リードマーケティングとは?BtoBのリード活用方法を基礎から解説

顧客を適切に分類、アプローチし 最大の成果を上げる方法とは?

BtoBマーケティングを勉強していると頻繁に登場するリードという用語は何を意味しているのでしょうか?
受注数を増やすためにリードをどう活用すればいいのでしょうか?

本記事ではBtoBサービスの受注数を増やすためのリードマーケティングの活用方法を基礎から解説します。


BtoBマーケティングにおけるリードとは?

リードとは?どういう意味

リードとは、マーケティングにおいて「見込み客」を意味する言葉です。
BtoBマーケティングの場合、この「リード」の管理がとても重要になってきます。

BtoBサービスはBtoCサービスと違い、問い合わせからお客様が商品を購入するまでの検討期間が長くなります。これは法人が商品やサービスを利用する時に一人の判断で購入するのではなく、同僚や上司、役員の決裁が必要になるためです。

そのため、通常BtoBマーケティングは大きく2つのプロセスに分けて考えることで受注数を増やすための道筋が見えてきます。

  1. リード(見込み客の情報)の獲得=リードジェネレイション
  2. リード(見込み客)の育成=リードナーチャリング

リードジェネレーション

リードジェネレーション(Lead generatioin)とは、見込み客を獲得するために行う一連のマーケティング活動を表すワードです。生み出すという意味がある英語の「generate」からこう名付けられました。

自社の商品やサービスに興味をもってくれる見込みのある顧客の情報を獲得する活動のことを指します。

リードナーチャリング

リードナーチャリング(Lead nurturing)とは、既存の見込み客の中からさらに有望な見込み客へと育てていく手法のことをいいます。育てるという意味がある英語の「nuture」からこう名付けられました。別名、リードの育成とも呼ばれ、見込み客の購買意欲をさまざまなマーケティング施策で育てていく考え方です。具体的な方法としては、ブログやSNS、メールマガジンなどを使ってユーザーからの信頼や結束を強めていく方法があります。

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BtoBマーケティングにおけるリードジェネレーション(リード獲得)の方法

リードジェネレーションの2種類の考え方

BtoBマーケティングにおいて、リード獲得の方法は実はそこまで種類が多くありません。やれることに限りがあるのです。
代表的な手法は以下になります。

オフライン 展示会・エキスポ
自社主催or共催 イベント・セミナー
交通広告
マス広告
業界誌への広告
オンライン リスティング広告
ディスプレイ広告
業界メディアへの記事広告
オウンドメディア(コンテンツマーケティング)

上記の手法のうちほとんどは公式サイト・サービスサイトへの問い合わせという形でリード獲得に繋がります。

ただし、一番上から2つの展示会・エキスポ、自社主催or共催 イベント・セミナーについては「問い合わせ」と「名刺交換だけ」「申し込みだけ」という種別の異なるリードが存在することに注意してください。

この「問い合わせ」と「名刺交換だけ」「申し込みだけ」は相手が自分たちの商品の情報に興味があるのか、現時点ではないのかの違いになり、その後のアプローチの方法が変わってきます。
こちらについては詳しくは次章「リードナーチャリングの進め方」で解説します。

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どのリード獲得手法が最適なのか

次にあなたが気になるのは、どのリード獲得手法が自分たちにとって最適なのか?ということでしょう。

まず手法を選ぶ際に重要になる選定軸があります。それは、「どこまで予算をかけられるか」「いつまでに成果を出さなければならないのか」の2点です。

オンラインの手法を例に取ると、リスティング広告と業界メディアへの記事広告、そしてオウンドメディアで成果が出るまでの時間と費用が異なります。

すぐにリード獲得しなければならないのであれば記事広告が最も早く効果を実感できるでしょう。しかし、問い合わせがあるのは広告を出したあとの1週間ほどで、その後は記事広告経由の問い合わせはなくなります。

一方、オウンドメディアは広告費はかからず、コンテンツ制作費用以外のコストがかからないためトータルの予算は安く済みますが、リード獲得ができるようになるまでに半年は時間がかかります。

リスティング広告は記事広告と同じように広告配信した直後からリード獲得ができ、広告費に比例して成果が上がる傾向にあります。また、広告を配信し続けている限りリード獲得が続くので、広告媒体としては安定した成果を出す媒体になります。

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このように手法ごとにリード獲得にかかる時間と予算が異なるので、まずは目標とするリード獲得件数と期限、そして使える予算によって選択肢を絞っていきます。

その上で複数の選択ができる場合は、ターゲットとなる顧客に最も接触でき、なおかつ自社のサービスについてアンテナが立っている時に接触できる媒体がどれかで選択肢を選びます。

広告媒体の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでよければ参考にしてください。

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リードナーチャリングの進め方

リードナーチャリングの進め方

次にリードナーチャリングを進めるための具体的なステップを紹介します。

0. 獲得したリードはツールで一元管理する

まず大前提として、リードナーチャリングを行うためには、獲得したリード(見込み客の情報)をマーケティング部門と営業部門で共有するためのシステムが必要になります。
そのためにはセールスフォースのようなSFA / CRMを活用したり、Hubspotのようなマーケティングオートメーション(MA)ツールを使って管理します。
MAツールは見込み客の分類、リードの育成、有望顧客へのアプローチまでを自動で進めることを可能にします。SFA / CRMは商談をした顧客の情報を入力していき、見込み顧客がどのような商談フェーズなのか、何月に何件の受注件数が見込めるのかを把握することができます。
リードナーチャリングは顧客情報を管理するツールとセットであると覚えておきましょう。

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1. リードをセグメントごとに分類する

獲得したリードには、適切な方法でアプローチしていく必要があります。そのためには、リードの購買行動の傾向を知り、類似するグループごとに分ける作業が必要です。見込み客にこちらからアプローチをかけていくことは必須。
しかし、サイトをはじめて訪問したユーザーに対して、いきなり商品の購入を促してしまうと、かえって悪い印象を与えます。ただ、何度もサイトを訪問しているリピートユーザーや、資料請求をしたユーザーに対しては自社の商品やサービス購入につながるアプローチをしていきたいところです。各層に適切なアプローチをするためにも、見込み客の購入意欲ごとにセグメント分けをする必要があります。

2. 分類したリードごとにアプローチ方法を考える

リードをセグメントごとに分類できたら、それぞれのニーズに合った接近方法を考えていきましょう。自社サイトに初めてアクセスした顧客と、既に強い関心を寄せている顧客とではアプローチ方法がまったく異なります。初めて訪れたユーザーに対しては、自社の商品やサービスを取り入れることで得られる効果や、未来へのイメージを膨らませるようなアプローチが有効です。また、自社の商品やサービスにより強い関心をもっているユーザーの心理は、比較や検討の段階に入ります。ここでは具体的な価格や有益性といった情報を提供する方が効果的です。

3. アプローチ後の結果を分析し、次に活かす

分類されたユーザーへそれぞれに合ったアプローチを行った後は、結果を分析しましょう。評価方法は、サイトへの訪問者数の推移や、SNSでのシェア、企画したイベントへの参加者数など、顧客からのリアルな反応、数値で確認します。見込み客から思うような反応が得られない場合は、セグメント分けが正しくできていない可能性や、アプローチの方法がズレている可能性があります。結果が良好だった場合も同様に、なぜ上手くいったのかの理由を分析しましょう。
リードナーチャリングでは、細かな分析を繰り返してPDCAを回していくことで少しずつ成果が良くなっていきます。仮説を立て、実行、結果を分析して新たな仮説を立てる…この繰り返しが重要です。

リードクオリフィケーションでリソース配分の優先度を決める

効率的なリードクオリフィケーションの方法

リードクオリフィケーション(Lead qualification)とは、表面化してきた見込み客の中から、購入や契約の可能性が高い見込み客を選び抜いていくことです。

リードをMQL、SQLに分類する

BtoBマーケティングではリードをMQLとSQLに分けます。
MQL(Marketing Qualified Leads)とは、マーケティングリソースを投下するのに値するリードという意味です。

例えば、公式サイトのお問い合わせから問い合わせがあったとしても、それが一般の大学生からの問い合わせだった場合、このリードに対して広告費や人的リソースを割くことはしません。なぜなら、このリード(問い合わせをしてきた大学生)が商品を購入することはないからです。

極端な例ですが、MQLとは将来自社の商品を購入する見込みのあるリードと、そうでないリードを分け、将来購入見込みのある顧客リードのことを指します。

MQLの特定方法は

  • 部署
  • 役職
  • リード獲得経路
  • 会社名
  • 会社規模
  • 業種
  • セミナー参加数
  • MAスコア

で抽出する方法が主流です。

SQL(Sales Qualfied Leads)とはセールス(営業マン)がフォローするのに値するリードという意味です。

営業マンは通常毎月、クオーターの受注件数と受注額を目標に設定されています。そのため、営業マンは数ヶ月以内に商品を購入する見込みのある顧客にリソースを投下すべきです。

この「数ヶ月いないに商品を購入する見込みのある顧客」がSQLとなります。

SQLの特定方法はMQLの特定方法に加え、

  • インサイドセールスが荷電して取得した情報
  • BANT情報
  • 問い合わせ

によって抽出します。

インサイドセールスの役割についてはこちらの記事で詳しく解説していますので参照ください。

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MQL、SQLいずれもMAツールによるスコアリングがマーケティングクオリフィケーションの一つの指標になります。
ここからはMAを活用したリードクオリフィケーションの具体的な方法を解説します。

1. シナリオ設計にこだわる

リードクオリフィケーションでは、あらかじめシナリオ設計をしっかり作っておくことが大切です。リードナーチャリングでは、顧客の購買傾向にあわせて適切なアプローチをしていく必要があるとお伝えしました。そこで、顧客の行動や意欲を知るために、自社の製品やサービスがどのようなステップを経て成約につながっているかを把握しましょう。ある程度のステップやプロセスがわかったら、それにあわせてシナリオ設計を行います。

  1. 情報収集段階
  2. 他の製品、サービスとの比較段階
  3. 購入の検討段階

扱う商品やサービスによって顧客の購買プロセスは異なりますが、上のように各段階ごとに区分けし、顧客の状況をイメージしながら設計していく必要があります。

2. スコアリングで見込み顧客を分類

顧客の購買意欲の段階は、スコアリングで数値化しておくと効率的です。リードオフィリケーションでのスコアリングは、顧客の購買行動に応じて点数を付ける場合と、売上や企業の規模、担当者の権限によって点数を付ける場合とあります。最終的には合計得点を出してランク分けを行い、一定のラインを超えるスコアのリードを「有望な見込み客」として抽出します。効率的なスコアリングを行うと、どのリードを優先的に営業担当に引き継ぐべきかが非常にわかりやすくなります。

3. スコアリングの結果を正しいかを営業活動で確認

スコアリングで計上されたのはあくまでも統計的な数字なので、絶対とはいえません。リートオフィリケーションもリードナーチャリング同様、結果からわかる問題点のあぶり出しと改善、再評価のPDCAを回し続けることが重要です。スコアリングで出された得点と見込み客の現状を照らし合わせながら、柔軟に対応していく必要もあるでしょう。

リードマーケティングをMAツールで自動化、効率化

リードナーチャリング、リードオフィリケーションは、膨大な分類作業や分析が必要なので、リードやセグメントの数によっては人力で行うのが不可能なこともあります。MAツールを導入して自動化すれば、業務を効率化させつつ売上を効果的に伸ばしていくことが可能です。
ただし、どのMAツールが最適なのかは、企業のマーケティング手法によって異なります。ニュートラルワークスでは、それぞれの企業に適したMAツールを導入するためのサポートを行っています。詳しくは当社までお問い合わせください。

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監修者紹介

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

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