ランディングページ(LP)という言葉をご存じでしょうか。
ランディングページとは、ウェブサイトにおいて「ユーザーが最初に訪れたページ」を意味します。近頃はとくに商品やサービスの注文や問い合わせなど、購入に向けたアクションへ誘導することに特化した(一般的に)縦長のページのことをLPと呼びます。
この記事では、ランディングページの意義や特徴・制作方法などを解説します。ランディングページの制作を検討している方は、ぜひご覧ください。
この章ではランディングページとは具体的にどのようなものなのかに迫ります。ホームページとの違いやランディングページの違いなどについて解説します。
まずはランディングページという言葉が指す意味を解説します。広義で使われている意味と狭義のもので大きく異なるため、それぞれ紹介します。
ランディングページ(Landing Page)を日本語に訳すと、「WEBサイトへの訪問者が、初めに着地するページ」という意味です。そのため広義のランディングページは、あるWEBサイトAから異なるWEBサイトBに遷移したときの、WEBサイトBに流入して最初に見るページのことを指します。
WEBサイトAには、ブログ内のリンク・オンライン広告・検索結果など、あらゆるサイトが含まれます。そこから別のWEBサイトに移動した際に最初にアクセスしたページがランディングページとなるわけです。
また、広義のランディングページにはもう1つの意味があります。それはGoogleアナリティクスが定義している「ランディングページ」の意味です。
Googleアナリティクスでは、ランディングページは「ユーザーがお客様のサイトにアクセスする際、最初に表示したページ」と説明されています。つまり、Googleアナリティクスが計測しているWEBサイト内で、ユーザーが最初にアクセスしたページを指します。
たとえばECサイトの場合を考えてみましょう。ユーザーが店舗名を検索して、ECサイトのトップページに最初にアクセスしたら、トップページがランディングページとなります。ユーザーが商品名を検索して、商品情報ページに直接アクセスしたら、その商品ページがランディングページとなります。
ただ、実はWEBマーケティングの分野でランディングページと言った場合は、次に説明する狭義の意味で使われることがほとんどです。
狭義のランディングページは、検索エンジンや広告・SNS等から辿り着いたユーザーに、何らかのアクション(コンバージョン)を起こさせることを目的としたページです。問い合わせや資料請求、商品注文等をおこなわせるための共通する特徴を持ったページを指します。
ECサイトであれば、ランディングページにおけるゴールは商品注文や試供品のお申し込みなどを受けるときです。イベント会社などのWebサイトであればイベントへの参加予約のアクションがランディングページのゴールとなるでしょう。
この記事で指す「ランディングページ」や「LP」といった単語は、狭義のランディングページを指します。(一般的にランディングページというと、狭義であるこちらの意味を指す場合が多いのですが、コミュニケーションを取る際は認識の齟齬が出ないように注意しましょう。)
ランディングページの役割は、アクセスしてくれたユーザーに対してコンバージョンを促すことです。コンバージョンとは、そのランディングページにアクセスしてくれたユーザーに対してサイトの運営側がしてほしい行動を指します。商品の購入、サンプル品の請求、会員登録、資料のダウンロードなど、ランディングページごとにユーザーにしてもらいたい目的の行動は異なります。このコンバージョン率を最大化させることが、ランディングページの役割です。
一般的なWEBサイトにおいては必要なSEO施策などは、ランディングページでは重視されません。通常、WEBサイトのコンテンツはSEOによる集客が重要ですが、ランディングページは広告などを使ってお金をかけてアクセスを増やすため、SEOを意識する必要がないためです。
つまり、ユーザーに利益につながるような行動を起こしてもらう、すなわちコンバージョンへ誘導することへ特化しているのがランディングページなのです。
ランディングページとホームページの違いをシンプルに挙げると、以下のようになります。
ランディングページ:1ページに必要情報がすべて盛り込まれた構成
ホームページ:複数ページで構成されており、情報によって掲載ページが異なる
※ホームページは狭義ではWebサイトのトップページのことを指しますが、この記事では複数ページで構成されたWebページとしての意味を優先させます。
ランディングページはコンバージョン獲得に特化したページであり、1つのページに多くの情報を盛り込んでいます。広告的な要素が強く、売上やアクションに直接つなげることを目的としたページです。
一方でホームページはユーザーに情報を提供することを目的としており、複数のページで構成されています。ページごとに情報やコンテンツがまとまっているため、1つのページに掲載される情報には限りがあります。
ホームページのほうが検索エンジンからの評価を得やすいため、中長期的な集客にはホームページが使用されます。ランディングページはユーザーに行動を起こさせるため、タイミングを見て活用されることが多いです。
ここまでランディングページとはどのようなものか説明してきました。次にランディングページの実例を見てみましょう。
ランディングページはユーザーのニーズや検索キーワードに対応して作られます。そのため、単一のサービスについての情報のみを掲載したページになるものがほとんどです。その企業が多くのサービスを手がけているとしても、ランディングページは単一のサービスに集中した内容になっています。
こちらは、LP最適化サービスのランディングページです。
https://n-works.link/lp-production
こちらは、高校数学に特化したオンラインスクールのランディングページです。
ニュートラルワークスには、多種多様な領域で数多くのランディングページ制作・運用実績があります。ぜひこちらのページもご覧ください。
ランディングページは、あらゆるビジネスにとって必須のものなのでしょうか。
現在ランディングページを作成しておらず、WEB広告を出稿した際もコーポレートサイトやECサイトへ誘導している会社も多いでしょう。それらの会社でもランディングページを作るべきなのでしょうか。
ここではランディングページを作るべきか、判断する基準を説明します。ランディングページの代表的な効果は以下のとおりです。
つまり、流入したユーザーを逃さずコンバージョン率を最大化させる効果が期待できます。また、自社のWEBサイトへのアクセス数を増やすためには、広告費が使われます。コストをかけて集客してもコンバージョンを得られなければ、その広告費は無駄になってしまうのです。
もし、広告を出稿してアクセスを集めているWEBページや、これからアクセスを増やそうとしているWEBページのコンバージョン率が悪いのなら、別途ランディングページを作った方が良いでしょう。
もしくは、すでにあるサービス紹介ページや会員登録ページのコンバージョン率が十分に高ければ、新しくランディングページを作成する必要はないかもしれません。ランディングページを作った際にコンバージョン率を向上させられるかを基準に判断してください。
ランディングページを制作するしないに関わらず、広告を配信して集客するならば、その広告から流入させるランディングページの最適化は必要です。ランディングページのパフォーマンスが悪いままでは、せっかく広告費をかけて集客しても効果が期待できません。
集客した際にランディングページのコンバージョン率が低ければ、広告費をかけて集客しても収益につながるような見込み客を確保することはできないのです。
広告を出稿しているあいだは、ランディングページは常に改善を続ける必要があります。現状のサイトをそのまま使っても構わないのですが、定期的に効果測定と最適化を行うのは必須です。
現状のWEBサイトの更新がすぐにできないような難しい構造なら、スピード感をもった対応は難しいでしょう。。その場合は、別途新しいランディングページを制作した方が効率よく運用できると言えます。
ここまで、ランディングページの概念や役割を解説してきました。この章では、ユーザーが実際にランディングページにアクセスして、コンバージョンが発生するまでの流れを説明します。
イメージは、以下のようになります。
この流れに沿って見ていきましょう。
ランディングページでコンバージョンを得るためには、そもそもユーザーに見てもらわなければなりません。そのためランディングページで成果を出すためには、ユーザーの流入数を増加させることが最優先にやることすです。
ユーザーにどのような経路でランディングページにアクセスしてもらうかには、大きく分けて2つのパターンがあります。
まず、広告からアクセスしてもらうものです。出稿した広告を通してユーザーにランディングページの存在を認知させ、流入数を増やします。
広告は最も素早くユーザーの流入数を増やせる方法です。リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など多くのチャネルがあります。そして商品やサービス、またはターゲットとしているユーザーのタイプによって、適したチャネルは異なりますので、流入数を増加させるための効果的な方法を検討して実践しましょう。
もうひとつの流入経路は、自社WEBサイト内のアクセス数の多いページからランディングページへ誘導するものです。
ランディングページはコンバージョンを得ることに特化したページです。SEO施策ができないため、広告以外での新規ユーザーの集客には向いていません。そこで、すでにSEO対策ができており自然検索でユーザーを獲得しているページから、ランディングページへ誘導することで商品購入までの導線を作ります。
自社サイトで獲得しているユーザーを適切に誘導すれば、コンバージョンにつながる可能性を高めることができ、より大きな効果へつなげることができるのです。
オンライン広告を見てランディングページにアクセスしてきたのは、広告内容に興味を持った人たちです。ただし、広告からアクセスした人でも興味関心のポイントや深さには幅があります。
たとえば、iPhone13用のクレジットカードも収納できるケースの広告を考えてみましょう。ランディングページにアクセスしてきたのは、次のような人たちです。
1のタイプは、すでに購買意欲がある人です。離脱を防ぎ、できる限りスムーズに購入手続きへ進んでもらう必要があります。
2と3のタイプは、商品に一応の興味は持っていますが、購買意欲はそれほど高くはありません。これらの人に対して、セールスライティングを通して商品に興味を持ってもらい、購入してもらうことが必要です。この商品の場合は、単なるスマホケースよりもクレジットカードが収納できるケースの方が便利な点を説明し、使い勝手が想像できるコンテンツが有効でしょう。
4のタイプは、直接のターゲットから外れているようにも見えます。しかし、この商品の機能には興味を持ったことが推測できます。そのため、バリエーションとしてiPhone以外のスマホに対応する商品もあることを伝えられると有効です。
ランディングページの構成には基本的な構成があります。多くのランディングページは、画面上から順に
の3つのパートで構成されています。
トップコピーでは、ターゲットに響くベネフィットを伝えます。
その商品を使うことで、どのような効果が得られるのか、生活がどう便利になるのかをイメージしてもらうことが重要です。もともと購買意欲の高い人ならば、この部分を見ただけで購入を決めてくれるでしょう。購入意欲の高くない人にも興味を持ってもらい、画面を下へスクロールしてくれるコピーが求められます。
ボディコピーは、安心してもらうためのパートです。
その商品を使って得られるメリットを詳しく説明し、品質を裏付ける証拠を提示して、自分が買った場合も本当にベネフィットが得られることを納得してもらうのです。購買意欲が高い人には、購入の背中を押す内容となります。購買意欲が高くない人にとっては、興味を深めてもらい、購入を検討する段階へ進んでもらえるコンテンツが必要です。
そしてクロージングコピーでは、商品の購入を促します。
単純な購入ボタンや申し込みフォームだけでは、コンバージョン率は最大化しないかもしれません。このランディングページに特有のオファーを示すのが効果的です。期間限定の値引きや、商品によっては初回お試し価格も効果的です。
このようにランディングページは、アクセスしてくるユーザーのタイプを想定し、画面をスクロールするごとにコンバージョンに近づけていくようなコンテンツを配置して構成されています。
ランディングページを制作し、WEB広告を出して集客した後、商品が売れるか売れないかを決める大きな要素は以下の2点です。
まず最初に、広告が正しくターゲットに届いているかが重要です。
商品に興味を持ってもらえない人に広告を配信しても、ランディングページへの誘導はできません。しかし、現在の購買意欲が高い人だけに伝えても、集客できる人数には限りがあります。商品に興味を持ってもらえる範囲で、できるだけ幅広く広告を届けなければなりません。
先程の例で言えば、「iPhone13用のクレジットカードも入るケース」が欲しい人は、購買意欲を持った潜在顧客ですが、人数は多くないでしょう。しかし、「iPhone13用のケース」を探している人たち全般に広告を配信しても、興味を持ってくれる人は少ないと考えられます。
そこで、「多機能」「キャッシュレス」などのキーワードを組み合わせることで、興味を持ってくれそうなユーザーをできるだけ幅広く集められるよう調整します。広告を運用する中で、効果測定と改善を繰り返しながら、最適な出稿設定を探し続ける必要があるのです。
そして次に、広告からランディングページにアクセスしたユーザーの購買意欲を引き出して、コンバージョンにつなげる必要があります。
いくら購買意欲が高いユーザーや、商品に興味を持ったユーザーを多く集められても、ランディングページのクオリティが悪ければコンバージョン率は向上しません。商品の魅力が正しく伝わり、ページ表示が滞りなく、レイアウトが乱れずに見ることができ、ユーザーが次に取るべき行動がわかりやすいページが必要です。
つまり、ユーザーを離脱させずにコンバージョンに誘導できるランディングページが理想です。そのようなランディングページの制作方法については、次の章で解説します。
ランディングページの具体的な制作方法を紹介します。手順をしっかり押さえることが、良いランディングページにつながるのです。
ランディングページを作成するとき、一番最初にやるべきことがページの目的とペルソナ設定です。ランディングページはなんらかのアクション獲得が目的ですが、具体的なゴール地点を決めることでページの目的や方向性が決まります。具体的な例は以下のとおりです。
商品やサービスの購入や申し込みが目的であれば、商品説明や実際の画像・使用者の口コミなどを多く掲載して購入意欲を高めるのが効果的です。顧客から購入のアクションを引き出すには、必要なものや購入意欲が高まる情報をまんべんなく盛り込む必要があります。
無料でできる資料請求やメルマガ登録・SNSへの投稿などであればユーザーの心理的ハードルが下がるため、アクションを得られる可能性が高いです。ベネフィットの提示は必要ですが、商品を売るためのランディングページほどの情報量がなくても問題ないでしょう。
ペルソナの設定も非常に重要です。ペルソナとは商品・サービスをもっとも利用して欲しい人物モデルを指します。ペルソナが働き盛りの40代男性である場合と就職活動中の女子大学生の場合では、効果的なデザインや文章がまったく異なるのは明らかです。ターゲット層に響くランディングページにするために、厳密なペルソナ設定をおこないましょう。
ランディングページの目的とペルソナが決まったら、ワイヤーフレームを作成してランディングページの構成を決めます。ワイヤーフレームとはページの設計図のことで、コンテンツを設置する場所や設置の方法などをまとめたものです。コンテンツの並び順や設置の方法は、訴求力に大きく関わります。
いきなり購入を促すような文章を配置してもアクションは得にくいでしょう。購入を促す文章を設置する前に、商品の魅力やベネフィットを伝えるコンテンツや購入者の感想などのコンテンツを設置し、順を追ってプレゼンすることが大切です。
ランディングページで理想的なアクションを得るためにも、どのような配置でコンテンツを設置するか考える必要があります。
ワイヤーフレームが完成しランディングページの構成が決まったら、実際のデザインや文章作成をおこないます。ランディングページに必要となる要素の例は以下のとおりです。
必要となる要素を盛り込み、適した文章を作成していきます。
ランディングページの離脱率を下げアクションへ誘導するためには、デザインも大切です。最後まで読みたくなるような気持ちにさせ、ユーザーの心を掴むためにはデザインを使って視覚的に訴えることもあります。読みさすさはもちろんのこと、ペルソナやターゲット層に合ったデザインを作ることにも注意しましょう。
デザインをより良くする過程において、最初に構成したワイヤーフレームを変更しなければいけないこともあります。ワイヤーフレームはランディングページの設計図ではありますが、配置を変更したほうが良いと判断した場合には関係者と相談しつつ柔軟に対応するべきです。
コーディングとはHTMLやCSSなどコンピューター言語でコードを書くことです。これまで打ち合わせの状況であったランディングページを、実際にWeb上に作り上げていきます。
コーディング作業はコンピューター言語の知識が必要不可欠なため、社内のWebエンジニアや外部のホームページ制作会社に依頼します。なお、コーディング段階に入ったあとで文章の差し替えやデザインの変更などをする必要がないようにしましょう。作業を1段階差し戻すことになり余分な工数や時間が発生するため、効率が悪くなってしまいます。
コーディングが完了しWeb上にランディングページが出来上がったら、実際のWebサーバーで公開をします。ランディングページを公開したら終わりではなく、より良い効果を得るために適時調整することが大切です。
ランディングページにやってきたユーザーのコンバージョン率を観察しながら、よりアクションを獲得できるよう内容を調整します。このように、Webページ公開後におこなう観察や調整作業を効果測定といいます。
ランディングページに盛り込むコンテンツはなんでも自由に記載できるわけではありません。制作時の注意点について解説します。
1つ目の注意点は法令です。ランディングページを制作する際には、法令違反を起こさないよう注意する必要があります。ランディングページはクローズドページとして運用されることが多いため、一般的なWebページと比べて法律や各種規制に対する認識が甘くなりがちです。
しかし、ランディングページであっても法令を守る必要があるのは同じです。コンプライアンスへの配慮に気をつけましょう。
以下のような法律には特に注意が必要です。
ランディングページは画像を多く使用しますが、使用する際には注意しなければなりません。画像によってはページの読み込み遅延につながるため、ユーザーが直帰してしまう可能性が高くなります。
画像の枚数だけでなく、画像自体の重さにも注意が必要です。たとえ使用枚数が少なくても、容量の大きい画像であれば読み込みに時間がかかります。むやみに画像の枚数を増やしすぎないことや、必要に応じて画像容量を圧縮できるソフトやサイトを使用するなど、ページスピードの遅延を防ぐための対策を取るべきでしょう。
ランディングページはデザイン性が非常に高いため、Webデザインのノウハウを持っていないと制作が難しいものです。自社で進めるのであれば人材の確保が必要ですが、高度な知識を持つ人材を雇用するためにはそれなりの人件費がかかります。
ランディングページの制作はホームページ制作会社に依頼することが多いですが、1ページとはいえ顧客をとるにはそれなりのクオリティが求められるので、かなりの費用が発生します。最低でも10万円、質によっては50万円ほどかかると想定しておくべきでしょう。
ランディングページは売上につながるアクションへ誘導するために効果的です。デザインの自由度が高いため、ターゲット層や商品に合わせた理想的なデザインを作り上げることができます。既存のSEOコンテンツから誘導するページなので、キーワードに縛られることもありません。
売上拡大を期待できるページですが、Webデザインやランディングページに関するノウハウがない状態で制作するのは難しいです。ホームページ制作会社へ依頼するにしても、結果を出せるランディングページを制作できる会社を選びたいですよね。
株式会社ニュートラルワークスでは大手ネット広告代理店のランディングページ専門チームに在籍していたディレクター主導のもと、結果につながる価値あるランディングページをご提案します。ランディングページの制作を検討中であれば、ぜひご相談ください。