コーポレートサイトは、企業のイメージを決める重要なWebサイトです。取引先や求職者向けに会社の企業情報や採用情報を掲載したり、サービス紹介ページやブログで潜在顧客層へアプローチをするなど、コーポレートサイトの役割や目的はさまざまです。本記事では、コーポレートサイトについての基本的な知識と目的達成に向けた手段を解説していきます。
目次
コーポレートサイトとは
コーポレートサイトとは企業の公式サイトのことです。主に「会社概要」や「プレスリリース」「IR情報」「採用情報」など、会社案内のパンフレットに掲載するような内容をはじめ、事業内容や企業理念といったコンテンツを掲載し、会社の「顔」となる役割を持ったWebサイトがコーポレートサイトです。
また、「サービス紹介」「ブログ」などのページで、検索エンジンで上位表示させたいターゲットキーワードを設定し、企業の潜在顧客獲得チャネルとしてWebマーケティングで活用するケースも多いです。
自社でECを行う会社、オウンドメディア等に力を入れている会社では、Webマーケティング用の集客目的のWebサイトと会社案内用のコーポレートサイトを分けている場合もあります。自社サイトでECサイトを組み込む必要がない会社、Webマーケティングによる集客を行わない会社でも、会社の公式サイトとなるコーポレートサイトは持った方が良いでしょう。
個人が商品・サービスの提供元を調べる場合でも、法人が取引先候補を調べる場合でも、まずWebで検索を行い公式サイトを探すケースが多いはずです。そんなときにWeb上にまったく情報がない会社は「実在しているのか怪しい会社」「今も継続しているのかわからない会社」として取引の信用度が落ちてしまうことも考えられます。
コーポレートサイトは会社の顔となる重要なツールなので、最低限の情報であっても「公式サイトの有無」は重要だと言えるでしょう。
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Webサイトの種類
企業のWebサイトには、コーポレートサイト以外にどのようなものがあるでしょうか。サイトの種類と目的を解説します。
ECサイト
ECサイトはWeb上で商品を販売するための通販サイトです。自社商品の情報が大量に掲載され、購買への導線も設計されているため、顧客にとってはコーポレートサイトというより「通販窓口」としての認識が大きくなります。
特にBtoCの場合は、商品販売には直接関係のない「会社情報」や「IR情報」などは別の導線を設けるか、Webサイトそのものを分けてしまった方が顧客も迷わずに済むでしょう。
サービスサイト
自社の商品・サービスの情報を宣伝するためのサイトです。Webマーケティングの要素が大きく、BtoBのWebサイトに多く見られます。商品・サービスの特長やスペック、導入事例や代理店情報などを掲載し、問い合わせや資料請求につなげることを目的としています。
また、SEOやリスティング広告などで潜在・顕在顧客層を流入させるリード獲得を目的としたWebサイトである場合が多いです。
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採用サイト
採用サイトは、自社の採用活動のための情報を載せたサイトです。コーポレートサイトに含まれる場合と、単独で採用サイトを立ち上げてコーポレートサイトからの導線をつなげる場合があります。
会社の基本情報や業績、社風や求める人物像などの情報のほか、先輩社員からのメッセージや部門別の1日の仕事の流れなど、求職者とのマッチングを高めるコンテンツを盛り込むと良いでしょう。
採用サイトとは?効果の出るコンテンツや活用方法、必要性を解説
コーポレートサイトを設置する目的
コーポレートサイトを設置する目的は、企業のことを知ってもらうことです。ネットが普及している現代では、企業について調べる時にコーポレートサイトへアクセスするのが一般的です。サイトへは一般消費者だけでなく、法人顧客や取引先、採用希望者など、あらゆる人がアクセスしてきます。
企業について調べようと思った時にコーポレートサイトがないと、「本当に存在しているのか?」「何をしている会社なのか?」疑問に感じ、信頼感を損なってしまう可能性もあります。
サイトを通じてユーザーとコミュニケーションを取りながら、自社への理解やファンになってもらうことが一番の目的といえます。コーポレートサイトでは、ユーザーが求める情報や自分たちがどんな会社であるかを掲載することがとても大切です。
コーポレートサイトを設置するメリット
それでは、コーポレートサイトを設置するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。コーポレートサイトを設置するメリットを紹介していきます。
知りたい情報にユーザーが素早くアクセスできる
企業情報に特化したコーポレートサイトを用意することで、ユーザーは必要とする情報に素早くアクセスできるようになります。
企業について知りたいのに、サービスやECサイトなどが混在してしまっていると情報が見つけにくくなってしまいます。サービスサイトやECサイトと役割を分けて設置することで、ユーザーは困惑せずに知りたい情報へ素早くたどりつくことができるでしょう。
ブランディングやマーケティングに活かせる
最近では、コーポレートサイトを企業ブランディングに活かしているケースも多く見受けられます。個性的な社内制度を紹介したり、CSR(企業の社会的責任)についてアピールする企業も増えています。
また、サービスの立ち上げ背景などを詳しく説明したり、サービスの成長過程を掲載することで、コーポレートサイトをマーケティングに活かして、宣伝・広告する企業もあります。
採用活動やお問い合わせにつながる
コーポレートサイトは、ユーザーに情報を届けるだけでなく、ユーザーからコンタクトを得る手段にもなっています。サイトを通じて自社の魅力が伝わることで、新規顧客の創出につながることも。連絡先やお問い合わせフォームが掲載されていれば、ビジネスにつながる問い合わせを獲得するチャンスにもなります。
また、求職者は必ずといって良いほど、コーポレートサイトを確認しています。自社の魅力や代表・社員のメッセージを載せておくことで、求める人材のアピールをしたり、入社後のミスマッチを事前に防ぐことも可能です。
コーポレートサイトの構成とは?作り方と事例、掲載項目を解説コーポレートサイトを他のサイトと別にする必要はあるか?
会社のWebサイトを始めて立ち上げるときや、既存の企業サイトにEC部門やオウンドメディアを追加したい場合、コーポレートサイトと商品・メディアサイトを別にする必要があるか悩むことも。3つの判断ポイントを解説します。
サイトの目的で考える
Webマーケティングを目的としたオウンドメディアや大規模ECサイトでは、商品・サービスに興味があるユーザーと、取引先や求職者など会社そのものに興味があるユーザーがはっきり分かれる場合があります。
この場合、コンテンツを抱えたサイトとコーポレートサイトを分けた方が、訪問したユーザーの導線がシンプルになり、サイト内で必要な情報を求めて迷子になることも少ないでしょう。
異なるジャンルの場合
オウンドメディアやWeb広告で集客したユーザーをサイト内で回遊させて滞在時間を伸ばしたいとき、会社案内やIR情報といったユーザーに興味のないコンテンツは離脱につながる可能性があります。
SEO対策上でも、特定ジャンルの情報を集めた専門サイトとして独立させた方が、検索エンジンからの評価が高くなるためメリットは大きいでしょう。最初は一つのWebサイト内で集客を展開し、規模が大きくなってからコーポレートサイトと集客サイトを分ける方法もあります。
閲覧するユーザー層が違うのなら別に運営したほうがいい
Webメディアを展開している企業は、コーポレートサイトと商品・メディアサイトを別々にしている場合が多くあります。例えばゲームメディアの「ファミ通.com」は株式会社KADOKAWAのメディアサイトとして別ドメインで運営されており、株式会社KADOKAWAへの導線はページ最下部の「広告掲載」ページへのリンクのみになっています。
「ファミ通.com」のユーザー層と株式会社KADOKAWAのユーザー層は明確に異なるため、別々に運営したほうがメリットが大きいのです。
コーポレートサイトに必須のコンテンツ
コーポレートサイトを作るにあたって、必ず掲載しておくべきコンテンツにはどのようなものがあるでしょうか。
1. 会社概要
コーポレートサイトに欠かせないのが会社概要です。会社案内に掲載される内容とほぼ同一で構いません。会社名・代表者名・所在地・設立年・資本金・事業概要・取引銀行・役員名などを一覧で掲載しておきましょう。
2. サービス・商品の紹介ページ
自社の提供するサービス・商品を紹介するコンテンツでは、主力商品の特徴やスペック資料なども掲載しておくと良いでしょう。代理店情報やカスタマーセンターへの導線があるとより便利です。サービスサイトやECサイトを別に立ち上げている場合は、概要のみ掲載して別サイトへの導線をつけておきましょう。
3. IR情報
上場企業であれば必須のIR情報には、投資家向けのメッセージや会社の財務状況、業績レポートや決済に関する資料などが必要です。上場企業でなければ不要です。
4. お知らせページ
最新情報やニュースリリースを掲載するページを用意しておきましょう。基本的にコーポレートサイトは内容が固定されがちで、場合によっては「更新されていないサイト」という印象を与えてしまいかねません。最新情報やニュースリリースの更新が頻繁であれば、リピート訪問者にも目新しさと活動実績をアピールできます。最低でも月に1回は新情報を掲載したいですね。
5. 問い合わせフォーム
サービス・商品を紹介するコンテンツ以外でも、コーポレートサイトを閲覧したユーザーからの連絡窓口として問い合わせフォームを設置しておきましょう。担当部門ごとに「サービス・商品のお問い合わせ」「プレスリリースに関するお問い合わせ」「採用のお問い合わせ」など複数の問い合わせフォームを設置する場合もあります。
6. 個人情報保護方針
問い合わせフォームを設置してユーザーの名前や連絡先といった個人情報を取得するため、サイト上に個人情報保護方針(プライバシーポリシー)を明示しておく必要があります。
7. サイトマップ
サイト全体の案内図となるサイトマップも設置しておきましょう。トップページからの導線が複雑だったり、特定の情報のみを素早く探し出したいユーザーは、サイトマップを頼りにすることがあります。また、Webサイト担当者がWebサイトの構造を把握するためにも役立ちます。サイトマップの情報を検索エンジンに渡すことでSEO上でも有利になります。
サイトマップとは?2種類あるサイトマップの作り方とSEO効果 Webサイト運営者なら誰でも知っているサイトマップですが、何のために必要なのでしょうか?また、XMLサイトマップとHTMLサイトマップのどちらかがあればいいのでしょうか?サイトマップについて基本的なところから解説します。コーポレートサイトに必要なコンテンツ
コーポレートサイトとして必須ではありませんが、ユーザーとの関係性構築や自社PRのためにあると有利なコンテンツには、以下のようなものがあります
採用情報
募集要項や採用メッセージ、社員の1日の仕事内容といった採用コンテンツです。採用サイトを別に持っていたり、外部の採用サービスを利用している場合は、簡単な案内と外部リンクで導線をつけておく程度で構いません。
代表メッセージ
会社のビジョンや事業への思いなど、会社の代表者からのメッセージを発信するページです。代表者個人ではなく企業メッセージという形でも良いでしょう。
取締役や社員の紹介ページ
ベンチャー企業に多いのが、会社の代表者以外にも取締役や社員の紹介があるコーポレートサイトです。社内の雰囲気や活躍できる人物像を見せることで採用活動にプラスに働く効果があります。
商品やサービス紹介ページ
自社商品・サービスの紹介や販売実績・導入社数・納入先会社名・活用事例などを紹介するコンテンツで、自社がアピールしたい内容を盛り込みます。検索エンジンからの流入を狙う場合は、ターゲットキーワードを定めて、必要なコンテンツや関連キーワードに対するコンテンツなどユーザーに有益な情報を網羅していくことで、検索エンジンから評価をされやすくなります。
また、商品・サービスのWebサイトを別で立ち上げている場合は、概要のみを記載して外部リンクで導線を設置する形でも問題ありません。
使い方、流れページ
商品の使い方やサービスの流れを紹介するページです。こういったページは集客ではあまり効果を発揮しませんが、流入したユーザーがページを経由することでより商品やサービスに関するイメージが明確になり、お問い合わせなどの獲得率が上昇する傾向があります。トップページなどに流入したユーザーをこのようなページに誘導させる導線を設計すると効果的です。
よくある質問、FAQ
よくあるご質問コンテンツは、非常に有益なコンテンツです。ユーザーが疑問に思うことに対して回答することで、ユーザーの不明点が解消されてお問い合わせの確度が上昇します。また、ユーザーの疑問に答えるコンテンツを作ることは、検索エンジン対策では基本であり重要な要素のため、集客面でも寄与するコンテンツとなります。
お客様の声、事例
お客様の声や事例も非常に重要なコンテンツです。ユーザーに近いシチュエーションの事例などがあれば、より具体的にサービスや商品の活用イメージが湧くため獲得率の上昇に寄与するコンテンツです。
ブログコンテンツ
近年では、BtoBやBtoCの集客目的として企業サイトにWordPressを導入し、会社の情報発信やSEOによる集客目的のブログコンテンツを利用している場合もあります。特に、コンテンツマーケティングと呼ばれる自社に関連のあるキーワードに対してコンテンツを制作してSEOにより集客する手法はWebマーケティングでは重要な施策の一つです。
記事単体としての集客価値はもちろん、サイト内でより多くの専門的な情報を発信することでサイトの専門性が高まり、サイト全体の評価が上昇することでブログ記事以外の検索順位に良い影響を与えます。
また、自社商品・サービスの紹介にとどまらず、採用情報やプレスリリースなど多彩なコンテンツをブログ形式で発信し、自社への理解を深めてもらうのにブログコンテンツは有効です。
CSR(社会貢献活動)
企業には利益を出す他に、社会的責任を果たすことも求められています。環境保全や国際支援といった大きな活動でなくとも、余剰品のフードバンクへの寄付や、商品パッケージの回収、月に1度の清掃ボランティアなど、企業として取り組んでいる活動があればぜひアピールしておきましょう。
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