マーケティング

最終更新日: 2023.01.27

MAツールとメール配信システムの違いとは?どちらを導入するかの決め方

MAツールとメール配信システムの違いとは?どちらを導入するかの決め方

MAツールとメール配信システムは、表面上だけ見ると、どちらもメールを自動で送ることができるシステムなので、似たような印象を抱かれる方も少なくありません。

そのためMAツールとメール配信システム、どちらを導入すればよいのか、迷われている方も多いと思います。

どちらかを利用するのは、マーケティングを最適化するために欠かせません。Web上でのリードジェネレーション(見込み顧客を獲得するための活動)では、見込み顧客のメールアドレスを取得することから始まるためです。

しかし、両者の特性を理解せずに選ぶと、システムを使いこなせずに、時間とお金を無駄にしてしまう可能性があります。

この記事では、MAツールとメール配信システムの本質的な違いから、機能、メリット・デメリット、価格などの観点から徹底比較します。さらに、どちらのシステムを選べばよいのか判断できるポイントもまとめました。

しっかりと両者の違いを見極めて、必要なシステムを導入していきましょう。

石田 哲也

監修者

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

MAツールとメール配信システムの違い

MAツールとメール配信システムの違い

MAツールとメール配信システムの違いを知ることは、それぞれのシステムを使いこなすことにもつながります。MAツールとメール配信システムとは、どのようなシステムなのか紹介します。

MAツールとは

MAツールは、マーケティングを自動化するシステムを指します。新規顧客を獲得したり、見込み顧客を育成したりするために利用されます。

MAツールは以下のような機能があります。

  • リード管理
  • シナリオ作成
  • メールなどの配信
  • スコアリング
  • レポーティング
  • SFAやCRMとの連携
  • 広告連携
  • LPやフォームの作成

マーケティング業務のあらゆる作業を自動で行えるため、メール配信システムより高度なシステムとなっています。

ただし使いこなすためには、担当者のマーケティングのレベルも必要です。必然的に導入企業はマーケティング部などの部署が存在している会社が多いでしょう。

MAツールを使えば、以下のようなことが実現できます。

  • 流入経路別のリードを一元管理
  • 顧客のリアクションに対して最適なコンテンツの自動配信
  • 顧客のスコアリングを行うことで確度の高い顧客の抽出
  • 営業活動の効率化
  • 人為的なミスを減らす
  • 人件費削減

まさにMAツールは、メール配信システムの上位互換といえる存在です。

メール配信システムとは

メール配信システムとは、メールの一斉配信を行うシステムです。主にメルマガやお知らせ、営業メールなどに使用されています。

メール配信システムには、以下のような機能があります。

  • メルマガ配信
  • ステップメール配信
  • 絞り込み配信
  • 予約配信
  • シナリオ分岐
  • 読者一括登録
  • スプリットテスト配信
  • 開封数・クリック測定

MAツールと違うのは、あくまでメールの一斉送信に特化しているところです。ただし、MAツールでは、ほとんどの機能が利用できるので、MAツールの下位互換という印象があります。

メール配信システムを使えば、以下のようなことが実現できます。

  • 効果的なメールマーケティングができる
  • セキュリティ対策が万全の状態でメールの一斉送信ができる
  • スピーディーに大量のメールを一斉送信できる

メール配信システムは、MAツールよりは、高度なマーケティング知識や経験は必要ありません。また価格が安いため利用しやすいシステムともいえます。
メールマーケティングとは?効果とやり方、おすすめツールも紹介 メールマーケティングとは?効果とやり方、おすすめツールも紹介

MAツールとメール配信システムの比較表

MAツールとメール配信システムの比較表

MAツールとメール配信システムの違いをより明確にするため、機能、メリット・デメリット、価格の3つの軸で比較してみました。

それぞれのシステムで何ができるのか理解していきましょう。

ここでは、BtoBとBtoCでおすすめのMAツールとメール配信システムを2社ずつ比較しています。

機能比較表

MAツールとメール配信システムでよく比べられる機能を比較表にしました。

機能 MAツール メール配信システム
リード管理
ステップメール作成・送信
ターゲティングメール作成・送信
スコアリング
効果測定
SFAやCRMとの連携
広告連携
LPやフォームの作成
メール以外の配信
リアクションに連動したメール送信

◯:使える △:ツールによっては使える ✕使えない

単純な機能比較では、MAツールができることは多いです。

特にスコアリングやSFA/CRMとの連携、メール以外の配信、リアクションに連動したメール送信は、MAツールの特権ともいえます。

注意点としては、機能が豊富だからMAツールがよいとは一概にはいえないことです。メール配信システムを選んだほうがいいケースについては、後ほど解説します。
SFAツールを比較!無料もあわせておすすめを紹介 SFAツールを比較!無料もあわせておすすめを紹介

メリット・デメリット比較表

次に、MAツールとメール配信システムのメリット・デメリットについて、機能とは別の視点から比較しました。

MAツール メール配信システム
メリット
  • マーケティング全般に活用できる
  • セグメントした顧客ごとにマーケティング施策を行いやすい
  • リードジェネレーションしやすい
  • 人員削減ができる
  • 見込み客の受注獲得が数値化できる
  • コストがMAツールより安い
  • 機能が複雑ではない
  • 導入のハードルが低い
  • メールマーケティングさえ押さえておけば扱える
デメリット
  • コストがメール配信システムより高い
  • 導入のハードルが高い
  • 機能が複雑
  • 自社や担当者のマーケティングレベルが低いと扱いきれない
  • すぐに効果が出ない
  • メールマーケティング以外に使えない
  • メール以外の機能が充実していない
  • 複雑なシナリオ分岐ができない

以上のように、MAツールは高機能でコストが高く難易度が高め、メール配信システムはメールの機能に特化していてコストが安く比較的難易度が低めだということがわかります。

料金比較表

次に主要なMAツールとメール配信システムの料金比較をしました。BtoB向けとBtoC向けに2社ずつ紹介します。

BtoB向け

BtoB向けでありながら、十分な機能を備えている低価格帯システムの、最低料金を比べました。

MAツール(List Finder) メール配信システム(brastmail)
初期費用 100,000円 10,000円
月額費用 39,800円〜 3,000円〜
従量課金 PV数・顧客数に応じて 配信数に応じて

機能が違うので、価格も変わりますが、比較的メール配信システムのほうが安価で導入しやすいものとなっています。

BtoC向け

BtoC向けでありながら、十分な機能を備えている低価格帯のシステムを最低料金を比べました。

MAツール(MOTENASU) メール配信システム(BENCHMARK)
初期費用 300,000円 0円
月額費用 100,000円〜 1,800円〜
従量課金 リード登録件数に応じて 配信数に応じて

BtoC向けのMAツールのほうが複雑なシナリオを組めるので、BtoBよりも価格が高くなっています。

やはりメール配信システムのほうが安価です。MAツールと比べて、メール配信に特化しており、機能が限られているのが理由となります。

参照:List FinderblastmailMOTENASUBENCHMARK

MAツールかメール配信システムかを選ぶポイント

MAツールかメール配信システムかを選ぶポイント

MAツールとメール配信システム、どちらを選ぶかについてのポイントを紹介します。高機能だからMAツール、安いからメール配信システムといった理由で選ぶのではなく、会社の状況に応じて選びましょう。

MAツールとメール配信システム、それぞれ選ぶべき企業の特徴を紹介します。

MAツールの場合

MAツールを導入すべき企業の特徴は、3つです。特にマーケティング施策の成熟度が高ければ高いほど、メール配信システムではなくMAツールを選択すべきです。理由を1つずつ紹介します。

マーケティング施策の成熟度が高い

MAツールは、高度なマーケティングツールです。カスタマージャーニーマップを元に、顧客フェーズごとにシナリオを作成して、見込み顧客を購入に至るよう育成させたり、既存顧客にリピート購入させたりするためのものです。

そのため大前提として、マーケティングの全体像を理解した上で、施策を決定しているような組織に導入されるべきです。

自社で行うマーケティング施策の成熟度を見極めた上で、導入を検討しましょう。
カスタマージャーニーマップとは?目的と作り方、事例を解説 カスタマージャーニーマップとは?目的と作り方、事例を解説

メール配信システムを使いこなしている

MAツールは、メール配信システムの上位互換ともいえます。そもそもメール配信システムの運用をしたことがなければ、MAツールを使いこなすのも難しいです。

既にメール配信システムをよく使用していて、さらにマーケティングを最適化してPDCAを回していきたいと考えている場合にのみ、導入を検討すべきでしょう。

メール配信以外の機能が魅力的で導入をする企業も数多くありますが、本質は最適なタイミングで最適なコンテンツを配信して、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)を行うことです。

したがって、メールマーケティングを実施していて、物足りなさを感じたときに導入を検討しましょう。
リードナーチャリングとは?見込み客を育成する手法と事例を解説 リードナーチャリングとは?見込み客を育成する手法と事例を解説

インサイドセールスを実施している

MAツールを用いて、リードナーチャリングを経た見込み顧客を、インサイドセールス部門に引き渡すことで、最終的な成約率を高められます。

MAツールなどでスコアリングの高い見込み顧客に対して、インサイドセールスを行えば見込み顧客にさらに詳細な情報を提供できます。

その結果、有効な商談化につながるのです。

インサイドセールスを実施している場合は、MAツールの導入を検討しましょう。
インサイドセールスにおけるリードナーチャリングの手法を解説  インサイドセールスにおけるリードナーチャリングの手法を解説 

メール配信システムの場合

メール配信システムを導入すべき企業の特徴は、3つです。特にマーケティング施策の成熟度が低ければ、MAツールではなくメール配信システムを選択すべきでしょう。理由を1つずつ紹介します。

マーケティング施策の成熟度が低い

MAツールは、高度なマーケティング知識の理解が必要です。自社で行うマーケティング施策の成熟度が低い場合は、メール配信システムでメールマーケティングから行うのがおすすめです。

特にリード獲得施策などを行ったことがない場合は、MAツールを導入する必要はありません。まずはメール配信システムからリード獲得施策を実践しましょう。

メール配信システムを導入していない

もしメール配信システムを導入していなければ、MAツールを使いこなすのは至難の業です。MAツールはリードマーケティングを最適化して便利にするシステムなので、まずはメールマーケティングの運用から始めましょう。

メールマーケティングの運用だけで物足りなくなったら、MAツール導入の検討をしはじめても遅くありません。
メールマーケティングツールとは?おすすめツールと選び方を解説 メールマーケティングツールとは?おすすめツールと選び方を解説

費用を抑えたい

前述したMAツールの費用が想定予算より高い場合、メール配信システムがおすすめです。メール配信システムの中にも高価なものもありますが、MAツールと比べると機能が限定されているため安価です。

費用を抑えてメールマーケティングを実践したい場合は、メール配信システムの導入を検討しましょう。
メールでのリードナーチャリングとは?手順やメリットを解説 メールでのリードナーチャリングとは?手順やメリットを解説

自社にあったシステムを導入すべき

自社にあったシステムを導入すべき

MAツールとメール配信システムの違いから、機能、メリット・デメリット、料金の比較をして、どちらを選ぶべきかのポイントを紹介しました。

どちらのシステムを導入しても失敗しないためには、自社の状況を客観的に判断することが大切です。

なぜなら、組織のマーケティング力が低いとMAツールは扱いきれないものだからです。そしてMAツールは決して背伸びして扱うものではありません。まずはメール配信システムで適切にメールマーケティングを行うところから始めましょう。

ぜひ、この記事を参考にして、自社にあったシステムを導入してください。

監修者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
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■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
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