マーケティング

最終更新日: 2024.01.29

校正ツール10選!目的別の選定方法と活用ポイント

校正ツール10選!目的別の選定方法と活用ポイント

校正ツールは、オウンドメディアなどの記事の品質を確保するために不可欠なツールです。しかし、どの校正ツールを選ぶべきか迷われる方も多いかもしれません。オウンドメディアでは、専任の校正・校閲担当者がいない場合も多くありますが、そのような場合には校正ツールの導入が一つの解決策となるでしょう。

この記事では、無料および有料の校正ツール10選を紹介し、目的別の選定方法や使いこなしのポイントについてまとめました。

ぜひこの記事を参考にして、自社の目的に合った校正ツールを選んでみてください。

山崎盛哉

監修者

1973年生まれ。編集プロダクション、業界誌記者、出版社勤務などを経て、大手小売業グループのハウスエージェンシー、コンテンツマーケティング会社でコンテンツディレクターとして勤務。2021年よりニュートラルワークスへジョイン。
20年超にわたる編集経験を活かしたコンテンツ制作が得意領域。

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

校正ツール10選の比較表

校正ツール10選の比較表

おすすめの校正ツールを10個ピックアップし、価格や制限文字数、特徴などを以下の表にまとめました。

ツール 価格 特徴 校正できる文字数 提供形態
文章校正ツール 無料 助詞不足の可能性を細かく検出する 10,000文字 クラウド型
ENNO 無料 冗長な表現を細かく検出する 制限なし クラウド型
Tomarigi 無料 係り受けを確認する機能がある 40,000文字 インストール型
PRUV 月額550円(無料版あり) 無料で辞書をカスタマイズができる 無料:1,500文字
有料:50,000文字
クラウド型
プレスリリース校正ツール 無料 わかりにくい表現などがあれば修正できる 19,999文字 クラウド型
文賢 初期費用:11,880円
月額費用:2,189円
校正だけでなく文章表現の候補を出したり、アドバイス機能があったりする 30,000文字 クラウド型
Just Right!7 Pro 買切:51,700円 オプションで記者ハンドブック校正辞書や医療校正辞書のデータが利用できる 不明 インストール型
Press Term 買切:33,000円 記者ハンドブックが搭載されている 不明 インストール型
ATOKクラウド文章校正サービス 月額費用:660円 用途に応じて校正内容の種類を選択できる。ATOK Passport(プレミアム)に登録するため他のサービスも利用できる 不明 クラウド型
Microsoft Word 月額費用:1,490円〜 Micro soft 365 Personalに登録するため、ExcelやPowerPointなども利用できる 上限なし クラウド型
インストール型

各ツールの特徴などについて、次から詳しく紹介します。
校正・校閲とは?違いや仕事内容を解説 校正・校閲とは?違いや仕事内容を解説

簡易的な校正が行える無料ツール5選

簡易的な校正が行える無料ツール5選

この記事では、以下5つの無料校正ツールをピックアップしました。

  • 文章校正ツール
  • ENNO
  • Tomarigi
  • PRUV
  • プレスリリース校正ツール

それぞれのツールの特性について解説します。

文章校正ツール

文章校正ツール

文章校正ツールは、「so-zou.jp」が提供しているWebアプリケーションの一つです。

このツールの特徴は、他の校正ツールと比べて助詞不足の検出に優れていることです。もちろん、一般的な冗長表現や誤用、用語の提案などの基本的な機能も備えています。

一度に校正できる文字数は10,000文字です。ユーザー登録をしなくても利用することができます。

ただし、このツールはYahoo! JAPANのAPIを利用しているため、入力した情報がYahoo! JAPANに保存される可能性があります。セキュリティを重視したい場合は、利用を避けることをおすすめします。

ENNO

ENNO

ENNOは、Techライターであるハングリィ・ライク・カネゴン氏の開発した無料の校正ツールです。

特徴は、他の無料の校正ツールと比べて冗長表現を細かく検出できることです。また、入力画面と校正箇所の画面が横並びになっており見やすいのもENNOの特徴です。ハイライトされた箇所にカーソルを合わせると、指摘された理由を確認することができます。

また、ENNOに送信したテキストは保存されないため、安心して利用することができます。

ただし、文字数が増えすぎると結果の表示に時間がかかる場合があるため、公式サイトでは8,000文字程度に分割して入力することを推奨しています。

Tomarigi

Tomarigi

Tomarigiは、2008年度の文部科学省大学教育支援事業の取り組みとして、青山学院大学で開発されたツールです。このツールには、文章校正理解支援や文章見直し支援など、文章に特化した複数のツールがダウンロード可能です。

特徴的な点は、言葉と言葉の関係性である係り受けを可視化してくれる機能です。例えば、主語と述語、修飾語と被修飾語の関係を明示的に表示します。

校正ツールとしても、20以上のチェック項目があり、効果的な校正が行えます。

ただし、Windowsのみで利用可能であり、インストール型であることに注意が必要です。他のツールと比べると手軽さに欠けますが、自社に適したツールを無料で見つけたい方は、ぜひ試してみてください。

PRUV

PRUV

PRUVは、約30年にわたり月刊誌やWebメディアの編集者および校閲者として活躍された方が関わっているオンライン文章校正支援サービスです。

このツールの特徴は、無料で辞書をカスタマイズできることです。一度に校正できる文字数は400文字ですが、ユーザー登録すると1,500文字までのチェックが可能です。

有料版では、組織内でカスタマイズした辞書を共有する機能が提供されます。さらに、無料版には含まれていなかった表記ゆれチェック、名前ゆれチェック、文体統一チェック、頻出単語チェックなどが追加されます。

詳しくはPRUVのエディション別機能一覧をご確認ください。

プレスリリース校正ツール

プレスリリース校正ツール

プレスリリース校正ツールは、プレスリリース配信サービスを提供しているvaluepressが無料で提供している校正ツールです。

プレスリリース校正ツールという名前ですが、プレスリリース以外の記事などでも利用できます。会員登録なしで気軽に利用できるのもメリットです。

「入力フォーム」に校正したい文章を貼り付けて「校正チェック」のボタンを押下すると、色別で修正推奨箇所がハイライトされます。入力箇所とチェック部分が横並びになっており直感的な操作が可能なため、ツールの利用に慣れていない担当者の方などにおすすめでしょう。
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機能が充実した有料校正ツール5選

機能が充実した有料校正ツール5選

次に、おすすめの有料校正ツールを紹介します。

  • 文賢
  • Just Right!7 Pro
  • Press Term
  • ATOKクラウド文章校正サービス
  • Microsoft Word

有料の校正ツールは機能が充実しているため、使用頻度が多い方は有料の校正ツールを選ぶとよいでしょう。

文賢

文賢

文賢は、コンテンツマーケティングで有名な株式会社ウェブライダーが開発したツールです。

このツールの特徴は、誤字脱字や日本語の誤用だけでなく、読みやすさやわかりやすさのチェックなど、さまざまな要素を兼ね備えていることです。

チームで利用する場合、カスタマイズされた辞書やルールを共有することができます。さらに、自動的に文章表現の推奨も行います。

料金は、初期費用が11,880円で、1ユーザーあたり(4ライセンス以下)の月額料金は2,178円です。5ライセンス以上の場合は5%OFF、15ライセンス以上では10%OFF、30ライセンス以上では15%OFFとなります。

文章をチェックする人が身近にいない方や、文章の制作に従事している方には特におすすめのツールです。

Just Right!7 Pro

Just Right!7 Pro

Just Right!7 Proは、一太郎などを提供している株式会社ジャストシステムの文章校正支援ツールです。

このツールの特徴は、高度な日本語処理技術を駆使して、迅速に誤字や脱字、誤用をチェックすることです。さらに、Microsoft Officeにアドインすることも可能です。

有料版の価格は51,700円です。以前のバージョンからのアップグレードの場合は27,720円で購入できます。追加オプションとして、記者ハンドブック校正辞書や医療校正辞書などもダウンロード可能です。

体験版は法人のみの提供となっているため、法人での導入を検討している方におすすめです。

Press Term

Press Term

Press Termは、​​株式会社NTTデータ東北が提供する校正支援ソフトウェアです。25年の運用実績があり、これまでに蓄積された用語数は35万語と言われています。

このツールの特徴は、形態素と呼ばれる最小単位の言葉を解析するエンジンにより、細かく文章をチェックできることです。さらに、記者ハンドブックのデータもオプション費用なしで利用することができます。

注意点としては、このツールはWindowsのみで利用可能であることです。価格は33,000円での買い切りとなっています。また、法人や個人を問わず、お試し版を利用することができます。興味のある方はまずお試し版を利用してみましょう。

ATOKクラウド文章校正サービス

ATOKクラウド文章校正サービス

ATOKクラウド文章校正サービスは、Just Right!7 Proと同じく株式会社ジャストシステムが提供するクラウドベースの文章校正サービスです。このサービスはATOK Passport(プレミアム)というサブスクリプションサービスに含まれています。

なお、ATOKクラウド文章校正サービスは、日本語入力システムであり、プレミアムプランに加入することで利用することができます。校正エンジンにはJust Right!を活用しています。

費用は月額660円、年間プランだと7920円で、年間プランでは契約期間が15日間無料で延長できるなどの特典がついています。

Microsoft Word

Microsoft Word

Microsoft Wordは、Microsoft Wordは、Microsoft社が開発している文章作成ソフトです。Wordでは、エディターと呼ばれる機能を使用することで、校正機能を利用することができます。また、設定すれば自動的な文章校正も行えます。

ただし、Wordは主に文章作成のためのソフトであり、校正機能はおまけ程度の機能と考えておくとよいでしょう。

Wordには買い切り版も存在しますが、サブスクリプション版も提供されています。Wordを利用したい場合は、Microsoft 365 Personalの契約をすることで利用できます。

また、ExcelやPowerPointなど、代表的なソフトウェアも利用することができます。多くの人のパソコンにはWordがインストールされていることが一般的ですので、まずは試しに利用してみることをおすすめします。

校正ツールを導入するメリット

校正ツールを導入するメリット

校正ツールを導入することには以下の3つの代表的なメリットがあります。

  • 文章力向上
  • 業務効率化
  • ブランディング強化

特にWeb上にアップする文章の作成に関わるライターやエディターにとって、校正ツールは必要不可欠です。これらのメリットを確認し、導入を検討しましょう。

文章力向上

校正ツールを導入する一つ目のメリットは、文章力の向上です。

校正ツールに文章を入力すると、誤用や誤字脱字、表記揺れなどが確認できます。日常的に活用することで、自分の文章の癖などもチェックすることができます。

業務効率化

校正ツールを導入する二つ目のメリットは、業務効率化です。

校正ツールの利用により、校正・校閲作業にかかる時間を短縮することができます。また、チームで校正ツールを共有することで、同じルールや辞書を適用することができ、業務効率化が期待できます。

ブランディング強化

校正ツールを導入する三つ目のメリットは、ブランディングの強化ができる点です。

誤字脱字や表記ゆれが多いパンフレットやWebサイトだと、社内チェックが甘い印象を与えるなど、企業の信頼感に影響する可能性もあり得ます。

こうした事態を防ぐことにも、校正ツールは有用といえるでしょう。

校正ツールの選定ポイント

校正ツールの選定ポイント

校正ツールの選定ポイントは以下の2つです。

1.導入目的を明確にする
2.可能であれば有料ツールを利用する

それぞれのポイントについて解説します。

1.導入目的を明確にする

校正ツールの選定ポイントの一つ目は、導入目的を明確にすることです。校正ツールを導入する理由や目的は、組織によって異なります。

例えば、校正業務の質を向上させたい場合には、無料ツールではなく有料ツールの方が適しています。有料ツールはより多くの校正チェック項目を提供し、さまざまな視点から校正を行うことができるからです。

無駄な費用負担を避けるためにも、なぜ校正ツールを導入すべきなのか、目的を明確にしておくことが重要です。

2.可能であれば有料ツールを利用する

校正ツールの選定ポイントの三つ目は、できる限り有料ツールを利用することです。有料ツールはチェック項目が多く、校正の品質が向上するためです。

例えば、無料ツールでは表記ゆれのチェックを行えるものが現状ほとんどありません。有料ツールを選ぶ際にも、チェック項目の記載を確認し、より多くのチェック項目が提供されているツールを選ぶことをおすすめします。
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校正ツールを上手に活用するポイント

校正ツールを上手に活用するポイント

校正ツールを効果的に活用するためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。

1.表記ルールをオリジナル辞書に作成する
2.校正ツールの特徴を捉えて使い分ける
3.最終確認は目視で行う

それぞれのポイントについて解説します。

1.表記ルールをオリジナル辞書に作成する

校正ツールによっては、表記ルールを辞書にカスタマイズする機能があります。チームでの利用を想定している場合は、この機能を積極的に活用しましょう。

チームごとに定められた表記ルールを校正ツールが自動的にチェックしてくれるため、目視での確認工数が大幅に短縮されます。

2.校正ツールの特徴を捉えて使い分ける

無料の校正ツールを利用する際は、それぞれのツールの特徴を知り、適切に使い分けましょう。複数の校正ツールに同じ文章を入力してみると、それぞれのツールが異なる箇所をチェックすることがわかります。

例えば、助詞のチェックにはAツール、冗長表現のチェックにはBツール、表記ゆれのチェックにはCツールといった具体的な使い分けが可能です。複数の校正ツールを利用し、それぞれの特徴を把握して使い分けることで、より高品質な校正を実現できます。

3.最終確認は目視で行う

校正ツールを使用した後は、必ず目視で最終確認を行いましょう。ツールだけでは誤字脱字や文章のねじれなどを見逃す可能性があります。

有料ツールでも文章のミスが発見されないケースもあるので、複数のツールを使用したり、そのあと複数人の目を通してチェックしたりすると、より精度の高い校正ができるでしょう。

校正ツールを上手に活用しよう

校正ツールを導入することで、これまで手間のかかっていた校正作業の時間を大幅に短縮できます。しかし、最終確認を目視で行うことは忘れないようにしましょう。校正ツールも完璧ではないため、抜け漏れが発生する可能性があります。

この点に留意しながら、校正ツールを上手に業務へ活用してみましょう。

監修者紹介

山崎盛哉

山崎盛哉

コンテンツディレクター

1973年生まれ。編集プロダクション、業界誌記者、出版社勤務などを経て、大手小売業グループのハウスエージェンシー、コンテンツマーケティング会社でコンテンツディレクターとして勤務。2021年よりニュートラルワークスへジョイン。
20年超にわたる編集経験を活かしたコンテンツ制作が得意領域。