ウェビナーとはオンラインで実施するセミナーのことで、近年注目度が高まりつつあります。Webマーケティングにおいて大きな効果が期待できますが、そのためにはウェビナーに関する正しい知識と理解が必要です。
そこで本記事ではウェビナーのメリット、実施するうえでのポイントを解説します。ウェビナーに興味のある方や実施を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
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目次
ウェビナーマーケティングとは
ウェビナーとは、webとseminarを組み合わせた造語です。すなわちウェビナーはWeb上で行うオンラインセミナーを意味します。ウェビナーマーケティングは、自社の商品やサービスを購入してもらう目的で実施されるオンラインセミナー施策です。通常のマーケティングと同様に、見込み顧客をゲットすることを目的としていることも多いです。
ウェビナーはもともと、欧米を中心に活用されていた手法でした。土地が広い国や地域では、オフラインで人を集めることが困難であり、場所を問わず参加できるオンラインセミナーが便利だったのです。
近年は日本でもウェビナーを活用する企業が増えています。理由のひとつとして、新型コロナウイルスの流行があげられます。長距離移動や大勢で集まることを自粛する動きが強まるなかで、オンラインで実施できるウェビナーの需要が高まったのです。現在ではWebマーケティング施策として、一般的になりつつある手法です。
ウェビナーの配信方法
ウェビナーの配信方法として以下の3種類があげられます。
- リアルタイム方式
- 録画方式
- 疑似ライブ方式
それぞれの配信方法について詳しく解説します。
リアルタイム方式
リアルタイム方式は、告知した時間にオンラインでウェビナーを実施する方法です。リアルタイム方式のメリットとして、参加者と交流しやすい点があげられます。チャットなどの機能を通じて交流ができるため、臨場感やリアリティがあります。質疑応答の時間を設けることも可能です。
ただし時間指定のため、開催時間に予定を空けられる方しか参加できません。オンラインで場所の自由度は高いとはいえ、ほかのウェビナー方式に比べて、参加のしやすさがやや下がってしまいます。
録画方式
録画方式はあらかじめ録画しておいたセミナー映像を配信する方法です。録画方式のウェビナーであれば、時間や場所を一切問いません。顧客の好きなタイミングで見られるため、視聴ハードルが下がります。動画をしっかりと作り込んで完成度の高い内容を配信できる点も、録画方式ならではのメリットです。
ただし質疑応答やチャットなど、リアルタイムのやりとりはできません。顧客との関係を構築する目的には、あまり適していないと考えられます。
疑似ライブ方式
疑似ライブ方式はあらかじめ録画しておいたセミナー映像を、告知時間に流す方法です。セミナー映像自体は録画していたものを流しますが、質疑応答やチャットでのやり取りはリアルタイムで対応できます。リアルタイム方式・録画方式の良いとこどりをした方法です。
ただしリアルタイム方式と同様、時間指定となる点には注意が必要です。また事前の動画作成だけでなく、当日も進行・対応が必要なため、運営側にかかる負担は他の方法よりも大きくなります。
ウェビナーマーケティングのメリット
ウェビナーマーケティングには、以下のようなメリットがあります。
- 集客力が高い
- 見込み客の育成に活用できる
- 低コストで運用できる
- 業務量を少なく抑えられる
それぞれ詳しく解説します。
メリット1.集客力が高い
ウェビナーはオフラインセミナーと比べ、集客力が高い方法です。ウェビナーはオンラインで実施するため、オフラインセミナーとは違い、実際に足を運んでもらう必要がありません。場所を問わず参加できるため、全国の顧客がターゲットとなります。
ウェビナー方式によっては時間も問わず、好きなタイミングで視聴できます。したがって忙しくスケジュールの確保が難しい顧客でも参加しやすい方法です。またウェビナーであれば、参加者の交通費など費用もかかりません。費用負担が小さい点も、参加のハードルが下がり、集客力を高められる理由です。
このようにウェビナーは、オフラインセミナーに参加しない顧客も集められる可能性があります。
メリット2.見込み客の育成に活用できる
ウェビナーは見込み客の育成(リードナーチャリング)にも活用できる方法です。ウェビナーの使い方によっては、自社に興味を持っている顧客に対し有益な情報を発信し、商品やサービスの購入・利用につなげられます。動画は文字や画像での情報発信に比べ、より訴求力の強い手法です。
録画方式のウェビナーを取り入れれば、ウェビナー動画を好きなタイミングで見てもらえます。顧客がいつでも視聴できる状態なので、動画が顧客の育成を常時行なってくれるといえます。
単純なウェビナー開催だけでなく、アフターフォローを活用すれば、さらなる顧客育成が可能です。たとえばウェビナー参加者に対するアンケートや追加フォローの実施は、顧客分析や効率的な育成に役立ちます。
リードナーチャリングとは?見込み客を育成する手法と事例を解説
メリット3.低コストで運用できる
ウェビナーはオフラインセミナーに比べ、低コストで運用できるセミナー手法です。ウェビナーは、PC・マイク・カメラなど最低限の機材さえあれば簡単に開始できます。必要な準備がそれほど複雑でないため、参入ハードルも低めです。
またオフラインセミナーの場合は、会場の利用費や受付・案内などスタッフの人件費も必要です。ウェビナーであれば、このような費用もかかりません。一度セミナー動画を撮影すれば、そのあと何度もマーケティングツールとして使い続けられます。大勢の営業マンによる営業活動の実施に比べ、人件費などを圧倒的に安くおさえられます。
準備や開催に要する費用だけでなく、その後のマーケティング施策にかかる費用の削減にもつながる手法です。
メリット4.業務量を少なく抑えられる
ウェビナーはオフラインセミナーに比べ、業務量を少なく抑えられます。オンラインセミナーの実施では、ほとんどの場合に以下の作業が必要です。
- セミナー会場探しおよび会場の下見
- 備品や機材の準備
- セミナー当日の配布物の手配
- 会場設営
- 業者との打ち合わせ
- 受付や案内など当日の運営
ウェビナーの場合、上記の業務について大部分をカットできます。ウェビナーを自社オフィスで行えば、会場関連の業務はすべて不要です。会場を借りるとしても、設営や運営に関する業務は、オンラインセミナーと比べてはるかに少なく済みます。
資料についても、ウェビナーならURLやPDFで共有できるため、配布の手間がかかりません。ウェビナー実施後のアンケート回収も、ネット上で行えばほとんど作業が不要です。オフラインセミナーに比べ、業務量が少ない方法です。
ウェビナーマーケティングを実施する上でのポイント
ウェビナーマーケティングを実施する際のポイントとして、以下の6点があげられます。
- 参加者の最大化をはかる
- ペルソナ設定を事前に行う
- 顧客が求めている有益な情報を発信する
- 配信をスムーズに行う
- ウェビナー参加後のフォローをしっかりと行う
- 結果をしっかりと分析する
それぞれ詳しく解説します。
参加者の最大化をはかる
ウェビナーマーケティングの成功には、参加者の最大化をはかるための工夫が必要不可欠です。ウェビナーは、オフラインで開催されるセミナーとは違い「たまたま開催していたから立ち寄る」というケースがありません。このためウェビナーでは、なによりも参加者を集めることが大切です。
SNSやWebサイト、広告などを活用し、参加者を多く集めます。ウェビナー開催を認知させるのはもちろん、参加したいと思わせるような魅力も大切です。参加者を増やすための告知方法を入念に検討します。
またウェビナーは気軽に参加できるからこそ、直前で参加しなくなる人も多くいます。そのためメールでリマインドをするなど、申し込んだ人を確実に参加させるための工夫も必要です。
ペルソナ設定を事前に行う
ウェビナーでより確実な成果を出すには、事前のペルソナ設定も欠かせません。ペルソナとは自社の顧客として設定する架空の人物像です。顧客について具体的な設定を行うことで、効果的な施策の検討や展開を進めやすくなります。ウェビナーに限らず、マーケティング施策には、ペルソナ設定が必要不可欠といえるでしょう。
ペルソナを考える際に検討する要素の例は以下のとおりです。
- 年齢
- 性別
- 住んでいる場所
- 職業や仕事内容、勤続年数
- 趣味・ライフスタイル
- 価値観
顧客の層によって、効果的なウェビナーの内容は大きく異なります。ウェビナーの内容はもちろん、ウェビナー方式や好まれる話し方などはさまざまです。自社の見込み顧客のペルソナ設定を事前にしっかりと行えば、顧客が求めている要素をイメージしやすくなります。顧客目線での検討ができるため、ウェビナーで成果を得られる可能性が高くなります。
なおペルソナの設定は、なるべく早い段階で行うのが理想です。
顧客が求めている有益な情報を発信する
ウェビナーを成功させるには、自社が発信したい内容ではなく、顧客が求めている有益な情報を発信するという姿勢が求められます。売り上げアップを目的としたウェビナーは、営業としての性質が強くなってしまいがちです。しかし単純に売り込みをすれば良いわけではありません。むしろ露骨な売り込みをすればするほど、顧客の気持ちは冷めてしまうでしょう。
以下のような印象を持たれてしまうと、顧客は一気に離れてしまいます。
- 信頼できない
- 宣伝が強すぎる、多すぎる
- 買わせようと必死
確かに販促や宣伝も大切ですが、ウェビナーでは顧客にとって有益な情報の発信を優先する必要があります。顧客が求めている情報は何か、「参加してよかった」「有益な情報だった」と思ってもらえる内容は何か、これらを検討したうえでウェビナーを開催することが大切です。
内容だけでなく、配信の仕方も重要です。淡々と話すだけでは退屈に思われてしまい、顧客の気持ちは離れてしまいます。ウェビナーを通して一体感を得られるような演出や、画像や資料を上手く活用した、楽しげな内容が効果的です。
配信をスムーズに行う
オンラインならではのポイントとして、スムーズな配信の実施があげられます。快適に視聴できるウェビナーでなければ、せっかく参加してもらっても、すぐに離脱されてしまう恐れが大きいです。例として、以下のような配信はスムーズといえません。
- ノイズが多くて聞こえにくい
- 画質が荒い・暗いなどの理由で映像が見にくい
- 音声が途切れて集中できない
不快感を与える恐れのある要素は、なるべく失くすような工夫が必要です。また参加者によって、ネット環境や視聴環境は異なります。さまざまな環境について考慮に入れ、なるべく多くの人が快適に視聴できるような企画が必要です。顧客目線でスムーズな配信を実現するには、事前にさまざまな環境でテストを行うのが理想です。
ウェビナー参加後のフォローをしっかりと行う
ウェビナーは受講や視聴をしてもらったら終わりではありません。ウェビナーを通して成果を得るには、ウェビナー参加後の充実したフォローも大切です。Webに限らず、顧客はセミナーに参加した直後がいちばん熱のある状態です。しかしそのまま何もせずにいると、顧客の熱は冷めてしまい、特にアクションを起こさないという結果になりがちです。
ウェビナー参加者の気持ちや意欲が冷めないうちに、顧客が求めるフォローアップを行う必要があります。ウェビナー参加後のフォロー内容として、以下の例があげられます。
- サンプルを渡す
- 無料体験を促す
- より詳細な資料を送付する
アンケート結果や施策の目的などに応じて、それぞれ必要とされるフォローを行うことが大切です。
結果をしっかりと分析する
ウェビナー開催後は、ウェビナーによって得られた結果をしっかりと分析する必要があります。結果は定量的に計測し、分析した内容をもとにPDCAを回します。
入念に準備や検討をした施策でも、実際にやってみない限り、具体的な結果はわかりません。そして得られた結果や明確になった課題などの情報は、以降の施策をより良いものにするうえで役立つ材料となります。結果の分析をしなければ、成果が出ない誤った方法を続けてしまう恐れがあるのです。ウェビナー開催後、最低でも以下の情報は計測・分析する必要があります。
- 閲覧回数
- 参加者の滞在時間
- 離脱が多かった箇所
- アンケートの回答
閲覧回数が少ないのは、集客が上手くいっていなかった可能性が高いです。また離脱が多かったコンテンツは、「何がだめだったのか」をきちんと分析する必要があります。このように結果を分析することで、次のウェビナーで改善するべき要素が明確になります。ウェビナーを実施して終わりではなく、次につなげるための活動が大切です。
ウェビナーマーケティングで集客を効率化しましょう
ウェビナーはWebを利用して行うセミナーです。集客力やコスト面など、さまざまなメリットがあります。ウェビナーで大きな成果を出すには、ポイントをおさえた施策展開が重要です。今回紹介した内容を活かしながら、効果的な施策が実施できるように運用していきましょう。
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