顧客を獲得していくために、メールマーケティングは重要な施策です。一般的に、メールマーケティングはツールを活用して行われますが、どんなツールがあるかわからない方も多いでしょう。この記事では、メールマーケティングツールの概要や導入によるメリット、選び方について解説します。
また、導入件数が多いおすすめのメールマーケティングツールについても解説します。これからメールマーケティングを実施しようと考えている場合は、ぜひ参考にしてください。
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メールマーケティングについて
メールマーケティングとは、メール配信によってユーザーの行動を促進させるマーケティング手法のこと。現在では、多くの人がメールを日常的に使用していることから、一般的なマーケティング手法として採用されています。
メールマガジン(メルマガ)もメールマーケティングと同じく、メールを活用するマーケティング手法です。メールマーケティングとメルマガ配信の違いは、ターゲティングの有無にあります。メルマガが多くのユーザーに同じ内容を配信する手法ですが、メールマーケティングはユーザーによって配信内容を変える点が特徴です。
メールマーケティングでは過去の行動履歴から、ユーザーに関心を持ってもらえそうな内容を配信します。新規顧客の獲得、休眠顧客の掘り起こしなど、企業の目的に合わせたアプローチも可能です。
メールマーケティングツールとは
メールマーケティングツールは、メールマーケティングを効率的に行うためのツールです。前述のとおり、メールマーケティングではユーザーを行動履歴や属性によって分類、それぞれのセグメントに応じた内容を配信します。
配信するユーザー数が多ければ、ユーザーの分類、セグメントに合わせた内容の配信をマンパワーだけで行うのは困難です。そのため、多くの企業では、メールマーケティングのために専用のツールが活用されています。メールマーケティングツールの機能は製品によって異なりますが、メールの一斉送信機能、メール内容の最適化機能などが代表的です。
メールマーケティングツールは、メール配信ツールと、マーケティングオートメーション(MA)ツールに分類できます。以下では、これらについて解説していきます。
メール配信ツール
メール配信ツールは、メールマーケティングに特化したツールです。メール配信システム、スケジュール配信などの機能を搭載しています。活用することでメールマーケティングを効率的に実施できるツールです。
後述するマーケティングオートメーション(MA)ツールと異なり、メールマーケティングのみフォーカスしているため、他のマーケティングでは利用できません。一方で、メールマーケティングのみを実施したい場合は、手軽な選択肢と言えます。
マーケティングオートメーション(MA)ツール
マーケティングオートメーション(MA)ツールは、マーケティングの自動化を実現するツールです。顧客情報管理や顧客の分析、顧客とのコミュニケーションなどのマーケティング活動を自動化します。
インターネットが一般的に普及したことにより、現在は顧客の購買プロセスが大きく変化しました。個人・法人を問わず、購買を検討している顧客がまず行うのは「Webでの検索」です。このことから、多くの企業はマーケティングのアプローチを、訪問営業や電話からWebへとシフトしています。
MAツールには、そうしたWebでのマーケティングアプローチに役立つさまざまな機能が搭載されています。メール配信サービスは、MAツールに搭載されている機能のひとつです。
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?活用方法や導入メリットを解説
メールマーケティングツールを選ぶうえでのポイント
メールマーケティングを実施するためには、メールマーケティングツールが必要です。現在は多くのツールが展開されており、メールマーケティングの目的を達成するためには、自社の施策に合ったツールが必要です。以下では、メールマーケティングツールを選ぶポイントをご紹介します。
メール配信ツールかMAツールかを選ぶ
メールマーケティングツールにはメール配信ツールとMAツールの2種類があります。まずは、自社が実施しようとしているメールマーケティングにどちらが適しているのか検討しましょう。
機能面ではMAツールのほうが充実しているため、MAツールを導入すれば不足を感じることはないでしょう。しかし、MAツールは多機能な一方でコストが高いため、メールマーケティングだけに利用するのは正しい選択とは言えません。以下では、メール配信ツールが向いている人、MAツールが向いている人についてそれぞれ解説します。
大量のメールを一斉送信したいならメール配信ツール
単純な大量なメールの一斉送信を行いたい場合は、メール配信ツールで十分です。なるべくコストを抑えてメールマーケティングを実施したいのであれば、必要な機能のみが搭載されているメール配信ツールが適しているでしょう。マーケティングの部署にWebマーケティングに関する知見が備わっていない場合、多機能が故に持て余してしまうことが考えられます。
使わない機能が多いツールを導入するのは、コストの無駄につながるためおすすめできません。Webマーケティングの実施がはじめての場合は、まずメール配信ツールを導入し、必要に応じて後述するMAツールの導入を検討してはいかがでしょうか。
ほかのマーケティング施策も行うならMAツール
各顧客の行動履歴を分析し、セグメントに応じた内容のメールを配信したい場合は、MAツールが適しています。MAツールでは、顧客のWeb上の行動を追跡し、記録しておくことが可能です。
さらに、属性に応じて分類してくれるため、各顧客に対して訴求力の高いメールを配信できます。メールマーケティングだけではなく、他のWebマーケティング施策を実施したい場合もMAツールがおすすめです。
集客、育成、分析といった施策を、ひとつのMAツールで完結できます。見込み度の高い顧客を営業に引き渡す、といった使い方もできるため、営業と連携して顧客を獲得していきたい場合もおすすめです。
簡単に効果測定ができるものを選ぶ
メールマーケティングの効果を簡単に測定できるか、という点にも注目して選びましょう。メールマーケティングは低コストで実施できる施策ですが、明確な効果を出すまでにはPDCAサイクルを何度か回す必要があります。実施した後は効果測定を行い、積極的に改善点を見つけて施策に反映させていかなければ、なかなか効果が出ません。
開封率やクリック率をチェックし、集計・分析できるツールであれば、PDCAサイクルを回しやすくなります。メールマーケティングで効果を安定させるためには、PDCAをスピーディーに回すことが大切です。ツールによる効果測定の簡単さはメールマーケティングの結果に大きく影響するため、慎重に選びましょう。
サポートが充実しているものを選ぶ
ツールを提供している事業者のサポート体制にも注目してください。特に、これまでマーケティング活動においてツールを利用したことがない場合は、操作や運用に関する疑問に遭遇することが多いでしょう。開発側のサポートが充実していれば、そうした疑問をすぐに解決できます。MAツールを選ぶ場合は、機能の豊富さからサポートが必要になる場面が多くなるでしょう。
電話やチャット、対面やオンラインでのコンサルティングなど、どんなサポートを実施しているか確認してください。また、国産ツールのベンダーのほうが海外ベンダーと比較して、国内企業のニーズを想定したサポートを実施している傾向があります。そのため、ツールの利用になれていない場合は、国産のツールをおすすめします。
さまざまな配信設定ができるものを選ぶ
利用できる配信設定が豊富なほど、メールマーケティングの自由度が広がるでしょう。属性、購買履歴などを指定してメールを送れるターゲティングメール、スケジュールに応じて用意したメールを順次配信できるステップメールなどが代表例です。顧客の特定の行動をトリガーとしてメールが配信されるリターゲティングメールという機能もあります。
自社が実施しようとしているマーケティング施策でどのような機能が必要とされているのか検討しましょう。メールマーケティング以外の機能も必要となる場合、メール配信ツールよりもMAツールのほうが適していると言えます。
配信上限が足りているものを選ぶ
多くの場合、メールマーケティングツールはメール配信数の上限が料金プランによって決まっています。上限を超えて配信したい場合は、別途料金がかかるケースが一般的です。自社で獲得しているメールアドレスの数から、どのツールや料金プランが適しているのか判断しましょう。配信したいメール数をカバーできるツールや料金プランを選んでください。
一方で、「配信する必要があるメールの数」を見定めることも重要です。基本的には配信するメールが多くなるほど、コストが大きくなります。コストの増大を防ぐためには、見込み度が低い顧客を切り捨て、安いツール・料金プランを契約したほうが賢明かもしれません。
おすすめのメールマーケティングツールを11選紹介
ここまで、メールマーケティングツールの概要や選び方について解説してきました。具体的には、マーケティングの現場でどのようなメールマーケティングツールが選ばれているのでしょうか。以下では、おすすめのメールマーケティングツールをメール配信ツール、MAツールに分けて紹介します。導入するツールを検討している場合は参考にしてください。
おすすめのメール配信ツール
以下では、おすすめのメール配信ツールを5つ紹介します。いずれも、多くの企業で実際に導入されているツールです。
配配メール
配配メール
これまで7,000社以上に導入されているメール配信ツールです。操作がわかりやすく、サポートも手厚いことから、マーケティング現場での人気を長年維持しています。機能の豊富さはメール配信ツールとして最高峰です。一方で、コストに関してはMAツールよりも安価で利用できます。そのため、メールマーケティングのみを安く、手軽に実施したい場合に適したツールです。
機能やフォロー体制が異なる以下の4プランを提供しています
- Light
- Standard
- Premium
- Bridge
無料トライアルを利用したのち、ベンダーと個別で相談して導入を検討することも可能です。導入前・運用開始後のサポートの手厚さは、国内ベンダーならではの魅力と言えます。
Cuenote FC
Cuenote FC
さまざまな規模の企業での利用を想定して設計されたメール配信ツールです。実際に、1,900社以上の中小企業、大企業に利用されています。クラウド型の他、オンプレミス型の契約も可能です。
端末に応じたメール配信に強い点は特徴のひとつ。PC、スマホ、携帯など、送信先の端末情報を自動判別し、それぞれに合ったメールを配信します。一方で、操作画面はシンプルに設計されており、初心者でも簡単に利用できる点が魅力です。
料金プランごとに登録できるユニークメールアドレス数が変わります。最も低コストな2,000件のプランは、月額費用5,000円、初期費用30,000円で利用できます。非常に細かく料金プランが設定されているため、自社が送信したいメール数に応じてコストを調整しやすい点もメリットです。
WiLL Mail
WiLL Mail
マウス操作のみで直感的にHTMLメールを作成できるメール配信ツールです。担当者のリテラシーに関わらずすぐに使えるため、教育コストを抑えられるツールとして評価されています。
クリックカウント、開封率チェック、コンバージョン分析など、基本的な分析機能を網羅しているのもポイント。そのなかでも、ヒートマップはクリック率、ファーストタッチ率、コンバージョン率を色と数値で視覚的に確認できる便利な機能です。分析作業の効率化につながります。
また、料金プランを毎月変更できる点も魅力です。その月に想定している送信メール数に応じて、すぐに変更できます。契約期間の定めもないため、「ひとまずメール配信ツールがどんなものか試してみたい」というニーズにも適しています。
メールワイズ
メールワイズ
サイボウズ株式会社が提供するメール配信ツールです。アドレス帳に登録されているお客様や、CSVファイルによる任意の宛先へメールを一斉送信できます。チーム内でメール送受信記録を共有することができるのもうれしいですね。さらに、対応履歴の共有など、メール関連機能が長けていて魅力的です。サイボウズ製品「kintone」との連携で、顧客情報を有効活用したメール配信もできます。
以下の2コースが提供されています。
- スタンダードコース(月額500円/1ユーザー)
- プレミアムコース(月額1,500円/1ユーザー)
最少で2人から契約可能です。1ユーザー月額500円と安価であり、初期費用が発生しないことから、スモールスタートするツールとして適しています。
ブラストメール
ブラストメール
配信スピードの速さで評価されているメール配信ツールです。その速さは、なんと1時間に280万通。この速さにより、思いついたメールマーケティングをすぐ実行に移せます。操作がシンプルな点も魅力です。知識や経験に関係なく、デザイン性に優れたメールを作成できます。レイアウトが用意されているため、作業の効率化が可能です。
料金プランは、メールアドレスを3,000件登録できる月額3,000円から提供されています。最も人気なのは、10,000件登録可能な月額6,000円のプランです。機能の豊富さや操作性に対してコストパフォーマンスが良い点も魅力と言えます。
おすすめのSMS配信サービス
「絶対リーチ!SMS」は顧客に直接アプローチできるSMSを手軽に送受信可能な、5000社導入実績の業界最大級の法人向けSMS配信サービスです。
国内の各キャリアと直接SMSの配信ルートを繋いでいるため、99%の到達率と高い開封率を実現し、より確実にメッセージを届けられる点が魅力です。
予約配信や個別・一斉配信はもちろんのこと、多彩な機能をリーズナブルな価格で利用可能です。
絶対リーチ!SMSの主な特徴
簡単に“絶対リーチ!”
簡単に自動設定、送信を行えます。顧客に送信するだけでなく、顧客との双方向にてやりとりが可能。弊社のチームがお客様の活用をサポートするので、安心してご利用いただけます。
先進テクノロジー
海外と連携し培った国際スタンダードなSMS(ショートメッセージサービス)技術「SMPP」。国内のみならず、今や世界のトップ企業にも採用されています。
多彩な料金プラン
SMS(ショートメッセージサービス)の料金プランは全7種。送信のみの利用から送受信活用まで、 ビジネスの規模や用途に合わせて効率よくご利用いただけます。
安心・安全のセキュリティ
第三者機関からの認証を取得した、セキュアSMS配信サービス。セキュリティに関する詳細はこちら
最大660文字のメッセージを送受信
1度に最大660文字の長いメッセージを送受信することが可能です。大切な情報やURLなど、自由度の高いメッセージを送ることができます。(全キャリア対応)
おすすめのマーケティングオートメーションツール
メールマーケティング以外にも実施したい施策がある場合は、MAツールの導入を検討しましょう。以下では、おすすめのマーケティングオートメーションツールを5つご紹介します。
Bow Now
Bow Now
国内で導入社数No.1を誇るMAツールです。特筆すべき点は、マーケティング専任部署がない企業での導入例が多いこと。これから本格的マーケティングを始める企業にとっても使いやすいように設計されています。
Web上の行動履歴を把握し、顧客の見込み度を測定可能です。また、訪問したユーザーが法人に所属している場合は、その法人名を割り出し、マーケティング活動に役立つ情報として登録できます。自動振込によって見込度の高い顧客を振り分けできるため、効率良く電話やメールなどの施策を実施できます。料金プランは以下の4つです。
- フリー:月額0円
- エントリー:月額5,000円
- ライト:月額20,000円
- スタンダード:月額30,000円
メール配信は「ライト」以上のプランで利用できます。
ferret One
ferret One
大手Webマーケティングメディアの「ferret」が提供しているツールです。ツールのほか、Webマーケティングのメソッド指導、目標に合わせた運用サポートを一括で提供しています。リード獲得から受注獲得までの包括的な支援が受けられるサービスです。
提供されるツールは、Webページやランディングページの作成に活用できるCMSです。ノーコードツールのため、プログラミングができない人でも簡単にWebサイトを構築できます。メールの一斉送信やステップメールなど、メールマーケティングに役立つ機能も豊富です。
初期費用10万円、月額利用料10万円~で提供されています。主要機能の使用感を確かめられる無料デモ体験もあります。
SATORI
SATORI
SATORI株式会社が提供するMAツールです。Webマーケティングに求められるスタンダードな機能を網羅しています。2021年2月時点で導入社数1,000社に到達した人気のツールです。
リードを育成するためのメール配信を効率的に実施できます。バリエーションが豊富なレイアウトサンプルが最初から用意されているため、HTMLメールを簡単に作成できるのが嬉しい。ステップメールでは、行動に応じたメール配信などもこのツールひとつで完結できます。
初期費用30万円、月額14,800円で提供されています。ハンズオンセミナーやユーザーを招いた会合など、導入後のサポートやマーケティング知識のシェアにも積極的です。
Marketo
Marketo
アメリカのMarketo Incが開発したMAツールです。日本では、富士通やAdobeが代理店となっています。世界中の企業に使いやすさで高く評価されているツールです。見込み顧客の獲得から育成、成約後の顧客とのコミュニケーションなどを自動化できます。これにより、営業活動の大幅な効率化が可能です。一斉送信やステップメールの機能は、顧客育成の機能として搭載されています。
以下の4プランが提供されています。
- Select
- Prime
- Ultimate
- Enterprise
価格は非公開となっているため、興味があれば見積もりを依頼しましょう。
b→dash
b→dash
複数のプロダクトで構成された、ノーコードのデータマーケティングクラウドシステムです。独自の技術「Data Palette」により、絵を描くようにプログラミングができます。このことから、専門の人材を確保できないベンチャー企業での導入例も少なくありません。
メール配信はプロダクトのひとつである「Marketing Cloud for web」で実施できます。本プロダクトでは、メールのほかLINE、SMSによるアプローチも可能です。各チャネルを組み合わせて、シナリオを設定することもできます。
メールマーケティングツールのまとめ
コストを抑えて効率的にメールマーケティングを実施したい場合は、メールマーケティングツールがあると便利です。特に、メールを配信したい顧客が多い場合、メールマーケティングツールは必須と言えます。
メールマーケティングツールを導入する場合、まず自社にはメール配信ツールとMAツールのどちらが必要なのか検討しましょう。その他、配信機能の充実度や効果測定の簡便さ、サポート体制や配信上限にも注目して選んでください。
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