この記事のポイント
この記事でおさえておきたいポイントは以下です。
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インターネット広告費の急成長
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2022年の日本のインターネット広告費は3兆円を超え、全広告費の約43%を占めました。これはテレビ広告を上回る勢いで、今後も増加が予想されています。特にSNS広告の成長が顕著です。
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SNS広告の重要性
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SNS広告は全インターネット広告の約30%を占め、前年比126%の成長を記録。若年層の増加が背景にあり、動画共有サイトでの広告も注目されています。
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インターネット広告市場の今後
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デジタルデータ活用やコストパフォーマンスの高さが評価され、2023年度にはさらに市場が拡大すると予測されています。
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目次
日本の広告費の過去10年での推移
電通が2020年3月に公表した「2019年 日本の広告費」によると、日本の2019年1~12月の総広告費6兆9,381億円のうちインターネット広告費は2兆1,048億円で、テレビメディア広告費(1兆861億円)を超えて種類別広告費のトップとなりました。
下記の「日本の媒体別広告費の推移」からも分かるように、インターネット広告費はこの10年で連続して増加する一方、テレビや新聞・雑誌といった既存のマスメディアの広告費は減少傾向にあります。
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インターネット広告費用の種類別内訳
広告種類 | 割合 | 金額(億円) |
---|---|---|
検索連動型広告 | 40.20% | 6683 |
ディスプレイ広告 | 33.30% | 5544 |
動画広告 | 19.10% | 3184 |
成果報酬型広告 | 6.30% | 1049 |
その他 | 1% | 170 |
インターネット広告費用の内訳を見てみましょう。最も多いのはGoogleやYahoo!JAPANといった検索エンジンの結索結果画面にテキスト広告を掲載できる「検索連動型広告」で、全体の40.2%(6683億円)を占めています。検索連動型広告はテキスト広告が基本で、新たに広告用のバナー画像を作成する手間がかかりません。
また、広告代理店を通さずともGoogle広告やYahoo!広告のプラットフォームから広告主が直接広告を出稿できます。そのため比較的小規模な会社でも検索連動型広告を利用可能で、多くの広告主が利用する広告形態となっています。
2番目に多いのが「ディスプレイ広告」で33.3%(5544億円)。ディスプレイ広告はアドネットワークで提携したパートナーサイトの広告枠にバナー広告などを表示できる形式です。
短いCMのような動画コンテンツをメディアの広告枠に表示できる「動画広告」は19.10%(3184億円)、アフィリエイトや広告代理店が行う「成果報酬型広告」は6.3%(1049億円)となっています。
インターネット広告媒体費の約30%はSNS広告
割合 | 金額(億円) | |
---|---|---|
ソーシャル(SNS)広告 | 29.50% | 4899 |
その他 | 70.50% | 11731 |
インターネット広告費からインターネット広告制作費および物販系ECプラットフォーム広告費を除いた「インターネット広告媒体費」は、1兆6,630億円になります。そのインターネット広告媒体費の約30%を、FacebookやTwitter、YouTubeなどのSNS上に出稿されるSNS広告(ソーシャル広告)が占めています。金額にして4899億円になり、前年比126.0%の高い成長率となりました。若年層を中心にSNSユーザーは増加の一途をたどっているため、今後もSNSは魅力的な広告出稿先となるでしょう。
SNS広告費用の内訳
SNS広告の構成比 | 割合 | 金額(億円) |
---|---|---|
SNS | 46.50% | 2280 |
動画共有サイト | 23.20% | 1139 |
その他 | 30.20% | 1480 |
SNS広告(ソーシャル広告)の費用の内訳は上のようになっています。広告出稿先の媒体としてFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを利用した広告費は2,280億円と最も額が多くなっています。SNSを利用するユーザーのタイムラインにユーザー属性に応じて広告が表示されるため、エンゲージメント率が高い特徴があります。
YouTubeやTikTokといった動画共有サイトを利用した広告費は1,139億円で、SNS(2,280億円)の約半分です。しかし通信技術の発達とスマートフォンのスペック向上により、スマートフォン上でもスムーズに動画が再生できるようになってきました。料理のレシピ動画やハンドメイド動画を紹介するアプリも登場しています。テキストや画像だけでなく、動画コンテンツを好む層にアプローチする媒体として動画プラットフォームは注視していきたいですね。
「その他」にはブログサービスやソーシャルブックマークサービス、電子掲示板サービスなどの媒体が分類されており、広告費の総額は1,480億円となっています。
インターネット広告市場は今後も伸びるのか?
インターネット広告には様々な種類がありますが、そのいずれも以下のような特徴があります。
- 広告効果がデータで取得できる
- マスメディア広告より費用が安い
- 広告表示ターゲットの絞り込みができる
- 費用対効果が高い
特に広告からWebサイトに誘導できた送客数や広告経由のCV(コンバージョン数)がデータとして把握できるため、効率的な広告運用が可能である点は従来のマスメディアにはないメリットです。矢野経済研究所は、2023年度には国内のネット広告市場規模が約2.8兆円まで拡大すると予測しました。近年のスマートフォンの大幅な普及により、インターネット広告市場は成長を続けているのです。
新聞購読者・テレビ視聴者層の変化に伴い、商材やターゲット層によってはマスメディアを使わずにインターネット広告だけで展開するマーケティング施策も増えてきました。また、マスメディア広告との連携や実店舗への来店解析といった、インターネット広告と別の媒体を組み合わせた新たなマーケティング手法も開発されています。今後もインターネット広告が発展していくのは確実といえるでしょう。
インターネット広告業界の課題
成長が続くインターネット広告ですが、いくつかの課題が存在します。自社のマーケティング施策で同じような状況を作らないためにも、インターネット広告の現状を理解しておきましょう。
悪質な広告の存在
インターネット広告は比較的安価で出稿できるため、広告代理店を利用せずとも誰でも自由に広告を出稿してPRすることが可能です。しかし、なかには商品の効果効能を偽ったり、過大評価のレビューを掲載したりする広告があり、薬機法や景品表示法に抵触していると思われるケースもあります。このような悪質な広告を掲載できなくするため、メディア側の広告出稿基準は年々厳しくなっています。
ユーザーのインターネット広告への嫌悪感
メディアの広告枠が多すぎて本来のコンテンツを読む妨げになる、動画再生前に長い広告が挿入される、といった「待たされる」ユーザー体験が積み重なると、ネット広告に嫌悪感を抱く人も少なくありません。なかにはブラウザやアプリ上に表示される広告を非表示にするソフトウェア「アドブロック」を導入するユーザーもいます。
Google Chromeでは2019年7月から標準でブラウザに広告ブロックの機能が搭載され、2020年8月には動画再生前に挿入される広告動画もブロックできるようになりました。また、「記事だと思って読んでみたら広告だった」というネイティブ広告への不信感を抱くユーザーも少なくありません。過剰なインターネット広告に対して、今後も対策が取られることが予想されます。
2022年以降のクッキー制限によるターゲティング広告の減少
Googleは2022年までにGoogle Chromeでサードパーティ製クッキーのサポートを廃止すると発表しました。これにより、現在のクッキーを利用したターゲティング広告は大きな影響を受けるとみられます。
ターゲティング広告では、ユーザーのブラウザに残されるサードパーティ製のクッキーを読み込んでユーザーの性別や居住地、閲覧履歴などを予測し広告表示に役立てています。この手法が制限されると、ターゲティングの精度が低下し、広告の費用対効果にも影響が出てくるでしょう。ターゲティング広告に替わる広告モデルの開発が注目されています。
まとめ
インターネット広告はマスメディア広告に比べて費用対効果が高く、中小規模の企業でも安価に始められるマーケティング施策です。SNSや動画プラットフォームといった新たな広告掲載媒体も成長しており、自社の商品をエンゲージメント率の高いユーザーに効率よくアピールできます。
その反面、悪質な内容の広告やユーザー体験を損なう広告が増えていることも注意しなければなりません。一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会では「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」「ネイティブ広告に関する推奨規定」を定めています。広告を作成する前に参考にしてみてはいかがでしょうか。
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