BtoB企業は専門性の高い分野を扱っているため、インターネットでの検索数が少ない傾向があります。そのため、コンテンツマーケティングは費用対効果が悪いと敬遠されがちです。
しかし、コンテンツマーケティングは正しい施策を導入すれば、BtoB企業も十分な効果を得られます。実際に多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組み、成果を出しているのです。
この記事では、BtoB企業がコンテンツマーケティングを導入するメリットや運用時のポイントについて、実際の成功事例を交えて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
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【必見】コンテンツマーケティングのポイント
コンテンツマーケティングのメリットや手法を分かりやすく解説!
目次
BtoB企業がコンテンツマーケティングを行うメリット
BtoB企業がコンテンツマーケティングを導入するメリットは次のとおりです。
- 長期的な費用対効果が高い
- 専門家として認知される
- 営業先以外にリーチできる
- 第一想起率を高められる
- 営業難易度が下がる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
長期的な費用対効果が高い
コンテンツマーケティングは長期的なROI(費用対効果)が優れています。制作したコンテンツは資産として蓄積されて、コンバージョン数が増えるほどROIが改善するからです。
例えば、1本の記事を30,000円で制作した場合、初期段階では30,000円の赤字となります。しかし、コンバージョンが溜まるほど収益が増えて、やがてCPA(顧客獲得単価)が下がり黒字化するでしょう。
BtoB企業で取り扱う商材は、課題が具体的で定期的にニーズが発生するため、コンテンツマーケティングとの相性が抜群です。ただし、コンテンツマーケティングは短期間でのROIやCPAは良くないため、入念な戦略設計と長期間の継続が必要です。
専門家として認知される
コンテンツマーケティングでは、顧客の課題を解決するコンテンツを定期的に公開することで、企業が「専門家」として信頼されやすくなります。
コンテンツマーケティングの施策は、ユーザーに有益な情報を無償で提供することで行います。そのため、顧客に知識がない分野ほど効果的で、ニッチな業界であればあるほど相性が良いのです。
専門家として認知されると、企業への愛着度を示す「顧客ロイヤリティ」が高まります。顧客ロイヤリティの高いユーザーは、何か課題が生じたときは自社コンテンツを参照するようになり、ニーズが生じれば自社商材を購入するようになります。
さらに、顧客ロイヤリティの高くなると検索エンジンでの「指名検索」も増えます。指名検索は企業名やブランド名をキーワードに含めるというもので、検索エンジンの評価を高める効果があります。
営業先以外にリーチできる
コンテンツマーケティングを導入すると営業先以外にもリーチできます。これまでBtoB企業で一般的だった広告やトップ営業などでは、アプローチできる対象が限られていました。
一方で、コンテンツマーケティングはインターネット上でコンテンツを公開するため、不特定多数に情報を公開できます。特に、顧客が情報収集をする段階からアプローチできるのは、コンテンツマーケティングの大きな魅力です。
近年のマーケティング市場では「ZMOT(ジーモット)」の概念が大切です。ZMOTとは、顧客が情報を収集している段階でいかに関与するかが、コンバージョン獲得のカギを握っているという考え方です。
コンテンツマーケティングを導入すれば、顧客へ直接情報を提供して商材をアピールできます。しかも、同じ課題を抱えるユーザー同士はSNSなどで情報や口コミを共有する傾向があるため、良質なコンテンツは自然と拡散されて認知度が高まるのです。
第一想起率を高められる
コンテンツマーケティングを導入すると「第一想起率」を高めることができます。第一想起(トップ・オブ・マインド)とは、特定分野でユーザーが最初に思い浮かべるブランドです。
第一想起率が高まると、企業ロイヤリティの場合と同じく「指名検索」が増えます。顧客が企業やブランドを指名して検索すると、検索エンジンからの評価が高まるためSEOに有利です。
例えば、CPUを購入するときにユーザーが「Intel」をイメージすれば、その顧客にとってIntelが第一想起となります。顧客がCPUの比較検討を行うとき、「Intel CPU 比較」と検索すれば、Intelを指名検索したことになります。
このように顧客の認知度が高まると、ニーズが生じたときに第一想起から検索し、検索エンジンの評価が高まりコンバージョンを得やすくなります。コンテンツマーケティングは、こうした好循環を作り出してくれるのです。
営業難易度が下がる
BtoB企業は顧客のニーズが生じたとき、必ず競合他社と比較検討されることになります。BtoBマーケティングでは「営業」が注目されます。しかし、コンバージョンを得るためには、その前段階に位置する「想起」が重要です。
顧客にニーズが生じたとき、商材選定の段階で自社商材が想起されなければ、そもそも比較対象のリストに挙がりません。その状態で営業をかけても、選定対象に自社商材が加わることは難しいでしょう。
コンテンツマーケティング導入してオウンドメディアなどを運営していると、顧客の認知が高まるだけではなく、専門家や第一想起としての立場を作り出します。顧客の印象が良くなることで、営業の難易度も下がりやすくなります。
良質なコンテンツを継続的に公開していると、外部企業からの被リンクも獲得しやすくなります。各方面から注目されることで信頼度が高まり、コンバージョンのための営業もさらに成功しやすくなるでしょう。
BtoBコンテンツマーケティングの成功事例5選
BtoB企業がコンテンツマーケティングを導入して、成功した事例を5つご紹介します。
- 製造業「キーエンス株式会社」
- 会計システム「株式会社freee」
- SaaSツール「HubSpot Japan株式会社」
- コンサルティング「株式会社ルーシー」
- サイト制作「株式会社ニュートラルワークス」
いずれも専門的な分野で優れた成果を達成しています。ぜひ参考にしてみてください。
BtoCを含めたコンテンツマーケティングの成功事例は、下記の記事をご覧ください。
コンテンツマーケティング成功事例24選!BtoB、BtoC別の手法も解説キーエンス株式会社(製造業)
「キーエンス株式会社」は精密機器などの製造販売を行う製造業の企業です。同社は自社で向上を持たないことや、利益率が高いことから年商4,000億円を上回る大企業ですが、BtoBマーケティングでも優れた成果を達成しています。
同社のコンテンツマーケティングは「オウンドメディア」「コンテンツSEO」「ホワイトペーパー」「メールマガジン」を組み合わせて運営しています。集客チャネルの約7割がオウンドメディアで、サイト内にホワイトペーパーのダウンロードやメルマガ登録など、導線設計も適切に行われています。
特筆すべきはホワイトペーパーの内容と品質です。同社のホワイトペーパーは自社商材を宣伝するためではなく、「顧客の知りたいこと」を伝える内容になっています。例えば、誤作動の少ないセンサーの設置方向といった技術的なものから、中小企業が受けられる税制優遇などのお役立ち情報などです。
また、同社のメルマガ配信体制も洗練されています。問い合わせ内容や閲覧率、開封率などで会員をスコアリングして、会員の興味やニーズに適合するメルマガが送信されるようになっています。メルマガは各事業部の営業担当が執筆しているため、品質管理も万全です。
BtoB企業のコンテンツマーケティングでは、どうしても自社商材のプッシュを意識しがちです。しかし、成果を出すためには企業目線ではなく、顧客目線で必要な情報を提供することが大切です。
既存顧客を管理して効率的なコンテンツマーケティングを行う「Give」の精神は、どんな業界や商材でも見習えるところです。
株式会社freee(会計システム)
「株式会社freee」は会計システムを運営している企業です。同社は経理や財務、人事や労務に関する情報を提供するオウンドメディア「経営ハッカー」や、各種SNSのアカウントを活用してコンテンツマーケティングを行っています。
経理や人事などに関する業務は専門的なため、専門家からの情報提供がなければ分かりづらい分野です。企業の経理担当者や個人事業主を対象として、知識を提供して同社の会計ソフトへの認知度を高めるのがメディアの運営目的です。
同社のメディアのジャンルは多岐にわたりますが、分かりやすく分類されていてユーザーの疑問に対して明確な解決策を示しています。専門的な記事は各分野の専門家が監修しているため、ファクトチェックも万全で信頼性を担保しています。
ホワイトペーパーやeBookへのアクセスには、無料の会員登録が必要となっています。個人情報を獲得するための導線設計も徹底していると言えるでしょう。
また、同社はFacebook(フォロワー3.8万人)やTwitter(フォロワー1.6万人)の公式SNSアカウントや、YouTubeチャンネル(チャンネル登録1.5万人)などのメディアも運営しています。SNSアカウントでは自社のサービスや新着記事の紹介、YouTubeチャンネルでは経理や労務などに関するお役立ち情報を提供しています。
さまざまな施策を組み合わせて顧客に有益な情報を提供し、リード獲得のための導線もしっかり設置されている点は、コンテンツマーケティング導入時の参考になるでしょう。
HubSpot Japan株式会社(SaaSツール)
「HubSpot Japan株式会社」は中小企業のコンテンツマーケティング活動のサポートや、SaaSツールの提供を行っている企業です。同社はオウンドメディアを運営していています。
これまでに培ったノウハウや最新の情報を倫理的かつ簡潔に記載しているため、コンテンツ全体の信頼性が高く説得力があります。同社のコンテンツマーケティング施策はブログによるコンテンツSEOがメインですが、eBookや事例資料も公開しています。
同社は多国籍企業ということもあり、世界各国のコンテンツマーケティングの事例を紹介しているコンテンツも見受けられます。他社との差別化を図ることができる強みだと言えるでしょう。
コンテンツの最初にはeBookのダウンロードリンクが設置されていて、読者の興味をひきつけます。内部リンクも適度に設置されていて、顧客が求める情報を提供できるように工夫されています。記事の最後には改めてeBookのダウンロードと、公式SNSアカウントへのリンクが設置されています。導線設計も最適化されていると言えるでしょう。
特定の業界に関する専門知識は、企業秘密という側面もあるため、どうしても情報提供をためらいがちです。しかし、情報を提供することで売上が低下するのであれば、コンテンツマーケティングでこれほど多くの企業が成功を収めることもありません。
株式会社ルーシー(コンサルティング)
「株式会社ルーシー」はWebマーケティングのコンサルタント企業です。同社は「バズ部」というオウンドメディアで、コンテンツマーケティングに関する専門知識を提供しています。
コンテンツマーケティングの導入初期段階や改善策の検討段階など、マーケティング担当者に有益な情報を扱っています。各コンテンツの最後には、eBookのダウンロードやSNSアカウントへのリンクが設置されており、導線確保も徹底していると言えるでしょう。
特筆すべきはオウンドメディアの記事とeBookの品質です。記事の内容は、単なるコンテンツマーケティングの施策や方法論だけではありません。世界各国の企業のマーケティング施策例や大学における専門家の講義内容、ジャーナリズムの手法に至るまで、コンテンツマーケティングを超えた領域の知識まで提供しています。
ダウンロードできるeBookの数は少なく、基本的には「バズ部式マーケティング」のみです。しかし、このeBookは同社のコンテンツマーケティングを総括した内容となっており、これだけで重要な知識をカバーできるでしょう。
同社の膨大な情報提供を体感した顧客は信頼感を高め、コンサルティングのニーズが生じたときは同社へ依頼したいと感じるはずです。
他の成功事例にも該当しますが、コンテンツマーケティングでは顧客目線に立った情報提供を徹底する必要があります。情報を包み隠さず公開することで、顧客の関心を高めることができるのです。
株式会社ニュートラルワークス(サイト制作)
「株式会社ニュートラルワークス」はWebサイト制作会社で、コンテンツマーケティングの記事制作の代行やオウンドメディアサイト制作など、コンテンツマーケティングに関するサービスを展開しています。ニュートラルワークスは集客から成果に至るまでのWebマーケティングを踏まえた上での「提案力」を強みとしており、コンテンツマーケティングで課題を抱えている企業に最適な解決策を提供しています。
ニュートラルワークスへ記事制作を依頼することで、ニーズが顕在化していないユーザーの認知を高めて、潜在顧客との接点を確保しやすくなります。良質なコンテンツが自社サイトに蓄積されるため、集客効果を維持し続けてROIやCPAを改善しやすくなることも魅力的です。
ニュートラルワークスは自社のオウンドメディアでは検索流入数が34倍、コンバージョンの獲得件数が24倍と、クライアントサイトだけでなく自社サイトでも確実な実績を達成しています。
大手広告代理店での実力のあるコンテンツディレクターや300名を超えるライターネットワーク、迅速なサポート体制の確保が同社の魅力です。単にSEOに強いキーワードを選定するだけではなく、顧客のニーズに応じたコンテンツ設計や導線設置を行います。
コンテンツマーケティングでは、信頼性や法律上の制約が問題になることがあります。ニュートラルワークスはライターネットワークを駆使して、薬事法を始めとした難解な分野にも対応可能です。
各種専門家の監修のもとでファクトチェックも行われるため、専門性の強い分野でも安心して依頼できます。自社メディアの運営で問題を抱えている場合は、ぜひニュートラルワークスにご相談ください。
BtoBコンテンツマーケティング運用の4つの難しい点と対策
BtoBコンテンツマーケティングを運用する際は、下記の4つの点で問題が生じやすいです。
- コンテンツの企画力が足りない
- コンテンツ制作リソースが足りない
- コンテンツの管理が不十分
- 短期の成果が求められる
いずれもプロジェクトの継続を妨げる原因になるため、対策方法を確認しておきましょう。
コンテンツの企画力が足りない
コンテンツマーケティングでは、コンテンツを制作してプロジェクトを運営する必要があります。マーケティングの成果を出すためには、有益な情報を発信するための企画力が欠かせません。
しかし、自社内でコンテンツの企画力に長けた人材がいなければ、プロジェクトは企画段階で頓挫してしまいます。コンテンツを企画できる人材がいたとしても、さまざまなノウハウや工夫が必要です。
コンテンツを企画するときは、顧客や営業担当者とコミュニケーションを取ることが大切です。検索キーワードによってユーザーのニーズと行動が変わります。想定している内容と実態が異なると、アクションやコンバージョンにつながりません。
事前にヒアリングを行ってから企画を提出すると、成果を上げやすいコンテンツ設計を行えます。顧客目線に立ったコンテンツ企画を常に意識しましょう。
特に、BtoBコンテンツの場合はエンターテインメント性よりも、専門性や正確性がより求められることに注意が必要です。企画の段階からファクトチェックを意識しておかないと、後の工程で問題が発生することもあります。
また、コンテンツを必ずしも頻繁に制作し続ける必要はなく、後述するように記事の品質管理や修正が主なタスクになることもあります。
コンテンツ制作リソースが足りない
コンテンツマーケティングを導入する際は、社内リソースの確保が課題になります。ディレクションやライティングなどの業務をインハウス化する場合、既存業務がある場合はコンテンツ制作のリソースが不足することがあるからです。
良質なコンテンツを製作するためには、的確な戦略設計や執筆体制の確保が欠かせません。そのため、不足したリソースでオウンドメディアの運営を強行すると、コンテンツの質が下がってしまい、期待した集客効果を得られない可能性があります。
社内リソースを確保できなかったりノウハウがなかったりする場合は、一部の業務で外部リソースを活用すると、マーケティング施策の運営を効率化できます。外部パートナーを利用する際は、発注範囲を明確にしておくことが大切です。
例えば、サイト運営自体はインハウス化して記事執筆を外部ライターに依頼したい場合は、先ほどご紹介した「ニュートラルワークス」などの記事執筆代行会社がおすすめです。
なお、BtoB企業のコンテンツは専門性が要求されるため、ライターの技量だけではなくディレクション体制を整えることも大切です。
記事制作には複数のメンバーが関わるため、それぞれが協力しながら能力を発揮できるように、指導力のあるディレクターの存在が欠かせません。人材の確保はコンテンツマーケティングのカギだと言えるでしょう。
コンテンツの管理が不十分
インターネット上に公開したコンテンツは、全てがユーザーに閲覧される可能性があります。そのため、掲載前のコンテンツの品質管理を徹底することはもちろん、公開後も情報の更新を行うことが大切です。
コンテンツの品質が低かったり正確性に問題があったりすると、メディアだけではなく企業の信頼も失いかねません。品質の低いコンテンツは、SNSなどの口コミの拡散でさらに評価が下がる恐れもあります。
特に、税制や法律、技術に関連するコンテンツは専門性が高く、情報が誤っているとユーザーが損害を受けることがあります。
これらの分野では、1年ごともしくはそれより高い頻度で、制度の変更や技術革新などが起こる可能性があります。適切なタイミングでの情報の更新は欠かさずに行いましょう。
コンテンツの管理や更新は、基本的に「リライト」によって行います。リライトとは、既存記事の一部を書き直して、ブラッシュアップを図る行為です。定期的なリライトを行うと、メディアの情報を常にフレッシュな状態に保てます。
また、定期的なリライトは検索エンジンに再評価を促すため、SEOに有利なこともあります。実際に株式会社WACULが行った調査によると、1か月あたり5記事以上のリライトを行っている企業は、コンテンツマーケティングの成果が高まりやすいようです。
短期の成果が求められる
コンテンツマーケティングで成果を上げるためには長期間の継続が必要です。そのため、企業が短期間でリードやコンバージョンの確保を求める場合は、コンテンツマーケティングは向いていません。
特に、コンテンツマーケティングに対して社内で理解が進んでいない場合は、マーケティング担当者に相当のプレッシャーがかかります。そうしたケースでは、十分な時間をかけた戦略やコンテンツ設計ができず、コンテンツの品質は不十分なものになるでしょう。
コンテンツマーケティングの導入には、中長期的な観点に立った戦略設計が欠かせません。そのために適切な「KGI(重要目標達成指標)」と「KPI(重要業績評価指標)」を設計しましょう。
KPIはプロジェクトの進行状況に応じて更新することが大切です。導入初期はサイト分析に必要な数値情報も収集しづらいため、コンテンツ制作数を効果測定の対象とします。半年ほど継続したら、PV数やCV数など具体的な収益に結び付くKPIを設定しましょう。
コンテンツマーケティングは従来型の手法とは一線を画しています。特に、リスティング広告などのような費用を支払えばすぐ結果が出る施策とは異なるため、企業側の視点や思考も変えていく必要があるでしょう。
BtoB企業がコンテンツマーケティングで成果が出ない場合に見直す3つのポイント
BtoB企業がコンテンツマーケティングを行っても、次の3つのいずれかに該当する場合は成果を出せません。
- 営業担当との連携がうまく行っていない
- 記事コンテンツの質が悪い
- 獲得リードの質が悪い
上記の点について何が問題なのか、どうすれば改善できるのかについて確認していきましょう。
営業担当との連携がうまく行っていない
コンテンツマーケティングの究極的な目的は、コンバージョンの向上にあります。しかし、マーケティング担当者と営業担当者が連携できていない場合は、効率的な営業ができません。
リードの獲得に成功したとしても、依然として見込み度が低い顧客は成果につながりにくいため、営業担当者にとっては優先度が低いのです。
BtoB企業のコンテンツマーケティングでは、リードマネジメントのノウハウが重要になります。リードジェネレーションで獲得した見込み客は、リードナーチャリングで自社商材に関する教育を行いましょう。
さらに、見込み度が高い顧客をリードクオリフィケーションで選別して、適切なタイミングで営業担当に引き渡します。
リードクオリフィケーションのポイントは、スコアリングなどのシステマティックな方法を導入することです。例えば、eBookのダウンロードやセミナー参加などのアクションを起こしたリードは加点して、さらに顧客の役職によってもスコアリングを行うなどです。
営業部門との連携を強化するためには、インサイドセールス部門やリードナーチャリングなど、リード期間の長さと見込み度に応じた施策を打つことが大切です。
記事コンテンツの質が悪い
オウンドメディアなどで公開する記事コンテンツの質が悪いと、コンテンツマーケティングの成果を得られません。BtoB企業は取り扱う商材の専門性が高いため、顧客が求めるコンテンツも専門的なものになります。
コンテンツマーケティングでは外部パートナーを活用することもありますが、企業の商材への理解がない外部ライターでは満足のいくコンテンツを制作できないかもしれません。
そのため、BtoB企業のコンテンツマーケティングは内製化する方が望ましいですが、社内でライティング能力の高い人材を起用するのは困難なこともあります。
そこで重要になるのが編集部や現場のチェック、構成作成などコンテンツの品質を担保できる環境です。SEO対策や構成の制作、フィードバックの体制まで構築しておけば、外部ライターへの発注も行いやすくなるでしょう。
もし外部パートナーに業務の大半を委託する必要がある場合は、実績や経験を考慮することはもちろん、担当者の問題解決能力やコミュニケーション能力などの資質を見極めることが重要です。
企業の業界や商材を理解して、求めるコンテンツを制作できる外部パートナーでなければ、コストに見合わない結果を招くことになってしまうでしょう。
獲得リードの質が悪い
獲得したリードの質が悪いと、コンテンツマーケティングの成果がなかなか出ないことがあります。「質の悪いリード」とは「見込み度の低いリード」のことです。リードを獲得したからといって、必ずしも見込み度が高くてコンバージョンを獲得できるわけではありません。
獲得したリードを有効活用して成約につなげるためには、リードナーチャリングを行って見込み度を高めから営業部門へ引き渡すことが大切です。
また、コンテンツの導線やリードナーチャリングの戦略設計が適切に行われていない場合は、見込み度の低いリードが増えてしまうことがあります。例えば、ホワイトペーパーをダウンロードした顧客に、いきなり商談を取り付けても成功しません。
資料をダウンロードした顧客には、オンラインセミナーを行ってさらにノウハウを提供して、事例資料で商材の魅力をアピールしてから商談へ進めるなど、滑らかな段階を踏んでリードを育成できる体制を構築することが大切です。
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【初心者必見】BtoBマーケティング入門ガイド
BtoBマーケティングの始め方や進め方などを分かりやすく解説!
BtoB企業の7種類のコンテンツマーケティング方法
BtoB企業がコンテンツマーケティングの代表的な施策には、次の7種類のものがあります。
- オウンドメディア
- ホワイトペーパーや事例資料
- メールマガジン
- 書籍
- SNS
- 動画コンテンツ
- トライアルや無料ツール提供
ぞれぞれの施策のメリットやデメリット、相性の良いリードの検討段階について確認しておきましょう。
オウンドメディア
「オウンドメディア」は自社サイトで顧客に情報を提供する施策です。コンテンツマーケティングで主流の手法で、主にブログ形式でコンテンツSEOの記事を制作します。オウンドメディアは、自社やブランドへの認知度や顧客ロイヤリティ向上、新規リード獲得など、様々な目的に貢献することができます。
オウンドメディアのメリットは、メディア自体が長期的な集客効果を発揮する資産となり、顧客から「専門性の高い企業」と認識されることです。一方で、リードやコンバージョンを効果的に獲得できるまでに半年以上かかり、短期間での費用対効果が悪いことがデメリットです。
オウンドメディアは顧客が検討を開始する前の段階、つまりリードジェネレーションに向いている施策です。記事を制作するときはSEO対策を意識することはもちろん、ユーザーの検索意図に応じた解決策を提示して、文脈に応じた導線を設置することです。
オウンドメディアの制作にはさまざまな分野における知識やノウハウが必要になります。そこで、必要に応じて外部パートナーを活用するのがおすすめです。「ニュートラルワークス」はオウンドメディアの検索流入数を34倍、コンバージョンの獲得件数を24倍にまで成長させた実績があります。オウンドメディアの導入時はぜひ検討してみましょう。
ホワイトペーパー・事例資料
「ホワイトペーパー(eBook)」や「事例資料(サービス資料)」は、企業のノウハウを提供したり商材を紹介したりするためのものです。ホワイトペーパーはユーザーに専門知識を分かりやすく解説して、事例資料は自社の商材や実績を宣伝することが特徴です。
ホワイトペーパーや事例資料のメリットは、顧客情報の獲得やリードの育成を行いやすいことです。事例資料は商談の決め手になることもあります。一方で、資料作成時は構成内容にちゅうが必要で、手間がかかることがデメリットです。
ホワイトペーパーや事例資料は、リードを獲得した後のリードナーチャリングに適しています。ホワイトペーパーはリード育成の初期段階、事例資料は中期以降で顧客に提供するのがおすすめです。
ホワイトペーパーと事例資料は役割が異なります。ホワイトペーパーはオウンドメディアと同様に、顧客への情報提供に徹しましょう。一方で。事例資料は自社商材をプッシュして、顧客にコンバージョンを促すためのものです。他の施策からの導線としても活用しましょう。
ホワイトペーパーとは?作り方と目的、デザインサンプル事例
【BtoB】ホワイトペーパーのマーケティング事例7選!サンプル事例ご紹介
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【リード獲得に直結】ホワイトペーパー制作
Webのスペシャリストが見込み顧客・リードを獲得するホワイトペーパーを制作します
メールマガジン
「メールマガジン」は企業が獲得したリードへメッセージを一斉に送信する施策です。メルマガは古くから活用されており、自社商材の宣伝を行うことや第一想起率を高めることが目的です。
メールマガジンのメリットは、大量の顧客に宣伝効果が及ぶことや、高額商材のコンバージョンに繋がりやすいことです。ただし、潜在顧客には効果がないことや開封率が低いことには注意が必要です。
メールマガジンはリードナーチャリングの初期段階に効果的です。定期的にユーザーとの接触が生まれるため、顧客にニーズが生じたときに自社ブランドを思い出してもらえる可能性が高まります。
メールマガジンにはさまざまな手法があり、うまく活用すれば顧客の見込み度に応じて適切な内容のものを送ることもできます。例えば、特定の資料をダウンロードした顧客に対して数日おきに順を追って解説を続ける「ステップメール」は、見込み度の向上に役立ちます。
コンテンツマーケティングのメルマガ活用!メルマガのコツを解説書籍
「書籍出版」は紙媒体の書籍を出版して、自社の商材や哲学などについて解説するマーケティング施策です。なお、アメリカの科学雑誌「Scientific American」によると、紙媒体の情報はディスプレイ媒体よりも知識になりやすいという魅力があります。
書籍出版のメリットは信頼度を高めやすいことや、読者の五感に訴求しやすいことです。出版により「著者」や「専門家」としての地位を確立できます。一方で、出版に高額な費用が必要なことや情報修正が困難なことがデメリットです。
書籍出版はリードジェネレーションに適したマーケティング施策です。ただし、顧客と頻繁にコンタクトを取ることはできないため、リードナーチャリングや見込み度の向上には向いていません。
書籍出版を行うときは、自身のエピソードや仕事に対する熱意を包み隠さず伝えることが重要です。他の施策では難しい「人間味」をあえてアピールすることで、読者の共感やソートリーダーリップを獲得しやすくなります。
SNS
「SNSマーケティング」はTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを活用して行う施策です。総務省の調査によると、令和元年に約7割の個人が何らかのSNSを利用しています。企業のSNSアカウントも増えており、幅広い顧客層へアピールできるのが魅力です。
SNSマーケティングのメリットは、SEO対策が不要なことやユーザー同士の拡散を期待できることです。一方で、アカウントが炎上するリスクが常にあることや、誤情報の修正が困難なことがデメリットです。
SNSマーケティングは幅広い潜在顧客の中からリードを獲得するフェーズに最適です。ただし、個人に対する細やかなサポートは行いづらいため、リードナーチャリングにはあまり向いていません。
SNSマーケティングでは、コンプライアンスや担当者のリテラシーが求められます。不用意な発言は避けて、必要な情報を簡潔に提供するスキルが必要です。また、事前に炎上対策を行っておくなど、運用体制の構築も欠かせません。
コンテンツマーケティングのSNS活用法は、下記の記事をご参考ください。
コンテンツマーケティングでSNSは結果につながる?媒体別の活用事例と注意点動画コンテンツ
「動画マーケティング」はYouTubeやInstagramなどの動画共有サービスを活用する施策です。顧客に有益なノウハウや自社商材の魅力を動画という形式で公開することで、潜在顧客へアピールすることが目的です。
動画マーケティングのメリットは、視覚や聴覚へ直感的に訴求できることや、動画自体が宣伝効果を発揮し続ける資産となることです。一方で、動画制作にさまざまな専門知識やコストが必要なことや、コンテンツの内容によっては企業の評価が低下するリスクがあります。
動画マーケティングはSNSと同様に、潜在顧客からリードを獲得するための施策として効果的です。ユーザー同士の拡散効果も期待できるため、コンテンツの品質が良ければ相当数のリードを確保できるでしょう。
ただし、戦略設計によってはリードナーチャリングにも効果的です。例えば、一定のまとまりのある動画シリーズを作成して、有益な知識情報から徐々に商材の紹介へ移行していくなどです。
トライアル・無料ツール提供
「体験型マーケティング」は、一定期間のトライアルや無料お試しセット、無料ツールなどを顧客に提供する施策です。実際に商材をユーザーに試してもらうことで信頼感を高めて、商材購入へのハードルを下げることが主な目的です。
体験型マーケティングは顧客が商材を具体的に体感できることや、コンバージョンへ直結しやすいことがメリットです。しかし、商材を無償提供するコスト負担や、商材の種類によっては実施しにくいことがデメリットです。
体験型マーケティングは、リードナーチャリングの最終段階に達した顧客に対して有効です。もしくは、リードナーチャリング初期段階の顧客に提供することで、一気に成約へ結びつく可能性もあります。
体験型マーケティングを導入するときは、無料期間や機能制限の有無を考慮することが大切です。例えば、無料期間が短すぎると効果を実感できず、逆に長すぎると購入意欲が低下する可能性があります。また、商材がソフトウェアの場合は無料版の機能を制限しすぎると、製品の魅力を伝えきれないことがあるため注意が必要です。
BtoBのコンテンツマーケティングは戦略的に
BtoB企業のコンテンツマーケティングは、リード期間の長さや見込み度、商材の専門性などを考慮した戦略設計が欠かせません。成功事例や勝ちパターンをどれだけ知っているかで、BtoBマーケティングの成功率は大きく変わります。
今回ご紹介した5つの事例は、どれも優れた成果を達成したものばかりです。どんな業界でも役に立つ内容なので、ぜひ自社のコンテンツマーケティング施策の参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングでは、さまざまな分野に関する知識やノウハウが必要です。そのため、必要に応じて外部パートナーを活用しながら進めると効率的に成果を出せます。
「ニュートラルワークス」は自社メディアの検索流入数を34倍に、コンバージョンの獲得件数を24倍にまで成長させた実績があります。BtoB企業のコンテンツマーケティングは、ニュートラルワークスにぜひご相談ください。