マーケティング

最終更新日: 2023.08.17

オウンドメディアリクルーティングとは?メリット・デメリット、事例を解説

オウンドメディアリクルーティングとは?メリット・デメリット、事例を解説

オウンドメディアでのリクルーティングを考えているものの「人材獲得に効果があるのか不安」といった悩みや、「どのように進行していけばいいのか分からない」と戸惑いを感じている人は少なくありません。

オウンドメディアリクルーティングを成功させるためには、特徴や仕組みを理解し、会社にあったメディアの展開をしていかなければなりません。そこでこの記事では、「オウンドメディアリクルーティングとは、何なのか?」を再確認しながら、メリット・デメリット、やり方について詳しく解説します。

オウンドメディアリクルーティングの実施を効果的に進められるよう、ぜひ参考にしてください。

石田 哲也

監修者

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

目次

オウンドメディアリクルーティングとは

オウンドメディアリクルーティングとは

オウンドメディアリクルーティング(Owned Media Recruiting)は、略してOMRとも呼ばれています。オウンドメディアを活用したリクルーティング、つまりは人材を確保する採用活動のことを指す言葉です。

オウンドメディアは会社が運営している、Webサイトやブログ、InstagramやTwitterなどの、見込み客や消費者などへ情報を提供するメディア全体を含みます。そのメディアを利用して、人材を確保する手段と考えればイメージしやすいのではないでしょうか。

働き方改革や少子高齢化社会の影響から、人材不足が叫ばれている中、いかに会社の魅力を伝え、潜在的な人材に情報が届けられるかが必要です。そこでさまざま媒体を使ってアピールができる、オウンドメディアリクルーティングを導入する会社が増加し始めています。

ユーザーの興味を引き、魅力を感じるようなメディアの作成ができれば、消費者としてだけでなく、人材獲得へとつなげることも可能なのです。
オウンドメディアとは?特徴や目的、企業の事例について解説 オウンドメディアとは?特徴や目的、企業の事例について解説

求人サイトとの違い

オウンドメディアリクルーティングは、求人サイトのように自社の情報を登録して応募者を待つ、受動的なものとは異なります。求人サイトは就職意欲の高い早期的な人材の獲得に役立ちますが、長く情報を掲載できないことから、長期的な作業活動には向いていません。

しかし、オウンドメディアは会社が扱っている、または作成したメディアを使って能動的に行う方法であるため、掲載期限や文字数制限がありません。したがって、オウンドメディアリクルーティングは情報量も自由に設定し、より魅力的な内容を長期にわたってユーザーに届けることができます。

人材が欲しいタイミングでの採用になりにくいところはありますが、他業種といった新しい層からの人材を、生み出しやすくなります。

オウンドメディアリクルーティングのメリット

オウンドメディアリクルーティングのメリット

オウンドメディアリクルーティングを導入するにあたり、どのようなメリットがあるのか紹介します。

  • 自社の魅力をより伝えられる
  • ミスマッチを減らせる
  • 自社の認知度を上げることができる
  • 長期的に発信可能で資産になる
  • 採用力が高まる
  • 転職潜在層を掘り起こせる

ビジネスにもたらす効果が会社にとって必要なのかどうか考え、導入をするのかどうか慎重に判断するようにしましょう。

自社の魅力をより伝えられる

求人サイトや広告では、限られた文字数で情報を届けなければならないため、魅力的な情報があっても省かなければなりません。その点、自社メディアを利用する方法は記載するための決まりもなく、ユーザーに届けたい情報を自由に設定できます。

例えば、会社が行った活動についてWebサイトに載せたり、SNSで社内の様子を紹介したりするなども自由です。外からは見えない会社の魅力をユーザーに届けられるため、会社の理念だけでなく実際にどのような環境で働けるのかアピールできます。

しかしアピールする内容が、同じ業種の競合会社と差別化できていなければ、なかなか興味を持ってもらえません。だからこそ、営業時間やおおよその仕事内容ばかりでなく、会社の魅力を伝えられるようなメディアが求められます。ユーザーがどのような情報を求めているのか考えていかなければなりませんが、より幅広い情報を届けられる点は強みといえるでしょう。

ミスマッチを減らせる

会社の概要的な情報だけでは、どのような業務があって、どういった人材が働いているのかユーザーは知ることができません。そのため、想定していた仕事と大きな違いがあることで、短期間で退社をしてしまうようなミスマッチになる危険性があります。

会社側では、求めているような人材が集まらず、採用できても教育に時間が取られて、仕事の効率が悪くなることも考えられます。この結果、業務全体に悪影響を及ぼすことにもなりかねません。

そのため、求人サイトや広告で不足している情報を、オウンドメディアで伝える方法は、情報不足によるミスマッチを防ぎやすくなります。ミスマッチが全てなくなるというわけではありませんが、会社のことを理解したうえで就職を考えるきっかけになるでしょう。

もちろん誤った情報を載せないように注意して、就職後に違和感を覚えることのないように、正しい情報を届けることが大切です。

自社の認知度を上げることができる

オウンドメディアは検索を通して情報を発信できるため、通常の募集では集まらないような人たちにもアピールしやすくなります。また、会社の投稿に興味をもってもらえれば、 TwitterやInstagramなどのSNSでシェアしてもらうことも可能です。

狙い通りシェアが行われれば、そのユーザーのフォロワーにも情報が届くようになるため、さらに幅広い層の人材獲得につながるでしょう。そのようにして情報が拡散されて広まっていくことで、人材が集まるだけでなく会社の認知度を高めることにもなります。

認知度があるサイトであればあるほど、より多くのユーザーの目につくようになることから、新規の人材や顧客を発掘することも難しくありません。

特にSNS上にあげた情報は Webユーザー以外からの流入も見込めることから、WebとSNSをうまく組み合わせられれば、より多くの人材を獲得できる手助けとなるでしょう。限定した場所やターゲットだけでなく、幅広く情報が届けられる利点は大きな宣伝効果をもたらします。

長期的に発信可能で資産になる

求人サイトを利用する場合、長期的な活用はできず、更新し続けるために大きなコストが必要になるでしょう。しかし、オウンドメディアリクルーティングであれば、自社サイトで運営し、半永久的に情報発信が行えるため、資産にもなりえます。

また、新しい情報を加えていくこともできるため、常にユーザーが興味を持つ内容を掲載し続けることができれば、人材確保を安定させることも可能です。一方で更新を怠ったサイトを放置し続けることは、ユーザーの興味を失わせるだけでなく、何の情報も得られない会社だと評価を下げることにもなりかねません。

資産として確立させるためには、ユーザーの興味を引き、この会社で働きたいと思わせるような質の高いコンテンツの作成が必要です。定期的な更新もしっかりと行い、常に新しい情報を提供できるメディアづくりを目指しましょう。

転職潜在層を掘り起こせる

求人サイトなどは、転職したい人が能動的にサイトに訪れます。そのため、転職したいというニーズが顕在している層にリーチできる一方で、「今は転職を考えていない人」、いわゆる潜在層にはリーチできません。

オウンドメディアリクルーティングでは、この潜在層にリーチできるのがメリットの一つです。仕事に関連するキーワードなどでコンテンツをつくることによって、「仕事に役立つ情報を探している人」にリーチできます。

例えば、「生産性」や「効率化」といったキーワードでコンテンツをつくり、仕事を効率的に行うには環境を変える(転職する)のも一つの手であることを伝えることで、転職潜在層を掘り起こすことにつながるでしょう。

採用力が高まる

オウンドメディアリクルーティングでは、コツコツと情報発信を続け、長期スパンでの採用活動を軸にし、並行して短期スパンで求人サイトでの求人活動を行います。オウンドメディアリクルーティングで企業の知名度が高まれば、求人サイトでの採用活動の成果が出やすくなると考えられます。

さらには、オウンドメディアの知名度が高まると、わざわざ広告を出して求人活動をする必要がなくなるので、求人広告費を抑えることになるのです。お金をかけない状態で採用活動がうまく行けば、「企業としての採用力が高まっている」といえるでしょう。

また、通常の求人サイトで採用した人材に比べて、オウンドメディアで採用した人材は、その企業に対する情報を多く知り得ています。そのため、入社後に生じやすい「齟齬」がなくなり離職率の低下につながります。離職率の低さは良い会社の基準の一つとして考えられるため、さらに採用力が高まるといった好循環になるのです。

オウンドメディアリクルーティングのデメリット

オウンドメディアリクルーティングのデメリット

オウンドメディアリクルーティングには、メリットだけでなくデメリットになる部分が存在します。そのため自分たちにとって本当に効果をもたらしてくれる方法なのか検討し、使用するかどうか判断する参考としてお読みください。

即効性がなく継続して運用する必要がある

採用活動のためのサイトを作成したとしても、すぐに人材が見つかるというわけではありません。自社のSNSからユーザーがアクセスしてきたり、求人サイトから流入してきたりと、少しずつアクセスが伸びていきます。

目に見えて結果が出るまでに1年以上かかるケースもあるため、即効性がなくても長期的に継続して運用していかなければなりません。そのため今すぐにでも人材を確保したいと考えている会社にとっては、遠回りな方法になってしまいます。

オウンドメディアの他に、求人サイトに登録したり、広告を掲載したりを同時に行うことで、短期から長期に対応した採用活動ができるようになるでしょう。短期で結果が出ないからといって新しいメディアを作っていてはキリがないので、一つのメディアを、より多くの人に見てもらえるような工夫が何よりも大切です。

あくまでも将来を見据えて、長期的な人材確保を目指す戦略として、扱っていかなければなりません。

運営のノウハウが必要で手間がかかる

より効果的なサイト運営を行っていくためには、アクセス分析を行ったり、キーワードを選定したりと、ノウハウがなければなりません。最初のうちはそういった経験がない中で進めていかなければならず、効果的な方法が定着するまで手間がかかってしまいます。稀に運よくバズることがあるかもしれませんが、そのようなことはめったに起きるものではありません。

基本的には採用サイトを運営していく中で、どのようなユーザーが興味を持つのか、どういった内容が新しい層に受け入れられるのか、傾向を掴むことから始めます。そこからユーザーが興味を持つ情報の掲載を続け、また新たなユーザーが獲得できるような内容を掲載する流れを作るまでに、時間がかかる点はネックになるでしょう。

コストがかかる

すでに採用サイトがある会社であればm情報を更新する費用と人件費などで済みますが、一からサイトを作ろうとなると、数十万円の費用はかかります。無料で情報を掲載できるサイトなどもありますが、そういったところは文字数の制限があったり、使えるページ数が決まっていたりします。

長期的にさまざまな情報をメディアで展開していくのであれば、自社サイトの運営が必要になってきます。また、初めてオウンドメディアを扱う場合であれば、外部に依頼することもあるでしょう。業者によっては、自社で運営して行くよりもコストを抑えられることもありますが、本格的なシステムを構築する場合、初期費用に100万円以上かかるケースもあります。

運営をサポートする企業にも価格の違いがあるため、サイトを作る初期費用や管理費を検討したうえで、計画的な運用をしていきましょう。どの施策でもいえることですが、どれだけの費用が必要になるのか相場の確認を忘れずに行ってください。

他部署の協力が必須

詳細は後述しますが、オウンドメディアリクルーティングでは、コンテンツを通して社内の情報をさまざまな角度で伝えることが重要です。そのため、オウンドメディアを運営する部署以外の他部署との連携が必須となります。他部署の協力が得られないと表面的な情報となってしまい、例えば、入社後の齟齬が生じやすくなってしまうといったことになりかねません。

良い人材が獲得できれば他部署にも良い影響がありますので、事前に協力体制を築いておきましょう。

始めても見られなければ意味がない

オウンドメディアリクルーティングは、オウンドメディアをつくることが目的ではありません。採用につなげることが目的です。採用につなげるためには、多くの人にメディアの存在を知ってもらう、そして見てもらわなければなりません。

そのための施策やメディアの運用方法はいろいろとあります。例えば、求人広告よりも安価なリスティング広告やディスプレイ広告でメディアの認知を高めるのも一つの手段です。認知を高める施策やメディアの運用は、専門家に教えてもらうほうが効率的といえるでしょう。
オウンドメディア構築と運用費用は?費用シュミレーション オウンドメディア構築と運用費用は?費用シュミレーション

オウンドメディアリクルーティングが必要とされる背景

オウンドメディアリクルーティングが必要とされる背景

なぜオウンドメディアリクルーティングが必要とされているのか、その理由を大きく2つに分けて解説します。時代の流れにあわせた対策をとっていくことが、採用活動においても大切です。

採用情報を探す手段の変化

今までの採用手段は、求人サイトや紹介会社に登録している求職者にアピールする形が主流でした。しかし、スマホが普及している現在では、WebのみだけでなくSNS上での情報が重要視され始めています。そういったことから、求職者は複数の情報源から情報をリサーチする時代となったため、会社自らが積極的に情報発信を行わなければならないのが現状です。

そこでオウンドメディアリクルーティングに、注目が集まりました。専門的な知識を持つ優秀な人材へ向けた情報を発信する会社が増え、ニッチなキーワードで検索を行うユーザーにも対応できるように工夫され始めています。もちろんよく使われるキーワードを使うことも重要ですが、多様化する求職者に対応できる柔軟さも必要となるでしょう。

いつまでも古い手段ばかりをとっていては、情報の中に埋もれてしまい、多くのユーザーに興味を持ってもらうことも困難になります。

自社にマッチした人材を採用するため

少子高齢化のあおりを受け、人材不足をおこしている会社は少なくありません。現在では十分な人材を確保できている大手企業であっても、このまま少子高齢化が進めば、さらに労働人口が減少し、人材を競合会社と奪いあうことになるでしょう。

そのようなケースも見据えて、労働人口が少ない中で、自社にマッチする人材を探さなければなりません。しかし、会社側が人材を探すのにも限界があるため、制限なく会社のアピールができるオウンドメディアを利用した採用活動が、多くの会社で活発に行われています。

ターゲットにしている人材が調べたい情報とマッチしていれば、検索されやすくなり、情報の共有もしてもらいやすくなります。働き方に対する考え方も多様化している昨今、会社にぴったりな人材を探すことは難しくなりましたが、正確かつ有益な情報を届けられれば、採用率も高まります。

オウンドメディア(採用サイト)に記載する内容

オウンドメディア(採用サイト)に記載する内容

自社で運営していく採用サイトに記載する内容として、必要とされる2つの要素をそれぞれ解説します。採用サイトのキモとも呼べる重要な事柄でもあるため、必要な情報がかけてしまわないようにご注意ください。

職務記述書(ジョブディスクリプション)

ジョブディスクリプションと呼ばれる職務記述書とは、

  • 職務の目的や職務内容などの「職務に関する情報」
  • 権限の範囲や責任、目標に他者との関係などを表す「仕事の役割」
  • 業務に必要となる技術や資格、スキルや経験、学歴などをまとめた「必要な能力」

などの情報をまとめたものです。

どのような職務を行って、どういったことに役立つのか、責任の所在はしっかりしているのかなどといった情報は、会社で働くうえで不安要素になりえます。その他にもどういったスキルが必要になるのか、資格を取らなければならないのかといった情報は、将来的な人材を生み出すことにも役立つでしょう。

職務記述書で、そのような業務に関する情報を詳しく記載することで、求職者自身が適正を判断できるため、マッチングに成功する確率を高められます。加えて、テキストとして記載することで、キーワード検索から、ユーザーに情報を見つけてもらいやすくなるのも強みです。

企業理念や魅力(シェアードバリューコンテンツ)

シェアードバリューコンテンツとは、企業理念や魅力といった情報を扱うコンテンツを指す言葉です。コンテンツにも2つの種類があり、

  • 企業理念や、事業内容、代表者メッセージ、社会貢献への取り組みなどを伝える「パーパスコンテンツ」
  • 研修制度や、社外活動、福利厚生、オフィスの設備や雰囲気、社員のインタビューなどを伝える「カルチャーコンテンツ」

に分けられます。

シェアードバリューコンテンツは会社に共感を持ってくれるような人材や、社会貢献や文化に興味を持つ人材から大きな関心を集めます。例えば、地域の発展を目指すような会社であれば、同じように地域を盛り上げたいという人たちが集まりやすくなります。

そのような会社が持つ考え方や理念をコンテンツ化すれば、業務内容や収入部分だけでなく、やりがいのある仕事を求めている人材の目にも止まるようになるでしょう。同じ目標を持つ会社であれば、求職者側も意欲をもって応募できるようになります。

情報を発信する企業は、その理念や存在価値を実現する責任も必要とされますが、モチベーションアップになる重要な役割を持つコンテンツです。

オウンドメディアリクルーティングのやり方

オウンドメディアリクルーティングのやり方

オウンドメディアリクルーティングを行っていくために重要なポイントをまとめます。採用サイトを構築する根本的なことでもあるため、それぞれが不十分になってしまっていないか確認しながら作成にあたりましょう。

採用したい職種・職務内容を明確にする

まずは、採用を考えている職種や職務内容を明確にすることから始めましょう。どのような業務を行ってほしいのか、どういった資格やスキルが必要になるのか、洗い出すようにしてください。求職者側も具体的な内容が書かれていなければ、どのような業務になるのか疑問や不安を抱き、不信感を持たれてしまいかねません。

また、どのような職種と内容の、職務なのか記載されていれば適性のある人材に情報を見つけてもらいやすくなります。職種や職務についての内容を記載する際は、不明瞭な点が出ないように注意して、より具体的で正確な情報を記載するようにしてください。情報が不足していると、採用した後でミスマッチに気づく、ということになりかねません。

採用ターゲットを決める

採用ターゲットとは、自社が採用したい人物像を明確にすることです。例えば、仕事に必要な資格を持っていて、3年以上勤務実績があるなどの採用基準を設けます。他にも仕事への価値観や、学歴、年齢層、前職の職務内容などから人物を明らかにしていきましょう。

ターゲットがしっかりと決まっていないと、条件に当てはまるような人材を見つけることは困難になるため、採用条件は記載しておくことが重要です。また、採用ターゲットが決まっていればサイトの内容もそれにあわせたものにしやすくなるため、効率的な採用活動ができるようになるでしょう。

求職者側も採用する側も、ミスマッチを防ぐことができるため、無駄になる応募や採用をせずにすみます。
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自社の特徴、魅力、強みを整理する

職種や職務、採用ターゲットだけでなく自社の魅力や特徴、強みについて記載することも非常に重要なポイントです。そのため、次はユーザーに伝えたい魅力や特徴を整理していきましょう。自社の魅力や強みについて社員や社外などの人物から、リサーチを行うと、違う視点から見た新たな発見もあるかもしれません。

加えて競合会社との差別化を図ることで、どのような違いがあるのか、どういった部分がまさっているのか証明することも効果的です。自社ならではの魅力が相手に伝われば、同じ業種の中からでも、応募してもらいやすくなるでしょう。

採用サイトの作成

自社サイトがない場合は、採用サイトの作成を行う必要があります。サイト作成の経験があればサイト自体を作ることは難しくありませんが、内容をどのようにして行けばいいのかはノウハウが必要になるでしょう。

そこで役立つのが自社で作成するのではなく、外注で採用サイトを作成する方法です。Web制作会社であれば、オウンドメディアリクルーティングに対応したサイトを提案してくれます。慣れないうちは管理なども外注先に任せて、アドバイスをもらい、ゆくゆくは会社で運営していくということもできるでしょう。

どういうことをユーザーに伝えたいのかが固まっていれば、職務の内容や会社の魅力を含めた適切なサイトが作成できます。

サイトの運営・分析・改善・更新を行う

サイトの作成が完了したからといって、それで終わりではありません。より多くのユーザーに興味を持ってもらうためには、定期的にアクセスや人気コンテンツを確認する作業が必要です。どのようなユーザーがどこからアクセスしているのか、人気が集まりやすいコンテンツはどんなものなのか分析することで改善が行えるようになります。

反対に、人気のないコンテンツの特徴を抑えることで、同じような内容のものを避けて、必要な情報を加えるといったこともできるようになるでしょう。古い情報になってしまったり、不要な情報を扱ったりしてしまわないように、サイトの運営から更新までしっかりと行うようにしてください。
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オウンドメディアリクルーティングを運用するには

オウンドメディアリクルーティングを運用するには

続いて、オウンドメディアリクルーティングを運用していくためには何をすればいいのかについて説明していきます。

オウンドメディアをつくるケース

オウンドメディアがない場合は、まずはメディアをつくる必要があります。どんなフォーマットにするのか、どういったコンテンツをつくるのか、諸々決めることが多いのと、運用するにはそれぞれに精通した知識や人材が必要なため、内製化するのか外注するのか、まずはそこから決めましょう。

社内に、オウンドメディアの知識や運用経験を持つ人材がいれば内製化するのも可能ですが、そういった人材がいない場合は外注するのが一般的です。

すでにオウンドメディアがあるケース

採用サイトなど、何かしらのメディアがすでにある場合は、次にやることはコンテンツづくりです。採用したい人材がどんなことを知りたい(検索して答えを見つけようとしている)かをリサーチし、その「答え」を伝えるコンテンツにすることが大切です。

あるいは、「共感」を得られる内容をコンテンツに盛り込みましょう。共感を得た人材が採用できると、入社後の齟齬がなくスムーズに働けるようになります。

オウンドメディア運用のポイント

オウンドメディア運用のポイントは以下の3つです。

  • 外注先に齟齬なく目的を共有すること
  • コンテンツ配信後に分析・改善すること
  • メディア認知を高める施策を行うこと

2つ目と3つ目は外注先に依頼することが可能なため、ここでは1つ目について解説します。

オウンドメディアといってさまざまな目的を持って運用しています。そのため、目的によって運用の得意・不得意があることは否めません。採用に関するオウンドメディアが得意な外注先を見つけることが重要です。そのうえで、何を目的としているのか、どういう人材を獲得したいと考えているのかなどを明文化し、社内と外注先に共有することも必要になります。

オウンドメディアリクルーティングに必要なコンテンツ

オウンドメディアリクルーティングに必要なコンテンツ

オウンドメディアにおいて、コンテンツは企業の「資産」になる重要なものです。質の高いコンテンツをつくり上げ、分析・改善して質の高さを維持できれば、メディアが存在する限りは効果を出し続けてくれます。では、オウンドメディアリクルーティングで効果を出すコンテンツとはどのようなものなのでしょうか。

社員インタビュー記事

多くのオウンドメディアにあるコンテンツは社員インタビューです。その理由は、すでに働いている社員にインタビューすることで、その企業の働き方や労働環境が見えるからです。さらに、働きがい・どんな想いで働いているのかなど、個人の考えをその社員の口から伝えることでコンテンツにリアルさが生まれます。そのコンテンツは読者の共感を得やすくなるでしょう。
参考になる採用サイトの社員インタビューとは?作成方法とコツを解説 参考になる採用サイトの社員インタビューとは?作成方法とコツを解説

社員の想いやフィロソフィーを掘り下げる記事

企業のメイン商品・サービスに関わる社員に、どういったこだわりがあるのか、どんな考えのもと仕事を進めているのか、社員の根底となる考え・想いを掘り下げるコンテンツも、多くの読者から共感を得やすいです。

例えば、どのようなきっかけで商品・サービスが生まれたのかを掘り下げることで、その企業がどのように社会貢献しようとしているのかが見えてくることがあります。バイオマス燃料を開発している企業であれば、環境問題に貢献しようとしている姿勢が見えます。同じ考えの読者は共感してくれるでしょう。

経営者の考え・価値観を伝える記事

社員の考えばかりでは、その企業のすべてを知ることはできません。なんといっても経営者の考えが重要です。そして、社員の考えと一致していること同じベクトルを向いていることがわかるコンテンツであることが大切です。

例えば、「創業者であれば起業した経緯」「何を大切に経営しているのか」「どのように社会に貢献しようとしているのか」といったことが伝わるコンテンツを目指しましょう。

働き方・福利厚生を伝える記事

社員インタビューの項目でも触れましたが、働き方や福利厚生をしっかり伝えることも重要です。労働環境とともに社員のプライベートを大切にする企業は、採用面で有利になりやすいといえます。育児休暇をはじめとした休暇制度は、読者が気になるポイントの一つでしょう。

社内制度などを伝える記事

自分を高めたいと考える社員は、企業にとってもプラスです。ジャンプアップできる社内制度があると、向上心旺盛な社員は入社したいと考えるでしょう。入社後の研修が充実しているのかなど、具体的に内容を伝えることが重要です。

社員のプライベートを伝える記事

プライバシーを守りつつ、社員のプライベートを発信していくことも有効です。なぜなら、プライバシーが充実しているということは、仕事が充実していることにもつながるからです。

オウンドメディアリクルーティングの成功事例

オウンドメディアリクルーティングの成功事例

オウンドメディアリクルーティングが実際にどのように活用されているのか、3社の成功事例を紹介します。

事例1.JAL(日本空港株式会社)

JAL(日本空港株式会社)

JALでは JALグループの キャビンアテンダントやカリスマ添乗員、パイロットや視点担当者などのスタッフが旅に関する情報を提供している「On Trip JAL」が活用されています。

国内外を飛び回るパイロットだからこその視点から旅に関する事柄や、お役立ち情報を届けています。その他にも客室乗務員の所作についての情報を、画像付きでCAがアップするなど、採用にも役立つような情報が得られるのも魅力といえるでしょう。

このように現場スタッフだからこその情報を扱うことで、パイロットや乗務員などを目指す人材に有益な情報を与え、注目度を集めることに成功しています。つまり旅の情報を扱うことで乗客に対する宣伝を行いつつ、仕事に関する情報も求職者に届ける一石二鳥ともいえるオウンドメディアが、On Trip JALの特徴です。

事例2.ニューバランス株式会社

ニューバランス株式会社

スポーツシューズメーカーとして知られるニューバランス株式会社ジャパンでは「RUNNERS」や「BETAMAG」などのオウンドメディアを活用して、マーケティングから採用までを担うサイトを複数運営しています。

オウンドメディアで紹介される内容は、ランニングを楽しむ人の情報やイベントなどに加え、商品の開発秘話などを紹介しています。実際にどのようなイベントをしているのかといった情報もキャッチできるため、そのような活動に賛同する人材にアピールするメディアとしても優れているといえるでしょう。

どのように商品が開発されたといった情報も、ニューバランスが靴作りにどれだけ真剣に取り組んでいるか知ることもできるため、会社の魅力も同時に知ることが可能です。

事例3.東都自動車株式会社

東都自動車株式会社

引用:東都自動車株式会社

東都自動車株式会社では、採用情報を掲載しているポータルサイト「NEXT LEAP」を運営しています。まず、トップページではタクシー乗務員・ハイヤー乗務員・新卒採用・中途採用などカテゴリーがあり、それぞれさらに詳しいページに遷移する形になっています。

例えば、タクシー乗務員のページに遷移すると、企業としての強みが具体的な数字とともに説明されており、「ノルマがない」といった記述もあります。さらに、乗務員インタビュー、タクシー乗務員職の一日といった具体的な内容が書かれているので、入社後のイメージが付きやすいでしょう。

同社では、毎月1~3名のタクシードライバーを安定的に採用できるようになったといいます。
採用オウンドメディアとは?メリットや始め方を解説 採用オウンドメディアとは?メリットや始め方を解説

オウンドメディアリクルーティングのまとめ

オウンドメディアリクルーティングのまとめ

オウンドメディアリクルーティングは、多くのユーザーに会社の魅力や業務内容などをオウンドメディアを通して伝えることで、採用活動を行う手段の一つです。伝えられる情報に制限や期限が設けられる求人サイトとは異なり、自社サイトで半永久的に情報を届けることができるため、会社の資産としても扱えます。

効果的な運用を行うためにはノウハウを身につける必要がありますが、より幅広いユーザーに情報を伝えられる点は大きなメリットとなるでしょう。また、WebサイトとSNSの両方からユーザーを集められる柔軟さも、採用活動として注目を集める要因となっています。

オウンドメディアリクルーティングについて、運用方法や管理にお困りの方は、オウンドメディアの制作も行っている、ニュートラルワークスにお任せください。

オウンドメディアリクルーティングのよくあるご質問

オウンドメディアリクルーティングとは?

オウンドメディアリクルーティング(Owned Media Recruiting)は、略してOMRとも呼ばれています。オウンドメディアを活用したリクルーティング、つまりは人材を確保する採用活動のことを指す言葉です。

オウンドメディアリクルーティングと求人サイトとの違いは?

求人サイトは就職意欲の高い早期的な人材の獲得に役立ちますが、長く情報を掲載できないことから、長期的な作業活動には向いていません。オウンドメディアリクルーティングは情報量も自由に設定し、より魅力的な内容を長期にわたってユーザーに届けることができます。

オウンドメディアリクルーティングのデメリットは?

オウンドメディアリクルーティングには、即効性がなく継続して運用する必要があること、運営のノウハウが必要で手間がかかること、コストがかかることなどのデメリットがあります。

監修者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
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