ABテストとは、要素を変えた複数パターンのを用意して、同一条件で効果検証を実施するWebマーケティングでよく用いられる改善手法のことです。
この記事では、Webサイト改善で頻繁に用いるABテストについての解説と、おすすめのABテストツールのご紹介をいたします。
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目次
ABテストとは?
ABテストとは、Webサイトの特定ページの異なるパターンを複数用意して、どちらが目標数値達成のために適しているかを測定するWebマーケティング手法です。
Webサイトの改善でABテストが用いられます。
Webサイトを運用する目的は色々ありますが、BtoBサイトであれば問い合わせや資料ダウンロード、ECサイトであれば商品購入や定期購入、メディアであればADのクリック数やARPUといったように特定のKPI/KGIを設定していることが多いと思います。
このようなKPIを改善するための手法がABテストです。
ABテストはリスティング広告を実施していればURLを変えた広告を設定するだけでABテストが出来ますが、広告を実施していない場合は検索流入ユーザーでABテストを実施することになります。
検索流入でABテストを実施するには、流入ユーザーに対して極力均等に各パターンを表示させることが必要です。この均等に配信してパターンAとパターンBのどちらが目標数値のクリアに適しているかを検証するツールがABテストツールです。
BtoBマーケティングのKPI設計のポイントを解説
ABテストの主な実施対象は?
ABテストは、ランディングページや問い合わせフォーム、その他リスティング広告ではTD検証やLP検証、ディスプレイ広告ではバナーのABテストがあります。
1. 問い合わせフォーム
気になる商品やサービスをWebで見つけてもっと詳細を知りたいとき、サイトに設置されている問い合わせフォームを使うことがよくあると思います。これらの問い合わせフォームも、「EFO(入力フォーム最適化)」をすることでCVRが向上します。その際、ABテストが用いられます。
特に問い合わせフォームは、「EFO(入力フォーム最適化)」という言葉があるほどに重要視されているポイントです。
EFOでコンバーションを改善!必要性や離脱しないための工夫2. ランディングページ
ユーザーがキーワード検索し、最初にたどり着くのがLPです。SNSなどから広告をクリックして遷移したページがLPだとすると、LPの第一印象でユーザーが次のアクションをとるかどうかは大きく変わってきます。つまり、良くも悪くもLPの印象でユーザーの行動をコントロールできるということです。
ちなみに、「ランディングページ最適化(LPO)」という言葉があるほど、LPの検証改善は重要視されています。いくらユーザーが商品購入や申込みをしたいと思っていても、購入ボタンまで容易にたどり着かないと、離脱率を高めてしまいます。LPOでも、ABテストが用いられます。
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3. バナー広告、リスティング広告
閲覧しているページ上にバナー広告が表示されたとき、皆さんはどのような行動をとりますか?クリックするにしても、じっくり考えてクリックすることは稀ではないでしょうか?むしろ、バナーの印象を一瞬で判断し、クリックに至ることでしょう。
そのため、一瞬の印象をよくする勝ちパターンを検証する必要があります。その際、ABテストが有効です。
4. その他
売り上げや問い合わせなどCVに直結する1~3でのABテストが注目されがちです。他にも、記事コンテンツ内の関連記事リンクに導入するリコメンドエンジンやブログカードでセッションあたりPVがどう変化するかなど、コンテンツマーケティングの分野でもABテストは役立ちます。
ユーザーが検索し、たどり着くページはさまざまです。どんなサイトでもABテストを実施する価値はあるのです。
ABテストを実施するメリット
ABテストを実施するメリットは、何があるのでしょうか?
1. 少ないリスクでWebサイトを改善できる
良い結果を期待してページをリニューアルした結果、リニューアル前の方がCVRが高かったということが起きないように、ABテストでリスクを軽減することができます。特定のページや広告に対してパターンAとパターンBをスプリットラン(同時並行)できるため、ABテスト実施中も機会損失を生むことがありません。
2. 低コスト、少ない工数で実施できる
サイトリニューアルなどに比べると、圧倒的に低コストで実施できます。リニューアルの場合、サイトの全体的な改変のため工数が多くなりますが、ABテストは安価なツールも多数存在しているので、リニューアルする予算が無かったとしてもWebサイトを低コストで改善していくにはおすすめです。
ABテストを実施するデメリット
では逆に、ABテストのデメリットは何でしょうか?
1. 同時並行で複数のテストが行えない
ABテストの実施要項は、基本的に1要素につき1テストです。つまり、気になる問題点に対して1つのABテスト実施が望ましいということです。1つの要素に複数のABテストを同時進行してしまうと、どの結果が問題点となっていたのかが分かりにくく、間違った答えを導いてしまう可能性があります。
2. 一定以上の母数が無いページではテストに時間がかかる
ABテストを実施するには、最低限母数のそろったデータが必要になります。例えば母数が10の場合、1CVが発生するだけで変動率(ここではCVR)は10%に達します。
統計学上、標本誤差(調査に必要な標本値と母集団値の差)は5%以下が望ましいとされているので、変動数を5%以下、調査に必要な母数が少なくとも400は必要になります。そのため、ABテストを行うページのデータをきちんと把握してから取りかかりましょう。
なお、一般的にABテストが有効なページのPVは2,000以上といわれています。
ABテストの注意点、ありがちな失敗は?
ABテストを行うにあたって、どのような点に注意するべきでしょうか?
1. ABテストの目的がはっきり決まっていない
ABテストの短期目的は適切ページの選定ですが、最終目的はサイトのコンバージョン率アップです。ABテストの実施で、どのコンバージョンを改善したいのか明確にしておかないと、何のためのABテストなのか分からなくなってしまいます。そのため、ABテストでの比較対象を下記の例のように定めましょう。
- LPからの直帰率を下げる
- 資料請求ページへの遷移率を上げる
- バナーのクリック率を上げる
- 申し込み数を増やす
など、改善したいデータを明確化してください。
2. ABテストではなく、前後テストをしてしまう
ABテストはパターンAとパターンBの比較ですが、気づかぬうちにトラフィックや検索順位の変化があったなど、時系列で過去データとの比較になってしまうことがあります。例えばあるページで2週間Aという施策を試し、次の2週間Bという施策を試したとします。その場合、下記のような要因で、適切な比較ができない可能性があります。
- 季節要因や時事ネタ要因に関するコンテンツでのABテスト
- 検索エンジンのアルゴリズムアップデートが実施された
- バックリンク獲得状況の変動
ABテスト中に上記のような要因が発生した場合、「前後テスト」となってしまいます。
ABテストは、あくまで現時点の2パターン間の比較です。2パターンのうちどちらか優れた数値を出した方が、新たに採用されます。比較対象データを取り違えないようにしましょう。
3. トラフィックの少ないページでテストしてしまう
ABテストの対象ページは、それなりのPVが必要です。小さいデータで比較すると、少しの数値変動が何十%もの大きな差になってしまいます。また、トラフィックが多数のサイトに分散されているかを確認する必要があります。なぜなら、オーガニックトラフィックの過半数がサイトのたった数ページに集中している場合、コンバージョンの上下動の要因が、サイト変更のためなのか外的要因によるものなのか、判断が難しいからです。
トラフィックをサイト全体に分散させることで、外的要因による変動を最小限に抑えられ、測定結果がより正確になるでしょう。
4. 短期間のABテストで急いで結果を出してしまう
結果を早く知りたいためにテスト期間を十分に設けず日数を短縮してしまうのは、正確なデータを測るには不十分です。また、Webページがクローラーの巡回を受けてインデックスされるまである程度の時間を要します。そのため、少なくとも1〜2週間以上はテスト期間を設けましょう。
クローラーとは?検索エンジンにインデックスされる仕組みや巡回頻度を上げる方法解説 Webサイトを制作、公開しても検索結果に表示されないと検索エンジン経由の集客はできません。検索エンジンがWebサイトの情報を取得するために使用しているのがクローラーです。クローラーがサイトの情報をどのように取得しているのか、基本的なところから解説します。無料でABテストを行いたい方にはGoogle オプティマイズがおすすめ
ABテストを無料で行いたいなら、「Googleオプティマイズ」を使ってみましょう。GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーと連携でき、ABテストに加えて異なるURLの比較を行う「リダイレクトテスト」や、ページ内の画像要素の組み合わせを変更した「多変量テスト」も行うことができます。
無料版でもABテストを十分に行えますが、有料版のGoogleオプティマイズ360では、テストの目標数やテスト数自体を増やすことができます。
【Googleアナリティクス】ランディングページを分析・改善・最適化する方法有料のABテストツール
無料版Googleオプティマイズの他に、有料のABテストツールもあるので紹介します。
KARTE Blocks(カルテブロックス)
KARTE Blocks(カルテブロックス)は、どのように構築されたサイトでも後からタグを一行貼るだけで、ノーコードで更新・評価・改善が可能です。
使いやすいUIと、ブロックに分解して効果を可視化することができる点、URLごとのページの出し分けなど必要な機能が揃ったABテストツールです。
外部リンク:KARTE Blocks
DLPO(ディーエルピーオー)
DLPOは日本初のLPOツールで、大手企業を中心にすでに700以上の導入実績があります。独自のテストエンジンで、クリエイティビティとユーザビリティの最適なマッチングポイントを算出してくれます。ABテストと多変量テストが使用できます。設定や運用に関してのサポート窓口もあるので、疑問が出たときも安心です。
外部リンク:DLPO Webサイト
f-tra EFO(エフトライーエフオー)
f-tra EFO(エフトライーエフオー)は、導入実績3,000社以上で導入後の業務改善効果が平均22%を誇る信頼性のあるEFOツールです。作業もタグを埋め込むだけとカンタンにでき、難しい技術を求められません。24時間365日の監視体制を採用しており、セキュリティ面も信頼感バツグンです。
外部リンク:f-tra EFO Webサイト
Optimizely
Optimizelyは、ABテストツールの代表格と言っても過言ではなく、世界シェアNo.1で累計約9,000社以上の導入数を誇ります。アメリカ発ですが、日本語にも対応しており、「ABテスト」「多変量テスト」「複数ページ(ファネル)テスト」の3つのテストで測定可能です。外部機能との連携にも強く、PC版のみならずモバイル版にも対応しています。30日間の無料トライアル期間があるので、ぜひ試してみましょう。
外部リンク:Optimizely Webサイト
まとめ
Webページのコンバージョン率改善に欠かせないABテストについて解説しました。ABテストは目標数値と実施方法をきちんと押さえれば、結果次第で大きく改善できる優れたテストです。本記事で触れたテスト実施時の注意点に気をつけながら、ぜひ自社サイトの改善に役立ててください。
何に困っていて、どう改善したいのかをご相談いただければ、ニュートラルワークスがABテストのお手伝いをしますのでお気軽にお問い合わせください。
サイトの成果改善でお困りではないですか?
「サイトからの問い合わせを増やしたいが、どこを改善すべきか分からない…」そんなお悩みをお抱えの方、ニュートラルワークスにご相談ください。
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