営業担当者の中には、業務効率化のためにCRMやMAの導入を考えている方もいらっしゃるでしょう。とはいえ、CRMとMAの違いがわからないため、どのような点で重要かがわからないという方もいるかもしれません。
この記事では、CRMとMAの違いについて解説していきます。また、2つを連携させることでどのような効果があるのかについても触れていきます。
この記事を読むことで、CRMとMAの違いが分かり、導入に必要な知識を習得できるようになるでしょう。これから導入を検討している担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
CRMとMAのそれぞれの特長とは?
CRMとMAには、それぞれ異なる特長があります。この章では、それぞれの概要や違いについて解説します。
CRMとは?
CRMとは「Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)」の略称で「顧客関係管理」や「顧客管理」といった意味があります。
CRMは顧客情報を管理する機能があり、以下のような情報を管理したり記録したりできます。
- リード情報の管理
- 既存の顧客情報の管理
- 購入/契約履歴の管理
- お問い合わせの管理
- 属性ごとの分類・管理
CRMを用いることで、複数の部署や個人ごとに管理して把握しきれなかった情報を、一元管理できるようになるため、業務の効率化が進みます。また、ユーザーからの問い合わせ内容や進捗状況についてもすぐに共有できるため、顧客対応の質も上がり「顧客満足度の向上」や「顧客ロイヤリティの向上」にもつながります。
CRM導入のメリット・デメリットとは?MA、SFAとの違いも解説
1990年代から国内で普及しはじめたCRMですが、今でも重要なマーケティング手法として知られています。そもそもCRMとは何なのか、導入のメリット・デメリット、CRMツール選定時の注意点などを解説します。
MAとは?
MAとは「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」の略称で、マーケティングを自動化するためのツールのことを意味します。
MAを用いることで、以下のような情報の獲得が可能です。
- 見込み客の属性
- アクセス頻度
- 閲覧ページの情報分析
このほかにも、営業プロセスにおける見込み顧客(リード)の獲得から商談の機会を得るまでのフェーズを自動化したり効率化できる機能を備えたものもあります。
ここでいう見込み客の属性とは、過去に資料請求をしたり、問い合わせをしているなど、自社の製品やサービスに興味があるユーザーを指しています。その見込み客の性別、年代、居住エリアなどを、見込み客の属性といいます。
MAを導入して属性を把握できれば、ターゲットに合った効率的なマーケティング戦略を講じることができるというわけです。この結果として、コンバージョン獲得や売り上げアップといった成果につなげていくことができます。
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?活用方法や導入メリットを解説
CRMとMAの違いを整理
CRMとMAには、顧客情報の活用に大きな違いがあります。それぞれの活用方法や具体例について整理してみましょう。
CRM | MA | |
---|---|---|
活用 | 顧客満足度の向上 | 見込み顧客の獲得 |
具体例 | 顧客情報の管理 営業戦略の構築 顧客との関係の構築 |
メールの配信 スコアリング 営業担当者へフォロー |
CRMは顧客満足度の向上のために活用するのが主な使い方です。例えば、管理している顧客情報の購入履歴を活用して、今後のキャンペーンや営業戦略の構築を行います。顧客のステータスに合わせた付加価値をつけて、「また使いたい」という気持ちを引き出したり、顧客との信頼を構築していくことも可能です。
MAは見込み顧客の獲得のために活用するのが主な使い方です。わかりやすい例でいうと、「メールマガジンの配信」などがそれに当たるでしょう。全ての顧客に共通の内容を配信するのではなく、MAで得た見込み客の情報を活用して、顧客一人ひとりにマッチした情報を戦略的に配信します。
また、顧客が製品やサービスに対してどれくらい関心を持っているかを数値化(スコアリング)する機能もあります。こうした情報を営業部署と共有して、会社が一丸となったマーケティング施策を行うことにもつながります。
CRM、MAの両方とも「顧客情報が中心にある」という点においては共通していますが、活用方法が異なっているのです。
MAツールとCRMツールの違いは?連携するメリット・人気のツールを紹介
CRMとMAを連携させることの重要性
多くの場合、CRMとMAは連携させることができます。マーケティングにおいてCRMとMAを連携させることは、非常に重要とされています。その理由は以下の3つの効果を期待できるからです。
- リード獲得情報の効率的な蓄積
- マーケティング施策の精度の最大化
- 社内を横断したマーケティング戦略の構築
これらの重要性を理解することで、目的意識を持ってCRMとMAを連携できるでしょう。それぞれの重要性について解説していきます。
①リード獲得情報の効率的な蓄積
CRMとMAを連携させることで、見込み客(=リード)に関する情報を効率的に蓄積することを可能にします。それはCRMとMAツールを連携させることによって、どちらか一方で入手したリード情報を一括管理できるようになるからです。
具体例を挙げて見ていきましょう。自社のコーポレートサイトを通じて、ユーザーが資料をダウンロードしたり、問い合わせをしたとします。その場合のリード情報は一旦、MA側にデータが蓄積されます。
別の機会に、営業担当者が商談などで獲得した名刺情報、カスタマーサービスを介して入手したリードの情報は、CRM側に蓄積されます。
こうして得たそれぞれのリード情報が、CRMとMAを連携させることによって、部署や国内外の支部といった壁を超えて、瞬時に連携できるようになるのです。
②マーケティング施策の精度の最大化
マーケティング施策の精度を高められることも効果の1つです。
例えば、CRMとMAを連携することによって、両方の角度からリード情報を得られるようになるため、一方だけに偏らない多角的な顧客分析が可能になります。
営業部署だけで練っていたマーケティング施策に、カスタマーサービスからの視点をプラスすることができれば、よりユーザーに寄り添ったマーケティング施策を打つことができるでしょう。
その際、いままでは同じ部署内や上司の経験値だけで行っていた施策に、実際の顧客情報から得たデータがプラスされることで、どのような施策をどのタイミングで行うのかなど、「最適解」が見つけやすくなることも大きな利点です。
また、CRMやMAに登録されているリード情報を属性ごとに分類することも可能。
リード属性などから顧客の興味や嗜好を分析し、リードの属性に合いそうなメール内容に変えて配信したり、キャンペーンDM送付するなど、戦略的かつ効率的なマーケティング施策が打てるようになります。
③機会損失を防ぐマーケティング戦略の構築
先ほども少し触れましたが、部署や支部を横断したマーケティング施策で、機会損失を防ぐ効果も上げられます。
CRMとMAそれぞれに蓄積したデータは、CRMとMAを連携させることで一括して集約された顧客情報となります。今までであれば、部署や支部の壁でなかなか見えてこなかったリード情報が、社内のどこにいてもすぐに共有できるようになります。そのため、思わぬコンバージョンにつながるリード情報を見つけたり、今までにないマーケティング戦略につながることもあるでしょう。
また、会社全体としての情報共有の効率化が図れるため、よりスピーディーにマーケティング戦略を仕掛けることができるようになります。
その際、部署や支部を超えた情報共有によって、無駄な作業や重複していた作業を視覚化することにつながるため、さらなる業務の効率化を目指すことも可能になるでしょう。
CRMやMAツールを選定する上でのポイント
CRMやMAツールを選定する際は、3つのポイントを意識しましょう。
- BtoBとBtoCのどちらに効果的か
- 対象となる顧客データやチャネルの明確化が可能か
- CRMとMAを連携することが可能か
CRMやMAツールは現在、数多くリリースされているため、ポイントを押さえて自社に適したツールを選ぶことが大切です。それぞれのポイントについて解説していきます。
BtoBとBtoCのどちらに効果的か?
BtoBとBtoC、どちらに効果的なツールなのかを確認しておきましょう。CRMツールやMAツールは、BtoB向けかBtoC向けかによってツールの機能が異なっています。
BtoB | BtoC | |
---|---|---|
CRMツールの主な機能 | 顧客情報の共有 | 販売チャネルの選択 |
MAツールの主な機能 | 見込み顧客の育成 | 顧客とのコミュニケーション |
それぞれのポイントについて、例を挙げて説明しましょう。
CRMツールの場合、BtoB向けのCRMツールでは顧客情報の共有がポイントとなります。リアルタイムで共有することで、顧客に対する訪問などがスムーズに進行できます。
BtoC向けのCRMツールでは、個人それぞれの趣向に合わせてアプローチすることが大切です。CRMツールによって最適な販売チャネルを自動で提案するような機能があれば、受注率の向上につながります。
MAツールにおいても、BtoB向けのMAツールでは、効率的な顧客へのアプローチが行える機能や、受注に至るまでの関係構築のプロセスを管理できる機能が重要です。
BtoC向けのMAツールでは、膨大な顧客数を管理でき、複数チャネルに対応した機能が必要です。
このように、同じように見えるCRM、MAツールでも、自社が誰をターゲットとしているかによって、必要な機能、選ぶべきツールが違ってくるというわけです。
対象となる顧客データやチャネルの明確化が可能か?
CRMやMAを導入する前提として、「管理すべき顧客データとは何か」を明確にしておきましょう。どのデータが必要になるのかが分からないと、情報収集の際に無駄な作業が発生する恐れがあります。
「顧客情報」と一口に言っても、名前やメールアドレス、電話番号、購買履歴といったさまざまなデータがあります。何を集めなければならないのか、どのように管理するのかをCRMの機能と照らし合わせて考えておくことで、効率的にツールを導入できます。
CRMとMAを連携することが可能か?
そもそも「CRMとMAを連携できるツールなのか」の確認が重要です。それは、どのツール同士でも連携できるわけではないからです。
CRMツールは、業界や職種を問わずほとんどの企業において、業務の基盤となるツールといえます。それゆえに、CRMツール、MAツールのどちらも決まっていない場合は、まずは自社にあったCRMツールの選定から始めるのがよいでしょう。
もし、MAツールが先に決まっている場合は、そのツールと連携できるCRMツールを探す必要があります。
また、MAツールによっては、簡易的なCRM機能が搭載されているものがあります。他にも、同システムのシリーズでCRMがリリースされている場合もあるため、自社にとって軸となるツールを選定し、それに最適となるツールを併せて選ぶということが重要です。
CRMとMAを連携させる上での注意点
CRMとMAを連携させる際には、2つの注意点があります。
- 重複データを除外できるか
- それぞれのツールの相性がいいか
これらの注意点を知っておくことで、効率的に活用できるようになります。
重複データを除外できるか?
CRMとMAを連携させる際、重複データを除外できるか確認しておきましょう。例えば、東京で登録したのと同じユーザーが、札幌支部と大阪支部でも登録されていたような場合を想定しています。重複しているデータがあると、正しいスコアリングや分析が行えなくなり、マーケティング分析の精度や質が一気に下がってしまいます。
重複データを削除する機能の代表格に、「データクレンジング」というものがあります。データクレンジング機能があると、CRMとMAに共通するデータがあった場合、自動的に削除してくれるため、データ重複によるミスデータが減ることはもちろん、その作業を手動で行う必要がないため、無駄なリソースを省くことにつながります。
より効率的なマーケティングを行うためにも、データクレンジングの機能は必要です。
それぞれのツールの相性がいいか?
CRMとMAのツールにおける相性がいいかどうか確認しましょう。広告では「連携可能」とうたっていても、連携できる機能に制限がでたり、スムーズに連携できないケースも、実際にはあるのです。
また連携において何かトラブルがあった際、サポート体制がそれぞれ異なっているため、立て直しに時間が掛かってしまうこともあります。
そのため、双方のツールに親和性があるかどうかを事前に確認してから導入することが大切です。また、わからない場合は無料お試しコースを活用したり、デモンストレーションを活用したりするのもよいでしょう。
CRMとMAの違いを理解して上手に連携させよう
この記事では、CRMとMAの違いについて解説しました。CRMは顧客情報を管理して顧客満足度を向上させる一方で、MAは見込み顧客の獲得が可能です。
CRMとMAは個別に導入するというよりは、ツールを連携させて顧客情報を施策に活用させていくことが重要になります。
適切にツール導入・運用するためには、自社のビジネス目的にあった機能を持つツールを選定しましょう。その際、重複データを削除できる機能があるものや、自社が選定したツールと親和性の高いツールを選ぶことが大切です。
これから導入する担当者の方は、ぜひこの記事でご紹介したポイントを参考にしてみてください。
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【MA/CRM】HubSpot導入・運用支援
質の高い見込み顧客を集客して、営業の効率化を徹底支援!