この記事のポイント
この記事でおさえておきたいポイントは以下です。
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Webにおけるセッションとは
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Webにおけるセッションとは、ユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの通信の単位で、「訪問数」とも呼ばれています。閲覧したページ数に基づくPV(ページビュー)とは異なり、閲覧ページ数が関与することはありません。また、定めた期間内にWebサイトを訪問したユーザーの数を指すUU(ユニークユーザー)とも異なります。
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セッションがカウントされる仕組み
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Webサイトにおいてセッションがカウントされるのは、Webサイトにユーザーがアクセスしたときです。日にちをまたいだときや参照元が変わったときには一度セッションが切れるためユーザーがサイトを利用していると、新たなセッションとしてカウントされるようになります。Webサイトでは一定時間がすぎると、セッションが切れるようになっているため、一定時間経過した状態でもセッションが切れることがあります。
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Googleアナリティクスでのセッション数の見方
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「ユーザー」というメニューでは、サイト全体のセッション数を確認できます。これはセッション数の中で最も大きな数字となります。「集客」というメニューでは、流入チャネルごとのセッション数を確認できます。「行動」というメニューでは、ページごとのセッション数がわかります。
Webサイトのアクセス解析を行う際、「セッション」という言葉を目にすることがあるのではないでしょうか?「PV(ページビュー)」や「UU(ユニークユーザー)」と並ぶ重要な指標ですが、その定義や計測方法がわかりにくいと感じる方も多いかもしれません。
この記事では、セッションの意味やカウント方法、Googleアナリティクスでの確認方法、さらにはサイト改善への活用方法まで詳しく解説します。
セッションを正しく理解し、Webサイトの分析や運用に役立てましょう。
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目次
Webにおけるセッションの意味とは?定義も解説
「セッション」とは、どのような意味なのでしょうか。ここからは、まずWebにおけるセッションの意味を解説し、次に「セッション」という言葉の本来の意味についても説明します。
Webにおけるセッションの意味
Webにおけるセッションとは、ユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの一連の通信を指します。アクセス数の単位のひとつであり、「訪問数」とも呼ばれます。
ポイントとなるのは、セッションが「一連の通信」を意味する点です。そのため、ユーザーがサイト内で複数のページを閲覧しても、セッション数は1回とカウントされます。
また、同じユーザーが一度サイトを離れた後、同じ日に再訪問した場合、それぞれが別のセッションとして扱われ、合計2回とカウントされます。
このように、Webにおけるセッションとは、訪問から離脱までの単位を示すものであり、ユーザーの滞在時間や閲覧ページ数とは関係なくカウントされるのが特徴です。
セッションの本来の意味
「セッション」という言葉は、英語で「議会や会議の開会」を意味します。また、音楽の分野でも使われることがあり、「即興演奏を行う」や「一度限りの演奏をする」といった文脈で用いられます。
このような背景から、「セッション」には「ある出来事の始まりから終わりまでの一連の流れ」という意味が含まれており、Webにおけるセッションの概念にも通じています。
セッションがカウントされる仕組み
Webサイトにおけるセッションは、Webブラウザとサーバーの間で行われる通信によってカウントされます。具体的な流れは以下のとおりです。
1.ユーザーがWebサイトにアクセスする
2.Webブラウザがサーバーにページ情報の取得を要求する
3.サーバーがブラウザへデータを送信する
このように、ユーザーがサイトにアクセスすると、Webブラウザとサーバー間で信号のやり取りが発生し、サイトを離脱するまで継続します。
ユーザーがサイトを離脱した状態は「セッションが切れる」と呼ばれます。ただし、セッションが切れるタイミングには以下のような条件があります。
<セッションが切れるタイミング>
- セッションの持続時間が切れたとき(一定時間アクセスがなかった場合、通常30分以上)
- 日にちをまたいだとき
- 参照元が変わったとき(別のサイト経由で再訪問した場合など)
例えば、3月1日23時59分から3月2日0時5分までサイトを回遊していた場合、離脱していなくても日にちをまたいでいるため、2セッションとしてカウントされます。このように、特定の条件下では、新たなセッションとして記録される仕組みになっています。
セッションと似た用語の意味
セッション以外にも、以下のような類似用語があります。
- PV(ページビュー)
- UU(ユニークユーザー)
- トラフィック
これらの用語の違いを理解することで、より詳しいアクセス解析が可能になります。ここからは、それぞれの用語について詳しく解説していきます。
用語 | 定義・意味 | カウントの基準 | 例 |
---|---|---|---|
セッション | ユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの一連の通信 | 訪問の開始から終了までを1カウント(30分以上の無操作や日付変更で新規カウント) | 同じユーザーが1回訪問し、複数ページ閲覧しても1セッション |
PV (ページビュー) |
Webページが閲覧された回数 | ページが表示されるごとに1カウント | 1人のユーザーが3ページ閲覧すれば3PV |
UU (ユニークユーザー) |
一定期間内にサイトを訪れたユーザーの数 | 同じユーザーが複数回訪問しても1カウント(CookieやIPアドレスで識別) | 1人のユーザーが1日に3回訪問しても1UU |
トラフィック | Webサイトの訪問者数やデータの流れの総称 | 一般的にPVやUU、セッションなどを総合した概念 | サイト全体のアクセス状況を把握する指標 |
PV(ページビュー)
PV(ページビュー)とは、「Page View」の頭文字を取った言葉で、Webサイト内のページがどれだけ閲覧されたかを示す指標です。閲覧したページの数に基づいてカウントされ、1人のユーザーが2ページ閲覧すればPVは2となります。
例えば、あるユーザーがWebサイトにアクセスし、30分間で3ページ閲覧した場合、セッション数は1ですが、PV数は3とカウントされます。
また、同じユーザーが1時間の間に6ページを閲覧した場合、30分以上の無操作時間がなければ、セッションは途切れずセッション数は1のままです。この場合、PV数は6とカウントされます。
もし、途中で30分以上操作がなかった場合はセッションが切れ、新たにセッションが開始されるため、セッション数は2になります。ただし、PV数はセッションの影響を受けず、合計6PVとしてカウントされます。
このように、セッションは一定時間の無操作があるかどうかで区切られ、PVはページが表示されるたびにカウントされる点が異なります。
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UU(ユニークユーザー)
UU(ユニークユーザー)とは、「Unique User」の略で、指定した期間内にWebサイトを訪問したユーザーの延べ人数を指します。同じユーザーが何度訪問しても、UU数としては1回とカウントされます。
ただし、UUの計測にはCookieを使用しているため、以下のような場合は同一人物でも別のユーザーとしてカウントされることがあります。
- 異なるデバイスを使用した場合(PCとスマホでアクセス)
- 異なるブラウザで閲覧した場合(ChromeとSafariでアクセス)
例えば、あるユーザーがPCとスマホからそれぞれ1回ずつサイトにアクセスした場合、本来であれば1UUとカウントされるべきですが、デバイスが異なるためUU数は2となります。
また、同じユーザーがChromeとSafariの異なるブラウザで同じサイトにアクセスした場合も、別のCookieが発行されるため、2UUとしてカウントされます。
このように、UUは理論上のユニークユーザー数とは若干のズレが生じることがあります。そのため、UU数は目安として活用するとよいでしょう。
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トラフィック
トラフィックとは、Webサイトの訪問者数やデータの流れを総合的に示す指標です。一般的にPV、UU、セッションなどのデータを含む広い概念として使われます。
Webサイトにアクセスが発生すると、Webブラウザはサーバーへ情報をリクエストし、必要なデータを受信します。この通信の流れ全体をトラフィックと呼び、サイトの人気度や利用状況を測る指標のひとつとなります。特に、サイト全体のアクセス状況を把握する際には、トラフィックの推移を分析することが重要です。
また、トラフィックにはデータ転送量も含まれるため、画像や動画を多く使用するサイトでは、サーバー負荷への影響を考慮した管理が求められます。
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Googleアナリティクスでのセッション数の見方
Googleアナリティクスでは、セッション数に関して以下のように3つの項目があります。
ユーザー | 集客 | 行動 | |
---|---|---|---|
確認できる数値 | サイト全体のセッション数 | 流入チャネルごとのセッション数 | ページごとのセッション数 |
「ユーザー」メニューでは、サイト内で発生したすべてのセッション数を確認できます。
「集客」メニューでは、自然検索や広告など、ユーザーの流入元ごとのセッション数を把握できます。
「行動」メニューでは、ページごとのセッション数を確認し、ページの効果を分析できます。例えば、CVボタンのあるページでセッション数が多いのにクリック率が低い場合は、導線の改善が必要かもしれません。
<セッションの終了時間の変更方法>
Googleアナリティクスでは、セッションの終了時間(タイムアウト)を変更できます。デフォルトは30分ですが、動画サイトなどでは1時間以上に設定すると、より正確なデータが得られます。
<変更手順>
1.「管理」メニューを開く
2.「プロパティ」→「トラッキング情報」→「セッション設定」を選択
3.「セッションのタイムアウト」で時間を設定
4.「完了」をクリックして保存
簡単な設定で分析精度を向上できるため、サイトの特性に応じて適切に調整しましょう。
セッション数データの活用方法

Googleアナリティクスのセッション数データを活用することで、WebサイトのUX(ユーザーエクスペリエンス)改善やコンバージョン率向上につなげることができます。
ここでは、セッション数を活かした具体的な施策を紹介します。
回遊率を調べる
回遊率とは、ユーザーがサイト内で複数のページを閲覧する割合を指します。この指標を分析することで、サイトのUXがよいかどうかを判断できます。
回遊率が高い場合、ユーザーがサイト内のコンテンツに興味を持ち、スムーズに情報を取得できている可能性が高いです。一方で、回遊率が低い場合は、サイトの導線が悪く、ユーザーが目的の情報にたどり着けていない可能性があります。
回遊率を向上させるためには、関連コンテンツのリンクを設置する、サイト内検索を充実させる、直帰率の高いページを改善するなどの施策が有効です。
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セッション数が多いページの改善を行う
セッション数が多いページは、多くのユーザーが訪れている重要なページです。このページを改善することで、サイト全体の成果(KGI、主に売上)の向上につながる可能性が高まります。
例えば、以下のような改善が考えられます。
- ユーザーのニーズに合ったコンテンツを追加し、滞在時間を延ばす
- CTA(Call To Action)の設置場所やデザインを見直し、クリック率を向上させる
- 表示速度を最適化し、離脱率を下げる
特に、セッション数が多いにも関わらずコンバージョン率が低いページは、導線や内容を見直すことで、売上に直結する成果を得られる可能性が高くなるでしょう。
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コンバージョンが発生しやすいセッションが生まれるページへユーザーを誘導する
コンバージョン率の高いページへ、適切にユーザーを誘導することで、売上の改善が期待できます。
例えば、商品購入ページ、問い合わせフォーム、資料請求ページなどのコンバージョンが発生しやすいページに誘導するための施策として、以下が挙げられます。
- セッション数の多いページにCTAを配置し、適切な遷移を促す
- ユーザーが興味を持ちやすい関連コンテンツへのリンクを設置する
- コンバージョン率が高いページを分析し、訪問前の流入経路を強化する
このように、セッション数データを活用して回遊率を向上させ、コンバージョン率の高いページへユーザーを誘導することで、サイト全体の成果向上につなげることができます。
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セッションの理解を深め、サイト改善に活かそう
セッションは、Webサイトの訪問状況を把握し、ユーザーの行動を分析する上で欠かせない指標です。PVやUUなどの関連指標と組み合わせることで、より詳細なアクセス解析が可能になります。
また、Googleアナリティクスを活用すれば、セッション数の推移やページごとの影響度を分析し、WebサイトのUX向上やコンバージョン率の改善につなげることができます。
セッション数データを活用し、回遊率を高めたり、重要なページの改善を行ったりすることで、最終的なKGI(売上などの重要指標)の向上が期待できます。Webサイトの成果を最大化するために、セッションを適切に分析し、施策に反映させましょう。
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