マーケティング

最終更新日: 2023.01.25

マーケティングのオートメーション化の意味は?メリットと実現方法を解説

マーケティングのオートメーション化の意味は?メリットと実現方法を解説

現代のマーケティングは極めて複雑です。見込み顧客をセグメントして、その見込み顧客ごとに施策を行います。

マーケティング業務は、徐々に人間が行うには難しい作業になってきており、マーケティングまでオートメーション化されるようになりました。

しかし、マーケティングのオートメーション化とは、具体的に何を自動化してくれるのでしょうか。イメージが湧かない方もいると思います。

当然、具体的なオートメーション化の内容について知らなければ、現場でいつまでもマーケティングの雑務を続けてしまいます。

この記事では、マーケティングがオートメーション化される背景からメリット、注意点をまとめました。この記事を読んで、オートメーション化を実践すれば、雑務を減らしたり、手動ではできなかったことができたりします。

まず、そもそもオートメーション化とは何か解説します。

石田 哲也

監修者

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

「オートメーション化」の意味は?

「オートメーション化」の意味は?

オートメーション化とは、機械や機器のシステムなどを用いて、作業などを自動化することです。作業によっては、人の手を動かし続けることが難しいこともあるので、その場合はオートメーション化が求められます。

例えば、マーケティングの現場では、資料請求などのアクションを起こしてくれた見込み顧客に対して、メールを送ってアプローチをかけるという作業があります。この作業で担当者がPCの前に張り付き、アクションを目視して手動でメールを送ることになりますが、それだと効率的ではありません。

このようにオートメーション化というのは、マーケティングにも欠かせなくなってきているのです。

また、オートメーション化せずに、人の手に頼ると、長時間繰り返し作業を行えなかったり、人為的なミスが起きたりします。機械やシステムに頼り、可能なものはオートメーション化するべきと言えます。

マーケティングがオートメーション化された背景

マーケティングがオートメーション化された背景

なぜ工場のようにマーケティング業務もオートメーション化されてきたのでしょうか。ここではマーケティングがオートメーション化されてきた背景をお伝えします。

背景を知ることで、なぜオートメーション化が必要なのか学びましょう。

法人営業の生産性が低下している

まずマーケティングのオートメーション化が進んだ背景として、法人営業の生産性が低下したことが挙げられます。

従来の決済者に対して、複数回接触して人間関係を構築するような営業スタイルが、今の時代に合わないのです。

特に日本はバブル崩壊後から経済成長が停滞し、売上拡大からコストの削減で利益確保をする企業が増えました。

そのため多くの企業は、慎重に商品やサービスを購入するようになりました。

認知から成約までの期間が長くなったため、見込み顧客の細かな管理が必要です。営業効率を上げるために、確度の高い見込み顧客を抽出する必要もあります。

このようなことはマーケティングのオートメーション化で実現可能です。

見込み顧客との最初の接点がインターネットから

近年は、何を調べるのもインターネットで検索するところから始まります。そのため見込み顧客との最初の接点は、インターネットです。

企業の担当者は、何か導入を検討する際、検索エンジンを使用します。

自社の課題を解決するための情報収集から始めて、課題を解決できる企業をリストアップした上で、比較検討をします。

現在でもテレアポは効果的な施策の1つですが、最初の接点がインターネットに移り変わっているので、当然インターネット上の対策が必要です。

そこで、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどを使用して、インターネットから見込み顧客を集め、ナーチャリング(顧客育成)をして、有効な商談につなげるようになりました。

以上がマーケティングのオートメーション化が進んだ背景です。
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マーケティングをオートメーション化するメリット

マーケティングをオートメーション化するメリット

オートメーション化の背景部分でも少し触れましたが、マーケティングをオートメーション化する具体的なメリットとは何か紹介します。

メリットを理解することで、オートメーション化の重要性について学びましょう。

マーケティング施策の効果検証ができる

マーケティングのオートメーション化には、MAツールが欠かせません。MAツールは、マーケティングに関するあらゆる数値の効果検証が可能です。

効果検証することでPDCAを回すことができ、有効なマーケティング施策を見つけ出せます。

例えば、MAツールでスコアリングされた見込み顧客に対して送った営業メールやウェビナーの案内メールなどの、開封率やCTR、CVRなど効果検証を細かく行えるのです。

もちろんそれ以外のデータを収集することがMAツールではできるので、あらゆるマーケティング施策の効果検証を実現します。
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見込み顧客を確度別にセグメントができる

MAツールでオートメーション化すると、確度の高い見込み顧客を抽出できます。

MAツールのスコアリングという機能で、見込み顧客の行動を計測することにより、優先して接触すべき見込み顧客やさらにナーチャリングが必要な見込み客を見極められます。

そのため、見込み顧客をセグメントして、顧客のフェーズごとに施策が変えられるのです。

例えば、製品ページや料金ページ、サービス資料ダウンロード、ウェビナーに参加した見込み顧客がいるとします。この見込み顧客は一般的には確度が高いです。

このようなスコアリングが高い見込み顧客に優先してアプローチすることで、有効な商談を効率よく生み出せるのです。

他部署との連携がしやすい

MAツールでオートメーション化して、見込み顧客をスコアリングすると、他部署と連携しやすくなります。

主に営業部門には、そのまま営業の優先順位付けをした顧客情報を共有するので、営業効率を上げられます。

また各種ツールやAPI連携することで、営業部門の使用するCRM(顧客関係管理)ツールやSFA(営業活動の自動化)ツールなどと連携することも可能です。

例えば、マーケティング部門のMAツールと営業部門のSFAツールが異なっていても、API連携すれば、問題なく使用できるのです。それだけではなく、リードジェネレーションから受注・失注まで一元管理したり、リードジェネレーションの時点で営業からアプローチしたりできます。
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マーケティングをオートメーション化する注意点

マーケティングをオートメーション化する注意点

マーケティングをオートメーション化することはメリットばかりではありません。デメリットではないですが、注意しなければいけないポイントもあります。

特にMAツールは、使いこなすまでの労力と使いこなせる人材が必要です。1つずつ紹介します。

導入直後は業務量が増える

MAツール導入直後は、シナリオの作成やその検証、蓄積していくデータに合わせて改善するため、業務量が増えます。MAにおけるシナリオとは、見込み顧客から購入までの流れを想定した上で、見込み顧客のフェーズやニーズに合わせてコンテンツ配信を行う台本のことです。

マーケティングのオートメーション化で業務量を削減する目的もありますが、初動は業務量が増えることを理解しておきましょう。

例えば、シナリオ作成は、顧客フェーズごとに見込み顧客にアクションをします。そのとき、アクションが起こされる条件の設定や、アクションによって配信されるコンテンツの作成などが必要になります。

使いこなすにはマーケティングのプロ人材が必要

マーケティングのオートメーション化は、まずMAツールに有効なマーケティング施策を落とし込めなければ、使いこなしていることになりません。

MAツールがあることで従来より高速でPDCAを回すことができるので、より担当者のマーケティング力が求められます。

例えば、MAツールでシナリオ作成するときも、配信するメールが開封されるようなテクニックが必要です。また有効な顧客データを集められたとしても次の施策に落とし込めなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。

もし可能であれば、マーケティングのプロ人材に担当させた方がよいでしょう。

ランニングコストが増える

マーケティングをオートメーション化するためのMAツール費用は安くありません。MAツールによって価格は異なりますが、平均的な相場として10万〜数十万円程度です

またMAツールの運用に人員を割けば、その分の人件費もかかります。そのためランニングコストがかかります。

もちろん、MAツールを使いこなし、各種数値を高められれば、費用対効果を高められます。しかし、MAツールを使いこなせないと、ランニングコストが増えるだけなので、注意しましょう。

失敗しないマーケティングオートメーション化の手順

失敗しないマーケティングオートメーション化の手順

ここからは、マーケティングをオートメーション化するときに失敗しない手順をお伝えします。注意点で前述したとおり、気をつけないとメリットがデメリットに変わってしまいます。

以下の手順でMAツールを用いて、マーケティングのオートメーション化を進めましょう。

ゴール設定

マーケティングのオートメーション化を進めるゴールや目的を設定しましょう。

実際にMAツールを導入する際に、ゴールや目的を決めておかないと、効果的に運用できずコストの無駄になってしまいます。またマーケティング施策は、手段が目的化しやすいです。明確な目的を持って、ゴールを設定すべきです。

営業効率アップやマーケティング業務の生産性向上など、MAツールを導入するゴールや目的は企業によって変わります。

営業効率アップであれば、有効な商談数を◯%増やすといったゴール設定もありです。

ゴールや目的によって導入すべきMAツールも変わります。

社内で十分に検討したゴールや目的を設定した上で、マーケティングのオートメーション化を企画しましょう。

人材のアサイン

次にマーケティングの全体像を理解している人材をアサインしましょう。自社や自社のマーケティングレベルに合わせてMAツールを使いこなせるかどうかで、成果を出せるかが決まります。

マーケティングへの理解が浅い方をアサインしても、効果的に運用できない可能性が高いです。あくまでマーケティングをオートメーション化するものなので、そもそもマーケティング戦略や施策がハマっていなければ、オートメーション化しても意味がないからです。

例えば、マーケティング経験の浅い、Web担当者がMAツールを任されても、マーケティングの全体像を理解した上での施策を実行することは難しいでしょう。

マーケティングの全体像を理解している人材をMAツールのプロジェクトにアサインしましょう。

マーケティング戦略の再考

マーケティングのオートメーション化を実施するなら、マーケティング戦略を再考するのがおすすめです。

なぜなら、マーケティング戦略がうまくいっていないと、いくらオートメーション化しても、業務改善にしかつながらないからです。できれば、マーケティング戦略を再考して、成果につなげたいところです。

特に顕在顧客ではなく潜在顧客に対してナーチャリング施策を行うので、今一度顧客は誰なのか再定義してみてもよいのではないでしょうか。その結果、ターゲットが広がったり、セグメントの仕方が変わったりします。

もちろん再考した結果、マーケティング戦略自体を変更しない企業も多いかも知れません。しかし再考することで、改めて自社のマーケティング戦略のおさらいができます。

顧客のフェーズに合わせてマーケティング施策を打つことができるMAツールだからこそ、オートメーション化を機会に、マーケティング戦略の再考をおすすめします。

ペルソナ設定

次にペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、商品やサービスのユーザー像のことです。そのユーザーが実在していると仮定して、マーケティングの施策などを考えていきます。

MAツールでシナリオを作成する際も、どんなユーザーがどのような道のりで、リードジェネレーションから成約まで導けるか考えます。

このときにペルソナを設定しておくことで、細かな意思決定の際に役立ちます。また、チームに共通認識を作り、社内全体でユーザーのイメージを持てます。

ペルソナについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
ペルソナとは?役割と定義、設定ポイントを解説 ペルソナとは?役割と定義、設定ポイントを解説

カスタマージャーニーマップの作成

カスタマージャーニーマップとは、商品やサービスの認知・検討・購入・活用までの一連の流れを、顧客のフェーズごとに分けて、図式化したものです。

MAツールでシナリオ作成するときに、カスタマージャーニーマップは欠かせません。したがってマーケティングのオートメーション化において、必ず作成すべきものです。

そもそもMAツールのシナリオとは、見込み顧客を成約に導く台本です。台本はカスタマージャーニーマップをもとに作られます。

カスタマージャーニーマップについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
カスタマージャーニーマップとは?目的と作り方、事例を解説 カスタマージャーニーマップとは?目的と作り方、事例を解説

コンテンツを作成しながらPDCAを回す

MAツールを導入して、シナリオを作成して終わりではありません。データを確認しながら、配信コンテンツを作成して、シナリオに組み込む作業を繰り返します。

このようにPDCAを回しながら、マーケティング業務をオートメーション化します。

マーケティングをオートメーション化する目的は、業務の効率アップだけではなく、成果につなげなければいけません。

  • 配信するコンテンツを作成する
  • 数値を確認する(開封率やCTR、CVRなど)
  • 配信したコンテンツを修正する
  • MAのシナリオに組み直す

上記のようなPDCAを回しながら、自社のマーケティング業務をオートメーション化しましょう。

MAツールの選び方

MAツールの選び方

マーケティングのオートメーション化は、MAツールを使います。しかしMAツールは、ツールによって機能や値段、連携できるサービスが変わります。

以下のポイントを考慮してMAツールを選びましょう。

  • BtoBとBtoCのどちらに向いているか
  • SFAとCRMに連携ができるか
  • 複数のチャネルに対応しているか
  • 自社の課題を解決する機能や強みはあるか
  • 自社の運用体制に問題はないか
  • 自社と似た企業が利用しているか
  • サポート体制は充実しているか

自社にあったMAツールを選択しましょう。

おすすめのMAツールや選び方は別記事にまとめています。

下記の記事では以下の内容を書きました。

  • MAツールの基本
  • 失敗しないMAツールの選び方・ポイント
  • BtoB、BtoC、両者におすすめのMAツール

MAツールをきちんと選べる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
【2023年】おすすめMAツールを比較!選び方や料金も紹介 【2023年】おすすめMAツールを比較!選び方や料金も紹介

マーケティングオートメーションの可能性

マーケティングオートメーションの可能性

この記事では、オートメーション化の意味やマーケティングをオートメーション化するメリット、注意点、手順、MAツールの選び方について紹介しました。

マーケティングのオートメーション化は、単なる業務改善にとどまらず、成果にもつなげる役割があります。具体的なオートメーション化の方法は、MAツールを利用することです。

特にマーケティングのオートメーション化のメリットは、重要なのでおさらいします。

  • マーケティング施策の効果検証ができる
  • 見込み顧客を確度別にセグメントができる
  • 他部署との連携がしやすい

まずは改めてマーケティングをオートメーション化のメリットと注意点を押さえて、MAツールの導入を検討してください。

MAツールは、使いこなせれば、マーケティングの可能性を広げられます。慎重に導入を検討しましょう。

監修者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
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