マーケティング

最終更新日: 2023.01.23

マーケティングオートメーションの事例10選!成功&失敗ともに紹介

マーケティングオートメーションの事例10選!成功&失敗ともに紹介

MA(マーケティングオートメーション)は、顧客の購買行動の変化により、年々役割が大きくなっています。

複雑になるマーケティング業務の対策方法として、MAを導入する企業は増えていますが、

一方で導入に失敗している企業は少なくありません。

そこでこの記事では、MA導入の成功確率を上げることを目的に、MAの基本と成功&失敗事例を紹介します。

加えて、MAツールの選び方もまとめていますので、導入を見極めるヒントとして、ぜひ参考にしてください。

石田 哲也

監修者

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

マーケティングオートメーション(MA)とは

マーケティングオートメーション(MA)とは

MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティングを自動化するシステムのことです。

MAツールを導入することで、見込み顧客をフェーズごとにナーチャリングして、購入やリピート購入などにつなげられます。

リード管理やシナリオ作成、顧客のスコアリングやSFAやCRMとの連携、LPやフォームの作成、広告の連携など、MAツールで実現できることは多岐にわたります。

もちろん、MAツールのスペックによって、機能は変わります。

しかし、どのMAツールも目的は変わりません。見込み顧客を購入やリピート購入、さらにロイヤルカスタマーに変化させることを目指すためのものです。
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マーケティングオートメーションの成功事例

マーケティングオートメーションの成功事例

ここからは、MAの成功事例を5つ紹介します。MAの成功事例を知ることで、導入後の運用や改善できそうな業務をシミュレーションできます。

事例1.ソフトウエア開発事業で営業効率がアップ

企業向けにソフトウエアの開発・販売をしていた「シンコムシステムズ社」では、顧客リストの分析に課題を抱えていました。

見込み客のセグメントが十分に行えておらず、営業活動時間とコストがかかりすぎていたのです。

しかし、MAを導入したことによって、確度の高い見込み客と、確度の低い見込み客などをセグメントすることに成功。

確度の高い見込み客に対して営業活動を絞り込むことができ、営業効率をアップさせました。

具体的な数値改善は以下のとおりです。

  • メルマガ開封率1,941%向上
  • 1,513件のリード獲得
  • 1週間の新規セールスリード数:平均18件

参照:Econsultancy(Three case studies that prove the importance of marketing automation

事例2.人材育成サービス会社で求職者からの返信率が4倍に

オランダの総合人材サービス企業「ランスタッド株式会社」では、求職者とのコミュニケーションを活性化するため、Hubspotを導入しました。

導入前までは、電話やメール、SMSで就業状況や求職状況を確認しており、返信率が低かったようです。

導入後は、LINEとHubspotを連携することで、求職者からの返信率が20%から80%まで引き上げに成功。さらに求人案件のマッチ率が16%から25%に改善しました。

参照:Hubspot(求職者とのコミュニケーション強化を目的にLINEとHubSpotを連携。返信率が20%から80%に)

事例3.飲料メーカー会社でオペレーションを改善

「キリンホールディングス株式会社」では、One to Oneマーケティングを実現するために「Salesforce Marketing Cloud」を導入しました。

大日本印刷株式会社が行うMAの運用支援を受けながら、One to Oneメールを配信できるようになり、オペレーションミスを減少。

顧客を関心ごとにカテゴリー分けし、顧客のニーズに合わせたコンテンツを配信できるようになりました。

参照:大日本印刷株式会社(目指したのは、MAの運用支援に留まらない“自社の組織力を高める”パートナーとしての業務支援)

事例4.食材宅配EC会社で定期購入の解約率を改善

「オイシックス株式会社」では、毎週会員向けに季節のおすすめ商品などを提案していました。

しかし、通知しても開封されなかったり、開いたときには締切が過ぎてしまったりと、顧客満足度の低下につながっていることに気付きました。

そこでMAツールを利用し、変更期日の数日前にLINEで知らせるようにしたところ、解約率が改善。

まさに、MAをツールの別チャネルでの配信とシナリオを作成したことで得られた成果といえるでしょう。

参照:MarkeZine(オイシックス流MAレシピを大公開 「顧客視点」のコミュニケーションを実現するための施策デザインとは)

事例5.旅館運営会社で営業効率アップ

「株式会社近畿日本ツーリスト」では、BtoCよりもBtoBの営業活動に課題を感じていました。

インターネットからの申し込みが増えたことで、従来の営業スタッフ1,000人が、テレアポや対面営業を実施していることに限界を感じていたようです。

そこで、オラクル社の「Oracle Eloqua」を導入し、デジタルマーケティングへシフトをしました。

スコアリングと顧客のセグメントを行ったことで、営業部門の優先順位が明らかになり、営業効率のアップに成功しています。

参照:TECH+(近畿日本ツーリスト、オラクルのMAツールを導入 – 販促活動を効率化 [事例])

マーケティングオートメーションの失敗事例

マーケティングオートメーションの失敗事例

MAの導入企業が増え、続々と成果を出している一方で失敗している企業もあります。

ここでは、MAの失敗事例、導入がうまくいかないケースを5つ紹介します。

1.導入目的が曖昧

MAツールの導入にあたって、明確な目的がないままでは失敗につながりやすいです。

MAツールは多機能のため、明確な課題がなければ、機能を十分に使いこなせません。また、目的が曖昧なままでは、具体的な目標も立てられないでしょう。

「助成金が適用できるから」といって、導入しても使いこなせず無駄にしてしまったケースは多々あります。

導入が目的にならないように、事前に目的と目標を定めて導入を検討してください。
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?活用方法や導入メリットを解説 MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?活用方法や導入メリットを解説

2.ナーチャリングのためのコンテンツ不足

MAツールは、見込み顧客をナーチャリングし、購入やリピート購入を促すものです。

当然、その過程でリードナーチャリングを実現するための、導入事例やウェビナーなどのコンテンツを準備できない企業もあります。

しかし、そもそも配信できるコンテンツがなければ、ナーチャリングは達成できません。

これには、コンテンツを内製する仕組みが不十分であったり、人材不足で手が回らなかったりと、さまざまな原因があります。

そのため、「導入後にコンテンツを揃えられるか」「コンテンツを作成できるか」という状況を確認してください。

3.リードジェネレーションの失敗

MAツールは、リードジェネレーション後に力を発揮するシステムです。しかし、リードジェネレーションに失敗して、十分なリード数を確保できなければ活用しきれません。

そのため、導入の際はリードジェネレーション用のLP、ホワイトペーパーなどを用意しましょう。あるいは、一定のリード数を確保してからMAツールを導入すべきです。

例えば、MAツールでメール配信をしたとしても、リード数が数百件では、そのうちの数十件しか開封されません。

リードジェネレーションが自社でできている状態で、MAツールを導入してください。
リードジェネレーションとは?リードナーチャリングとの違い、手法を解説 リードジェネレーションとは?リードナーチャリングとの違い、手法を解説

4.リード数不足で営業と連携できない

MAツールを導入する目的が、営業部門との連携を活性化するものだとすると、リード数不足は避けなければなりません。

通常は、確度の高い見込み顧客を抽出してから、営業部門は優先順位をつけて営業を行います。しかし、そもそもリード数不足では、営業部門と連携しても効果的ではありません。

そのため、一定のリード数を確保することは、MAツール導入の条件ともいえます。確度の高い見込み顧客を確保できないのであれば、MAツールの存在価値がないのです。

リード数不足にならないか、必ず確認したうえでMAツールを導入しましょう。

5.シナリオが正しく設定できない

「MAツールを使いこなせない」「マーケティング担当者が不足している」という状況では、シナリオを正しく設定できないことがあります。

シナリオとは、必要なタイミングで見込み顧客にニーズがあるコンテンツを配信する一連の流れです。

シナリオを正しく設定するには、ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップを作成する必要があります。それらの事前準備ができているか、今一度確認したうえで、MAツールを導入してください。

マーケティングオートメーションツールの選び方

マーケティングオートメーションツールの選び方

MAツールは、自社の目的にあったものを選ぶ必要があります。しかしながら、MAツールと一口にいっても、その機能はさまざまです。ここでは、MAツールを選ぶポイントとおすすめのMAツールを見ていきましょう。

失敗しないMAツールの選び方

MAツールを失敗せずに選ぶためには、以下がポイントとなります。

  • BtoBとBtoCどちらに向いているか理解している
  • SFAとCRMに連携ができるか
  • 複数のチャネルに対応しているか
  • 自社の課題を解決する機能や強みはあるか
  • 自社の運用体制に問題はないか
  • 自社と似た企業が利用しているか
  • サポート体制は充実しているか

特に重要なのは、自社の課題を明確にしたうえで、目的を達成できるツールなのかどうかです。

おすすめのMAツール1.List Finder

List Finderは、株式会社Innovation & Co.が開発するMAツールです。

月額39,800円から利用でき、サポート体制も整っています。さらに、6ヶ月間はコンサルティングが無料です。

おすすめのMAツール2.BowNow

BowNowは、クラウドサーカス株式会社が提供する無料MAツールです。

UIが分かりやすいため、ツールに詳しくない人でも扱いやすいのが特徴です。通常運用の場合、必要は月額22万円となっています。

おすすめのMAツール.Hubspot

HubSpotは、世界で8万社が導入しているMAツールです。

ブログコンテンツで集客し、メール配信などで一連のシナリオを作成できるMAツールとなっています。

ただし、インバウンドマーケティングの考えをもとに作られたMAツールであるため、利用シーンは限られるかもしれません。費用は、初期費用なしで月額5,400円から利用できます。
HubSpotとは?特徴や機能、効果的な使い方を解説 HubSpotとは?特徴や機能、効果的な使い方を解説

マーケティングオートメーションの事例をもとに最適なツールを見極めましょう

マーケティングオートメーションの事例をもとに最適なツールを見極めましょう

MAツールを導入する際は、成功事例と失敗事例を確認しておく必要があります。MAツールは多機能だからこそ、利用者を選ぶからです。

特に、自社でのマーケティング施策の成熟度は、MAツールを使いこなすうえで非常に重要です。

自社の課題や目的が曖昧な状態かつ、ナーチャリングに必要なコンテンツを用意できていなければ、MAツールを生かしきれません。

この記事で紹介した事例を参考にしながら、一つずつ準備を進めていってみてください。

監修者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
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■保有資格
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