マーケティング

最終更新日: 2022.05.25

採用オウンドメディアとは?メリットや始め方を解説

採用オウンドメディアとは?メリットや始め方を解説

企業の採用活動を効率化するために、採用オウンドメディアの導入がおすすめです。採用オウンドメディアでは、採用のミスマッチを防ぐ以外にも採用コストを削減できます。採用オウンドメディアの運用は簡単ではありませんが、しっかりと運用できれば多くのメリットがあります。

しかし、採用オウンドメディアの運用には、さまざまな事前準備やノウハウが必要です。採用のオウンドメディアを始めたいと考えているものの「何から始めれば良いか分からない」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、採用のオウンドメディアの概要やメリット、作り方や導入事例などを詳しく解説します。この記事を読めば、採用オウンドメディアの始め方やポイントが分かり、自社にマッチする人材の獲得やブランディングにもつながります。採用活動でお悩みの企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

採用オウンドメディアとは?

採用オウンドメディアとは?

「採用オウンドメディア」とは、潜在候補者(未来の求職者)に向けて情報を発信するための、企業が運用するオウンドメディアのことです。企業が独自に運用して、読者に有益な情報を提供するWebサイトのことを「オウンドメディア」と呼びます。いわば、ターゲットを潜在候補者に絞ったオウンドメディアが、今回紹介する採用オウンドメディアです。

近年では、企業の採用活動を効率化するために、採用オウンドメディアが注目を集めています。これまで、企業は求人サイトや求人情報などを活用して、求職者を募集することがほとんどでした。しかし、こうした求人メディアには、記載できる内容や文字数に制限があるため、企業の魅力を思うようにアピールできないことが難点です。

採用オウンドメディアは、Webサイトの設計やデザインの段階から自社で行うため、求職者へ向けて自由に情報を発信できます。そのため、自社の企業文化や業務内容を正確に伝えやすく、ミスマッチを減らして自社に最適な人材を採用することが可能です。採用オウンドメディアを活用すれば、優秀な人材を効率的に獲得できるようになります。
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採用オウンドメディアと採用サイトとの違い

採用オウンドメディアは、「採用サイト」と混同されがちですが、両者には大きな違いがあります。採用サイトは、求人情報と応募窓口を提供するためのものです。あくまで採用そのものに的を絞っているため、採用に関する情報以外を提供することはありません。

一方で、採用オウンドメディアは求人情報そのものではなく、企業の情報を積極的に発信して、潜在候補者からの認知度を高めるために運用します。読者に提供する情報としては、企業が提供する商品やサービスの開発秘話や、現場で働く社員へのインタビューなどです。

採用オウンドメディアは、自社の採用サイトと連携させます。採用オウンドメディアで自社を認知した読者は、求職者になった段階で自社の採用サイトから応募します。つまり、求職者と採用サイトの橋渡しをするのが、採用オウンドメディアの役割だということです。

採用オウンドメディアの7つのメリット

採用オウンドメディアの7つのメリット

採用オウンドメディアには、下記7つのメリットがあります。本章では、各メリットの詳細を分かりやすく紹介します。

  • 費用を抑えた母集団形成と採用ができる
  • 採用のミスマッチを減らせる
  • 自社の認知度向上やブランディングにつながる
  • 自社の魅力を伝えられる
  • 顕在層にもアプローチできる
  • 定期的な情報発信により通年採用も可能になる
  • インナーブランディングにもつながる

費用を抑えた母集団形成と採用ができる

採用オウンドメディアを運用すれば、低コストで企業の採用を行うことができます。採用オウンドメディアでの活動のコストは、求人メディアよりコストパフォーマンスに優れています。

従来の採用活動では、求人メディアに出稿する必要があったため、求人情報の掲載に多額の費用がかかりました。これは採用コストの増大につながるため、中小企業では企業の経営を圧迫しかねません。

採用オウンドメディアでも、Webサイト構築やコンテンツ制作など、一定の費用はかかるのは事実です。しかし、長期的に運用を続けると、メディア自体の情報伝達力や費用対効果が改善します。長い目で見た場合では、従来の求人メディアと比べてはるかに有利な条件で、より多くの求職者を採用できるでしょう。

採用のミスマッチを減らせる

「採用のミスマッチ」は、企業にとって大きな問題です。せっかく採用した社員が短期間で辞めると、人員を補充するためのコストや工数が余分にかかります。採用のミスマッチを減らすことは、採用コストの削減だけではなく、優秀な人材を獲得できる体制の構築にも役立ちます。

従来の求人メディアでは、掲載できる内容や文字数などの制限により、企業の情報を十分に伝えられないことがありました。一方で採用オウンドメディアでは、自社の理念や社風、社内環境や業務内容などについて自由に発信できるでしょう。そのため、自社とマッチする人材を呼び込みやすくなり、ミスマッチを減らせます。

採用した従業員が3年以内に辞める「早期離職率」は、大企業より中小企業の方が多いことが、厚生労働省の発表で下記のように示されています。したがって、採用オウンドメディアは、大企業はもちろん中小企業においても、採用活動の効率化に大きな効果があるといえるでしょう。

事業所規模 高卒者の早期離職率 大卒者の早期離職率
5人未満 61.9% 56.3%
5~29人 52.8% 49.4%
30~99人 44.1% 39.1%
100~499人 35.9% 31.8%
500~999人 30.0% 28.9%
1,000人以上 25.6% 24.7%

引用元:厚生労働省

自社の認知度向上やブランディングにつながる

採用オウンドメディアを導入すると、企業の認知度向上やブランディングなど、企業のイメージを高める効果が得られます。既存のメディアでは表現しきれなかった、企業のリアルな情報を自由な形式で伝えられるからです。

たとえば、企業の製品やサービスの開発エピソードや、担当者の想いなどを掲載すると採用ブランディングに効果的です。企業の理念やカルチャーに共感できる求職者は、「応募したい」という意欲が高まり、自社で活躍できる人材を獲得しやすくなります。

現在では、生産年齢人口が急速に減少しているため、企業の人材獲得競争も激化しています。企業が安定して成長するために、いかに優秀な人材を獲得できるかが重要です。採用オウンドメディアで自社の特色や魅力を積極的に発信すると、他社との差別化を図り、より有利な採用活動を進めやすくなります。

自社の魅力を伝えられる

採用オウンドメディアを活用すれば、求職者に自社の魅力をアピールできます。より良い労働環境や、自身の能力を発揮できる職場を求めたりと、転職も異質ではなくなりました。生産年齢人口の減少にともなって有効求人倍率が上昇し、求職者が就職先を選びやすくなったことも背景です。

つまり、良質な人材を多く獲得するためには、「求職者から選ばれる」企業になることが重要になります。自社の魅力を十分に伝えることができれば、求職者が「この会社で働きたい」と思えるようになります。

採用オウンドメディアは、自由なレイアウトで好きなことを記載できることが魅力です。たとえば、写真や動画などのコンテンツや、インタビューやアンケート調査なども掲載できます。その結果、求職者を呼び込みやすい環境を構築できるでしょう。

顕在層にもアプローチできる

採用オウンドメディアは、現時点では就職活動をしていない「潜在候補者」に対しても、効果が高い施策です。前述したように、現在は人材獲得競争が激化しているため、企業が「待ち」の姿勢で求職者のエントリーを待つのでは、最低限の人材確保も危うくなります。

自社とマッチする優秀な求職者を採用するためには、人材獲得のチャネルは多いに越したことはありません。採用オウンドメディアは、インターネット検索でたどりついた幅広い層に自社の存在をアピールできるため、潜在候補者へのアプローチも可能です。

採用オウンドメディアで読者に対する情報発信を続ければ、読者と継続的な接触を図ることができ、業界における自社のイメージが強くなります。その結果、潜在候補者がいざ就職活動を始めたときに、まず自社を想起させてエントリーへ誘導しやすくなるでしょう。

定期的な情報発信により通年採用も可能になる

これまで、企業の採用活動と言えば新卒一括採用のような、一年の特定の期間だけ採用活動を行うことが一般的でした。しかし、終身雇用制度の終焉により雇用に流動性が生まれ、現在では中途採用のような「通年採用」もめずらしくないものです。

通年採用を行うためには、企業が常に採用活動を行っている必要があります。しかし、求人メディアへの出稿を続けると、コストが増大しすぎることが難点です。採用オウンドメディアなら、求職者に向けた情報を低コストで発信し続けられます。

継続的な情報発信により、求職者との接点を作り出せるチャンスも増えます。さらに、自社の魅力や実績、理念や文化などの発信により、エントリーしてくる求職者も自社とのマッチングがあう可能性が高いです。良質な人材を獲得できる体制を構築しやすくなります。

インナーブランディングにもつながる

採用オウンドメディアは、「インナーブランディング」にも効果的です。インナーブランディングとは、社内ではなく社外に対して行うブランディングを指します。企業を内部から変革し、企業価値を高めるための施策として有名です。

採用オウンドメディアのコンテンツは、企業の製品開発やインタビュー、業務内容の照会などが基本です。こうしたコンテンツを制作するためには、チームのメンバーが自社の製品をしっかり理解して、意識を共有しておく必要があります。

コンテンツの制作過程で、プロジェクトの成功体験や想いなどを見直し、新たな「気づき」を得られることもあります。また、自社の理念や文化についても紹介するため、自社の理想的な姿について、社員全体に改めて周知することが可能です。

採用オウンドメディアの4つの注意点

採用オウンドメディアの4つの注意点

採用オウンドメディアには、下記4つの注意点があります。採用オウンドメディアの立ち上げ時に意識すべきことや、効果的に運用するための対応策を解説します。

  • 成果が出るまでに時間がかかる
  • 作業工数や少なからず費用がかかる
  • 継続して運用する必要がある
  • マーケティング知識がある社員に協力を仰ぐ必要がある

成果が出るまでに時間がかかる

採用オウンドメディアは、通常のオウンドメディアと同じように、成果が出るまでに時間がかかります。なぜなら、採用オウンドメディアの流入経路は基本的に検索エンジンであり、検索結果で上位表示されるまでに数か月以上は必要だからです。

従来の求人メディアは、出稿費用を支払いさえすれば、短期間でそれなりの効果を得られます。しかし、採用オウンドメディアは初期段階では宣伝効果がまったくないため、立ち上げ初期の段階では誰からも見てもらえないことも考えられます。

基本的には、採用オウンドメディアの成果は、掲載するコンテンツの数に比例するところがあるでしょう。そのため、立ち上げからしばらくの期間は、ひたすらコンテンツを増やすための作業が必要です。運用の初期段階をいかに乗り切るかが、採用オウンドメディア成功のためのカギでしょう。

作業工数や少なからず費用がかかる

採用オウンドメディアの運用には、それなりのコストや工数がかかります。採用オウンドメディアはWebサイトの形式で行うため、Webサイトの構築やデザインなどが必要です。そのため、採用オウンドメディアは初期投資のコストが高くなる傾向があります。

社内に採用オウンドメディアのノウハウがなければ、制作や運用を専門業者に依頼する必要があります。求職者へアピールできる記事や動画を上手く作れない場合も、制作会社へ発注しないといけません。これらの外注費も、採用オウンドメディア運用のコストとなります。

社内で対応できるとしても、コンテンツ制作には作業工数がかかります。記事の企画や構成、社員へのインタビューやコンテンツの品質管理などです。担当者の選定や配置が上手くできなければ、社員の負担が増えて通常の業務に差し支えることもあるでしょう。

継続して運用する必要がある

前述したように、採用オウンドメディアは継続して長期的に運用しなければ、効果を実感できません。採用オウンドメディアが頓挫してしまう主要な原因は、長期運用の体制を社内で構築できないことにあります。

採用オウンドメディアの運用には、コンテンツの設計や制作、戦略設計や効果測定など、さまざまな分野で適切な人員を配置する必要があります。社内で対応できない部分については、外部発注する必要も生じるでしょう。このための手間や工数もかかります。

運用を続ける過程で、求める効果を達成できているか調べるために、効果測定や分析を行い、施策を改善することも欠かせません。また、採用オウンドメディアはまだ認知度の低い施策なので、実行のための合意を社内で得られるかどうかも問題です。

マーケティング知識がある社員に協力を仰ぐ必要がある

採用オウンドメディアを運用する際は、マーケティングの知識がある社員に協力を求める必要もあります。採用オウンドメディアは単にコンテンツを制作するだけではなく、「読者に読んでもらえる」ものを制作することが重要です。そのために、マーケティングのノウハウが欠かせません。

採用オウンドメディアを立ち上げるときは、想定読者はどんな人で、どのような内容のコンテンツでアピールしていくかなど、緻密な戦略設計を構築する必要があります。この点が企業の実態に即していなければ、求職者を呼び込むという重要な効果を得られなくなってしまいます。

マーケティング分野だけではなく、魅力的なコンテンツを制作できる人材がいるかどうかも、採用オウンドメディアの成功には重要です。さまざまな分野での知識が求められることが、採用オウンドメディア運用において大きなハードルになるといえるでしょう。

失敗しない!採用オウンドメディアの始め方

失敗しない!採用オウンドメディアの始め方

採用オウンドメディアを立ち上げる際は、下記4つのポイントを意識しましょう。先ほど紹介したメリットを享受するために重要なので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 自社のアイデンティティを確認する
  • 必要な人材要件を明確にする
  • 具体的な機能や発信内容や決める
  • メディアのゴールとKPIを決める

自社のアイデンティティを確認する

自社が何者であるかを示す「コーポレートアイデンティティ」は、採用オウンドメディア運用の根幹となる部分です。そもそも採用オウンドメディアは、自社独自の魅力や業務を求職者にアピールして、採用活動において他社と差別化を図るためのものです。コーポレートアイデンティティを正しく認識しなければ、積極的にアピールすべき部分も分かりません。

自社にはどのようなミッションやビジョンがあり、どのような理念で動いているかを改めて確認してみましょう。ほとんどの企業では、コーポレートサイトや採用サイトなどに、何らかのキーワードが掲げられているはずです。しかし、そのキーワードが古くなっている、もしくは曖昧なものだと、社員自身もなかなか理解できません。

社員が理解できないものは、外部の求職者にはなおさら理解できません。自社しか語れない物語や、自社にしかない存在意義とは何か、改めて社員全体で見直して共有してみましょう。採用オウンドメディアは、そこで見えたコーポレートアイデンティティを基にして運用すると、採用ブランディングに極めて効果的です。

必要な人材要件を明確にする

採用オウンドメディアで情報を発信する前に、自社が必要とする人材要件を明確化しておきましょう。そのために、「ペルソナの設計」と「採用ブランディング」の2つが必要です。

ペルソナとは、採用オウンドメディアの具体的なターゲット、対象となる読者を指します。広い意味での「ターゲット層」ではなく、具体的な「個人」を想定することが重要です。ペルソナの設計で意識すべき要素は、下記のようなものです。

  • 年齢
  • 性別
  • 居住地
  • 職業
  • 役職
  • スキル
  • 趣味
  • 価値観
  • 思想

採用ブランディングは、求職者に「どんなイメージを持ってもらうか」「何を伝えたいか」など、読者への伝え方に関する戦略設計です。採用ブランディングには、前述したペルソナや採用コンセプトの設計が必要です。採用コンセプトは、「実力を発揮できる職場」のような、採用活動に一貫性をもたらすためのメッセージとなります。

これらの設計を事前に行っておくことで、採用オウンドメディアで発信する情報に一貫性が生まれるでしょう。ペルソナの設定により、どのような情報が読者に求められるのか、どのようにアプローチすべきかが分かります。

具体的な機能や発信内容や決める

作成したペルソナや採用ブランディングを基にして、採用オウンドメディアの具体的な機能や発信内容を決めましょう。自社の魅力や強みについて検討して、読者にアピールできる内容を発信することが重要です。たとえば、「自社が存在する理由」のようなビジョンやミッションを伝えれば、それに共感できる求職者を呼び込めます。

また、採用オウンドメディアでどのような機能やコンテンツを採用するかについては、「カスタマージャーニーマップ」の設計が効果的です。カスタマージャーニーマップとは、読者が自社を認知してから、実際に自社へ応募するまでの流れを設計したものです。たとえば、読者の行動を下記のような4つのフェーズに分類します。

  1. ①採用オウンドメディアの発見
  2. ②コンテンツの閲覧と認知
  3. ③求人情報の閲覧と検討
  4. ④採用エントリー

フェーズごとの求職者の感情や思考などを検討して、それらを最大限に高められるように機能とコンテンツを落とし込みます。フェーズごとに細かくコンテンツ案を検討していけば、ペルソナに刺さるメディアを制作できるでしょう。
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メディアのゴールとKPIを決める

最後に、採用オウンドメディアのゴールと「KPI」を決めましょう。KPIは「重要業績評価指標」を意味し、ゴールへ向かう中間地点において成果を評価するためのものです。

採用オウンドメディアのゴールが「エントリー数の増加」であれば、KPIは「アクセス数」と「CVR(コンバージョンレート)」になるでしょう。CVRは、メディアにアクセスした人数のうち、採用エントリーした人の割合です。

ただし、KPIの数値を測定して評価するためには、専用のツールを使う必要があります。「Google Analytics」は無料でありながら、メディアのさまざまな数値を測定できます。効果測定を正確に行うために、下記4つの要素を基準にするといいでしょう。

測定項目 数値で分かる内容
ユーザー数 採用オウンドメディアを訪れたユーザー数
チャネル別の集客 検索エンジン、コーポレートサイト、SNSなど流入経路別の集客数
ページごとの数値 とくに読まれているコンテンツと、そうではないコンテンツを判断する
年齢・性別・エリア 実際に訪問するユーザー層と、事前に想定したペルソナが合致しているか

KPIをしっかり測定して効果測定を行うことで、オウンドメディアをただ運用するだけではなく、自社に最適な求職者へリーチしやすくなります。
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採用オウンドメディアで運用を成功させる4つのポイント

採用オウンドメディアで運用を成功させる4つのポイント

採用オウンドメディアは、自社の採用活動を改善するために運用します。その目的を成功させるためには、下記4つのポイントを意識することが重要です。できるだけ多くの項目を満たして、採用オウンドメディアの効果を最大限に高めましょう。

  • 社内の情報をできるだけオープンにする
  • 求職者に感情が伝わるコンテンツを作る
  • 定期的に更新するための体制作りを行う
  • SEO施策やSNSなどを活用しPDCAを回す

社内の情報をできるだけオープンにする

採用オウンドメディアのコンテンツを制作する際は、自社の情報をできるだけオープンにすることが重要です。求職者は、自身にとって最適な環境を求めて、エントリーする企業を選んでいます。情報をクローズする姿勢では、求職者の信頼を得ることはできませんし、それは自社にとっても人材獲得のチャンスを逃すことになります。

求職者が知りたいことは、企業の社風や実績、実際の業務内容や労働環境などです。これらの要素は、通常の採用サイトや求人メディアでは分かりません。独自に運用できる採用オウンドメディアだからこそ、具体的な情報を求める求職者に対し、明確な答えを提示できます。

しかし、自社の詳しい情報をどこまで公開できるかについては、あらかじめ上層部と確認しておく必要が出てきます。機密性の高い業種の場合は、どうしても公開できる情報が制限されるからです。コンテンツの内容が表面的な内容になってしまわないように、できるだけ深い部分まで情報を提供できる体制を整えておきましょう。

求職者に感情が伝わるコンテンツを作る

求職者に「感情」が伝わるコンテンツを制作することも、採用オウンドメディアの成功に欠かせません。求職者にとって収入と同じくらい重要なのが、職場環境や働きがいです。採用オウンドメディアを訪れる読者は、社員のリアルな情報を求めています。こうしたニーズを満たすために、インタビューや開発秘話などのコンテンツが効果的です。

成功しているオウンドメディアの特徴として、インタビュー形式のコンテンツが多いことがあげられます。とくに、「開発時の想い」や「大変だったこと」など、担当者の感情にフォーカスしたコンテンツは、求職者の共感を呼びやすいです。実際に携わった人でなければ知り得ないことなので、コンテンツの信頼性が高まります。

こうしたコンテンツを読むことで、求職者は「もしここで働いたら」という、将来の具体的なイメージを持てます。それが「ここで働きたい」という感情に変わり、求職者を採用エントリーへ導けるようになります。求職者に感情を伝え、求職者の感情を揺り動かすことこそ、採用オウンドメディアで意識すべきポイントです。

定期的に更新するための体制作りを行う

採用オウンドメディアを成功させるためには、長期的に運用を継続する必要があります。なぜなら、メディアの集客力はコンテンツの本数に依存し、長期の運用で検索順位が上がる傾向があるからです。立ち上げから数か月で更新がストップするメディアや、月に1回しかコンテンツを更新しないメディアでは、十分な効果を得られません。

そのため、採用オウンドメディアの運用を開始する前に、定期的な更新ができる体制を構築しておくことが重要です。オウンドメディアの運用には、Webサイト制作やデザイン、コンテンツ制作や戦略設計など、幅広い分野における専門的な知識が必要です。こうした分野をカバーして、メディアを運用できる人員を確保しましょう。

しかし、すべての業務範囲を社内でカバーして、インハウス化することは困難なこともあります。その場合は、一部を外部に発注すると、社内のリソースを有効活用できます。また、採用オウンドメディアの長期運用には上層部のサポートも欠かせないため、必ず事前に確認しておくようにしましょう。

SEO施策やSNSなどを活用しPDCAを回す

採用オウンドメディアの運用は「Webサイトやコンテンツを作成したら終わり」というものではありません。より多くの求職者にリーチするために、SEO施策やSNS運用を意識して、PDCAサイクルを回しつつ改善を繰り返していきましょう。

とくに意識すべき点は「SEO施策」です。SEOとは「検索エンジン最適化」のための施策で、コンテンツにキーワードを上手く挿入して検索順位を上げるためのものです。たとえば、求職者は「IT 求人」や「IT 採用」などのような、業界やニーズに応じたキーワードで検索して、上位表示されたWebサイトにアクセスします。こうしたニーズを反映して、適切なキーワードを採用するのがSEO施策です。

また、SNSを活用して情報を拡散することも重要です。高品質なコンテンツはユーザー間で拡散され、集客力がさらに高まります。企業の公式SNSアカウントを運用して、最新のコンテンツや社員の声などを公開していくといいでしょう。SNSアカウントのプロフィールに、採用オウンドメディアへのリンクを設置しておけば万全です。

これらの要素を踏まえて、「PDCAサイクル」を回しましょう。PDCAサイクルは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字で、これまで紹介した施策の総合です。採用オウンドメディアの運用計画を事前に立て、そのとおりに実行します。実行後は評価を行い、浮き彫りになった課題点を踏まえて改善します。このサイクルを繰り返せば、集客力の高い採用オウンドメディアを運用できるようになるでしょう。

採用オウンドメディアの成功事例

採用オウンドメディアの成功事例

採用オウンドメディアの成功事例として、とくに有名なケースを5つ紹介します。企業の概要や事業内容、メディア運用前後の変化や工夫したポイントなどを解説するので、ぜひ運用時の参考にしてみてください。

  • 温かい社風や人材の活躍をアピール|ナイル株式会社「ナイルのかだん」
  • 自主的なコンテンツでユーザー目線を徹底|サイボウズ株式会社「サイボウズ式」
  • 職場環境や事業内容の紹介でリアルを表現|LINE株式会社「OnLINE」
  • 社員の日常を自然体で表現|メルカリ株式会社「mercan(メルカン)」
  • 社内向け日報をコンテンツとして公開|株式会社ベイジ「ベイジの日報」

温かい社風や人材の活躍をアピール|ナイル株式会社「ナイルのかだん」

温かい社風や人材の活躍をアピール|ナイル株式会社「ナイルのかだん」

「ナイル株式会社」は、デジタルマーケティング事業を展開している企業です。同社は「事業家集団」という組織コンセプトを掲げていますが、自社の理念が求職者に上手く伝わらない、という課題を抱えていました。そこで、同社は求職者に「生のナイル」知ってもらうため、「ナイルのかだん」の運用を開始しました。

同社には、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が集まっています。こうした多様な人材のリアルな声を届けるために、「ナイルのかだん」では組織の詳細や開発秘話、社員へのインタビューなどのコンテンツを提供しています。

社員の人間味や温かさなどが伝わるコンテンツのおかげで、「ナイルのかだん」は2018年7月の運用開始以降、着実に成果を出してきました。その結果、同社は自社とマッチした人材を獲得しやすい、理想的な採用活動ができる環境を実現しています。

自主的なコンテンツでユーザー目線を徹底|サイボウズ株式会社「サイボウズ式」

自主的なコンテンツでユーザー目線を徹底|サイボウズ株式会社「サイボウズ式」

「サイボウズ株式会社」は、ソフトウェア開発関連の事業を展開している企業です。同社は離職率に課題を抱えており、自社とマッチする人材を獲得しやすい環境を整えるために、「サイボウズ式」の運用を開始しました。

サイボウズ式の特徴は、メンバーの自主的な企画立案に任せて、企業や組織、働き方や生き方など多様な分野のコンテンツを提供していることです。企業のリアルな姿が伝わり、ビジネスパードンの共感を得やすく、求職者の意欲をかきたてる内容になっています。

同社の離職率は28%という非常に高い水準で推移していましたが、採用オウンドメディアの導入後はなんと4%にまで低下しました。しかも、「働きがいのある会社」や「ダイバーシティ経営企業100選」などにも選出され、優秀な人材を獲得できるようになったのです。

職場環境や事業内容の紹介でリアルを表現|LINE株式会社「OnLINE」

職場環境や事業内容の紹介でリアルを表現|LINE株式会社「OnLINE」

「LINE株式会社」は、有名なメッセージアプリ「LINE」を提供しているテック企業です。同社はより自社にマッチする人材を獲得するために、2012年に採用オウンドメディアの運用を開始しました。2020年8月にリニューアルし、現在の「OnLINE」という名称に変わりました。

OnLINEの特徴は、社内の事業や理念などについて、インタビュー形式で紹介していることです。人材の活躍ぶりや企業カルチャーをありのままに、飾り気なく表現しているため、多くの読者の共感を呼べます。

採用オウンドメディアの運用を続けた結果、採用のミスマッチを減らし、離職率を低下させることができました。企業の文化に共感できる社員を獲得できるため、業績もさらに成功させやすくなっています。

社員の日常を自然体で表現|メルカリ株式会社「mercan(メルカン)」

社員の日常を自然体で表現|メルカリ株式会社「mercan(メルカン)」

「株式会社メルカリ」は、フリマアプリの「メルカリ」を提供するテック系企業です。同社の技術部門のリクルートは、中途採用がメインです。しかし、採用のミスマッチが多く、離職率が高いという課題を抱えていました。そこで始めた施策が、採用オウンドメディア「メルカン」の運用です。

掲載するコンテンツは、社内のエンジニアやプログラマーが、開発エピソードをインタビュー形式で語るものがメインです。プロジェクトの過程で起きたさまざまなことを、飾り気なく表現しているため、企業の文化や雰囲気、業務内容などが正確に伝わります。英語版のページを作成していることも特徴です。

積極的な取り組みにより、同社の人材獲得の能力が向上しました。自社とマッチする優秀な人材を、国籍を問わず採用しやすい環境が整い、業績も向上させやすくなっています。

社内向け日報をコンテンツとして公開|株式会社ベイジ「ベイジの日報」

社内向け日報をコンテンツとして公開|株式会社ベイジ「ベイジの日報」

株式会社ベイジは、Web制作関連の事業を展開している企業です。社内のリアルな日常を伝えるために、採用オウンドメディア「ベイジの日報」の運用を開始しました。これまで紹介したほかの事例と比べても、同メディアには独特の雰囲気があります。

それは、社員たちが書いた「社内日報」の中から、外部に公開できるものをコンテンツとして掲載しているためです。つまり、同メディアは社内向けのものを、あえて求職者に向けて公開しているということです。日報自体も、各自の想いや考えを自由に書くものなので、企業のリアルが求職者に伝わります。

独特の取り組みの結果、同社は自社の風土に共感できる、理想的な社員を獲得しやすくなっています。この事例は、専門的なライティングスキルがある担当者ではなく、社員が思いのまま書いたコンテンツでも効果があることを示します。他社と一線を画した採用メディアを運用したい場合は、ぜひ参考にしてみましょう。

採用オウンドメディアのまとめ

採用オウンドメディアのまとめ

企業の採用活動を効率化するための施策として、採用オウンドメディアを導入する企業が増えています。求人メディアと比べて、自社のリアルな姿を伝えやすくなるでしょう。オウンドメディアには、採用のミスマッチを防げる大きな魅力があります。また、潜在的な求職者に対してもアピールできるため、通年採用で優秀な人材を獲得しやすい環境も構築可能です。

一方で、採用オウンドメディアは成果を得られるまでに時間がかかることや、費用や工数がかかることが難点です。長期間継続しないと成果を得られないため、社内で適切な運用体制を構築する必要もあります。マーケティングのノウハウがある社員の協力も必須など、事前にさまざまなことを準備しないといけません。

このように、採用オウンドメディアには魅力的な効果がある一方で、成功は容易ではありません。そこで採用オウンドメディアの運用ノウハウがある企業に、発注してみるのがおすすめです。「株式会社ニュートラルワークス」では、採用オウンドメディアの構築と運用のサービスを提供しています。採用についてお悩みの場合は、ぜひ弊社にご相談ください。企業の悩みに応じた、最適な解決策を提示させていただきます。

著者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社にて起業。株式会社オプトにてWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社にてゲームプロデューサーとしてスマホアプリゲームの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスにジョイン。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格