アンカーテキストはWEBサイトで頻繁に用いられる手法ですが、SEOにも影響を与えるため、適切な書き方で記載する必要があります。とはいえ、実際どのような役割があるのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アンカーテキストのSEOにおける役割や適切な作成方法について紹介します。この記事を読むと、アンカーテキストの意味や正しい記述方法、そしてSEOとの関係について理解できます。すると、アンカーテキストを使って効果的なSEO対策を行えるようになります。ぜひ最後までお読みください。
目次
アンカーテキストとは、リンクに設置したテキストを指します。アンカーテキストをクリックすると、設置したリンクにジャンプすることができます。一般的に通常のテキストとは違う装飾がされていて、マウスオーバーするとリンクが表示されることもあります。
アンカーテキストの記述は、「<a href=”URL”>テキスト</a>」のように行います。具体的な記述例は以下の通りです。
<a href=”https://n-works.link/blog”>QUERRYはこちら</a>
このように記載することで、テキスト内の文脈を維持しながらリンクを設置し、ユーザーを目的のサイトへと誘導することができます。
ちなみに、画像にリンクを貼って画像から別ページに飛ばすこともできます。その際、画像におけるアンカーテキストはalt属性となります。alt属性とは、画像が表示されなかった場合に表示されるテキストのことで、alt属性を記述するとユーザーが困ることなくコンテンツを読むことができます。
alt属性(オルト属性)とは?書き方と確認方法、SEO効果を解説
Webコンテンツを作成する際に画像にalt属性(オルト属性)を記述するのは面倒…記述しなくてもいいのなら空欄にしたいですよね。alt属性がなぜ必要なのか、どのように記述するのがいいのかを解説します。
アンカーテキストには2つの役割があります。
これらの役割について理解することで、より効果的にアンカーテキストを利用できるようになります。ここからは、それぞれの役割について解説します。
アンカーテキストには、クローラーにリンク先を正しく伝える役割があります。そもそもクローラーとは、インターネット上を周回してサイトのテキストや画像の情報を自動収集するプログラムのことです。
クローラーには、インターネット上で収集した情報を検索エンジンのデータベースに登録する役割があります。そこで、適切なアンカーテキストがあれば検索エンジンのクローラーに正しくリンク先の内容を伝えられます。
さらに、アンカーテキストを用いて外部リンクや内部リンクを設置することでSEO対策にもなります。外部リンクとは、外部のサイトに設置された自社サイトのリンクのことです。一方、内部リンクとは自社サイトに設置した自社サイトのリンクのことです。
外部リンクや内部リンクがSEO対策に繋がる理由は、クローラーの性質と関係があります。クローラーは基本的に、サイト内のリンクを辿って情報を収集してデータベースへ登録します。データベースへの登録が早いとそれだけ検索結果へ表示されやすくなります。すると、公開したページが登録されるまでの期間を短縮できる効果も期待できます。
クローラビリティとは?SEO対策において重要な理由は?向上の方法も
アンカーテキストによって、ユーザーにリンク先を正しく伝える役割もあります。ユーザーはただURLを提示されただけでは、どんなページなのか判断できません。中には、どんなページなのか分からないためクリックをためらうユーザーもいます。
そこで、URLにテキストを設置することで、記事を読んでいるユーザーにリンク先がどんなページなのかを伝えることができます。リンク先をわかりやすく正しく伝えることで、リンク先が想像しやすくなるため、ユーザーの利便性向上につながりやすくなります。
また、コンテンツ内に関連記事などの適切な情報がリンクとして設置されていれば、ユーザーの満足度も上がりやすくなります。内部リンクを積極的に設置すれば離脱率も下がり、サイトを回遊するユーザーが増えます。
アンカーテキストを活用する際は、以下のポイントを押さえることでSEO効果を高められます。
以下では、それぞれのポイントについて解説します。
アンカーテキストには、リンク先のコンテンツを表すキーワードを適切に含めましょう。SEOで狙いたいキーワードを盛り込むことで、クローラーにキーワードとコンテンツの関連性を理解してもらえます。また、そのキーワードの検索で流入したユーザーの目にも留まりやすくなり、クリック率の向上も期待できます。
例えば、洗顔フォームを紹介しているサイトにて、洗顔方法について解説しているとしましょう。コンテンツ内で洗顔フォームについて触れるとき、「洗顔フォームを紹介する記事はこちら」という形で関連記事を挿入すると効果的です。
注意点は、むやみにキーワードを盛り込みすぎないことです。無理にキーワードを含めると、リンク先の内容が伝わりにくくなってしまいます。さらにこのような不適切なアンカーテキストが増えてしまうと、クローラーからの評価が下がり、SEO効果も得られません。
アンカーテキストを記述する際は、リンク先のコンテンツを簡潔に記載しましょう。コンテンツ内容を説明するあまり、むやみに長くしてしまうと読みにくくなってしまいます。また、不自然に長いと何か意図があるのではないかとユーザーが疑ってしまい、サイトの信頼もなくなってしまいます。
関連記事を紹介する際は「○○に関する記事はこちら」などテキストはできるだけ短くしましょう。例えば、「お絵描きAIツールとは?おすすめ10選と最適な選び方を解説」という記事のリンクを貼る場合は、「お絵描きAIツールに関する記事はこちら」というテキストでも十分に伝えられます。
この時の注意点は、内容を示すテキスト全体にリンクを設置することです。「こちら」など一部のテキストにだけリンクを設置すると、クローラーは「こちら」というテキストにしかURLと関連付けることができません。
「こちら」というテキストには内容が含まれないので、不自然なリンクだと思われてしまうのです。こうした特徴から、「お絵描きAIツールに関する記事はこちら」などテキスト全体にリンクを設置するようにしましょう。
画像リンクには、alt属性を記載しましょう。alt属性を記載することで、画像が読み込めない場合に、代替テキストとしてブラウザに表示させることが可能です。また、クローラーに画像の内容を伝える役割もあります。クローラーは画像自体にどんなものが描かれているのか認識できないので、alt属性でコンテンツとの関連性を判断します。
alt属性を記載する際は、「<a href=”URL”><img src=”画像のファイル名” alt=”alt属性”></a>」のように記載します。例えばプリンの画像にalt属性を記載する場合は、以下のようになります。
<a href=”https://cook-blog.jp/pudding”><img src=”pudding.jp” alt=”スプーンが添えてあるプリン”></a>
alt属性を記載する際のポイントは、画像に関係のあるテキストを入力することです。関係のないテキストを入力してしまうと、クローラーが画像の内容を正しく判断できず、コンテンツとの関係性を把握してもらえなくなります。
動画リンクを掲載する際は、説明テキストを記載しましょう。動画リンクが設置されているだけでは、ユーザーにどんなコンテンツなのか伝えることができません。ユーザーに安心してリンクを踏んでもらえるように、テキストを記載する必要があります。
動画リンクにはalt属性のように記載する方法がないので、ユーザーが確認できるようテキストで記載しましょう。また、閲覧環境に対応していないユーザーに向けて「再生できませんでした」などといった代替テキストを用意しておくと良心的です。その場合、<p>タグを用いて以下のように記載します。
<video poster=”example.jpg” preload=”metadata” width=”640″ height=”360″ controls>
<p>再生できませんでした。</p>
</video>
コンテンツ内には、関係のないページへのリンクはしないようにしましょう。無関係なリンクを設置することで、2つのデメリットが発生します。
ひとつ目のデメリットは、ユーザーにとって不親切なコンテンツになってしまうことです。目的をもってサイトに訪れたのに、リンクを踏んで無関係なサイトに飛ばされてしまうとユーザーはストレスを感じるでしょう。するとサイト自体の評価が下がり、リピーターが減ってしまいます。
そしてふたつ目のデメリットは、クローラーからの評価が下がる恐れがあることです。無関係なリンクを設置していると、低品質なサイトだと認識される場合があります。過去には外部リンクの獲得のために脈絡もなくリンクだけを設置する悪質なサイトもありました。
こうしたサイトを刷新するため、Googleはリンクとコンテンツの関連性をチェックしてサイトを評価するようになりました。こうした背景から、関係のないページのリンクを設置してしまうと評価が下がり、検索結果に表示されにくくなります。
こうしたデメリットから、リンクを設置する場合はコンテンツと関連があるのか、ユーザーにとってメリットがあるのか確認するようにしましょう。
隠しリンクは決して貼らないようにしましょう。「隠しリンク」とは、クローラーに認識されるためだけに設置されたリンクのことです。ユーザーからは見えないのですが、HTMLに記述されていることから、クローラーには読み込まれます。過去にはこうした性質を利用して、大量の被リンクを獲得しようとするユーザーが存在しました。
しかし現在では、以下のようなリンクを設置して隠す方法は「隠しリンク」とされており、Googleではポリシー違反としています。
改善すべきアンカーテキストを見つける際は、2つの方法が効果的です。
これらのツールを活用することで、より充実したコンテンツに仕上げられます。ここからは、それぞれの方法について紹介します。
Google Analyticsでは直帰率を確認することができます。「直帰率」とはユーザーがあるページに訪れて離脱した割合のことです。直帰率が高いほど、ユーザーにとって刺さらなかったと考えられます。つまり、「Google Analytics」を用いれば、ユーザーに刺さっていないアンカーテキストを見つけることができるのです。
直帰率の確認方法は以下の通りです。
直帰率が高い場合は、コンテンツとリンク先のページの関連性が低いと考えられます。他に最適なコンテンツはないか考えてみましょう。
ヒートマップツールを利用することで、アンカーテキストに対するユーザーの反応を確認することができます。「ヒートマップツール」とは、ユーザーのサイト内の動きを可視化したものです。ユーザーのアクションがあるほど黄色やオレンジ色、赤色などといった暖色で表示され、動きがないと青や水色などの寒色で表示されます。
もしアンカーテキストが寒色で表示されているなら、ユーザーからクリックされてないと考えられます。その場合はよりクリックしたくなる文言に変更するか、もしくはアンカーテキスト周辺のテキストを変更するなどの改善が必要です。また内容によっては、アンカーテキストが不要かもしれません。
ヒートマップツールの活用によって、アンカーテキストに対するユーザーの動きが見えてきます。改善を繰り返していくことで、ユーザーが満足する充実したコンテンツ制作ができます。
外部サイトから貼られたリンクのアンカーテキストは、基本的にはそのままで問題ありません。その理由は、外部リンクは外部サイトが管理するものであり、自社が関わることができないからです。
ただし、一部のスパムリンクには注意が必要です。「スパムリンク」とは、自社サイトとは関係のないサイトに設置された外部リンクのことです。スパムリンクには大きく分けて2つの目的があると考えられます。
1つ目は、サイト担当者を自社サイトへと誘導する目的です。単にアクセス数を稼ぐために行う場合もありますが、マルウェアに感染させるために誘導することもあります。もし見覚えのない怪しいサイトがリンク元になっている場合は、むやみにリンクを踏まないようにしましょう。
そして2つ目は、競合サイトの評価を下げるためです。競合サイトがあえて悪質な被リンクを作成し、自社サイトの検索結果を上げようとする場合があります。このまま放置していると自社サイトの評価が下がってしまうので、対策が必要です。
低品質な被リンクを見つけた場合は、Google Search Consoleの否認ツールから無効化をリクエストすることができます。ただし、被リンクの否認は検索結果に大きく影響を与えるものなので、闇雲に使ってはいけません。使用を検討する際は、ヘルプページの説明をよく読み、熟考してから使用するようにしましょう。
この記事では、アンカーテキストのSEOにおける役割について解説していきました。アンカーリンクを設置することで、ユーザーに対してリンク先のページを伝えられるようになります。また、クローラーに対してもリンク先のページとコンテンツの関連性を示すことができるので、SEO効果も期待できます。
ただし、アンカーテキストに関連性のないテキストを記載するのは逆効果です。コンテンツとは全く関係のないリンクを貼ったり、隠しリンクを設置したりしても、あまり効果がありません。場合によってはGoogleのポリシー違反により、ペナルティを受けることもあります。
ツールを活用することで、改善すべきアンカーテキストを見つけることができます。定期的に見直すことで、効果的なサイトにしていくことが可能です。Googleのポリシーに注意し、ユーザーにとって役に立つコンテンツを目指しながらアンカーテキストを活用していきましょう。