アクセス解析について調べていると、セッションという言葉を目にする機会があるのではないでしょうか。Webにおけるセッションの意味が分からない場合、どんな意味なのか気になりますよね。
この記事ではセッションの意味、アナリティクスでの見方や使われ方について触れています。この記事を読めば、セッションの意味がわかり、Web制作に役立てられるようになります。セッションについて学びたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
Webにおけるセッションとは、ユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの通信のこと。これはアクセス数の単位のひとつで、「訪問数」とも呼ばれています。
ここでポイントとなるのが、セッションは「一連の通信」を意味していることです。そのためサイトに訪れたユーザーがたとえ何ページ閲覧したとしても、セッション数は1とカウントします。
また、同一のユーザーがあるサイトに訪問してから離脱し、同じ日にもう一度訪問して離脱すると、これに関しては2とカウントします。
このように、Webにおけるセッションとはサイトの訪問から離脱までの通信をカウントする単位なのです。そのためセッション数にはユーザーの滞在時間や閲覧ページ数が関与することはありません。
セッションには英語で「議会や会議が開会する」という意味があります。セッションという言葉は音楽でも用いられることがありますが、これは「二度と行われない一度限りのことを行う」という文脈から用いられるようになりました。こうした背景から、セッションという言葉には「何かの始まりから終わりまでの間」という意味が含まれています。
Webサイトにおいてセッションがカウントされるのは、Webブラウザとサーバーの間で以下のような通信が行われるからです。
このように、ユーザーがWebサイトにアクセスするとWebブラウザとサーバー間で信号の送受信が発生します。この信号の送受信は、ユーザーがサイトから離脱するまで継続するのです。
ユーザーがサイトを離脱した状態は、「セッションが切れる」とも呼ばれます。ただし、セッションが切れる状態には、以下のようにいくつか種類があります。
ここでの「セッションの持続時間が切れる」というのは、ユーザーがアクセスして30分以上経過するなど、一定時間経過した状態のことです。Webサイトでは一定時間がすぎると、セッションが切れるようになっています。
また、上記のようなシーンでもなおユーザーがサイトを利用していると、新たなセッションとしてカウントされるようになります。たとえば3月1日23時59分から3月2日0時5分までサイトを回遊していたとすると、離脱していなくても日にちをまたいでいるため、2セッションと数えるのです。
セッション以外にも、以下のような類似用語が存在しています。
これらの用語の違いを知ることで、詳しいアクセス解析が可能です。ここからはそれぞれの用語について解説します。
PVとは「Page View」の略称で、Webサイトがどれくらい閲覧されているかを数値化する指標のことです。これは閲覧したページ数に基づくため、見たページが2つあればPV数は2でカウントされます。
たとえば、あるユーザーがWebサイトにアクセスし、30分間で3ページ閲覧したとします。この場合、セッション数は1で、PV数は3とカウントします。
また、あるユーザーが1時間で6ページ閲覧したとします。この場合30分間でセッションが切れるなら、セッション数は2です。そしてPV数はセッション数に影響されないため、6とカウントします。
UUとは「Unique User」の略称で、定めた期間内にWebサイトを訪問したユーザーの数を指します。サイトを訪問する場合、1回のセッションで何度か同じサイトを訪問することがあります。しかしUU数の場合、同一人物が何度訪問しても1とカウントするのです。
ただし、UUはCookieを付与して計測しているため、同一人物だったとしても以下のような場合に別のユーザーとしてカウントされることがあります。
たとえばあるユーザーが30分間にPCとスマホでそれぞれ1回アクセスしたとします。本来であれば同一人物のため、UU数は1としてカウントするところですが、デバイスが異なっているため、UU数は2とカウントされます。
また、あるユーザーがchromeとsafariで同一のサイトにアクセスしたとします。この場合もUU数の考え方に基づくと1とカウントするべきですが、ブラウザが異なるため、2とカウントされます。
このように、UU数は概念と実際の計測数に若干の差異があります。そのため、UU数は目安として知っておくといいでしょう。
Googleアナリティクスでは、セッション数に関して以下のように3つの項目があります。
ユーザー | 集客 | 行動 | |
---|---|---|---|
確認できる数値 | サイト全体のセッション数 | 流入チャネルごとのセッション数 | ページごとのセッション数 |
「ユーザー」というメニューでは、サイト全体のセッション数を確認できます。これはセッション数の中で最も大きな数字となります。
「集客」というメニューでは、流入チャネルごとのセッション数を確認できます。ここではどこからサイトに来たのかという情報がわかります。たとえば、自然検索で来たユーザーもいれば、広告から来たユーザーもいます。このようにチャネルごとに計測することで、サイトにアクセスする前のユーザーのアクションが予測できるのです。
そして「行動」というメニューでは、ページごとのセッション数がわかります。ページごとに確認することで、ユーザーがそのページをどのように評価しているかが予測できます。たとえばCVボタンが設置しているページのセッション数が多いのに、CVボタンのクリック率が低ければ、導線が悪いのかもしれません。このように、ページごとのセッション数を確認することで、ページが機能しているかがチェックできます。
Googleアナリティクスでは、セッションの終了時間を変更できます。先ほどセッションの持続時間が切れると、再度カウントアップすることをご説明しました。多くの場合、30分に設定されていますが、そのほかの時間に設定することも可能です。
たとえば、動画を掲載しているサイトであれば、動画そのものを視聴するのに時間がかかるため、別の単位でカウントしたほうがいいかもしれません。その場合は、1時間など長めに設定しましょう。
セッションの終了時間は以下のように変更できます。
難しい設定ではないためぜひ活用してみてください。
この記事では、Webにおけるセッションの意味について解説しました。セッションとは本来「何かの始まりから終わりまでの間」という意味があり、Webではページにアクセスしてから離脱するまでの行動をカウントする指標とされています。
セッション数を理解すると、ユーザーがWebサイトでどのような行動をとったのかが理解できます。さらにGoogleアナリティクスを使用することで、さらに詳しくユーザーの行動を分析することも可能です。
今一度、用語の定義について正しく認識し、アクセス分析などに活かしてみてください。