現代のビジネスにおいて、DX化やEC化は急務といえます。特に昨今のコロナ禍においては、ECサイトを運用していないのは、重要なチャネルを持たずに顧客を取りこぼしていることになります。
そこで、ECサイトのメリットやEコマースの市場規模、ECサイトの導入・構築・運営の方法など、「今さら聞けない」基礎知識について詳しくご紹介します。
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目次
Eコマース(EC)とは?
Eコマース(EC)とは、Electronic Commerceの略で、購入から決済までをインターネット上で完結させるビジネスモデルです。日本語では「電子取引」という意味になります。ECサイトはEコマースを用いたWebサイトのことで、一般的にはいわゆる「ネット通販サイト」を指します。
インターネットの普及や昨今のコロナ禍によって、一連のステップがインターネットで完結するECの需要が非常に高まっています。事業でより大きな成果を出すためには、ECサイトの導入が必須といってもいいでしょう。
日本におけるEコマース(EC)の市場規模
日本におけるECの市場規模や成長性については、経済産業省が調査しています。2010(平成22)年から2019(令和元)年までのBtoCにおけるEC市場規模およびEC化率は、以下のとおりです。
EC市場規模(億円) | 物販系EC化率(%) | |
---|---|---|
2010年 | 77,880 | 2.84 |
2011年 | 84,590 | 3.17 |
2012年 | 95,130 | 3.4 |
2013年 | 111,660 | 3.85 |
2014年 | 127,970 | 4.37 |
2015年 | 137,746 | 4.75 |
2016年 | 151,358 | 5.43 |
2017年 | 165,054 | 5.79 |
2018年 | 179,845 | 6.22 |
2019年 | 193,609 | 6.76 |
出典:経済産業省「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」(PDF)
10年間でEC市場規模が約2.7倍に成長していることがわかります。EC化率も年々上昇しており、特に物販系の分野は市場規模が大きく、サービス系やデジタル系がそれに続きます。
また、昨今のコロナ禍による外出自粛の空気や人との対面を避ける傾向から、インターネットで取引を完結させたいと考える人が非常に増え、ECサイトの需要がさらに高まったと考えられます。この先コロナ禍が落ち着いたとしても、ECサイトの需要が下がったり、市場の成長が止まる可能性は低いと思われます。
なお、ここではBtoC(一般消費者向け販売)市場のデータのみを紹介しましたが、BtoB(企業間取引)のEC市場も非常に速いスピードで成長しています。また、フリマアプリやオークションサイトのようなCtoC(個人間取引)のECサイトも勢力を増しています。つまり、市場や業種によらず、ECサイトの導入は必要不可欠になってきているといえるでしょう。
Eコマースの市場規模や成長性については、以下の記事でより詳しく解説しています。
eコマースとは?市場規模とeコマースで成功するコツを紹介 今さら聞けないeコマースについて基本的なところから振り返ってみませんか?今のeコマースの市場規模、これからまだ成長する市場なのか?ライバルがひしめく中、EC通販で成功するためのコツを紹介します。ECサイト導入のメリットとは?
Eコマースの市場規模が拡大しているため、ECサイトを導入するべきことがご理解いただけたのではないでしょうか。実際、ECサイトの導入には具体的なメリットが数多くあります。ここではECサイトのメリットについて、売り手と買い手の両方の視点から解説します。
売り手側の大きなメリットは以下のとおりです。
- 実店舗の出店・運営に比べコストが抑えられる
- 場所を問わず幅広いユーザーへ商品・サービスを提供できる
- テキストや画像・動画などを使っての商品アピールが可能
ECサイトの出店や運営にかかるコストは、設備投資や賃貸料のかかる実店舗と比べてとても小さく抑えられます。場所を問わない点も大きなメリットです。実店舗では立地によって売上も大きく左右されますが、ECサイトのネット通販なら全国各地のユーザーに商品を提供できます。海外展開も不可能ではありません。
また、実店舗ではスタッフによる対面販売が中心です。しかしECサイトであれば、さまざまな方法で商品のアピールができ、スタッフが常駐していなくても注文が入ってきます。接客の手間や人件費を少なくし、効率的なビジネスが可能です。
買い手側であるユーザーにも、以下のようなメリットがあります。
- 場所や時間を問わずいつでも手軽に買い物できる
- 実店舗と比べてゆっくり選ぶことができる
- 商品に関する情報収集が容易
ECサイトでの買い物は、住んでいる場所や時間帯を問いません。ユーザーのタイミングで自由に買い物ができます。しかし、実店舗ではそこまで足を運ばなければならず、時間的な制約があります。
また、ECサイトであれば、比較的ゆっくり選ぶことができます。気に入った商品をブックマークし、時間が経ってから改めて検討することも可能です。気になる商品について詳しく知りたい場合も、ECサイトならスムーズに検索や情報収集ができます。
このようにECサイトの導入は、売り手・買い手ともにメリットが多いのです。ECサイトのメリットについて、以下の記事もぜひご覧ください。
ECサイトを導入する前に確認すべきこと
ECサイトの導入をする前に、確認すべきことがあります。それはスケジュール(工期)とコスト(予算)です。これらが明確でないとECサイトの構築がスムーズに進まず、導入までに時間がかかって商機を逸してしまう恐れがあります。
スケジュールを決めるために、ECサイトの制作手順について確認しておきましょう。ECサイトの制作が具体的にどのように進むかを把握することで、より明確なスケジュールの設定が可能になります。
コストを決めるためには、ECサイトの制作にかかる費用を確認します。ただし、制作コストの把握だけでは不十分です。ECサイトの開業後、運用を長く続けていくためには、導入コストだけでなくランニングコストの把握も必要です。ECサイトの制作手順と費用について、それぞれ解説します。
ECサイト制作の手順は?
まずはECサイトの制作手順とサイトオープンまでのスケジュール感について解説します。サイト制作の大まかな手順は以下のとおりです。
- ECサイトのコンセプトを決める
- 搭載する機能を中心に要求定義を決める
- ECプラットフォーム(ECサイト構築の土台となるシステム)を決める
- ECサイト構築のチームを組む/外注する会社を選ぶ
- ECサイトのワイヤーフレーム(Webサイト構築の設計図)を制作する
- デザインを制作する
- コーディング(制作したデザインをHTML言語などでWeb上に起こす)をする
- ECサイトで販売する商品の用意・登録をする
- テスト環境でオペレーションテストをする
- サイトオープン
ただし、WEbサイトの構築方法によって必要な手順は変わります。ECサイト制作において特に時間がかかるのが1および2のステップです。ECサイトの運用を成功させるためには、コンセプトの設計や要求定義が非常に重要となります。方向性を定める重要な部分でもあるため、時間や労力が必要であり妥協も禁物です。
1~4までが計画の段階となります。この期間だけでも1~2ヶ月程度は見ておくべきでしょう。具体的な制作段階に入ってからのスケジュール感については、Webサイトの構築方法によって異なります。大きく分けて、以下のような4つの構築方法があります。
まず、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)やSaaS(クラウドによるソフトウェア提供サービス)などを、ECサイトの土台として利用する方法があります。ECパッケージというECサイト向けのサービスは、必要な機能が揃っている上、自由にカスタマイズして構築することができる方法です。
また、オープンソースという無料で公開されているソースコードを活用して、ECサイトを構築する方法もあります。しかし、専門知識が必要なため、外部の制作会社に発注することが多くなります。
フルスクラッチは、ゼロからECサイトを構築する方法です。非常に自由度が高い分、かなりの制作期間がかかります。高い技術力と長い開発期間が必要となるためです。それぞれの構築方法とおおまかな期間は以下のとおりです。
構築方法 | ASP・SaaS | ECパッケージ | オープンソース | フルスクラッチ |
---|---|---|---|---|
期間 | 無料ASPなら1日以内 有料ASP・SaaSは1ヶ月~3ヶ月程度 |
3ヶ月~半年程度 | 1ヶ月~半年 選ぶソースによって大きく異る |
半年以上 1年かかるケースも |
参考記事:【EC初心者必見!】ECサイト制作手順や費用相場などを徹底解説|H&K株式会社
構築方法によってスケジュール感が大きく変わることに注意が必要です。サイトの制作手順・構築期間については以下の記事もご覧ください。
ECサイトの構築方法!選び方のポイントと初期費用、ランニングコストを紹介
ECサイト制作の費用は?
続いてECサイト制作にかかる費用です。こちらも構築方法によって差が大きいためそれぞれ解説します。
もっとも費用を抑えられるのは無料ASPです。ECサイトの土台として提供されているシステムを使う方法で、例としてBASEやSTORESなどが挙げられます。無料ASPはその名のとおり、開設・月額費用が無料です。そのかわり、1取引あたり3~10%程度の決済手数料がかかります。
有料ASPやSaaSも、比較的費用が抑えられるECサイトの構築方法です。制作からオープンまでに必要な初期費用は無料~1万円程度で、ランニングコストとして月額費用が数千円~数万円程度かかります。また、1取引あたり5%前後の決済手数料も必要です。
ECパッケージは、必要な機能が揃っていて自由にカスタマイズできますが、その分、初期費用も高めで500万円ほど見積もっておく必要があります。月額費用はドメインやサーバー代の数千円程度です。ただし、アップデートやメンテナンスにおいて大きな費用が発生し、これらを月額換算すると10万円以上となります。
オープンソースは、無料で公開されているソースコードを活用するので、自社制作であれば制作費は無料です。しかし、専門知識が必要なため、外部の制作会社に発注する場合は数百~500万円ほどかかります。最低限必要な月額費用はドメインやサーバー代の数万円程度です。
しかし、追加で別のシステムを搭載する場合はそのサブスクリプション費用がかかるほか、セキュリティシステムの費用もかかります。月額換算すると数十万円かかるケースが多いようです。
フルスクラッチは、ゼロからECサイトを構築するため、かなりの制作費用が必要であり、最低でも数千万円となります。億を超えることもそれほど珍しくありません。
高い技術力と長い開発期間が必要なため、どうしても高額な制作費用となってしまいます。ランニングコストとして、インフラ基盤やサーバー・ドメインなど月額で数十万円がかかります。ECサイトの構築の費用について、表にまとめてみました。
構築方法 | ASP・SaaS | ECパッケージ | オープンソース | フルスクラッチ |
---|---|---|---|---|
初期費用 | 無料/有料(数千~数万円) | 500万円ほど | 自社制作:無料 外部発注:数百~500万円 |
数千万~数億円 |
ランニングコスト | 1取引あたり3~10%の決済手数料 | 月額換算で10万円ほど | 月額換算で数十万円 | 月額換算で数十万円 |
構築方法別の費用については以下の記事でも解説しています。
ECサイトの構築方法!選び方のポイントと初期費用、ランニングコストを紹介あなたの事業に向いているECサイトの種類は?
ECサイトの制作でどの構築方法を選ぶかは、あなたの事業によって大きく異なります。自社の事業に向いたECサイトにするためには、事前にECサイトの種類についても把握しておきましょう。
自社の取引形態や事業規模、もしくは先にご紹介した構築方法によって、ECサイトの種類は分かれます。自社の事業に適したECサイトの種類はどれなのか、確認してみてください。
ECサイトの種類(1)取引形態別
ECサイトを構築する上で、まず確認するべきポイントが取引形態です。一般的な取引形態は主に以下の3種類となります。
- BtoB(企業間取引)
- BtoC(一般消費者向け販売)
- CtoC(消費者間取引)
BtoBは企業間の取引で、一般消費者向けのECサイトとは異なり、ビジネス的な機能が必要となります。BtoBのECサイトでは、以下のような機能が必要です。
- 見積もり機能(取引が高額・注文数が大量になりやすいため)
- 取引先別の販売条件設定機能
- 与信取引(掛取引)機能
ほかにも、BtoBビジネスのECサイトに必要とされる機能が多いものです。上席の承認を得てから注文できる注文承認機能もあると便利な機能です。ある程度、機能が決まっているASPやSaaS、ECパッケージなどを選ぶ場合には、BtoBで必要な機能が搭載されているか確認することが必要です。
BtoCのECサイトは一般消費者を対象にしているため、ユーザーの要望が比較的幅広くあります。また、お得になるサービスにも関心が集まりますから、複数の決済方法やポイント付与機能があると良いでしょう。
ニーズや流行といった市場の状況から影響も受けるため、運用中でも調整やリニューアルがしやすい構築方法が適しています。また、競合との差別化を図るためにオリジナリティを発揮したいということであれば、オープンソースやフルスクラッチがおすすめです。
CtoCのECサイトは消費者対消費者の間の取引なので、企業の運営するECサイトとはまた違った設計や構築が必要です。フリマアプリやオークションサイトのように、手軽さを重視した構築方法が主流です。商品販売を事業とする個人事業主であれば、差別化を図るためにASPを活用するケースも多くあります。
取引形態と構築方法については、以下の記事でより詳しく解説しています。
ECサイトの種類を解説!取引形態と構築方法、選び方のコツまで完全網羅ECサイトの種類(2)事業規模別
自社に適したECサイトの構築方法は、事業規模によっても異なります。構築方法によって、ECサイトの制作にかかる費用やランニングコストの差が大きいため、注意が必要です。
個人事業主であれば、無料ASPが適しています。個人事業主は企業と比べると事業規模が小さいため、高額な費用のかかる構築方法はあまりおすすめしません。もし年商1億円を超える規模であれば、ある程度のカスタマイズ性が必要です。しかし現実的に個人のECサイトでそこまで大きな売上になるケースは少ないため、無料のASPがもっともバランスを取りやすいでしょう。
小中規模程度の企業であれば、有料ASPやSaaSがおすすめです。ECパッケージやオープンソースなど、より自由度の高い構築方法を選ぶべきと考えるかもしれませんが、これらの構築方法には高い知識と大きな費用が必要です。そのため自由度と運用のしやすさ、費用のバランスからも、有料ASPやSaaSが適しています。
年商1億を超えるような大企業であれば、必要な機能や高いパフォーマンス性が求められるでしょう。大規模なECサイトを制作するのであれば、ECパッケージ、オープンソース、フルスクラッチといったカスタマイズ性の高い構築方法がおすすめです。時間とコストがかかりますが、しっかり計画を立てたうえで制作を進めましょう。
事業規模と構築方法については、以下の記事もご覧ください。
【完全版】企業向け・個人向けECサイトの作り方をそれぞれ解説ECサイトの種類(3)構築方法別
ECサイトの種類はさまざまです。最後に構築方法別に、それぞれ適した種類を解説します。
- モール
- ASP・SaaS
- ECパッケージ
- オープンソース
- フルスクラッチ
- 越境EC
モールとは、1つの大きなサイトに複数の企業が出店しているタイプのECサイトです。代表例として、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが挙げられます。出店や運用が手軽な一方で、出店料や手数料が高く、他店との価格競争も生じやすいのがデメリットです。また、顧客情報が取れないため、メインのECサイトではなくサブ的な使い方、もしくは自社ECサイト構築前のトライアル版に適しています。
ASPやSaaSは、運営会社によって提供されたプラットフォームでECサイトを構築できるシステムです。前述したように構築費用・ランニングコストともに小さく、オープンまでそれほど時間がかかりません。ただし、カスタマイズはしにくいため、比較的小規模なECサイトに向いています。
ECパッケージは、ECサイトに必要な機能がパッケージとして用意されているサービスです。機能が用意されている点ではASPと似ていますが、ドメインやサーバーなどを用意してサイト構築を自社で行う必要があります。カスタマイズしやすい一方で、初期費用やランニングコストが大きいため、ある程度の年商規模を誇る企業に適した構築方法です。
オープンソースは、インターネット上で無料公開されているソースコードを活用してECサイトを構築する方法です。自社内で対応できる人材がいれば無料で済みますが、外部発注の場合は前述のとおり数百万円の制作費用が発生します。またランニングコストが比較的大きく、手間がかかるため、規模が大きく予算に余裕のある企業や、自社内で対応できるだけの知識や人材がある企業に向いています。
フルスクラッチは、ゼロからすべて構築・運営する方法です。カスタマイズ性や自由度に制限がない一方、長い開発期間と多額の費用がかかります。そのため、年商1億円を超えるような大規模の企業に適しています。安定した資金力と高い技術力・知識も必要となります。
越境ECとは国境を超えたECサイトのことです。構築方法を問わず、グローバルな取引を行うECサイトは越境ECに分類されます。海外で実店舗を出店している企業や海外展開を検討している企業は、越境ECの運営を検討しても良いでしょう。
ECサイトの種類については以下の記事でより詳しく解説しているため、ぜひこちらもご覧ください。
ECサイトの種類を解説!取引形態と構築方法、選び方のコツまで完全網羅ECサイトを導入・構築するには?
ECサイトを導入・構築するには、最低限以下の内容についての検討が必要です。
- 自社ECサイトに必要な機能は何か
- ECサイトの構築を自社で進めるか外注するか
- 自社制作と外注それぞれの注意点は何か
ECサイトの導入・構築では、事前の計画や情報収集が欠かせません。十分検討しなければ、不測の事態に陥るリスクが高まってしまいます。それでは、検討しなければならないポイントを具体的に解説します。
ECサイトに必要な機能とは?
ECサイトに必要な機能はさまざまです。大きく分けて以下のように分類できます。
- フロントエンドの機能
- バックエンドの機能
- あると便利な機能
フロントエンドの機能とは、ユーザーがECサイトを利用するときに直接使う機能です。ユーザーに快適な買い物をしてもらったり、自社ECサイトに対して良い印象を持ってもらうためには、フロントエンドの機能が大きく影響します。フロントエンドに欠かせない機能は以下のとおりです。
- 商品検索機能
- マイページ機能
- カート(買い物かご)機能
- お気に入り機能
- 決済機能
- セキュリティ機能
- FAQページ
- お問い合わせ機能
- 口コミ・レビュー機能
- レコメンド機能
ECサイトを利用したことのある方なら、すでにおなじみの機能でしょう。ユーザーが快適にECサイトを利用するためには、これらの機能が必要不可欠です。フロントエンドの機能は、ユーザーの視点に立って用意する必要があります。ユーザーの快適なショッピングを実現させることで、好印象やリピートにつながります。
次にバックエンドの機能とは、ユーザーの目には映らないものの、運営するために必要な機能です。では、バックエンドに欠かせない機能をご紹介します。
- 受注・配送管理機能
- 商品在庫管理機能
- 顧客管理機能
- 売上管理機能
- コンテンツ管理機能
- キャンペーン・セール管理機能
- お問い合わせ管理機能
バックエンドの機能に不足があると、配送にあたってミスやトラブルが発生しやすくなります。商品の配送はユーザーの満足度に大きく影響します。もしミスなどがあれば、クレームや悪い評価につながってしまいます。ECサイトのスムーズな運営のためにも、バックエンドの機能には十分注意しましょう。
ECサイトに最低限欠かせない機能をご紹介しましたが、ほかにもあると便利な機能、面白い機能というものもあります。競合との差別化を図りやすい部分であるため、余裕があればぜひ搭載したい機能です。以下のような機能です。
- 商品ランキング機能
- メール配信機能
- チャット機能(スピーディかつカジュアルな接客ができる機能)
- クーポン機能
- アクセス解析機能
- ブログ
- 自社アプリ
これらの機能がなくてもECサイトの運営は可能ですが、より細かなサービスや集客には便利です。搭載するにはコストや時間がかかる機能もあるため、必要な機能を優先しつつバランスを見て導入しましょう。
ECサイトの機能については以下の記事でより詳しく解説しています。
ECサイトに必要な機能を紹介!便利な機能から面白い機能までECサイトの構築を発注するには?
それではいよいよECサイトを構築する際の具体的な流れについて、解説していきます。まず、制作会社に依頼するときに押さえるべきポイントをご紹介します。
制作会社の選定や発注をする前に、まずはどのようなECサイトを構築するかという方向性を決定することが必要です。理想的なECサイトを実現させるためには、制作会社に対してコンセプトや要求などを明確に伝えなければなりません。搭載する機能やサイトデザインのイメージ、予算やスケジュールも大切なポイントです。
ECサイトを構築するには、まずコンセプトなどの方向性を定めましょう。コンセプトが決定したら、次にECサイトの構築方法を決定します。構築方法ごとの特徴や選ぶときの基準などについては、この記事や関連記事でご紹介してきたとおりです。
想定するECサイトのイメージや自社の事業規模、予算などを考慮しながら構築方法を決めます。構築方法を決定できれば、制作会社選びやスケジュール設定もスムーズに進むでしょう。
ここまで決定したら制作会社の選定に入ります。制作会社を選定するうえで大切なポイントは以下のとおりです。
- 制作・開発・サポートなど対応可能な範囲
- ECサイトの制作実績
- 提案書や見積書の内容
依頼したいと考えている作業が対応範囲外では、スムーズなECサイト構築につながりません。どこまで依頼したいかを明確にした上で、対応可能な制作会社を選ぶ必要があります。
ECサイトの制作実績についても確認が必要です。実績の数だけでなく、どのようなサイトを手がけてきたのか、その内容も確認しておきましょう。いくら実績豊富であっても、自社のECサイトの理想から遠い場合は、別の制作会社を検討した方が良いかもしれません。
制作会社へ相談した後に提出してもらう要件提案書や見積書の内容も確認します。複数社に見積もり依頼をし、内容をしっかりチェックします。内容が不明瞭であったり、不信感を覚えたりする場合は注意が必要です。制作会社は妥協せずにしっかり選ぶ必要があります。
ECサイトを自分で作るには?
ECサイトは自分で作ることもできます。特におすすめなのが、Shopify(ショピファイ)
などのECプラットフォームを利用する方法です。ShopifyはECサイトの構築に特化したサービスで、構築から運営までを一貫して行えます。制作会社へ依頼せずとも、コストを抑えて自分のECサイトを作るができるので、候補の1つとして検討してみるのも良いでしょう。
ECサイトの運営業務とは?
ECサイトは構築さえすればいいというものではありません。開業後の運営の仕方次第で、売上にも差が出てきます。運営業務は多岐に渡ります。商品の管理はもちろんのこと、ECサイト自体の管理や商品情報の更新も必要です。
集客の方法やお客さんのサポート業務は実店舗とは大きく異なるため、事前に把握していないと混乱してしまうかもしれません。売上を伸ばすためにも、ECサイトの運営業務について事前に確認しておきましょう。
商品を管理するには?
ECサイトの商品管理とは、バックエンド業務のうち以下のものです。
- 商品の登録
- 受注管理
- 在庫管理
- 出荷・配送
ECサイトでは、まず最初に商品の登録をします。商品登録時には、商品名や画像はもちろん、販売価格、販売日時にも注意が必要です。価格や日時を誤って設定してしまうと損失が発生する恐れがあります。商品説明欄には、商品の基本的なスペック情報はもちろん、ユーザーが求める細かな情報も記載できると良いでしょう。その商品の魅力を訴求する情報を考えて、記入しましょう。
商品を購入したお客さんとのやりとりを問題なく遂行するため、受注管理にも注意しましょう。受注処理の順番は主に以下のとおりです。
- ユーザーに注文状況をメールで送信
- 在庫の引き当て
- 出荷指示
ユーザーに安心感を与えるため、注文状況のメールでの送信は必須となります。その後、バックエンドで在庫の引き当てや出荷の指示を行います。配送手続きのスムーズな流れが大切です。
また、商品の過不足を防ぐために、在庫管理が欠かせません。在庫管理の業務は、主に以下のタイミングで発生します。
- 注文を受注したタイミング
- 商品を仕入れ在庫が増えたタイミング
- 棚卸しなどで在庫の誤差を認識したタイミング
万が一在庫管理で不備が起きると、注文を受けたにも関わらず商品が足りない、必要以上の仕入れをしてしまうといったトラブルを招いてしまいます。謝罪メールの送信といった追加業務が発生したり、不良在庫による赤字などに繋ったりするため、在庫管理には十分な注意が必要です。
出荷・配送のステップでは、注文情報を基に手続きを行います。バックエンドでは手作業の必要な部分が多いため、ヒューマンエラーが起こりやすい業務です。特に商品のサイズや色の間違いが多く発生します。
ヒューマンエラーは、マニュアルを整備したり、複数人で確認したりするなど、対策次第でミスを防ぐことができます。配達までしっかり済んでようやく取引完了となるため、最後まで注意しましょう。
商品の管理を含むバックエンド業務については、以下の記事でより詳しく解説しています。
ECサイトにおけるバックエンド業務を解説
ECサイトを更新・管理するには?
ECサイトで大きな成果を出すためには、定期的な情報の更新やサイトの管理業務も必要です。
サイトの情報更新の業務としては、新商品の登録やコンテンツの追加などが挙げられます。在庫のない商品については、「完売」「在庫切れ」「入荷待ち」などの表示を逐次入れるようにしましょう。
ECサイトにはトレンドへの対応やスピード感が求められるため、市況を見ながら更新することも必要になってきます。せっかく良い商品が入っても、タイミングを逃して公開が遅れると機会損失となってしまいます。集客のためには定期的にコンテンツを追加することも検討しましょう。
ECサイトは管理業務も大切です。セキュリティやメンテナンスはもちろん、アクセス数やCVR(アクセス数のうち購入アクションなどに至った割合)などを確認しましょう。しっかり管理していれば、改善が必要なポイントをすぐに把握できます。スピード感のある対応が、ユーザーの満足度やECサイトの成果につながります。
ECサイトの更新・管理については以下の記事でも詳しく解説しています。
ECサイト運営・運用業務を解説、企業ECサイトの担当者マニュアル
ECサイトで集客するには?
ECサイトでは、ファンやリピーターによる利用だけでなく、新規ユーザーを獲得することも重要です。ECサイトの集客手法の例をいくつかご紹介します。
- SEO
- Web広告の出稿
- SNSの運用
- 実店舗でのチラシ配布や告知
SEO(検索エンジン最適化)とは、ネット検索で自社のサイトやページを上位に表示させ、検索結果ページからの流入を増やす手法です。ユーザーが検索したキーワードに適したページやコンテンツを用意しておけば、検索上位に表示され、ユーザーが訪問する可能性が上がります。SEOは中長期的な集客にも繋がるため、必ず行うべきでしょう。
短期的な集客には、Web広告の出稿が効果的です。ECサイトをオープンして間もないうちは、広告を出して自社サイトを知ってもらうことが重要です。ある程度の広告コストはかかりますが、成果が出るまでの期間の短い点が魅力です。
SNSの運用も、集客では効果があります。基本的に無料で行える上、上手くいけば拡散による口コミ効果が期待できます。新規ユーザーの獲得だけでなく、ユーザーとコミュニケーションをとることによってファンになってもらうことも可能です。
もし実店舗を運営していて、ECサイトを開設したのであれば、店舗でチラシを配布したり告知したりしましょう。実店舗に訪れる人は、自社に興味を持ったファンであることも多いでしょう。そうした顧客にECサイトへ訪問してもらえると、売上にも繋がります。
ECサイトの集客はどれか1つの方法だけでなく、それぞれの手法をバランス良く取り入れることが大切です。
集客方法については、以下の記事もご覧ください。
ECサイトの売上を伸ばすための集客方法!ポイントや企業事例を紹介
ECサイトのサポート業務とは?
ECサイトの満足度を上げるためには、ユーザーに対するサポート業務が必要です。サポート業務には、主に以下のものが挙げられます。
- 購入前のお問い合わせ対応
- 購入後のクレーム対応
- アフターサービス
ユーザーが商品の購入を検討しているものの、何らかの疑問や不安によって悩んでしまうケースは少なくありません。購入前のお問い合わせに対して適切に対応できれば、悩んでいるユーザーを購入へと促すことができます。お問い合わせ対応には、スピード感と丁寧さが大切です。ユーザーからの信頼感や安心感を得るためにも、しっかりとした対応をしましょう。
購入後のクレーム対応にも注意が必要です。ユーザーからの悪印象を払拭できなければ、悪いレビューや口コミなどによって、売上低下につながるリスクもあります。しかし、謝罪の気持ちや誠意を持った対応がむしろ好印象となり、ユーザーからの評価を得るチャンスでもあります。もしクレームがあれば、とにかく真摯に対応することが大切です。
購入したユーザーに対しては、アフターサービスも行いましょう。無事に届いたか確認メールを配信したり、商品の使用後に何か困ったことがなかったか尋ねたりできると良いでしょう。リピートを促すために、キャンペーンやクーポンを配布するというサービスも有効です。
サポート業務においては、Web接客ツールを活用すると便利です。Web接客ツールとは、ユーザーとのチャット機能やバナー表示を行うポップアップ機能など、ECサイト上で接客サービスを行える便利なツールです。スピード感のある丁寧な対応をするために、Web接客ツールを利用するのも良いでしょう。
Web接客ツールについての詳細は以下で解説しています。
ECサイトの課題を解決するWEB接客ツールとは?
ECサイトの売り上げを伸ばすには?
ECサイトを運営する上での大きな目的は、売上の実現です。最後にECサイトで売上を伸ばす方法について解説します。
売上を伸ばす方法はいくつかあります。
- 訪問者数を伸ばす
- 購入率(CVR)を伸ばす
- 客単価を上げる
ECサイトに訪問するユーザーがいなければ、売上の実現は不可能です。そのため、まずは集客をして訪問者数を伸ばす必要があります。前述した集客方法を進めましょう。
とはいえ、集客できれば売上が実現するとは限りません。ECサイトに訪問してくれたユーザーを購入へ誘導する必要があります。訪問者数だけでなく購入率(CVR)を伸ばすことが大切です。購入率をアップさせる効果的な方法をいくつかご紹介します。
- 商品の写真を増やす
- ECサイトのトップページを見やすく使いやすいように整理する
- 商品検索機能を向上させる
- レコメンドエンジン(閲覧履歴や購入履歴を分析しておすすめ商品を表示させる機能)を搭載する
- 決済機能を充実させる
商品を購入したいという気持ちにさせるには、ECサイトの見栄えや機能性、利便性も大切です。
客単価を上げることで、より効率的に売上を伸ばすこともできます。客単価は訪問者数や購入率に比べると対策が難しいですが、余裕があれば検討してみましょう。客単価を上げる方法は以下のとおりです。
- クロスセル(別の商品と一緒に購入)を狙う
- アップセル(より高額な商品の購入や購入数量を増加)を狙う
- 特定の金額以上で送料無料のサービスを導入する
- セット販売を行う
客単価を上げる方法は、上手くいけば訪問者数や購入率を伸ばす以上に成果が得られることもあります。ECサイトの売り上げを伸ばす方法について、以下の記事でより詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
ECサイトの売上を上げるには?売上アップ施策を解説
ECサイトであなたのビジネスを収益アップさせよう!
ECサイトの開業は、ビジネスの発展や収益アップなどに貢献します。事業を拡大に導くためにも、ECサイトの開設を検討してみましょう。
ただし、ECサイトをオープンさせれば、ビジネスが成功するとは限りません。PDCAを回し、ほかのチャネルや施策を複合的に用いることが大切です。また、ECサイトの構築にエネルギーを使いすぎることなく、オープン後の対応やほかの事業などとのバランスにも考慮して取り組みましょう。
もしECサイトの導入でお困りの方や一度プロに相談してみたいと考えている場合は、ぜひ株式会社ニュートラルワークスにお問い合わせください。無料相談も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
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