ABMツールとは?導入メリット・デメリットとおすすめツール6選を比較

ABMツールとは?導入のメリット・デメリットとおすすめのABMツール7選を比較

近年、営業やマーケティング現場において、ABMツールに注目が集まっています。ただ、ABMツールとはそもそも何なのか、何ができるツールなのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、ABMおよびABMツールの基本知識とともに、ABMツール導入のメリット・デメリットを解説します。また、おすすめのツールを7つ紹介するので、これからABMツールの導入を検討されている担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

ABMツールとは

ABMツールとは

 

 

まず、ABMおよびABMツールの基本知識と、ABMツールの重要性を解説します。

ABMとは

ABMとは「アカウントベースドマーケティング(Account Based Marketing)」の頭文字をとった言葉で、BtoB企業におけるマーケティング戦略の1つです。ABMにおけるアカウント(account)は、得意先(企業)を意味します。

企業にとって価値の高い企業(大口顧客など)を選別し、どんな企業かを掘り下げてからアプローチを行い、売上の最大化を目的とする手法です。

ABM自体は特に目新しい手法ではありませんが、近年アメリカでの取り組みが強化され、一定の成果を上げていることから、日本でも注目が集まっています。
ABMとは?効果と導入手法、おすすめツールを紹介 ABMとは?効果と導入手法、おすすめツールを紹介 ABM(アカウントベースドマーケティング)が日本で普及しはじめてかなりの時間が経ちました。ABMは営業の成果向上に非常に効果があるマーケティング施策です。ABMの基本からメリット、代表的なABMツールや導入事例を紹介します。

ABMとMAの違い

ABMは、よくMA(マーケティングオートメーション)と比較されることがあります。MAとは、「Marketing Automation」のことで、新規顧客開拓などのマーケティング活動を自動化するツールのことです。

MAが不特定多数の企業を対象にすることに対して、ABMはピンポイントでターゲットとなる企業を選定し、アプローチを行います。

ABMとMAは双方を比較対象とするのではなく、MAの精度を高め、MAとABMを連携させることで、より効果的なアプローチが可能だと考えるとよいでしょう。
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ABMツールがなぜ重要なのか

ABMツールは、膨大な顧客情報を一元管理し、優良顧客の分析やセグメント化を簡単に行うことができます。

企業が保有する顧客情報は、部署ごとに統一されておらず、社内でのデータ共有には時間と労力がかかることがあります。この課題が、ABMツールを導入することで解決できるため、ABMツールはマーケティング活動において重要といえるのです。
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ABMツール導入のメリット

ABMツール導入のメリット

ABMツールを導入することによるメリットには、以下のようなものがあります。

  • 営業部門と連携しやすくなる
  • 業務を効率化できる
  • 効果測定をしやすい
  • 顧客ごとに最適なマーケティングができる

それぞれのメリットについて解説します。

営業部門と連携しやすくなる

ABMツールを導入する最大のメリットは、営業部門とマーケティング部門が連携しやすくなる点です。

ABMを成功させるうえで、営業部門とマーケティング部門の情報共有は必要不可欠ですが、従来は双方の連携に支障が生じるケースが少なくありませんでした。

営業部門とマーケティング部門でABMツールを共有することで、アプローチ済みの顧客や、営業の進捗状況が把握しやすくなります。

営業とマーケティング関連の部署が多い企業ほど、ABMツールを導入することにより、顧客情報、顧客ニーズの情報が可視化しやすくなり、他部門との連携がスムーズになるでしょう。

業務を効率化できる

ABMツールの導入により、社内業務を効率化することができます。 ABMツールを使って顧客情報を一元管理すれば、ターゲットにどのようなアプローチが適しているかを把握しやすくなります。

例えば、セミナーやイベント、展示会でのフォローアップに強いABMツールを活用すれば、社内のリソースを使いすぎることなく、効率よく次回のアクションにつなげることも可能です。

効率的にABMを実施することにより、人的・資金的なリソースの無駄を削減し、ROI(投資利益率)の向上も期待できるでしょう。

効果測定をしやすい

ABMツールを導入することで、効果測定がしやすくなることもメリットの1つです。部署を超えてホットリードの情報が可視化されることにより、マーケティング施策やアプローチの結果を把握しやすくなります。

ABMツールは、広告やキャンペーンなどの成果も細かく分析しやすく、PDCAを効率よく回すことができます。
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顧客ごとに最適なマーケティングができる

ABMツールを活用することにより、顧客ごとに最適なマーケティングを行うこともできます。ホットリードの候補を詳細な条件で絞り込み、複数の企業にやみくもにアプローチする手間を大幅に削減することが可能です。

また、ツールによってはAIを活用し、ユーザーが希望するであろう情報コンテンツを適切なタイミングで配信する機能もあります。

結果として、ABMツールの導入により、個々のターゲットに応じた精緻な戦略を立てることができるのです。

ABMツールの導入にはデメリットもある

ABMツールの導入にはデメリットもある

ABMツールを導入することによるデメリットについて解説します。

新規顧客には不向き

ABMツールは、新規顧客の獲得には不向きです。 ABMツールを活用するには、社内に蓄積されてきたデータが必要で、そのデータが多いほどABMの成功率を高められるといえます。

新規顧客は商談期間が短く、情報が少ないため、ABMツールの活用範囲が限られてしまうのです。

しかし、すべてのABMツールが新規顧客開拓に向かないわけではありません。MAやWeb、他のマーケティング機能を備えたツールもたくさん開発されているため、自社のニーズにあったツールを探し、さらにそれをカスタマイズすることも可能です。

複数の部門で顧客データがある場合は、新規開拓と既存顧客フォローアップの併用など、自社のニーズに合わせたABMツールを導入しましょう。
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中小企業の場合成果が出にくい

ABMツールは、中小企業の場合、成果が出にくい可能性があります。ABMには、ある程度の工数と費用がかかるため、事業単価、規模が小さいと、先行投資に見合わない恐れがあるからです。

ABMツールは、各部署との連携を円滑にする役割を果たしますが、そもそも部署の絶対数が少ない中小企業にとっては、活用しづらい側面があるでしょう。

ただし、ツールによっては初期費用・月額ともに数万円〜と低コストで導入できるものもたくさんあります。あらかじめABMツールに対する予算を設定し、自社にとって費用対効果が見込める最適なツールを選定しましょう。

運用が軌道にのるまでに時間がかかる

ABMツールは、運用が軌道にのるまでにある程度時間がかかる傾向があります。
ほとんどのABMツールでは、結果が出るまでに工数がかかるため、短期的に結果を求める企業には不向きといえるかもしれません。そのため、LTV(顧客生涯価値)が大きく、長期的に売上が獲得できる見通しが立っているケースでの活用が適切といえるでしょう。

もし、ABMツールに短期的な結果を求める場合は、DMや展示会のレスポンス件数のアップなど、使う機能を絞ってツールを活用しましょう。

ABMツール導入の流れ

ABMツール導入の流れ

ABMツールを導入する際の流れについて解説します。

ターゲット企業の選定

ABMツールを導入するには、まず、営業対象とするターゲット企業を選定するところから始めましょう。業種、年商など、条件でやみくもにセグメントをかけるのではなく、「◯◯社」と具体的な社名までをリストアップし、できる限り高いLTVが見込める企業を選定する必要があります。

また、営業の成功率を上げるには、商談の決裁権を持つキーパーソンを洗い出しておくこともポイントです。

ABMはBtoBが前提ですが、営業対象のターゲット企業の選定には、LTVが見込めることと同時に、顧客の組織構造を把握し、キーパーソンの確認を徹底しておきましょう。

アプローチ戦略の策定

ターゲット企業とキーパーソンを特定したら、アプローチ戦略の策定を行います。営業ターゲットが直面している課題を予想し、それを解決する方法をまとめて関心を引き付けましょう。次に、どのような手法で営業ターゲットにアプローチするかを考えます。

メールや電話で直接コンタクトを取ることは、最も一般的な方法です。しかし、展示会の招待状をキーパーソンに送り、名刺を獲得することも有効な手段です。キーパーソンとの商談を円滑に進めるためには、資料や営業トークに一貫性と説得力を持たせ、効果的なアプローチ方法を心がけましょう。

モニタリング・効果測定

営業対象企業へのアプローチが完了したら、モニタリングや効果の測定を行います。ABMは、多くの企業へやみくもにアプローチをかけるのではなく、綿密な計画と時間をかけて段階的にアクションを起こす手法です。

初期段階で期待通りの成果が得られなくても、ただちに次の営業対象に移るのではなく、失敗要因の分析と改善を繰り返すことが重要です。上記のプロセスを繰り返し、サイクルをスピードアップさせることで、ABMの成功率を向上させることができます。

代表的な6つのABMツールの特徴を比較

代表的な6つのABMツールの特徴を比較

代表的な6つのABMツールの特徴を解説します。

1.Adobe Marketo Engage

1.Adobe Marketo Engage

Adobe Marketo Engageは、Adobe社が開発したMAツールです。全世界で5,000社以上の企業が導入し、700以上の外部システムとの連携が可能なため、企業内のさまざまな基幹システムとの互換性が高い特徴を持っています。

ABMに特化した機能としては、基本的な顧客検索、リード、アカウント管理、分析機能に加えて、AI機能が最大の強みとなっています。AIは、ユーザーが望むであろうコンテンツを予測し、ユーザーに最適なタイミングで情報を配信することができます。

さらに、Adobe Marketo Engageは、営業担当者一人一人の行動履歴や成功率などを分析するため、営業部署全体の総合的な指揮や売上の向上にも貢献することができます。

Adobe Marketo Engageの詳細はこちら

2.SPEEDA

2.SPEEDA

SPEEDA(スピーダ)は、株式会社UZABASEが開発したABMツールです。業界レポート、企業検索、ニュース、トレンド、特許動向検索、ターゲットリスト作成などの6つの機能に加えて、M&A情報の閲覧や専門家へ直接質問することも可能です。

利用料金は月額制であり、利用人数に応じて設定されています。新規事業開発にも活用できるため、経営企画室など、会社の意思決定に関与する部署での利用もおすすめです。

日本国内だけでなく、アジアを含む約1,000万社の未上場企業や3,000本以上の国別業界レポートを検索することができます。そのため、海外アジア市場への進出を考えている企業にも適しています。

SPEEDAの詳細はこちら

3.FORCAS

3.FORCAS

FORCAS(フォーカス)も株式会社UZABASEが開発したABMツールです。国内最大級のIT製品・SaaSのレビューサイトであるITreviewが開催する「ITreview Grid Award」にて、10期連続でABM部門の「Leader賞」を受賞。ABMの成果において高い評価を得ています。

FORCASは、受注確度の高い企業を自動的に抽出するだけでなく、似た特性を持つ企業リストの自動作成も可能です。また、契約企業には専属コンサルタントが付属し、スムーズな導入と成果の最大化に向けたサポートを提供してくれます。

料金設定は、本格的にABMを強化したい中堅企業から大企業に向けに設定されています。さらに、ツールを効果的に活用するためには、社内でツールを適切に活用できる人材の確保が必要でしょう。

FORCASの詳細はこちら

4.SPIRAL

4.SPIRAL

SPIRAL(スパイラル)は、株式会社パイプドビッツが開発したツールであり、ABMだけでなく、社内のあらゆる部署のペーパーレス化や業務効率化に役立ちます。特に、セミナーやイベント、展示会でのフォローアップに強く、ユーザーの情報を独自に取得し、次回のアクションにつなげたい企業の課題を解決します。

SPIRALの最大の強みは、導入までの工数が少ない点です。最短で契約から2週間でシステムを構築することが可能です。

料金体系は、初期導入費用が100,000円で、その後はデータ容量に応じた月額50,000円〜の定額制となっています。これにより、企業の規模にかかわらず、導入しやすい価格設定となっています。

SPIRALの詳細はこちら

5.uSonar

5.uSonar

uSonar(ユーソナー)は、自社ブランドとして開発された営業支援ツールです。最大820万件の法人データベースであるLBCを搭載しており、データを登録すると、既存の顧客データを最新情報を含めたデータに変換することができます。倒産や移転などの変動情報も自動的に反映されます。

さらに、取引データやリード情報もLBCと照らし合わせ、既存顧客の傾向から有望な未接触企業を新規営業のターゲットとして自動的に抽出することも可能です。

ただし、uSonarには大量の情報が搭載されているため、顧客データをExcelでアップロードしても、既にアプローチ済みの顧客が重複する可能性があることや、使い慣れるまで一定の時間がかかることに留意しましょう。

uSonarの詳細はこちら

6.Datanyze

6.Datanyze

Datanyze(データナイズ)は、アメリカ発祥の営業支援ツールであり、アメリカNo.1のテクノロジー評価サイトであるG2 Crowdにて「ハイパフォーマー賞」を受賞しています。日本地域を含むアジア・太平洋地域では、株式会社インターアローズがビジネスパートナーとしてサービスを提供しています。

Datanyzeは、世界250の国と地域、3,500万ドメイン、9,000のツールや300万のアプリからデータを抽出することができ、自社に最適な見込み客を抽出することが可能です。また、競合他社がいつからツールやサービスを導入しているかなど、競合分析の精度の高さでも評価されています。

Datanyzeは、国内外でグローバル展開を行っている企業や、海外市場への進出を検討している企業に適しています。

Datanyzeの詳細はこちら

 

メリットとデメリットを理解してABMツールを活用しよう

メリットとデメリットを理解してABMツールを活用しよう

ABMツールは、Account Based Marketing(アカウントベースドマーケティング)を効率的に実践するための支援ツールです。企業がABMツールを活用すべき最大の理由は、膨大な顧客情報を一元管理し、優良顧客の分析やセグメント化を簡単に行える点です。

ABMツールの導入メリットは、営業部門との連携が容易になり、業務効率化や効果測定がしやすくなることです。また、顧客ごとに最適なマーケティングが可能となります。

一方、ABMツールの導入デメリットは、新規顧客獲得には向いておらず、中小企業の場合は成果が出にくく、運用に時間がかかる点です。

営業活動において実践したい要件を明確化し、自社に最適なABMツールの導入を検討しましょう。


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監修者紹介

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

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