サービスサイトとは、「購入」を目的とし、商品やサービスに特化したWebサイトをいいます。企業情報の掲載が主な目的であるコーポレートサイトとは違い、商品やサービスの詳細情報を掲載しているのが特徴です。
これまでのサイト運営といえば、サービスサイトやコーポレートサイトなどを、1つのサイトとしてまとめて運用するのが主流でした。しかし近年、効果を上げるためにサイトを分ける企業が増えています。
この記事では、サービスサイトの概要やコーポレートサイトの違い、さらに流入を増やすポイントを解説します。サービスサイトについて理解を深めたい方は、ぜひ最後までお読みください。
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目次
サービスサイトとコーポレートサイト、それぞれの意味を解説
サービスサイトとコーポレートサイトの違いを比べながら、それぞれ詳しく解説します。違いを理解すれば、最適な運用方法が見えてくるので、しっかりと押さえていきましょう。
Webサイトの目的とは?種類、求められることを解説
サービスサイトとは
サービスサイトとは、自社が提供する商品やサービスの情報に特化したWebサイトです。サービスサイトの最終目標は「商品やサービスの購入」なので、いかに「購入のメリット」を伝えるかが重要なポイントとなります。
サービスサイトのターゲットは、商品を購入する可能性がある見込み顧客などの潜在層です。自社の紹介が目的のコーポレートサイトとは違い、サービスサイトは商品やサービスの購入が目的です。そのため、見込み客が欲しい情報を逐一チェックしながらサイトに反映し、ユーザーファーストな運営をしなくてはなりません。
そのためには、以下の情報が掲載されたページを用意しましょう。
- 商品やサービスのメリット
- 購入したら、その後どうなるのか?
- 今ここで購入するメリットは?
見込み客が「今すぐ買いたい!」となるような情報ページを作成し、サイト内を回遊させて十分な情報を得られるような導線作りも大切です。
コーポレートサイトとは
一方コーポレートサイトとは、企業のビジョン、事業内容、住所、採用情報などが掲載された「企業の顔」ともいえるべきWebサイトをいいます。主に、株主、顧客、投資家、求職者などの「企業に興味を持っている人」に向けて作成されます。
そのためサービスサイトとは違って、「事業への想い」「メッセージ」「働く環境」等、商品やサービスではない、多くの「企業情報」が掲載されています。サービスサイトはオウンドメディア的な要素が多いですが、コーポレートサイトは作成したあとは、更新頻度も高くないため「企業広告」のような役割を担っていると考えると分かりやすいでしょう。
コーポレートサイトとは?目的やメリット、必要なコンテンツも解説
取引先や求職者に会社の概要を知ってもらうためのWebサイトがコーポレートサイトです。では、コーポレートサイトにはどのようなコンテンツが必要なのでしょうか?コーポレートサイトを作る理由から必要なコンテンツを考えてみませんか?
サービスサイトとコーポレートサイトとの違い
サービスサイトとコーポレートサイトの3つの違いは次の通りです。
- ターゲットと制作目的の違い
- コンテンツ(必要となるページ)の違い
- サイトを運用する主管部門の違い
それぞれ詳しく解説します。
1.ターゲットと制作目的の違い
昔は、企業のサイトは1つの場合がほとんどでした。しかし、サービスサイトとコーポレートサイトは、狙うターゲットと制作目的に違いがあるため、サイトを分けた方が高い効果を発揮できます。その結果、現在はサービスサイトとコーポレートサイトを分ける企業が増加傾向にあるのです。
サービスサイトのターゲットは、商品やサービスを購入する予定がある「見込み客」です。そのため購入を後押しするようなコンテンツや、商品情報が自然に得られるような導線が重要です。サービスサイトは「購入につなげる」という目的があるので、コンテンツやサイトの雰囲気から“購入したくなるようなサイト”を構築する必要があります。
それに対してコーポレートサイトのターゲットは、既存顧客や取引先、就職希望者、株主など、企業情報が欲しい人です。コーポレートサイトは、いわば「企業の名刺」です。所在地や採用情報、お知らせなどの企業を紹介するコンテンツが重要です。
加えて、企業の事業に対する誠実さや企業の雰囲気が伝わるようなデザインがポイントです。例えば、老舗メーカーのコーポレートサイトであれば、伝統を引き継ぐ実直さや商品に対する誠実さが見えるデザインが望ましいです。それに対して、スタートアップしたばかりのベンチャー企業であれば、会社の個性や事業に対する想いなど、個性的で記憶に残るのがベストです。
それでも迷っているという方は、企業が与えたいイメージからコーポレートカラーを選ぶのもいいでしょう。
2.コンテンツ(必要となるページ)の違い
先述した通り、サービスサイトとコーポレートサイトは、ターゲットと目的が違うため、サイト内の必要なコンテンツも異なります。サービスサイトは、「商品やサービスを購入させるためのサイト」なので、商品の詳細情報や、購入後を想像させるようなコンテンツが必要です。
- 商品・サービスの詳細情報
- 購入のメリット
- 価格表
- 購入者の声
- 他社との違い
それに対して、コーポレートサイトは「企業情報が欲しい人」がターゲットとなるため、企業の基本情報を詳しく掲載する必要があります。
- 所在地
- 企業理念
- 事業内容
- お知らせ
- 採用情報
- お問い合わせ
また、ターゲットとサイトの目的によって「必須コンテンツ」も異なります。そのためトップページに配置すべきコンテンツや、全体のデザインもサイトの目的に合わせて作成しましょう。
3.サイトを運用する主管部門の違い
サービスサイトとコーポレートサイトは、運用する主管部門に違いがあります。サービスサイトは、見込み客の購買を誘導する「販売力」や「営業力」が重要となるため、「営業部」「販売部」などの事業運営している部門が運用します。場合によっては「マーケティング部」がサイト分析を進めながら運用する企業もあります。
事業運営している部門が運用すれば、商品やサービスの問い合わせに即座に対応でき、問い合わせの段階で営業活動につながり、売上になりやすいです。
一方コーポレートサイトは、「総務部」「広報部」といった、企業の正しい情報を持つ部が運営します。企業に対する問い合わせがきた際には、最適な部門へ即座につなげられるように、全部門を網羅している部門が運用した方がいいでしょう。サービスサイトとコーポレートサイトの違いをまとめます。
サービスサイト | コーポレートサイト | |
---|---|---|
ターゲット | 見込み客 | 既存顧客 取引先 株主 就職希望者 |
目的 | 商品・サービスの購入 | 企業情報を得られる |
運営する主管部門 | 営業部 販売部 マーケティング部 |
総務部 広報部 管理部 |
成果につながるサービスサイトを作るポイント
成果につながるサービスサイトを作るポイントとして、以下の2点から解説します。
- サービスサイトとコーポレートサイトを分けるべき理由
- サービスサイトとコーポレートサイトを分けないほうがよいケース
サービスサイトとコーポレートサイトを分けるべきなのか悩んでいる人は、「成果がでるのか」というポイントから判断しましょう。
サービスサイトとコーポレートサイトを分けるべき理由
サイトを訪れたユーザーは、目的がすぐに達成できないと離脱してしまう傾向があります。これを防ぐためには、「見つけやすさ」と「分かりやすさ」が求められるでしょう。そこで、全ての情報を1つのサイトにまとめるよりも、サービスサイトとコーポレートサイトに分けた方が、情報が伝えやすく、ユーザーにとっても分かりやすくなります。
加えて、ブランドに特化したデザインで最適なコンテンツを作成すると、専門性が高まり、商品やサービスに対する信頼が生まれるでしょう。それにより、たまたま訪れたユーザーが購入したり、既存客がリピーターになったりするパターンもあります。さらに、サイト内のSEO対策やリスティング広告の出稿がしやすくなるため、集客でも高い効果を発揮します。
SEO対策を強化すれば自然流入が増え、知名度と売上の向上が見込めます。このように、サイトの専門性を高めると売上につながるため、サービスサイトとコーポレートサイトは分けるべきといえます。
サービスサイトとコーポレートサイトを分けないほうがよいケース
次に、サービスサイトとコーポレートサイトを分けない方がいい3つのケースを紹介します。
- すでにコーポレートサイトで集客効果がある
- サイトを分けるためのリソースが不足している
- サイトを更新するためのリソースが不足している
コーポレートサイトですでに商品サービスに対する集客効果がある場合、サイトを分けてしまうと、集客効果が一気に落ちたり、無くなったりする可能性があります。既存のコーポレートサイトがSEO効果の高いサイトと評価されているので、分割することでSEO効果が薄れるのは勿体ないといえます。このような状況の場合、わざわざサイトを分ける必要はありません。
またリソースが足りない場合も、サイトを分けない方がいいでしょう。リソースが足りずに更新頻度が落ちると、顧客の信頼度やSEO評価も上がらないため、集客につながりません。サイトは作成するだけではなく、新しいコンテンツを作成して「更新を続けられる」かが重要です。
万が一社内でリソースがさけない、人材不足で更新ができない場合は1つのサイトをしっかりと作りこむ方に焦点をあてた方が、最終的に顧客と信頼関係を結べるようになります。
サービスサイトに必要とされる4つのコンテンツ
サービスサイトは、購入を促すために商品やサービスに関する理解を深めてもらえるかが重要です。そのため、さまざまな観点から商品やサービスの詳しい情報を掲載する必要があります。以下の4つのポイントを意識して、必要なコンテンツを作成しましょう。
- サービスへの興味
- サービスへの理解
- サービスや提供会社への信頼
- サービスに対する行動
サービスへの興味
まず、見込み客が商品やサービスに興味・関心を引けるかが大切です。そのため、「トップページ」「ニュース(お知らせ)」「商品・サービス紹介」のコンテンツを活用しましょう。
「トップページ」は、ユーザーが一番はじめに目にするページなので、商品の特長や基本情報を端的に説明しましょう。興味関心がない人でも、記憶に残るようなインパクトを意識するといいでしょう。「このサイトはどんな商品を紹介しているのか」を分かりやすく伝えるのがトップページの役割です。あるいは、キャッチコピーを工夫してみるのもありです。
「ニュース(お知らせ)」では最新情報を常に掲載しておきます。たとえもし、商品やサービスに好感をもっても、最新情報が古いままですと、信頼度が落ち、購入をためらう人がいます。サイト内で安心して情報収集してもらうために、常に稼働しているイメージを持ってもらいましょう。「商品・サービス紹介」においては、見込み客が最も興味を持っているページです。
- 商品の特長は?
- 価格はどのくらい?
- 購入後はどうなるの?
このような、ユーザーが気になる情報を、分かりやすく結論から並べましょう。また、ユーザーの悩みに焦点をあてて「共感→現状の説明→解決方法→商品・サービスの紹介」と、悩みが解決できるように順番にご案内すれば、見込み客が読み進めるうちに「悩みが解決しそう!」と興味を持つようになります。
サービスへの理解
次に、サービスへ理解を深めてもらえるかが重要です。そのため基本的な情報の他に、以下のようなコンテンツを作成しましょう。
- 他社の比較
- 導入事例/お客様の声
- よくある質問/Q&A
- お得に買う方法
見込み客は、他社と比較して購入検討する方がほとんどです。そのため他社と比較しながらも、自社商品を購入するメリットやオリジナル性を強調した内容にしましょう。表などで一覧できるようにすれば、視覚的にも分かりやすく伝えられます。
また、実際に購入したお客様の声や導入事例を掲載すれば、商品・サービスに対する安心感や購入後のイメージにつながります。現在は商品を購入する際、口コミやレビューを参考にする人もいらっしゃるほどです。それを証明するかのように、Googleの検索窓にも「評判」「レビュー」などのキーワードが候補に出るようになりました。
このように口コミやレビューを参考にする人も多いため、実際に購入したお客様の声をコンテンツで用意すれば、購入の後押しになります。加えて、質問・回答形式にして、見込み客が気になる情報を端的に伝える方法も有効です。もし「公式サイトのみの割引」「定期便の割引」など、サービスサイト独自の「お得な購入方法」がある場合は、コンテンツで用意しましょう。
サービスや提供会社への信頼
見込み客が、商品・サービスを提供する企業に対して信頼をおいているかどうかも重要です。そのためには、以下のようなコンテンツで見込み客に信頼を持ってもらいましょう。
- 企業情報(会社概要)
- 企業の歴史
- プライバシーポリシー
- 利用規約
企業の所在地や資本金、代表番号などの基本情報が掲載してあると、見込み客は安心して購入できます。加えて企業の歴史やこだわりなども商品、サービスに対する信頼につながります。サイトの専門性や安心感を上げるために、コンテンツとして用意しましょう。
「プライバシーポリシー」は「個人情報の取り扱いを安全におこなう」という意思表示でもあるので、見込み客に安心してもらうためには必要なコンテンツです。
「利用規約」は、サービスの内容、購入・支払いに関する事項などを提示するページです。条件を明記しておけば、企業側はトラブルを未然に防ぐほかに、見込み客は事前に購入条件を確認し、購入の不安を解消することができます。
サービスに対する行動
商品・サービスに対してアクションできるコンテンツを用意しましょう。例えば、以下のようなコンテンツがあげられます。
- 価格表・資料のダウンロード
- セミナー動画
- お問い合わせ
- 購入ページ
このように、商品・サービスに興味を持ったユーザーが、資料をダウンロードしたり、見積依頼をかけるなどの行動に移しやすいページ設計にします。ただコンテンツを提供するだけではなく、ユーザーが行動に移しやすいページ設計するだけでも、ユーザーの購入意欲をより一層高められます。
また、問い合わせフォームからアクセスしたユーザーに対して、逆に企業側から直接営業する方法もできます。ステップメールなどで情報発信し、見込み客の購入意欲を高めるといった営業手段も有効です。
サービスサイトへの流入を増やすためにできること
サービスサイトは、売上に直結するサイトのため流入数も重要なポイントです。流入を増やす3つの方法として、こちらがおすすめです。
- サービスサイトの更新を続ける
- SEO対策やオウンドメディアの制作
- SNSを活用する
それぞれ詳しく解説します。
サービスサイトの更新を続ける
サービスサイトは、作成した後の更新頻度も重要です。更新頻度が高いほど、見込み客は掲載している情報やサイトに信頼を寄せます。そして、定期的に情報が入れ替わることで、記載されている内容を信じることができるでしょう。
例えば、商品・サービスに興味を持っても最終更新が半年以上まであれば、「今も販売されているの?」「商品内容は最新?」と疑問を持つようになります。このような不安をなくすためにも、更新頻度を高めて「このサービスサイトの情報は最新です」というように、見込み客にアピールする必要があります。
あるいは「お知らせ」「導入事例/お客様の声」など、更新しやすいコンテンツを用意する方法もあります。また「ブログ」「コラム」などのコンテンツを用意できれば、担当者の考えや日常を日ごろから発信し、読者(ファン)を増やすといった方法にも活用できます。このようにさまざまなメリットがあるため、更新を続けられるかが重要です。
SEO対策やオウンドメディアの制作
サービスサイトの流入をより増やすためにSEO対策をおこないましょう。SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで、ユーザーがキーワード検索した際に上位表示させる施策です。例えば、以下のような施策があります。
- 狙っているキーワードをタイトルや見出し、本文に反映させる
- ディスプリクション(検索エンジンに表示される記事内容のまとめ)を設定する
- 内部リンクを最適な位置で設定する
- 外部メディア等にリンクを貼ってもらい被リンクを獲得する
このようなSEO施策から、検索エンジンの上位表示を狙って、自然流入の増加を目指しましょう。合わせて、自社のオウンドメディアを作成し、サービスサイトへ回遊を促す方法も活用できます。オウンドメディアとは、企業が所有するWebメディアを指します。
商品やサービスに特化したサービスサイトとは異なり、さまざまな角度のコンテンツが用意できるため、幅広く集客を狙えます。このオウンドメディアで集めた集客を、サービスサイトに流入すれば、売上アップにつながります。
オウンドメディアとは?成功事例30選をWeb制作のプロが目的別に紹介
SNSを活用する
SNSを活用してサービスサイトの流入を増やすのも有効です。SNSは、シェアされる仕組みがあるため、より多くの人に拡散されれば、流入を一気に増やせます。そのため、シェアしたくなるような写真・本文を意識してSNS投稿しましょう。
またSNSでユーザーと積極的にコミュニケーションをとる方法もあります。ユーザーが気軽にコメントできる仕組みを利用し、コメントへ返信するなど積極的にかかわる意識を持ちましょう。そうすれば強い信頼関係が生まれ、見込み客として流入しやすくなります。
SNSは「Instagram」「Twitter」「Facebook」など、それぞれ得意な分野があるため、事業内容に合わせて選べるかがポイントです。
オウンドメディアのSNS運用方法やポイント、企業事例を解説
インフルエンサーマーケティングの成功事例8選!SNS別に紹介
サービスサイトのまとめ
サービスサイトは、商品やサービスに特化して情報を掲載するサイトです。「見込み客が商品・サービスを購入する」というサイトの目的を達成するために、購入したくなるようなサイト設計やデザイン、コンテンツを用意できるかが重要となります。
また定期的な更新により、情報やサイトに対して安心感を与える意識を持ちましょう。そして、更新するためのリソースを常に確保し、ブラッシュアップし続ける努力が大切です。サービスサイトは作成して終わりではなく、更新作業を続けながら内容を分析し、改善していけるかが重要です。
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