マーケティング

最終更新日: 2024.04.04

戦略を描ける人材採用が企業成長の鍵。BLAM代表取締役 杉生遊が考えるマーケ人材の課題

戦略を描ける人材採用が企業成長の鍵。BLAM代表取締役 杉生遊が考えるマーケ人材の課題

杉生遊氏が代表取締役を務める株式会社BLAMは、デジタルマーケティングやマーケターやデザイナーの副業(複業)マッチングサービス「KAIKOKU(カイコク)」の運営、企業におけるDX推進を図るための企業研修など、事業を幅広く展開しています。

今回は、株式会社BLAM代表取締役・杉生遊さんにKAIKOKU(カイコク)の特徴や強み、今後マーケティング業界において求められる人材の理想像についてお話をうかがいました。

QUERYY(クエリー)編集部

監修者

株式会社ニュートラルワークス

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QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

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執筆者

株式会社ニュートラルワークス

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KAIKOKU(カイコク)のサービス特徴について

ーはじめに、KAIKOKU(カイコク)の特徴を教えていただきたいです。

カイコクは、全国のマーケターやデザイナー向けの副業(複業)・転職マッチングサービスです。独自の診断方法で、デジタル領域における人柄やスキルなどを数字化し、企業に合った人材を紹介しています。

ーカイコクの個人の利用者や企業はどんな層が多いのでしょうか。

個人の登録者(カイコクメンバー)の層は幅広く、有名な企業のマーケティング職の方がほとんどです。登録者の特徴としては、一つのスキルに特化した方が多い印象で、例えば広告運用が強い方やSNSを得意とした人など、さまざまですね。

企業だと、メインは中小やベンチャー企業がほとんどの割合を占めます。ほかには自治体や地域企業、プロスポーツチームなどもご登録いただいていますね。

現在は中小企業が多いですが、大企業を巻き込めるかによってマーケットの価値自体が変わってくるので、今後は大企業にも活用していただけるよう幅を広げていきたいと考えています。

 

ー他社サービスにはないカイコクの強みを教えていただけますか?

他社と異なる点として挙げられるのは、カイコクコンサルタントの存在ですね。

 

ーカイコクコンサルタントとは、どのような存在なのでしょう?

企業とマーケターの間に立ってコンサルティングを行います。マーケター・デザイナー向けのマッチングサービスは、マーケティングを理解している人が介入することで成り立つと考えています。

企業側は何をしてほしいかイメージできているとしても、マーケターは何が足りていないのか、企業がどんなスキルを持っている人が必要なのかまで把握できないですよね。

 

ーコンサルタントが間に入ってくれるのは、安心感があります。いない場合、企業側がマーケティングについて詳しくないと齟齬が生まれそうですね。

そうなんです。場合によっては企業側がマーケティングについて理解していないまま、募集をかけている可能性もあります。

一方、受注側は募集要項を信じて応募するしか方法はありません。マッチングは成功しても、結果的にミスマッチが生じてしまいます。

発注側は「思っていたものと違った」と言うけれど、受注側からすれば「いや、仕事できないような要件定義しか伝えられてないよ」という相違が生まれることもあります。

そんなミスマッチを防ぐためにも、カイコクコンサルタントを間に配置しています。これは、カイコクならではの魅力だと思います。

 

ーマーケティング業界におけるミスマッチを解消できれば、双方にとって大きなメリットですよね。

そうですね。一方、弊社のサービスを使用する企業様やメンバーさんが増えていくなかで、カイコクコンサルタントの数も増やさなければならないという課題があります。

スケジュール管理も重要になってくるのでシステムを活用しつつ、より良いサービスを提供していきたいと考えています。

カイコクというサービスを始めたきっかけ

ーここまでカイコクの特徴についてうかがいましたが、カイコクを始めたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?

BLAMを起業した当初は、カイコクのようなサービスはまったく考えておらず、既に撤退しているブランクマッチング(※1)というサービスを始めようと思っていました。現在のBLAMという企業名の由来もそこから来ています。

※1 2015年、社名の由来である Barの空きスペースを活用した 「BlankMatching」を開始(現在はサービス停止)

 

ーもともとはブランクマッチングサービスが始まりだったんですね。詳しくうかがえますか?

まずはリバースオークション(※2)を活用したサービスを提供したいと考えました。

例えば飲食店を予約する場合、行きたいお店を探して問い合わせますよね。それとは逆の発送で「私達は何人で何日の何時どこで飲みたいです」と書いておくと、そのエリアの条件に該当する店側から「空席があります」といった連絡をするという仕組みを作ろうと動き始めました。

そしていずれは、日本で買い物をした観光客が近くの店舗に荷物を置いて、指定した時間に購入したものを宿泊先に郵送するというサービスを提供したいと思っていました。

※2 通常のオークションのように売り手側が買い手側を選ぶのではなく、買い手側が売り手側を選ぶオークションを指す。

 

ーそれは新しい発想ですね!一からお店を探すのは大変なので、杉生さんが考えたサービスがあると助かります!その後、サービスは提供できたのでしょうか?

自己資金でスタートしたのですが、すぐに底を尽き家賃も払えない状況でした。得意なデジタルマーケティングで資金を作ろうと考え、デジタルマーケティング事業にシフトしたのが経緯です。

ーそのような経緯があって、カイコクというサービスが生まれたんですね。

企業が抱えるマーケティング人材採用における課題の変化

ーソーシャルメディアが増えたり、コロナの影響で社会情勢にも変化が訪れましたが、2015年に起業した当時と比べて、企業が抱えるマーケティング人材の課題は変化していますか?

根本は変わらないと思いますね。

ー変わらないと感じる理由を教えていただきたいです。

日本は「デジタル人材が足りない」とずっと言われていますよね。2022年現在も約2万人、企業に換算すれば約190万社はマーケティング人材が不足しています。実際に僕らでも「デジタル人材を欲しい」と思ったら、すぐに人材を用意するのは難しい状況です。

約10年前は、ひたすら頑張って就職活動しても採用されない状況でしたが、現在は採用市場の変化もあって、就職の難易度も低くなりつつありますよね。したがってマーケティングに詳しくなくても、マーケティングの職に就ける確率も上がっているのではないかと。

 

ー以前と比べると、就職のハードルは下がっている印象ですね。

デジタルマーケティングを理解している風の人はいるのですが(笑)。本当に理解している人はあまりいないんですよね。結果的に何もできない、何をしたら良いかわからない部分から抜け出せない企業が約9割を超えているのではないかと思っています。

また、本当にできる人を採用できた場合においても、結局人材が足りてないんですよね。決めた順番で作業していこうと思っても、人が足りてないから進まない。

そんな企業が多い現状において、しばらくは日本の労働環境は変わらないと思うので、自社サービスのニーズは当分なくならないと確信しています。

ーデジタルマーケティングに関するスキルを磨く場所が少ないのも理由なのでしょうか。

それもありますよね。細かいスキルを身につけたいけれど、経験しないと見つからない。思っている以上にありきたりなことで状況を変えられないんだと思います。

市場価値の高いマーケティング人材像とは?

ー杉生さんにとって、市場価値が高いマーケティング人材はどんなイメージでしょうか?

それぞれが考える市場価値によって変わると思うんですけど、例えば「フリーランスで年収2000万稼ぐ」という意味であれば、スキル自体は地味なものであっても、ニーズがある領域で十分に活用することができれば稼げると思います。

個人の力で何か行動したいならば「戦略を描ける」方が価値が高いと思います。

ー戦略を描ける人は実際のところ存在しますか?

実は戦略を描ける人はほとんどいません。はっきり言えば、だいたいの人はてきとうなんです(笑)。

あるロジックツリーを駆使しても、構造を十分に理解した上で優先度を決めていくことって、正直ほとんど誰もできてない。特に日本では、戦略を描くことができる人は一生活躍できると個人的に思っています。 

ただ、日本だと戦略を考える機会が少ないのが現状です。結局、売り上げのことばかり目を向けられがちな文化があります。事業に対する理解度も正直、人によりますよね……。

世界的に有名な企業で働いていると言っていても、いざ話を聞いてみると全然理解していないと感じることもあります。

戦略を描けるのは、圧倒的な価値があると僕は思いますね。

採用はスキルよりも人となりを優先

ーBLAMでは、どのような人を採用したいと考えているのでしょうか?

見栄を張らない人ですね。見栄を張る人は嘘をつく癖がついていると思います。信用できる人でないと、一緒に働くことは難しいですよね。

人事権は完全にメンバーに譲っていますが、僕は最終面談で候補者とお話する機会を設けています。

-即戦力として考えると、スキルを優先しがちですが、杉生さんはなぜ「人となり」を重視するんでしょうか?

実際に、スキルがある方から応募が来ます。それはとても嬉しいことですが、結局スキルを持っていても、僕らが求めるものとズレが生じたり、持っているスキルすべてが武器にならないことがあるんですよ。

「何をやるかよりも誰とやるかを大事にしたい」という考えは昔から変わっていなくて、いまだに人間性しか見てないですね。

 

ー何をやるかよりも誰とやるかを大事にしたいという言葉は、まさに杉生さんの人柄がわかるお言葉ですね。では最後に、BLAMに入社したいと考えている方にメッセージをお願いします。

組織の急速な成長によって、現在50人のメンバーと一緒に働いています。とはいえ、業績は伸びつつも仲間が足りていない状況です。

また当社は、上場準備を開始しています。日常生活のなかで、上場間近の企業に携わる機会はあまりないと思うので、上場間近の企業で働きたい、ガツガツ働きたいと考えている方は年齢問わず、ぜひ一緒に働きたいと考えています。

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