「好きこそものの上手なれ」