ECサイト

最終更新日: 2023.05.01

ECサイトの売上を上げるには?売上アップ施策を解説

ECサイトの売上を上げるには?売上アップ施策を解説

EC市場の発展に伴い、下記のような悩みを抱く人は少なくありません。

  • ECサイトを構築したいが、どのような機能があればいいのかわからない
  • ネットショップで効果的に集客するには何をすればいいのだろう?
  • 既存のECサイトの売上の伸び悩み、購入率を上げる改善を行いたい
  • 新規顧客はどう獲得すればいい?

近年、ECを取り入れる企業が非常に増えています。市場規模は年々増大しており、年間10兆円という金額も突破しました。

参考までに、平成22年から令和元年までの日本のBtoCのEC市場規模と物販系EC化率をご覧ください。

平成22年から令和元年までの日本のBtoCのEC市場規模と物販系EC化率

参照元:経済産業省『電子商取引実態調査 令和元年度調査 公表資料』

EC化率の増加にともない、ECサイトを構築する企業も年々増えています。また、すでに運営しているECサイトでより大きな効果を得るために、サイトの改良・改善を検討しているEC担当者もいるでしょう。

そこで本記事では、ECサイトでの売上アップのコツや実践するべき集客方法などを紹介します。この記事を読めば、ECサイトでの売上アップに必要な施策や改善方法がわかり、ECサイトの売上アップが見込めるようになるでしょう。

QUERYY(クエリー)編集部

監修者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

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ECサイトの売上アップのための方法とは?

ECサイトの売上アップのための方法とは?

ECサイトで売上を上げる方法は、以下のように非常にシンプルです。

  • 商品が見やすい・購入手続きがしやすい
  • デザインや機能を構築するターゲットとして狙う層、特に高い購入意欲を持つユーザーを少しでも多く集客する
  • 購入数の増加や高価な商品の購入を促し客単価をアップする

これらが実現できれば、自然とECサイトでの売上が上がります。闇雲に売上アップのための施策を取ろうとしても、効果は薄いでしょう。目的意識を持ち具体的な対策を取ることが大切です。

ただし売上アップだけを考えて施策を進めてしまうと、ユーザーファーストの意識が抜けてしまいます。大切なのは、ユーザーの目線に立つことです。

ユーザーの使いやすさやニーズを追求することで、自社のECサイトから商品を購入したいと思わせられるでしょう。売上アップに直接つながる施策を取ることも大切ですが、ユーザーからの高評価が前提にあることを忘れてはいけません。

ECサイトの売上アップを図る際には、何よりもユーザー目線を意識し、そのうえでポイントを押さえた効果的な施策を取りましょう。

ECサイトの売上方程式

ECサイトの売上方程式

ECサイトの売上は以下の非常にシンプルな方程式によって導き出されます。

ECサイトの売上 = 訪問数 × 購入率 × 客単価

訪問数・購入率・客単価を上げることで売上アップとなります。すなわちECサイトの売上アップを図るためには、この3つの指標をどのように上げるかを考えることが大切です。

それぞれの指標が持つ意味と重要性をしっかり把握し、具体的な施策を取っていきます。

ここからは、訪問数・購入率・客単価の意味と重要である理由をそれぞれ解説します。

1.訪問数

訪問数とはユーザーがECサイトに訪問した回数です。訪問数はECサイトに訪れたユーザーの人数ではなくアクセス数を指します。すなわち、100人のユーザーがそれぞれ1回ずつ訪れた場合も20人のユーザーがそれぞれ5回ずつ訪れた場合も、訪問数はどちらも100回としてカウントされます。

訪問数はECサイトの売上アップにもっとも重要とされる指標です。たとえECサイトの機能性やデザイン・販売している商品の内容が良くても、そもそもECサイトに訪れるユーザーがいなければ必然的に売上の発生が起こらないためです。

ECサイトの売上アップを図る際には、まず現状の訪問数を把握しましょう。ECサイトや商品の内容が魅力的なのに、そもそもの訪問数が少ないため売上が実現しないというケースが非常に多いです。

ECサイトの売上アップの施策を進めるにあたって、まずは訪問数から調べるべきです。訪問数を上げるための具体的な施策については後ほど詳しく紹介しますが、ECサイトである以上、検索エンジンやSNSなどインターネット上での集客が特に効率的です。訪問数が十分であるにも関わらず売上に繋がっていない場合には、訪問数ではなく別の指標から施策を進めましょう。

2.購入率(CVR)

購入率(CVR)とは訪問したユーザーが商品を購入する確率です。ECサイトの訪問数が100であり、そのうち実際の商品購入が10件発生していれば、購入率は10%となります。

(例としてわかりやすい数値を挙げましたが、実際の購入率はこれほど高くありません)

先ほど売上アップにもっとも重要とされる指標は訪問数と説明しましたが、ECサイトの売上アップ施策においてもっとも優先順位が高いのはこの購入率です。訪問数を上げることも大切ですが、優先順位としては購入率の次でしょう。

訪問数が1,000回で購入率が0.1%のECサイトと、訪問数が100回で購入率が1%のECサイトにおける購入数は同じです。すなわちECサイトの購入率を高める施策を取るほうが、売上アップにおいて効率的といえます。そのため購入率を上げる施策を優先させるべきです。

参考までに、国内の大手ECサイトにおける購入率は0.8%~1.8%といわれています。1,000回の訪問数につき最低8回ほどの購入が行われている計算です。もし自社ECサイトの購入率が0.8%よりも低いのであれば、ここまで上げることを優先させるべきでしょう。

購入率アップのためには、ECサイトのデザインや機能などの改善が効果的です。こちらの施策についても詳しい内容は後述します。

3.客単価

客単価とは1回の購入に対しての平均単価です。以下の式で求められます。

客単価=売上高÷客数(購買に至った顧客数のみカウント)

3回の購入があり、それぞれ金額が1,000円・3,000円・8,000円であれば

(1,000円+3,000円+8,000円)÷3=4,000円

すなわち客単価は4,000円となります。

訪問数も購入率も良い数値であるにも関わらず、売上に伸び悩んでいるのであれば、客単価の向上が必要でしょう。客単価を上げられれば、より大きな売上が実現しやすくなります。売上アップのためには客単価を上げる施策も効果的です。

しかし客単価は今回紹介した3つの指標のなかでアップさせるのがもっとも難しい部分です。これといったコツのようなものが少なく綿密な分析や戦略が必要であり、訪問数・購入率のアップに比べて時間とコストがかかります。ECサイトの売上アップにおける施策のなかではもっとも低い優先順位に設定して問題ありません。

客単価を上げるための施策として、「購入数の増加や高価な商品の購入を促す」「一定金額以上から送料無料にする」などの方法があげられます。客単価アップの施策についても詳しいことは後述します。

「訪問者数」を伸ばすための施策

「訪問者数」を伸ばすための施策

最初に紹介するのは、ECサイトの売上アップにもっとも重要な要素である訪問者数を伸ばすための施策です。お店を経営していてもお客さんが来なければ購入されることもありません。ECサイトも同じで、訪問するユーザー数を増やすことが大切です。

以前に別の記事で、ECサイトの売上を伸ばすための集客方法について解説しました。即効性や低コストなど嬉しい観点からまとめています。ぜひそちらの記事も併せてご覧ください。

ECサイトの売上を伸ばすための集客方法!ポイントや企業事例を紹介 ECサイトの売上を伸ばすための集客方法!ポイントや企業事例を紹介

検索エンジンでの集客

検索エンジンでの集客方法は、「SEO」と「Web広告」の2通りがあります。どちらも検索キーワードをきっかけとする集客方法です。検索エンジンを利用するユーザーは、何らかの効果を求めてキーワード検索しているため、具体的アクションが期待できます。

両者それぞれの特徴をチェックしてみましょう。

SEOでの集客

SEOとは、検索エンジンでキーワード検索されたときに、自社サイトのページを上位に表示させる手法のことです。SEOは大きな費用がかからないため、コストを抑えつつ集客数を伸ばせます

情報の更新や管理などは必須ですが、長い間効果が持続するため安定した集客効果が得られるでしょう。ただしSEOは、中長期的に取り組む施策なので即効性は期待できません。長期的にじっくり取り組む時間的余裕があるケースや、広告予算をかけたくない場合におすすめです。

また、SEO対策ではキーワードの選び方がとても重要になります。キーワード選定時には、以下の点をおさえましょう。

  • 自社ECサイトで扱う商品やターゲット層に適したキーワードを選ぶ
  • ロングテールキーワードのような競争率の低いキーワードを選ぶ
  • トレンドキーワードを活用する

SEOでは、上位表示させることやサイトへの流入数を上げることに注力しがちです。しかし目的はECサイトの売上アップであることを忘れないようにしましょう。ターゲットのニーズに合ったキーワードや、コンバージョンを意識したキーワードを選ぶことも大切です。

SEOのキーワード選定に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

https://n-works.link/blog/seo/keyword-selection

Web広告での集客

Web広告は、素早く多くの人に自社サイトの存在を知らせることができる手法です。Web広告には複数の種類があり、それぞれ特徴や適性があります。

  • リスティング広告
  • ショッピング広告
  • ディスプレイ広告
  • リターゲティング広告
  • SNS広告

Web広告では細かいターゲティング設定ができるため、自社の商品やサービスを購入する確率の高い人をサイトに呼び込めます。広告コストはかかりますが、即効性が期待できる施策です。立ち上がったばかりの認知度が低いECサイトや、予算に余裕のある企業に適しています。

ただし、Web広告は訪問数の増加にはつながりやすいものの、購入率が悪ければ結果として赤字になってしまう可能性もあるため注意が必要です。Web広告運用にもコツがあるので、うまく活用するためのノウハウを身に着けていきましょう。

https://n-works.link/blog/webad/web-ads

SNSでの集客

ECサイトの集客には、SNSの活用も有効です。現在主流のSNSは、全部で5種類あります。それぞれの強みやユーザー層は異なるため、自社の商品特徴やターゲット層に合わせて選択しましょう。各種SNSの特徴を、以下にまとめていますので参考にしてください。

Twitter

Twitterはテキスト型の投稿が中心のSNSです。幅広い層に利用されており、テキストだけでなく画像や動画も手軽に投稿できます。リツイートやいいねなど投稿の共有がしやすく、うまくいけば拡散による認知度の大幅な向上や訪問数の増加が期待できます。ただし投稿が流れやすいため、より効果を発揮するには投稿の頻度を上げる必要があります。

Instagram

Instagramは写真や動画など、視覚に訴えることに適したSNSです。魅力的な写真を活用することでユーザーの興味を惹きつけます。メインのユーザー層は10~20代の若年層ですが、継続的に利用率が伸びているためそれ以降の年代へのアプローチも見込めます。拡散性は低いですが、ストーリーやリールなど、動画コンテンツを素早く多くの人に届けられる機能が特徴です。

Facebook

Facebookは長文のテキストや画像を使い、ブログ感覚で使うことができるSNSです。基本は実名登録でオフィシャル感の強いSNSなので、ビジネスとしての利用率も高い傾向にあります。また海外ユーザー、50代以降の男性ユーザーが多いのも特徴。BtoBビジネスには特に適しているでしょう。

LINE

LINEは国内SNSのなかでは圧倒的なユーザー数を誇るSNSです。ただ、LINEでネットサーフィンのような行動をするユーザーは、まだあまり多くありません。認知度の向上や集客という面では、他のSNSに比べると難易度が高いです。LINEは集客のメイン手段というよりは、すでに獲得している顧客をよりファン化させたいときや、会員向けの情報を伝える場合に向いています。

TikTok

TikTokは15秒ほどの短い動画を投稿できるSNSです。撮影・編集・加工というすべての作業をアプリで済ませられるため、手軽に活用できます。利用者の約7割が10~20代と若年層向き。TikTokを活用している企業はまだ少ないため、競争率が低い点も魅力です。ただしターゲットや訴求方法が限定的で、事業内容に合わない企業が多いという現状もあります。

SNSでのインフルエンサーの活用

SNS集客では、インフルエンサーを活用したPR活動が増えています。これは、SNS上でたくさんのファンやフォロワーを獲得している人とタッグを組み、PR活動をするインフルエンサーマーケティングという手法です。

ECサイト事業においても、インフルエンサーの起用は認知拡大や売上アップが期待できるでしょう。なかでも、インフルエンサーマーケティングはInstagramとの相性が抜群です。

自社ECサイトのターゲット層に人気のインフルエンサーをPR活動に起用したり、企画を立てたりすることで、多くのユーザーに自社サイトを知ってもらえるでしょう。キャンペーンやイベントの告知だけでなく、ブランドのアンバサダーとして長期的なパートナーになるケースもあります。

顧客管理による集客

集客の視点では、顧客の情報管理を「顧客との関係性を管理する」と考えます。顧客の属性や行動、やり取りなどを把握し、一人ひとりに合わせたアプローチにつなげるのです。

このような顧客管理方法を効率的に行うには、顧客関係管理システムCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理、顧客管理)が必要です。CRMを使った具体的施策は次の3つになります。

顧客の購入履歴や自社ECサイト内での行動履歴の分析

CRMを導入すれば、顧客と企業の関係性を分析して顧客ごとに最適なアプローチをかけられるようになります

たとえば、ECサイトに登録したもののそれ以来放置している顧客や、前回購入した日から随分時間が経過している顧客を呼び込みたい場合を想定してみましょう。CRMのリストから「○○日以上行動がない顧客」を絞り込めば、アクティブでない顧客を簡単に抽出できます。

絞り込まれたユーザーに対して「一斉にクーポンの配布をする」「久しぶりに訪問してくれたユーザーに向けた特別なキャンペーン情報」を送るなどの施策をとれば、一度離れた顧客が再び購入してくれる可能性が高まります。

アプローチのタイミング、方法、メルマガの内容といったさまざまな要素を、顧客一人ひとりに最適化することで売上を伸ばす方法です。

顧客情報の一元化とリスト化の整理

顧客データを一元化してリスト化することも、ECサイトの売上拡大に貢献します。以下のように、ECサイト上では多くの顧客データが残ります。

  • 顧客の氏名、住所、メールアドレスなど
  • 自社ECサイトでの検索キーワード
  • 購入履歴
  • 問合せ対応履歴

データが分散していると、大事な顧客データをうまく活用できません。CRMでリスト化すれば、分析やマーケティング施策を立てるときの作業効率が飛躍的にアップします

セキュリティ対策を万全にしWeb上で管理すれば、オフィス以外の場所でも手軽に確認できます。情報の引き継ぎもしやすくなり、業務の無駄もカットできるでしょう。

効果検証と改善策の検討

顧客へのアプローチを最適化したあとは、その効果を検証して改善を行います。リピート率やコンバージョン率などを定期的に測定することで、導入したCRMが効果を発揮したのか判断しましょう

数値結果や問合せ内容、クレーム事例などから顧客のニーズを分析すれば、今後のサイト改善や商品開発、マーケティング施策などのヒントになります。顧客の声や動きを丁寧に分析することで顧客のLTV(顧客生涯価値)を高めれば、長期に渡って安定した集客につながるでしょう。

「購入率(CVR)」を上げるための施策

「購入率(CVR)」を上げるための施策

続いて紹介するのは購入率(CVR)を上げるための施策です。CVRとはConversion Rate(コンバージョン率)のことで、Webサイトへの訪問数のうち求めるアクションに至った割合のこと。ECサイトの場合は購入率がCVRにあたります。

ECサイトの売上アップにおいてもっとも優先するべき施策です。

ECサイトの平均CVR(コンバージョン率)と10の改善施策 ECサイトの平均CVR(コンバージョン率)と10の改善施策

商品の写真を増やす

ECサイトにおける購入率を上げるには、商品の写真を増やす必要があります。ECサイトは実店舗とは異なり、商品の実物を見ることができません。そのため購入を判断する決め手として写真が活用されます。

アメリカの調査会社「Salsify」が発表したビジュアルマーケティングデータによると、ECサイトにおける写真閲覧数の平均枚数は6枚のようです。年齢層によって求める写真の枚数は違い、18歳~24歳と35歳~44歳は8枚、25歳~34歳と45歳~54歳は5枚、55歳以上は6枚の写真を求めているという結果が出ています。

ECサイト上で商品写真の枚数が少ないと、安心して商品を購入できないと考えるユーザーは少なくありません。商品を購入するときには誰しも損を避けたいという気持ちがあります。実物を見ることができないECサイトの場合は特にその傾向が強くなるため、写真が少なく情報を把握し辛い商品は購入につながりにくいです。

写真撮影やECサイトへの掲載は時間や手間がかかるため、避けたいと考える担当者の人もいるでしょう。しかし写真が少ないという理由で購入率が下がってしまうぐらいなら、多少大変でも充実した商品ページを作るべきです。

ECサイトの商品ページでは最低でも6枚、できれば8枚以上の写真を用意すれば購入率のアップが期待できます。もし自社ECサイトにおいてこれまであまり写真を掲載していなかったならば、なるべく早いうちに写真を追加しましょう。

データ出典元:米国のデジタルショッパー*がeコマースサイトの商品に期待する画像と動画の平均数はいくつですか | INSIDER INTELLIGENCE

トップページを整理する

ECサイトを利用しやすくするためには、トップページの整理が必要です。

ECサイトにおける購入率は、トップページが大きく関係します。トップページが整理されていないECサイトはそれだけでユーザーの印象が下がるうえ、スムーズな利用ができないため離脱される恐れがあります。

まずは以下の点を確認しましょう。

  • コンテンツが見やすいか
  • ナビゲーションの位置がわかりやすく、ユーザーが容易に情報を把握できる状態か
  • ボタンの大きさやリンクの位置など操作性は悪くないか

離脱率を下げ購入率を上げるには、ユーザーにとって親切なデザインにする必要があります。これらの項目はそれぞれ些細に感じるかもしれませんが、使いやすさはこのような小さなポイントによって左右されます。ECサイトのトップページというのは、ユーザーが最初に訪れることが多いです。トップページを整理しユーザーに好印象を抱いてもらうことで、購入率アップにつなげられます。

デザインや最低限の機能性だけでなく、ECサイトのトップページにあると便利な機能も搭載しましょう。たとえばECサイト内の商品人気ランキングやカテゴリ分類などをすれば、ユーザーが商品を探しやすくなります。求めている商品に辿り着きやすくするためにも、トップページのわかりやすい位置に検索機能をつける必要もあります。

ユーザーの目線に立ってECサイトのトップページを改めて確認し、デザインや機能性を最適化することが購入率アップのために大切です。

ランディングページ(LP)を制作する

購入率を上げるには、ランディングページ(LP)を制作することも大切です。

LPとは、ECサイトに訪問したときにユーザーが最初に目にするページのこと。一般的にはECサイトで商品を売るために作られた1枚の長いページを指すことが多く、ECサイトの売上アップにおいて非常に重要な意味を持ちます。

LPは目的を持ったユーザーに最適な情報を提供し、購入アクションにつなげやすくする役割を持ちます。「欲しい商品がすでに決まっている」「特定の商品について詳しく知りたい」などの目的を持ったユーザーに対するアプローチに最適です。

トップページなど商品探しの手間や別ページへのリンクなど、ユーザーにとって使いにくいECサイトだと離脱につながります。せっかくECサイトや商品に強い関心を持ったユーザーが訪れても、機会損失になってしまうでしょう。その点LPは1ページ丸々商品に関する説明であり、他のページへのリンクがないため、特定の商品のみを存分にアピールでき購入にもつなげやすいです。

LPはWeb接客とも呼ばれています。実店舗においてスタッフが行う接客のように、LPでは商品について詳しい説明やアプローチができます。購入への導線も作りやすいためLPは購入率アップに効果的です。

広告やメルマガなど特定の商品をアピールする媒体では、リンクを貼る際にLPへ飛ばすようにしましょう。商品探しの手間をなくし、購入までの最短ルートをたどってもらうためにも大切です。

LPとは?ホームページとの違いと目的、マーケティング手法を解説 LPとは?ホームページとの違いと目的、マーケティング手法を解説

レコメンドエンジンを導入する

ECサイトの売上アップには、レコメンドエンジンの導入も有効的です。レコメンドエンジンとは、関連する商品を自動でおすすめしてくれるツールで、Amazonや楽天などの大手ECサイトで導入されています。

例として、以下のようなメッセージがあげられます。

  • この商品を見ている人は、他にもこのような商品を見ています
  • この商品を購入した人は、一緒にこのような商品も購入しています
  • このキーワード検索をした人は、こんな商品を見ています
  • この商品を見た人は、こんな商品を購入しています

これがレコメンドエンジンです。ユーザーの閲覧履歴や購入履歴などを分析し好みに合った商品を、自動的に表示させます。実際のデータに基づいて表示されるため、ユーザーの関心を引きやすいです。

レコメンドエンジンの導入には多少の費用がかかるものの、購入率が上がり売上アップが実現すれば結果として利益が大きくなる可能性が高いです。レコメンドエンジンによっておすすめ商品を表示させることで、後述する「クロスセル」や「アップセル」にもつながります。

近年スマートフォンからECサイトにアクセスするユーザーが増えていますが、そのようなユーザーは数分程度という非常に短い時間でECサイトを閲覧することが多いです。そのため短い時間で購入につなげる必要があるため、レコメンドエンジンが非常に効果的です。

レコメンドエンジンとは?機能や導入メリット、選び方とおすすめサービスを紹介 レコメンドエンジンとは?機能や導入メリット、選び方とおすすめサービスを紹介

検索機能を向上させる

ECサイト商品を見つけやすくするには、検索機能を向上させることがもっとも効果的です。購入率アップのためにも欠かせません。せっかくECサイトに訪問してもらったとしても、目当ての商品が見つけにくく購入したいという気持ちが薄れてしまっては、離脱につながってしまいます。

たとえばファッションアイテムを扱うECサイトであれば、以下のような絞り込み機能があると便利です。

  • アイテムの種類(インナー、ワンピース、ニットなど 大カテゴリの中でさらにカテゴリ分類がされているとより便利)
  • 色(赤、青、緑、黄色、白など)
  • 価格帯
  • シーズン

検索機能は商品を探すために活用されます。それなのに絞り込み機能が少なかったりそもそも使い勝手が悪かったりすると、商品ページまで到達できないでしょう。そうなっては購入に至ることなく離脱されてしまい、購入率が下がってしまいます。

検索機能を向上させることで商品が探しやすくなり、購入率アップにつながります。現状の検索機能に不足がないか、改善できるとしたらどうすれば良いかを分析し、より良い検索機能にしましょう。

なおECシステムに標準搭載された検索機能はあまり精度が高くなかったり、絞り込み機能が少なかったりする場合が多いです。標準搭載された検索機能を使っているのであれば、必要に応じて外部の検索エンジンの導入も検討することをおすすめします。

「Web接客ツール」や「カゴ落ち防止ツール」を導入する

ツールを活用して、ユーザーが快適に最後までショッピングを楽しめるようにすることも重要です

Web接客ツールでは、非対面のWeb上でも適切な顧客対応ができるようにサポートできるツールです。ユーザーの困りごとを解消するチャットボットを設置すれば、顧客の不明点や困りごとを解消し、最終的な購買までもっていけるようになります。

また、クーポンやポイント付与、ノベルティのプレゼント情報をポップアップ表示させたりすることもできます。

さらに、カゴ落ち防止ツールもECサイトの売上アップに有効。Baymard Instituteがおこなった調査(※)では、商品をカートに入れたのに購入に至らない、いわゆるカゴ落ちと呼ばれる状態は69%にものぼることがわかっています。

カゴ落ちした顧客へメールを配送したり、カゴ落ちしている商品をポップアップやバナーで表示させるツールなどを活用してみましょう。

カゴ落ちは、ECサイト内でユーザーが不満を抱いたり、不明な点があるなどの理由で起こることもあります。Web接客ツールでユーザーの困りごとを解消できるよう、両者を兼ね備えて対策するのがベストです。

※データ出典元:Baymardレポートシリーズvol.1|お客様が「カゴ落ち」する理由|Amazon pay Blog

Amazonペイや楽天ペイなどの「ID決済」を導入する

ID決済機能を導入することで、購入率が上がる可能性が高くなります。近年、Amazonペイや楽天ペイなどの「ID決済」を使用する人は非常に増えているからです。

ID決済とはユーザーがすでに所有しているAmazonや楽天市場などのアカウントを活用し、ログインから代金決済までを自社ECサイトで行うことです。ID決済による購入ができれば新たにアカウントを作成する必要がないため、ユーザーにかかる手間が少なくなります。

以下のようなボタンを設置することで、簡単にID決済が可能です。

amazonや楽天ペイのボタン

ECサイトで商品を買い物カゴに入れる段階まで進んだものの、購入に至らない「カゴ落ち」が発生する理由として、以下のようなものが挙げられます。

  • 会員登録が面倒
  • 購入プロセスが長い
  • セキュリティが心配

ID決済を導入すればこれらの懸念点が解消できます。ユーザーの離脱率やカゴ落ち率を抑えて購入まで至らせることが、売上アップのためには非常に重要です。ID決済には手数料がかかりますが、クレジットカードの手数料率とそれほど大きな差はありません。購入率が上がるという明確なメリットがあるため、導入すべきでしょう。

ID決済にはいくつかの種類がありますが、ターゲット層のユーザーがより多く活用していると考えられるものを導入すべきです。たとえばAmazonは男性のほうが多く利用しますが、楽天市場は特に30代以上の女性に人気です。必要に応じて導入しましょう。

ターゲットが若い場合は「後払い決済」を導入する

10代の若者がターゲットの場合、後払い決済ができるようにしておくのも効果的です。通常のコンビニ決済は、商品が届く前に支払いを済ませなければならないのに対し、後払い決済は商品の到着を確認してから支払う決済方法になります。

若者はクレジットカードを所有していないことが多いため、後払いや代引きができないことで、購入をやめてしまうことも少なくありません。カード番号をネット上に入力するのに抵抗を感じやすい高齢者も、同様に購入をあきらめてしまうことがあります。決済方法の幅を広げ、カゴ落ちを防ぎましょう。

「後払いだと代金回収ができないケースもあるのでは?」と不安になるかもしれません。しかし、未払いの発生は決済会社が責任を持つ仕組みになっているため、ECサイトが損益を被る心配はありません

「客単価」を上げるための施策

「客単価」を上げるための施策

最後に紹介するのは客単価を上げるための施策です。客単価の向上は訪問数・購入率の向上と比べると難しいですが、売上アップにおいて大きな効果を得られます。方法はいくつかありますが、今回は導入事例が多く王道といえる3つの施策を紹介します。

クロスセル・アップセルを狙う

客単価を上げるためのもっとも基本的な施策は、クロスセル・アップセルです。

クロスセルとは、商品購入を決めた顧客に、追加で別の商品を購入してもらうこと。たとえば飲食店におけるセット販売や、実店舗のレジ付近に置かれている商品などが代表的です。

ECサイトにおけるクロスセルの方法として挙げられるのが、先ほど紹介したレコメンドシステムです。商品を買い物カゴに追加した際や、購入直前の画面などに表示される関連商品等は一緒に購入されやすく、結果として客単価の向上につながります。商品購入数が増えるほど必然的に客単価も上がります。

アップセルとは、より商品価格が高い商品を購入してもらうことや、購入数量を増加してもらうこと。実店舗においてスタッフが顧客に対して、価格が上がるもののより機能性が高い商品を勧める場面があります。これはアップセルの典型例です。

「○個以上の購入で割引」などの施策もアップセルといえます。ECサイトにおいても複数購入による割引キャンペーンや、クーポン配布をするケースは多いです。

【企業事例あり】アップセルとは?意味やクロスセルとの違い、実施方法を解説 【企業事例あり】アップセルとは?意味やクロスセルとの違い、実施方法を解説

特定の金額から送料無料の設定にする

ECサイトでは、特定の金額から送料無料の設定にすることも、客単価アップを実現させる有効な施策の一つです。ECサイトにおいて「○○円以上の購入で送料無料」という文を目にしたことがある人は多いでしょう。

特定の金額から送料無料という条件をつけることで、顧客のなかで自然と「その金額まで商品を購入しないと損になる」という考えが生まれ、送料無料になる金額まで商品を購入しようとします。すなわち半強制的に客単価の最低額を設定できるということです。

送料無料となる金額を設定する際は、以下の要素を考慮したうえで逆算します。

  • 週間・月間など特定期間における売上額
  • 訪問数
  • 購入率

これらの要素を考慮したうえで客単価としての送料無料額を設定すれば、売上のコントロールがしやすくなります。

ただし、送料無料となる金額設定の際には扱っている商品内容などとのバランスの考慮が必要です。たとえば1,000円以下で購入できるアクセサリーを扱うなど安さを強みとしているECサイトにおいて「10,000円以上から送料無料」など高額の設定をしてしまっては、送料無料金額までの購入を諦めてしまう顧客が多いでしょう。客単価アップにつながるものの実現が難しくない金額にすべきです。

セット販売を行う

客単価を上げる施策として、セット販売を行うことも有効です。

セット販売とは、テーマが同じ商品をいくつかまとめセットとして販売する手法です。複数の防災グッズをまとめた防災バッグやシャンプー、コンディショナー、トリートメントのセットなどが代表例です。

近年流行っているDIYやハンドメイドなど、何らかの趣味を始めたいと考える人向けに初心者おすすめセットなども非常に需要があります。

それぞれを単品で購入するよりも、セットでまとめて購入できるほうが手軽なため、セット商品を購入する顧客は多いです。セット販売限定のおまけなどをつけるとより効果的でしょう。

商品1つあたりの単価が安くても、セットにすればまとまった金額が実現できるため客単価がかなり大きくなります。購入した顧客側も、少ない手間で必要なものをまとめて購入できるため満足感につながりやすいです。セット販売は客単価のアップだけでなく、顧客満足度にも効果的な施策です。ECサイトと顧客の両方に大きなメリットがあるため、可能であれば行うべきでしょう。

キャンペーンを実施する

客単価のアップにはキャンペーンの実施も効果的です。コストや負担を抑えながらも、ユーザーにお得感が伝わるようなキャンペーンを考えてみましょう。ECサイトでよく実施されているキャンペーンには次のようなものがあります。

  • クーポンの配布
  • ポイント還元
  • 送料無料キャンペーン
  • セールの実施 など

このようなキャンペーンを実施する際は「今だけ」「3日間限定」「〇日まで有効」などと期限付きの訴求や、すぐに行動を起こしたくなる切り口にするのがポイントです。

ただしキャンペーンは、ユーザーとの接触回数を増やして関係性を深めるための施策でもあります。金銭的なメリットを追いすぎないように注意しましょう。

「継続率」を上げてECサイトの売上をさらに伸ばす方法

「継続率」を上げてECサイトの売上をさらに伸ばす方法

ECサイトの売上を伸ばすには、リピート顧客を増やし継続率を高めることも大切です。既存顧客に、優良顧客やファンになってもらうことで売上は拡大していくことでしょう。ここからは、ECサイトの継続率をアップさせる施策を4つ紹介します。

手書きのメッセージや手紙を書く

発送する商品の中に、手書きのメッセージやサンクスレターを同封してみましょう。直筆は手間はかかりますが、手書き風フォントで作成したメッセージカードを同封するケースもあります。

アナログな手法ですが、デジタル化が進んだことで味気なさを感じている顧客も少なくありません。顧客が心のこもったメッセージやデザインに感激し、カードの写真をSNSに投稿することもあります。

このような動きが、巡り巡ってECサイトの認知や売上拡大につながる事例も。手書きメッセージは他社との差別化や、口コミの拡散効果も期待できるでしょう。

メルマガを配信する

ECサイトの売上に伸び悩んでいる場合、メルマガ配信に力を入れるのも有効です。メルマガには、自社サイトで以前購入してくれた既存顧客に、再び自社サイトのことを思い出してもらう効果があります。タイトルや内容を工夫すれば、開封率や既読率も上がるでしょう。

メルマガを配信するときは顧客のセグメントを絞ることが重要です。すべての顧客に同じ内容のメルマガを送信しても、反応や売上への貢献度はそれほど期待できません。年齢や性別などの基本属性で内容を分けることや、休眠顧客に再び訪問してもらうための訴求をするなど、複数のパターンを用意して配信すると効果的です。

リマーケティング広告を活用する

リマーケティング広告は過去に自社ECサイトを訪問し、購買までに至らなかった顧客に対して広告を表示させます。何らかの理由で購入をやめてしまった顧客に、自社サイトの存在や商品のことを思い出してもらうための施策です。

人は繰り返し目にするものに、良い印象やイメージを持つ傾向にあるため、リマーケティング広告での反復的アプローチは効果的。広告コストはかかりますが、リマーケティング広告はコンバージョン率も高いため、ECサイトの売上拡大にも効果が期待できます。

リマーケティング広告とは?リターゲティングとの違いや種類を紹介 リマーケティング広告とは?リターゲティングとの違いや種類を紹介 一度サイトを訪れたがCVに至っていないユーザーに再アプローチするのがリマーケティング広告(リターゲティング広告)広告です。どんな配信種類があり、CPAやCVRを高くするためのポイントをご紹介します。

顧客ロイヤルティを向上させる

顧客ロイヤルティとは、顧客が商品やサービスに対して持つ愛着や信頼感のことです。ECサイトの継続率を上げるには、顧客ロイヤルティ向上が近道になると考えましょう。

顧客ロイヤルティの向上は、心理面と行動面の両方へのアプローチが必要です。心理面は、自社サイトにポジティブなイメージを持ってもらうこと、行動面は繰り返し訪問や購入をしてもらうことを指します。ECサイトの継続率を上げるには、心理面と行動面両方のロイヤルティを高め、他社サイトでは味わえない特別な体験を提供することが重要。

「このサイトで購入したい」「このサイトの商品でなければ」という愛着心を育むブランディングにもつながります。

ECサイト売上アップのまとめ

ECサイト売上アップのまとめ

ECサイトは今後ますます需要が高まると考えられます。ECサイトをうまく活用できれば、自社の売上拡大や認知度向上など大きな成果を得られる可能性が高いです。訪問数・購入率・客単価をそれぞれアップさせ、ECサイトの売上をより伸ばしましょう。

企業のECサイト担当者やECサイト運営者の皆様は、売上を上げるために日々さまざまな業務に当たっているでしょう。しかし今回紹介したような、ECサイトの運営にあたる大切な部分が抜けているケースが多く見られます。

まずは基礎的な売り上げアップの方程式をきちんと遂行し、より具体的な施策を実施しながらPDCAを回していくことが大切です。そのうえで、自社に合った売上アップの方法を見つけていきましょう。

ECサイトの売上アップに関してお悩みの方は、ぜひニュートラルワークスにご相談ください。弊社では企業のさまざまなWebサイト構築支援や運用支援を行っています。豊富なノウハウを持っているため、実践的かつ効果的なアドバイスが可能です。無料相談も受け付けていますので、お悩みがあればぜひご連絡ください。貴社のECサイトにおける売上が上がるよう尽力します。

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