この記事のポイント
この記事でおさえておきたいポイントは以下です。
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広告効果とは
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広告効果は、「接触効果」「心理効果」「売上効果」に分類されます。接触効果は認知度を高める役割があり、心理効果はユーザーが商品やサービスの内容を理解することを促します。最後に、売上効果は実際の購入行動に結びつくものです。これらの効果を組み合わせ、広告の成功を測定することが重要です。
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広告効果モデルとAIDMAの法則
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AIDMAモデルは、認知から購入までの消費者の行動を「Attention(認知)」「Interest(興味)」「Desire(欲求)」「Motivation(動機)」「Action(行動)」という5段階で示します。これにより、広告効果を段階的に分析し、改善点を把握できます。
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Web広告の効果測定基準
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Web広告では、「Imp(インプレッション)」「CTR(クリック率)」「CVR(コンバージョン率)」など、複数の指標で効果を測定します。これにより、広告がどれだけ見られたか、興味を引いたか、最終的に行動に結びついたかを評価し、費用対効果を最適化します。
Webやマス広告の出稿後には「費用対効果は良かったのか?」の効果測定を広告ごとに行う必要があります。ですが、広告の効果測定はどのように行えばいいのでしょうか?この記事では、広告の効果の定義やWebなどの媒体ごとの効果測定方法を詳しく解説します。効果測定における成果指標について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
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広告効果とは
広告効果とは、広告を出す前と出したあとで、どの程度効果があったかの「変化」を数値で比較し見える化することです。広告の出稿で、どの程度顧客が増えたのか?どの程度会員が増えたのか?などの数値を前後で比較します。ウェブ広告では、
- ページビューの増減
- 会員数の増減
- 商品・サービス売上の増減
- リピートユーザーの増減
などコンバージョンの増減を基本指標とします。ウェブサイト運用では、バナー広告やリスティング、メルマガ、SEOやSNSなど多様な施策が存在しますが、それらの効果を測るには、ウェブに関するより深い知識と経験が必要になります。
反面、広告運用や広告効果などの知識があることで、広告効果を正しく測定し効率的に数値を改善できるようになり、コンバージョンアップにつながります。また、広告効果には主に下記の3つに分類できます。
1.接触効果
接触効果は、広告を通して自社商品・サービスの認知度を高める効果です。商品がニッチであったり新商品である場合、ユーザーに知られていない状態からのスタートになります。広告を出すことで、ユーザーとの接点をつくり、商品やサービスの認知度を高めていきます。接触効果は、商品を「知ってもらう」フェーズです。
2.心理効果
心理効果は、広告を出すことでユーザーに商品・サービスについての理解を深めてもらう効果です。商品やサービスを購入してもらうには、まずはどのような商品・サービスなのかをユーザーに理解してもらう必要があります。たとえばどのような機能があって、どんな利点があるかなどです。心理効果は、商品を「理解してもらう」フェーズです。
3.売上効果
売上効果は、広告を出したことによりユーザーからの購入へのアクションにつながる効果です。ユーザーが広告を見たことで、資料請求や購入などの行動が起こります。売上効果は、商品「購入してもらう(行動してもらう)」フェーズです。
広告効果の定義は商品・サービスにより異なりますが、ウェブ広告は上記3つの「接触効果」「心理効果」「売上効果」の3つのどれかに必ず属するということを覚えておきましょう。
広告効果モデルについて
広告効果モデルには、目的と関連して主に3通りの考え方が存在します。
- マーケティング・ミックスモデル
- 効果階層モデル
- 統合モデル
このうち「マーケティング・ミックスモデル」は、広告以外の製品や価格、流通などもミックスさせた考え方であるため、この章では「効果階層モデル」について解説します。効果階層モデルとは、広告への反応がある順序に従って起きると仮定したモデルを指し、代表的な例としては、「AIDMA」と「AISAS」があります。
広告効果モデル・AIDMAの法則
効果階層モデルのうち、ウェブ広告でもよく用いられているAIDMA(アイドマ)の法則は、広告宣伝において消費者がどのような行動パターンを取るのかを、5つの階層で示したモデルです。
- A(Attention)認知
- I(Interest)興味・関心
- D(Desire)欲求
- M(Motivation)動機
- A(Action)行動
広告効果の測定方法
では、広告効果はどのように測定するのでしょうか?テレビCMや紙媒体の効果測定方法と、ウェブ広告の効果測定方法を詳しく紹介します。
テレビCMの効果測定指標:GRP
テレビCMの効果測定指標は、おもにGRP(Gross Rating Point)を使用します。GRPは、「延べ視聴率」とも呼ばれ、テレビCMが放映された瞬間の「世帯視聴率」から算出します。
GRPの算出方法:テレビCM放送時1分ごとの視聴率の和
たとえば、毎分視聴率が10%の時間帯で、CMを2本流した場合は、10%×2=20GRPとなります。GRPは、CM放映決定以前に、どのくらいの頻度でCMを流すべきかを決める参考指標としても使われます。
紙媒体の広告効果測定方法:CPR
雑誌や新聞などの紙媒体での広告効果を測定するには、CPR(Cost Per Response )を用います。CPRは、コンバージョン1件あたりのコストのことです。CPR(Cost Per Response)に似た指標として「CPA(Cost Per Action)」がありますが、基本的にはどちらも広告にかけた費用がどの程度コンバージョンとして効果があったかを測る指標です。
CPRの算出方法:広告費÷設定したコンバージョン数=CPR
たとえば、広告費に30万円を投入し、目標コンバージョンとする会員登録が100件あった場合、300,000÷100=CPRは3,000円となります。
Web広告の広告効果測定方法:Imp、CTR、CVR、CPC、CPA
ここからいよいよ、ウェブ広告の効果測定基準について見てみましょう。ウェブ広告の効果測定では、おもに「Imp」「CTR」「CVR」「CPC」「CPA」という5つの測定基準を用います。
Imp(インプレッション)
Impは、Impressionの頭文字で、ウェブサイト上に表示された広告が見られた回数を表します。Impressionとは、英語で「感想」や「印象」を表す名詞ですが、ウェブ業界では広告がユーザーに届いた回数として使われています。
Impのカウント方法:ページビュー(PV)×広告掲載数=インプレッション
広告が掲載されているページが1度閲覧されれば、それを1Imp(インプ)としてカウントします。ただし注意点があります。それは掲載メディアによって、1インプのカウント方法が異なることです。
たとえば、SNSのFacebookではタイムラインに表示されて初めて1インプとしてカウントされますが、検索エンジン大手のYahoo!ではページを開いた際1度でも広告が表示されれば、それを1インプとしてカウントします。
インプレッションは広告の表示回数であり、ユーザーからのクリック数ではない点も押さえてください。あくまでページが表示され、ページ上に掲載されているウェブ広告がユーザーの目に留まっているという前提でのカウント方法です。
インプレッション(imp)とは?PVやリーチとの違い、カウント方法を解説
Web広告の管理ツールで頻繁に見かけるインプレッション(imp)とはどのような指標なのでしょうか?PVやリーチ、エンゲージメントとどう違うのでしょうか?適切な指標管理を行う上で絶対に知っておきたい、インプレッション(imp)の基本を解説します。
CTR(クリック率)
CTRはClick Through Rateの略で、「クリック率」とも呼ばれています。クリック率は、表示された広告がどの程度の割合でユーザーにクリックされているかを測る指標です。
CTRの算出方法:広告のクリック回数÷広告の表示回数(×100)
ウェブ広告は、テレビCMや紙媒体のようにただ表示されているだけでは意味がなく、ユーザーから広告をクリックされてはじめて効果を発揮します。
そのため、ユーザーからクリックされやすいデザインやフレーズを選ぶなど、常に改善が必要です。同じ訴求内容でも言い回しやフォントを少し変えるだけでクリック率がアップすることは多いので、A/Bテストなどを実施してどのデザインがCTRが上がるのか、マーケティング施策を行いましょう。
CTR(クリック率)とは?広告、SEOでの平均%、CTRの改善方法を解説
CTR(クリック率)は広告やSEOでのWeb集客を考えるのに欠かせない用語です。CTRの意味と、どのくらいの%なら問題ないのか、広告・SEOそれぞれでの改善方法を解説します。
CVR(コンバージョン率)
CVRはConversion Rateの略で、「コンバージョン率」と言われています。コンバージョン率は、ウェブサイトやランディングページに流入したユーザーがコンバージョンを発生させた割合を測る指標です。
CVRの算出方法:CV数(商品購入や会員登録などの設定したコンバージョン数)÷広告のクリック数(×100)
たとえば、ウェブサイトのアクセス数(ユニークユーザー数かページビュー数)が10,000UU(PV)でコンバージョン数が50件だとすると、
50÷10,000×100=5%のCVRとなります。
CVRは各自設定したコンバージョンに直結する指標のため、広告の効果測定でもっとも重視すべき指標と言えます。コンバージョン率のベンチマークは業界によって異なるので、自社の業界ベンチマークを参考に自社CVRを設定しましょう。ちなみに、各業界のCVRベンチマークを見てみると、
- 金融業界/ビジネスサービス ▶ 10%
- 教育/ヘルスケア ▶ 8%
- 旅行/ホテル ▶ 4%
- 流通/コマース ▶ 3%
CPC(クリック単価)
CPCは、Cost Per Clickの略で、「クリック単価」とも呼ばれ、コストパフォーマンスを測る指標です。ウェブ広告を出稿した際、1クリックにいくらコストがかかっているかを算出します。
CPCの算出方法:広告出稿費用÷クリック数
CPCが低いことは、広告コストが抑えられていることを意味しますが、CPCの低さに囚われてしまうのはよくありません。1クリックあたりのコストが低くなっても、肝心のコンバージョン数が増えなければ、売上アップにつながらないからです。
スタートアップや個人事業主など、限られた予算の場合は、初期段階では低いCPCであることは大切かもしれません。しかしCPCが低くても肝心の商品・サービス購入が促されていないのであれば、CPC以外の広告効果であるCVRやCTRなどに重点を置く必要があるでしょう。
クリック単価(CPC)はどう決まる?相場の調べ方や決め方のポイントを解説
CPA(新規顧客の獲得単価)
CPAは「Cost Per Action(Acquisition)」の略で、コンバージョン1件あたりの広告コストです。1人の新しい消費者が商品・サービスを購入する、あるいは会員登録するのにかかった費用のことであり、新規顧客を獲得するのにかかったコストのことでもあります。
CPAの算出方法:広告費÷CV数
例えば、広告費が100万円でCVが30であれば、CPAは3,333円です。また、似た言葉に「CPR(Cost Per Response)」「CPO(Cost Per Order)」がありますが、どれも新規顧客1人あたりの獲得単価を表す言葉です。
CPAとは?リスティングにおける最重要指標!改善のポイントを解説
CPAとは?広告のプロが計算方法と改善ポイントを解説
より精度の高い広告効果測定ができる3つの指標
ここまで基本的な測定指標を5つ紹介しましたが、それよりも的確に効果が測定できる指標について解説します。
・Total CPA
・ROAS
・LTV
それぞれ見ていきましょう。
Total CPA
インターネットが普及した今、広告媒体が新聞・テレビからインターネットに代わってきています。そうした環境では、消費者はSNS広告・記事広告・Yahoo!広告・Google広告といった複数の広告を見てCVに至ることがほとんどです。ところが、従来のCPAではCVに至った最後の広告が評価されます。
例えば、最初にSNS広告で認知し、記事広告で興味を覚え、最後にGoogle広告でCVに至ったとします。CPAでは、Google広告がCVに貢献したという評価になり、途中のSNS広告、記事広告は評価されませんでした。これでは正確な広告効果の測定ができているとは言えません。
そこでTotal CPAでは、CVに至るまでに見た広告すべてを評価することにし、広告の効果をより正確に測定できるようにしたのです。
ただし、Total CPAを測定するには、CVに至るまでの途中の広告の貢献度を可視化する必要があります。それができるのが、アトリビューション分析です。この分析を活用するには、アトリビューション分析が可能なツールを導入する必要があります。興味がある方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ROAS
ROASは「Return On Advertising Spend」の略です。マーケティング用語に訳すと「広告費用対効果」「広告費回収率」といったところです。
ROAS(%)の算出方法:広告経由の売上高÷広告費
例えば、広告費が100万円で、広告費経由の売上高が125万円とすると、ROASは125%です。100%で広告費が回収できた計算です。ROASは短期的な視点ではなく、長期的な視点で「最終的にどれだけの収益を出せたか」を測定する指標です。
LTV
LTVは「Life Time Value」の略です。マーケティング用語に訳すと「顧客生涯価値」です。新規顧客が生涯にわたってどれだけの利益をもたらしてくれるのかを表す指標です。これも、CPAなどの短期的な視点ではなく、長期的な視点で考えられています。
LTVは「顧客の質」を見極める指標です。獲得した新規顧客の中でも、リピート率が高かったり、客単価が高かったりと”質の高い”顧客と、そうでない顧客がいます。売上に貢献してくれる顧客が質の高い顧客であり、LTVが高いと測定されます。LTVが高いほど、広告の効果が高いと言えます。
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Web広告とマス広告、それぞれにメリット・デメリットがある
ウェブ広告とオールドメディアのテレビCMや紙媒体について測定方法を見てきましたが、それぞれのメリット・デメリットは異なります。ウェブ広告とマス広告のメリット・デメリットを見てみましょう。
ウェブ広告のメリット
ウェブ広告は、上記でお伝えしたとおり、効果測定によりユーザーアクションが数値で明確化されます。そのため、広告に対してユーザーが行動に移したか否かがはっきりと分かるので、広告効果を測りやすく、問題点が浮き彫りになり改善も行えます。
どんな企業であっても広告に使える予算には限度があるでしょう。限られた予算の中で数値を比較しながら改善を加えられる点は、ウェブ広告のいちばんのメリットでしょう。また、ウェブ広告ではPPC(Pay Per Click)メインです。
ユーザーからのクリックにより初めて広告費用が発生するクリック課金型広告が大半のため、広告に対してユーザーのアクションを必ず伴います。そのため、広告をスルーした自社商品やサービスに興味のないユーザーを除外でき、ムダなコストが発生しません。ウェブ広告は、マス広告に比べてコスパが高いと言えるでしょう。
ウェブ広告のデメリット
反対に、ウェブ広告のデメリットも少なからず存在します。それは、インターネット自体を生活の中に取り入れていない世代へのアプローチです。ウェブ広告である以上、ネット検索や関連商品の閲覧がない限り、広告は表示されません。
当然インターネットを使用していない世代には、商品・サービスの訴求はむずかしいでしょう。その場合、他媒体からの広告アプローチが懸命です。
Web広告の仕組みを解説!広告の種類/特徴/効果的な運用方法とは
Web広告にはさまざまな種類があります。Web広告の初心者の方には広告の種類が多すぎて、どの広告にいくら出稿すればいいのかわかりませんよね?Web広告の種類と特徴、Web広告出稿時にやるべきことをわかりやすく紹介します。
マス広告のメリット
マス広告は、テレビCM・新聞や雑誌などの紙媒体などのウェブ広告以前からある広告を指しますが、マス広告にもメリットは存在します。テレビのコア視聴者層は比較的高齢者とされており、ウェブサイトの閲覧をする機会が少ない層です。そのため、商品やサービスのターゲットが高齢層の場合は、テレビCMが効果的です。
また、特定のエリアに限定した店舗の紹介などでは、地域に根ざしたタウン誌やフリーペーパーなどへのマス広告が有効でしょう。地域と世代を限定することで、マス広告の効果はまだまだ発揮されます。
マス広告のデメリット
テレビCMの広告効果は、毎分ごとの世帯視聴率の和から求めるGRPを用いると紹介しましたが、テレビCMが購入につながったことへの確信は、GRPだけでは分かりません。
テレビCMの効果測定はいまだにグループインタビューなどのアナログ調査で行われています。ウェブ広告のようにクリックからコンバージョンへつながったというユーザーの動線を的確に追えない点が、マス広告のデメリットでしょう。
広告効果測定のまとめ
ウェブ広告は効果測定がしやすく、特定のターゲット層にリーチしやすい利点がありますが、不特定多数の人に商品のPRをするには、マス広告も有効です。商品の特徴や狙いたいターゲット層に合わせて、広告予算を考慮しながらウェブ広告とマス広告をうまく使い分けましょう。
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