Webサイトの集客状況をモニタリングする際に、PV(ページビュー)、UU、セッション数(訪問数)の数値は必ず目にしているでしょう。では、各指標が何を意味しているのかを説明できますか?この記事では、各指標の集計方法や違い、モニタリング時に重視すべきなのはどの指標か、などを詳しく解説します。
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目次
PV(ページビュー)とは
PV(ページビュー/Page View)は、Webサイトの個々のページの閲覧数のことで、SNSでバズったりニュースサイトで人気になったりした記事を「100万PV突破!」などとアピールする際にも使われている数字です。
PV(ページビュー)はそのページがブラウザに読み込まれる都度、カウント数が増える仕組みで、たとえば100人が1回ずつそのページを見たとき100PVとカウントされますが、同一人物が100回ページを再読み込みした場合でも100PVとカウントされます。
さらに、サイト内部を回遊した場合でもそれぞれのページのPV数は増加します。マーケティングでは純粋に「このページは何回閲覧されているのか」を確認したいときに見る数字です。ただし、PV数が増加しても肝心の売上や問い合わせ数が増えない場合もあるので、PVだけを追い求める施策に偏らないよう注意が必要です。
UU(ユニークユーザー)数とは
UU(ユニークユーザー/Unique User)とは、特定の期間内にWebサイトを訪問した個人(ユーザー)を指します。PV数(ページビュー数)やセッション数(訪問数)と混同されやすいのですが、UU(ユニークユーザー数)は英語のUnique(固有の・唯一の)という意味の通り、個々のユーザーを数えます。
これはブラウザ単位でCookieを付与して計測される仕組みで、たとえば同一人物が1週間に3回自社のWebサイトを訪問したとき、セッション数(訪問数)は3ですが、UU(ユニークユーザー数)は1になります。ただし、PCのブラウザで2回、スマートフォンのブラウザで1回の訪問だった場合は、使用ブラウザが異なるためUU(ユニークユーザー数)は2とカウントされます。
マーケティングでは大まかに「何人のユーザーがこのサイトに来ているのか」を知りたい場合に見る指標です。
セッション数(訪問数)とは
セッション数(訪問数)は、特定のサイトにおいてユーザーの訪問を受けた回数を計測するもので、店舗でいうと来店して退店するまでを「1セッション」とカウントします。来店して何も買い物(コンバージョン)しなかった場合でも、来店して10秒で退店(離脱)した場合でも、等しく1セッションとしてカウントするのが特徴です。
また、同一人物が午前と午後に2回サイトを訪問した場合、UU(ユニークユーザー数)では1UUになりますが、セッション数では2セッションとカウントされます。
ときに、私たちはブラウザで特定のWebサイトを表示したまま、別のアプリで作業をしたり、ブラウザの別のタブでリンク先ページを読み始めたりすることもありますね。Googleアナリティクスでは「セッション」の区切りを以下のように定義しています。
- 行動の間隔が30分を経過した場合
- 日付が変わった場合
つまり、特定のWebページを開いたまま別のアプリで作業を始め、1時間後に再び元のWebページの続きを読んだ場合、2セッションとカウントされます。
また、23時50分にWebページに訪問し、翌0時10分に離脱した場合も2セッションとカウントされます。現実の閲覧行動とは必ずしも一致しませんが、計測上どこかでセッションの区切りを設けざるを得ない為、多くのアクセス解析ツールでこのようなルールを定めています。
PV、UU、セッション数の違い
名称 | 計測対象 | 計測できる数字 |
---|---|---|
PV | Webページ | Webサイト内の個別ページ閲覧回数 |
UU | 個人 | Webサイトを利用した個別の人数 |
セッション数 | 訪問者 | Webサイトに訪問があった回数(新規/リピーターそれぞれのセッション数を見ることも可能) |
わかりにくいPV、UU、セッション数の違いを表にまとめてみました。例として、1人のユーザーの行動で見てみましょう。
1人のユーザー行動で違いを見る
この場合、各数値は以下のようになります。
- PV…8(閲覧したページの数)
- UU…2(同一人物でも閲覧デバイスがPCとスマホの2つあるため)
- セッション数…3(Webサイトが訪問を受けた回数)
次の例では、2人の行動で見てみましょう。
2人のユーザー行動で違いを見る
この場合、各数値は以下のようになります。
- PV…11(閲覧したページの数)
- UU…3(同一人物でも閲覧デバイスがPCとスマホの2つあるため)
- セッション数…3(Webサイトが訪問を受けた回数)
GoogleアナリティクスでのPV、UU、セッション数の確認方法
PV、UU、セッション数を確認するには、アクセス解析ツールを使います。もっとも一般的なGoogleアナリティクスでの確認方法を解説します。
- Googleアナリティクスにログイン
- 左メニュー「ユーザー」>「概要」をクリック
- 右上の日付バーで計測期間を設定する
- 中央に折れ線グラフが表示され、その下に各種の数値が示されます
「ユーザー」の数字=設定期間中のUU数
「ページビュー数」の数字=設定期間中のサイト全体のPV数
「セッション」の数字=設定期間中のセッション数
個別ページごとのPV数は、以下の手順で確認できます。
- Googleアナリティクスにログイン
- 左メニュー「ユーザー」>「概要」>「すべてのページ」をクリック
- 右上の日付バーで計測期間を設定する
- 折れ線グラフの下に、各ページごとのPV数が表で示されます
- 表示設定を「プライマリディメンション:ページタイトル」に切り替えると、より分かりやすくなります
PV、UU、セッション数を増やす方法
PV、UU、セッション数は、数が多いほど「より多くのユーザーに利用されているサイト」という評価を得られます。ユーザーを集めるための施策を見ていきましょう。
1.SEO対策を行い、検索流入を伸ばす
ユーザーを集めるための施策として、SEO対策は第一に取り組むべき施策です。検索サイトの上位にWebサイトを表示させるために、Google等の検索エンジンから高評価を受けられるWebページを制作していきましょう。具体的なSEO対策は複数ありますが、検索エンジンは以下のような指標でWebページを評価していると見られています。
- 検索キーワードがページに盛り込まれているか
- ページの内容に信頼性があるか
- ユーザーが満足できる質であるか
- ページの表示速度
- スマートフォン対応
いずれも、基本は「ユーザーファースト」の考え方。ユーザーにとって有益で質の高いコンテンツを提供することが、結果として検索エンジンからの高評価につながるのです。
SEO対策とは?効果的なSEO対策の基本と実践方法【プロ監修】
2.SNSなどの流入経路を増やす
GoogleやYahoo!からの検索流入を狙うSEO対策に加えて、検索エンジン以外からユーザーが訪れる経路を増やす施策も進めましょう。近年、Googleは年に数回は検索アルゴリズムの大幅なアップデートを行っています。それによって検索順位が落ちたり、せっかくのSEO対策が無駄になってしまったりする事例も散見されます。
Google一辺倒になるのではなく、FacebookやTwitter、Instagram、YouTubeといったSNSに広告や記事情報を掲載するなどして、複数の媒体からユーザーを集めてPVを増加させましょう。
コンテンツマーケティングでSNSは結果につながる?媒体別の活用事例と注意点
3.コンテンツの更新頻度を増やす
一度作ったコンテンツを数年間放置していませんか? ユーザーは常に最新の情報を求めています。更新が滞っているサイトはユーザーから「放置されているサイト」「古い情報のサイト」という印象を持たれるだけでなく、Googleからも更新頻度の低いサイトとして検索順位を下げられることがあります。
実際に記事タイトルに「●年最新版」と現在の年次が入った記事や、検索結果に記事更新日時が示されている記事などは、アクセスを集めやすい傾向があります。既存記事の内容を見直し最新情報にリライトをすることも考えましょう。
リライトとは?SEOを意識したリライト方法を解説
4.内部リンクを適切に張り、PV数を増やす
Webサイトの中で、コンテンツからコンテンツへと内部リンクを張る施策を行うとサイト全体のPVを増やせます。たとえば1つの記事に「関連記事」「参考記事」といった別の記事への内部リンクがあれば、より深い情報や類似の事例を求めるユーザーを誘導でき、ページそれぞれのPVとサイトの滞在時間を伸ばせます。
この方法ではUUとセッション数は伸びませんが、1人のユーザーとのエンゲージメントが高まるため、リピーターになったりCV率が増加したりすることも期待できます。
内部リンクとは?SEO効果と内部リンクの設置方法を解説
5.ページを分割する
1つの長文記事を複数のページに分けて内部リンクで繋げることを「ページ分割」または「ページネーション」といいます。スマートフォン対応のニュースサイトやキュレーションサイトで多く見られる施策で、以下のようなメリットがあります。
- 1ページ目の文章量が少ないことで読み込みが早くなる
- ページ分割した分だけ広告枠が増える
- サイト全体のPVが増えるので広告媒体として評価が上がる
しかし、実際に記事を読むユーザー側にはメリットが少なく「次のページを読み込む手間がかかる」施策といえます。ページの続きを読まずに離脱する場合もあるため、ユーザー目線ではあまりおすすめとは言えない施策です。
ページネーションとは?ユーザビリティを高める作り方やSEO効果を解説
サイトの数値モニタリングでPV、UU、セッション数のどれを重視すべきか
マーケティング施策において、サイトのPV、UU、セッション数のどの数値をモニタリングで重視すればよいのかは、サイトの種類や収益構造によって異なります。
UU(ユニークユーザー数)を重視すべき場合
純粋な集客数を指標に使いたいときは、UUを見ていきましょう。たとえばCV(コンバージョン)が資料請求だったり、商品の購入だったりする場合です。サイトに集客できた数=UUと、同じ期間中のCV数を使えば、集客したうちの何割がCVまで至ったかのCVR(コンバージョン率)が分かります。
PV(ページビュー)を重視すべき場合
個別のページごとの閲覧数が重要になるのは、サイトの収益源が広告収入など「閲覧ごとに報酬が発生する」「広告クリックごとに報酬が発生する」といった仕組みの場合です。広告の形態によっては、掲載先サイトのPV数が広告出稿判断の指標となる場合もあります。
セッション数(訪問数)を重視すべき場合
直接的なCV(コンバージョン)を狙わないオウンドメディアサイトは、ユーザーにサイト内の多くのページを回遊してもらうことを重要視することが多いでしょう。そのような場合は、1セッションあたりのPV数でユーザー回遊率を確認していきます。
PV、UU、セッション数の違いまとめ
PV数が多くても、よくよく解析してみると、UUが少なく同じユーザーばかりが見ていたり、セッション数で見ると、一番誘導したいページの閲覧数が少ない場合があるサイトも意外と多いです。PV、UU、セッション数は、サイト運営方法の見直しや、質の向上を目指すために必要な情報となるため、それぞれの数値の特色をつかみ問題点を見つけていきましょう。
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