Webやマス広告の出稿後には「費用対効果は良かったのか?」の効果測定を広告ごとに行う必要があります。広告の効果測定はどのように行えばいいのでしょうか?広告の効果の定義やWebなどの媒体ごとの効果測定方法を解説します。
▼目次
広告効果とは、広告を出す前と出したあとで、どの程度効果があったかの「変化」を数値で比較し見える化することです。広告の出稿で、どの程度顧客が増えたのか?どの程度会員が増えたのか?などの数値を前後で比較します。
ウェブ広告では、
などコンバージョンの増減を基本指標とします。
ウェブサイト運用では、バナー広告やリスティング、メルマガ、SEOやSNSなど多様な施策が存在しますが、それらの効果を測るには、ウェブに関するより深い知識と経験が必要になります。
反面、広告運用や広告効果などの知識があることで、広告効果を正しく測定し効率的に数値を改善できるようになり、コンバージョンアップにつながります。
広告効果は、おもに下記の3つに分類できます。
接触効果は、広告を通して自社商品・サービスの認知度を高める効果です。商品がニッチであったり新商品である場合、ユーザーに知られていない状態からのスタートになります。広告を出すことで、ユーザーとの接点をつくり、商品やサービスの認知度を高めていきます。
接触効果は、商品を「知ってもらう」フェーズです。
心理効果は、広告を出すことでユーザーに商品・サービスについての理解を深めてもらう効果です。商品やサービスを購入してもらうには、まずはどのような商品・サービスなのかをユーザーに理解してもらう必要があります。たとえばどのような機能があって、どんな利点があるかなどです。
心理効果は、商品を「理解してもらう」フェーズです。
売上効果は、広告を出したことによりユーザーからの購入へのアクションにつながる効果です。ユーザーが広告を見たことで、資料請求や購入などの行動が起こります。
売上効果は、商品「購入してもらう(行動してもらう)」フェーズです。
広告効果の定義は商品・サービスにより異なりますが、ウェブ広告は上記3つの「接触効果」「心理効果」「売上効果」の3つのどれかに必ず属するということを覚えておきましょう。
広告効果のモデルには、おもに2つの区分があります。
1. マーケティング・ミックスモデル ▶ 広告や商品価格などの総合的な施策
2. 効果階層モデル ▶ AIDMA AISAS
効果階層モデルのうち、ウェブ広告でもよく用いられているAIDMA(アイドマ)の法則は、広告宣伝において消費者がどのような行動パターンを取るのか、5つの階層で示したモデルです。
A:Attention ▶ 認知
I:Interest ▶ 興味・関心
D:Desire ▶ 欲求
M:Motivation ▶ 動機
A:Action ▶ 行動
商品・サービスの存在を知ってもらってから「購入」というコンバージョンにつなげるまでの消費者行動パターンを階層化したモデルです。
では、広告効果はどのように測定するのでしょうか?テレビCMや紙媒体の効果測定方法と、ウェブ広告の効果測定方法を詳しく紹介します。
テレビCMの効果測定指標は、おもにGRP(Gross Rating Point)を使用します。
GRPは、「延べ視聴率」とも呼ばれ、テレビCMが放映された瞬間の「世帯視聴率」から算出します。
GRPの算出方法:テレビCM放送時1分ごとの視聴率の和
たとえば、毎分視聴率が10%の時間帯で、CMを2本流した場合は、10%×2=20GRPとなります。
GRPは、CM放映決定以前に、どのくらいの頻度でCMを流すべきかを決める参考指標としても使われます。
雑誌や新聞などの紙媒体での広告効果を測定するには、CPR(Cost Per Response )を用います。
CPRは、コンバージョン1件あたりのコストのことです。
CPR(Cost Per Response)に似た指標として「CPA(Cost Per Action)」がありますが、基本的にはどちらも広告にかけた費用がどの程度コンバージョンとして効果があったかを測る指標です。
CPRの算出方法:広告費÷設定したコンバージョン数=CPR
たとえば、広告費に30万円を投入し、目標コンバージョンとする会員登録が100件あった場合、
300,000÷100=CPRは3,000円となります。
ここからいよいよ、ウェブ広告の効果測定基準について見てみましょう。
ウェブ広告の効果測定では、おもに「Imp」「CTR」「CVR」「CPC」という4つの測定基準を用います。
Impは、Impressionの頭文字で、ウェブサイト上に表示された広告が見られた回数を表します。
Impressionとは、英語で「感想」や「印象」を表す名詞ですが、ウェブ業界では広告がユーザーに届いた回数として使われています。
Impのカウント方法:ページビュー(PV)×広告掲載数=インプレッション
広告が掲載されているページが1度閲覧されれば、それを1Imp(インプ)としてカウントします。
ただし注意点があります。それは掲載メディアによって、1インプのカウント方法が異なることです。たとえば、SNSのFacebookではタイムラインに表示されて初めて1インプとしてカウントされますが、検索エンジン大手のYahoo!ではページを開いた際1度でも広告が表示されれば、それを1インプとしてカウントします。
インプレッションは広告の表示回数であり、ユーザーからのクリック数ではない点も押さえてください。あくまでページが表示され、ページ上に掲載されているウェブ広告がユーザーの目に留まっているという前提でのカウント方法です。
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CTRはClick Through Rateの略で、「クリック率」とも呼ばれています。
クリック率は、表示された広告がどの程度の割合でユーザーにクリックされているかを測る指標です。
CTRの算出方法:広告のクリック回数÷広告の表示回数(×100)
ウェブ広告は、テレビCMや紙媒体のようにただ表示されているだけでは意味がなく、ユーザーから広告をクリックされてはじめて効果を発揮します。そのため、ユーザーからクリックされやすいデザインやフレーズを選ぶなど、常に改善が必要です。同じ訴求内容でも言い回しやフォントを少し変えるだけでクリック率がアップすることは多いので、A/Bテストなどを実施してどのデザインがCTRが上がるのか、マーケティング施策を行いましょう。
CVRはConversion Rateの略で、「コンバージョン率」と言われています。
コンバージョン率は、ウェブサイトやランディングページに流入したユーザーがコンバージョンを発生させた割合を測る指標です。
CVRの算出方法:CV数(商品購入や会員登録などの設定したコンバージョン数)÷広告のクリック数(×100)
たとえば、ウェブサイトのアクセス数(ユニークユーザー数かページビュー数)が10,000UU(PV)でコンバージョン数が50件だとすると、
50÷10,000×100=5%のCVRとなります。
CVRは各自設定したコンバージョンに直結する指標のため、広告の効果測定でもっとも重視すべき指標と言えます。
コンバージョン率のベンチマークは業界によって異なるので、自社の業界ベンチマークを参考に自社CVRを設定しましょう。
ちなみに、各業界のCVRベンチマークを見てみると、
CPCは、Cost Per Clickの略で、「クリック単価」とも呼ばれ、コストパフォーマンスを測る指標です。
ウェブ広告を出稿した際、1クリックにいくらコストがかかっているかを算出します。
CPCの算出方法:広告出稿費用÷クリック数
CPCが低いことは、広告コストが抑えられていることを意味しますが、CPCの低さに囚われてしまうのはよくありません。1クリックあたりのコストが低くなっても、肝心のコンバージョン数が増えなければ、売上アップにつながらないからです。
スタートアップや個人事業主など、限られた予算の場合は、初期段階では低いCPCであることは大切かもしれません。しかしCPCが低くても肝心の商品・サービス購入が促されていないのであれば、CPC以外の広告効果であるCVRやCTRなどに重点を置く必要があるでしょう。
ウェブ広告とオールドメディアのテレビCMや紙媒体について測定方法を見てきましたが、それぞれのメリット・デメリットは異なります。
ウェブ広告とマス広告のメリット・デメリットを見てみましょう。
ウェブ広告は、上記でお伝えしたとおり、効果測定によりユーザーアクションが数値で明確化されます。そのため、広告に対してユーザーが行動に移したか否かがはっきりと分かるので、広告効果を測りやすく、問題点が浮き彫りになり改善も行えます。
どんな企業であっても広告に使える予算は限度があるでしょう。限られた予算の中で数値を比較しながら改善を加えられる点は、ウェブ広告のいちばんのメリットでしょう。
また、 ウェブ広告ではPPC(Pay Per Click)メインです。ユーザーからのクリックにより初めて広告費用が発生するクリック課金型広告が大半のため、広告に対してユーザーのアクションを必ず伴います。そのため、広告をスルーした自社商品やサービスに興味のないユーザーを除外でき、ムダなコストが発生しません。ウェブ広告は、マス広告に比べてコスパが高いと言えるでしょう。
マス広告は、テレビCM・新聞や雑誌などの紙媒体などのウェブ広告以前からある広告を指しますが、マス広告にもメリットは存在します。テレビのコア視聴者層は比較的高齢者とされており、ウェブサイトの閲覧をする機会が少ない層です。そのため、商品やサービスのターゲットが高齢層の場合は、テレビCMが効果的です。
また、特定のエリアに限定した店舗の紹介などでは、地域に根ざしたタウン誌やフリーペーパーなどへのマス広告が有効でしょう。地域と世代を限定することで、マス広告の効果はまだまだ発揮されます。
反対に、ウェブ広告のデメリットも少なからず存在します。それは、インターネット自体を生活の中に取り入れていない世代へのアプローチです。ウェブ広告である以上、ネット検索や関連商品の閲覧がない限り、広告は表示されません。当然インターネットを使用していない世代には、商品・サービスの訴求はむずかしいでしょう。その場合、他媒体からの広告アプローチが懸命です。
テレビCMの広告効果は、毎分ごとの世帯視聴率の和から求めるGRPを用いると紹介しましたが、テレビCMが購入につながったことへの確信は、GRPだけでは分かりません。テレビCMの効果測定はいまだにグループインタビューなどのアナログ調査で行われています。ウェブ広告のようにクリックからコンバージョンへつながったというユーザーの動線を的確に追えない点が、マス広告のデメリットでしょう。
ウェブ広告は効果測定がしやすく、特定のターゲット層にリーチしやすい利点がありますが、不特定多数の人に商品のPRをするには、マス広告も有効です。商品の特徴や狙いたいターゲット層に合わせて、広告予算を考慮しながらウェブ広告とマス広告をうまく使い分けましょう。
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