Webデザイン

最終更新日: 2022.07.19

オウンドメディア構築と運用費用は?費用シュミレーションも

オウンドメディア構築と運用費用は?費用シュミレーションも

自社が独自に情報発信できるオウンドメディアは、ファンの育成やリードの獲得などさまざまな効果が期待できるマーケティング手法です。マーケティングやブランディングにオウンドメディアを活用したいと考える企業は年々増加の一途を辿っています。BtoB企業の約6割がオウンドメディアを運用中、または検討中であるともいわれ、オウンドメディアに積極的な姿勢の企業が増えているのです。

しかし、オウンドメディアの立ち上げには費用や運用担当者など、確保しなければならない社内リソースが多いのも事実です。なかでも費用面では、構築から運用までにどのくらいの予算が必要なのかという目安や相場がわかりにくいことから、導入に至っていないケースも少なくありません。実際に複数のWEB制作会社に見積をとっても、サービス内容や金額がバラバラで混乱してしまうこともしばしばです。

オウンドメディアの構築にはさまざまな目的や選択肢があるため、想定される費用にもバラつきが生じます。そこで本記事では、オウンドメディアの立ち上げから実際の運用までにかかる費用について細かく解説しています。それぞれの企業に最適なメディア構築ができるよう、費用シュミレーションをパターン別に解説していますので、そちらも参考にしてみてください。

オウンドメディアにかかる費用はどのくらい?

オウンドメディアにかかる費用はどのくらい?

オウンドメディア全体にかかる費用は、大きく2つに分けられます。サイトを構築して情報コンテンツを公開できる状態に整える「構築費」と、実際にコンテンツ配信を行いながら分析や改善を行うための「運用費」に分かれます。
オウンドメディアとは?特徴や目的、企業の事例について解説 オウンドメディアとは?特徴や目的、企業の事例について解説
近年では、オウンドメディアの構築にCMSを利用するケースが増えてきました。CMSとは、専門知識がなくても簡単にサイトの更新やコンテンツの公開ができるサービスのこと。プログラミングへの知見がない担当者でも、テキストの入力や画像アップロード、デザインテンプレートの変更などを感覚的に操作できます。

CMSは無料、あるいは良心的な価格で提供されているものもあるため、構築にかかるコストを抑えつつメディアを立ち上げることも可能です。これにより近年の構築費相場は下がりつつあります。

一方、オウンドメディアの運用は長期的なスパンで行われる上、分析や改善にはマーケティングやデータ解析の知見などの専門スキルが必要です。コンテンツの作成やコンサルティングなどに当てるコストも必要なため、一定額の運用費が構築後も毎月かかると考えましょう。

オウンドメディアは効果的なマーケティング手法ではありますが、運用の難易度が高いことが課題でもあります。継続的にコンテンツを作成できず、途中で更新が止まってしまったり、成果が上がらずメディアを閉鎖してしまう企業も少なくありません。順調にコンテンツを公開し、ある程度流入数を確保できていても、メディアコンセプトや運用体制の変更などによって上手く回らなくなることもあります。

このような課題をクリアするには、オウンドメディアに強いWEB制作会社のサポートを受けながら、継続できる体制づくりを行うのが賢明です。そのためオウンドメディアのトータルの費用は、構築よりも運用の方に多くかかる傾向にあります。

オウンドメディアの立ち上げは、構築費と運用費をしっかり分けて計算し、予算設計での失敗を防ぎましょう。

オウンドメディアの構築にかかる費用

費用項目 価格相場
戦略設計費
マーケティング費
10~30万円
デザイン費
コーディング費
30~80万円

上表は構築にかかる費用項目と、それぞれの相場価格です。CMSを利用する場合、CMSアカウントの取得や各種設定などの料金がかかるため「初期費用」として提示されることもあります。

各費用項目がどのような作業に対するコストなのか、詳しく見てみましょう。

戦略設計費

戦略設計とは、自社のブランディング設計やコンセプト設計など、オウンドメディアの土台部分を明確にすることです。「誰に対して、どのような情報を提供するメディアを目指すか」という骨組みを固める企画項目になります。

オウンドメディアを通してどのような目標を達成するか、より効率的な集客を行い売上を立てるにはどうしたらよいかなど、全体を通しての設計も重要。既にマーケティングの知見がある場合は自社で独自に戦略設計を行うことも可能です。

ただし新規にオウンドメディアを立ち上げる企業は、知識や経験、ノウハウがないケースも多く、適切なサイト設計ができず成果が出ない……という失敗ケースも少なくありません。社内にオウンドメディア運用に詳しい人材がいない場合は、コストをかけても外部のサポートを受けた方が結果が出る可能性は高くなります。

マーケティング費

マーケティング費とは、集客設計やサイトの内部流動設計などにかかる費用です。戦略設計の骨子を元に、どのような情報を提供すべきか考え、コンテンツの内容やサイト構造を設計します。

コンテンツには、WEB記事に始まり動画やイラスト、図解、漫画などさまざまな種類があります。企業のカラーや取り扱う商品やサービス、顧客層などによって、どのようなコンテンツが届きやすいかが異なるため、コンテンツマーケティングの方向性も入念に検討する必要があるのです。

制作会社によっては、記事コンテンツの作成はできても動画制作には対応できないなど、サービス内容に違いがあります。この部分はオウンドメディア制作費用の相場に幅が大きい理由のひとつと言えるでしょう。

デザイン費

デザイン費は、オウンドメディアの全体的なサイトデザインにかかる費用です。一からオリジナルのデザインでサイト構築する場合、費用は高くなります。一方近年では、WordpressやJoomla!などのCMSを使ってサイト構築するケースも多いです。Wordpressは無料CMSのためコストを大幅に削減でき、有料CMSであっても一からサイトデザインをするより費用が抑えられます。

オウンドメディアとしての成果を最大限に上げたい場合、初期コストに捉われ過ぎず、企業として納得のできるデザインで制作するのが賢明です。

コーディング費

コーディング費は、プログラミング言語を使ってソフトウェアのソースコードを作成するための費用です。デザインや機能などをサイトに実装するためのプログラムを組む専門的な作業になります。

コーディング費もデザイン費と同じように、CMSツールを利用すればコストを抑えることが可能です。ただしCMSを利用する場合でも、機能を充実させるためにはオプションの追加やプラグインの導入などのカスタマイズが必要になります。集客力のある本格的なオウンドメディアを求める場合、CMSのカスタマイズは必須です。

CMSのカスタマイズは専門知識が必要になるケースが多く、知見のない担当者だけでの制作は難しいため、外部委託するのがベターです。尚、制作会社によっては、提示している初期費用の中に最初のコンテンツ制作費が含まれていることもあります。

オウンドメディアの運営にかかる費用

価格相場
サイト維持費 サーバー代/数千円~5万円
ドメイン代/年間100円~10万円
マーケティング費
分析・改善費
月額10万~30万円
コンテンツ制作費 2万~30万円

上表は運用にかかる費用項目と、それぞれの相場価格です。マーケティングや分析、改善などは継続的に行う必要があるため、月額の料金形態をとっているWEB制作会社が多いです。またコンテンツ制作費は、記事の種類や内容、動画コンテンツなど中身が多岐に渡るため、価格の幅がかなり広くなっています。

各費用項目がどのような作業に対するコストなのか、詳しく見てみましょう。

サイト維持費

サイト維持費は、サーバー代やドメイン代など、サイトを開設してから継続的に発生する最低限の費用です。サーバー代は、初期費用や月額利用料が発生します。サーバーの初期費用相場は~2万円ほど。月額利用料は500円~5千円のラインが一般的です。

他にも、ドメイン代金がかかります。ドメインを取得する際に登録料がかかり、それ以降は1年ごとに更新料を支払う必要があります。ドメイン代は、自社で使用したいドメイン名によって価格が異なります。相場は年間100円〜数千円ほどでそれほど大きな額ではありません。

ただし人気で競争率の高いドメインでは価格が高くなる傾向にあり、場合によっては年間10万円を超えるドメインも存在します。サイト維持費はトータルで月数千円~5万円程度を見越しておけばよいでしょう。負担は少ないですが、基本の維持費として計算に入れておくとよいです。

マーケティング費

マーケティング費は、市場調査や競合調査、コンテンツのキーワード選定などにかかる費用です。コンテンツマーケティングでは、ペルソナ設定やカスタマージャーニーなどのマーケティングの専門知見をもとに、より効果的な方向性を打ち出す必要があります。市場調査や競合調査には専用ツールやマーケティング分析などを用いながら精緻に行います。

分析・改善費

分析・改善費用は、SEO対策の実施やCVR改善など、数値実績を高めていく作業にかかる費用です。成果物には、SEOレポートやコンテンツ評価レポート、コンテンツやサイト導線の改善提案などがあります。

オウンドメディアの運用は、分析と改善を繰り返すPDCAサイクルの継続が欠かせません。自社メディアの状況を定量的に評価したり、流入経路やコンテンツの分析で顧客の行動を把握したりするには分析・改善に力を注ぐことが必須です。

ただ、マーケティングや分析・改善を外部パートナーへ委託する場合でも、完全に丸投げというわけにはいきません。自社でもオウンドメディアの責任者や編集長、担当者をつけて外部パートナーと連携を取りながら進める必要があるため、社内の人件費と外部委託費の両方がかかることも念頭に置いておきましょう。

コンテンツ制作費

コンテンツ制作費は、どのようなコンテンツを何件作るかによって予算が変わります。記事コンテンツの場合、1記事1万円~10万円程度。

クラウドソーシングのようなサービスを利用すればもっと低価格で記事作成できますが、ライターのスキルにバラつきが生じることや作成者との信頼関係が築きにくいなどのデメリットもあります。そのため、コンテンツマーケティングに強いWEB制作会社に依頼するほうが、質の高いコンテンツが上ってくる可能性は高くなります。

記事の内容によっても、制作費用に差が出ます。一般的な情報記事の相場は1~5万円程度ですが、インタビュー記事や専門家監修が必要なジャンルであれば、1記事あたりの単価と全体的なコンテンツ制作費はもっと高くなるでしょう。

また、メールマガジンやホワイトペーパーなどの作成では価格相場が異なります。動画作成の場合は手間や時間がかかる分さらに高コストになり、最大で1本20万円ほど必要になるケースもあるようです。

ただし、一度作成したコンテンツは、半永久的に集客を生み出す企業資産です。もちろん定期的に情報を新しく修正するなどの更新は必要ですが、ある程度コストをかけてでも質の良いものを作っておく方が、長期的な費用対効果が高くなる可能性があります。

オウンドメディアの費用算出で注意すべきポイント

オウンドメディアの費用算出で注意すべきポイント

オウンドメディアは、企業HPに比べて必要なコストの種類が多い傾向にあります。固定的な情報を掲載しているコーポレートサイトなどに比べ、オウンドメディアは制作するページ数や必要機能も異なる上、長期的なコンテンツの更新が必要です。分析・改善のPDCAを回し続けることも必須になります。

この違いについては、先ほど紹介した各費用ごとの作業内容に関する理解が深まったことで、イメージが掴みやすくなったのではないでしょうか。

オウンドメディアは、企業HPやコーポレートサイトとは大きく異なる構造であり、運用の仕方もまったく違います。企業HPやコーポレートサイトも「自社が所有するインターネットメディア」であり、広い意味ではオウンドメディアに含まれます。

ただ、集客やマーケティングツールの一環としてオウンドメディア運用に取り組むのであれば、かかる費用の種類やそれぞれの額面が大きくなるのは当然であると理解できるはずです。

実は、オウンドメディアの運営に失敗する企業の多くは、コストを抑えることや、オウンドメディアに必要な作業や手順を知らないことによって躓いてしまいます。

例えば、オウンドメディアの戦略設計やペルソナイメージがしっかりできていない、運用体制が整っていない、適切なキーワード選定やコンテンツ設計ができていないなど。このような失敗要因は、オウンドメディア制作に精通したWEB制作会社とタッグを組むことで回避できる課題です。

オウンドメディアに必要な作業や人員、そしてそれにかかる費用を明確にすることで、全体の費用感や成果を上げるまでの大まかな道筋もイメージしやすくなるでしょう。

ここからは、オウンドメディアの構築から運用で失敗に陥ってしまうのを避けるために、費用算出時に押さえておくべき注意点とポイントをお伝えしていきます。

委託費用が安いWebサイト制作会社はサポート内容が充実していないケースがある

オウンドメディアの立ち上げ時は、複数のWEB制作会社を比較してから委託先を決めるケースが多いでしょう。このときに、費用の安さだけを基準にして比較すると思わぬ失敗に陥るおそれがあります。なぜなら、格安のWEB制作会社はサポート内容が充実していない可能性が高いためです。

例えば、サイト設計費からデザイン・コーディング費、運用費までをパッケージ化して10万円前後で提供している制作会社も少なくありません。コスト面ではとても魅力的なように思えますが、このようなサービスはWordpressとデザインテンプレートでメディア構築をし、設計やデザイン、機能面などの細かい要望には対応できない場合があります。

この程度のサービス内容であれば自社制作で賄える可能性もあるでしょう。知見のない企業がWEB制作会社に対して本当に求めているのは、細かな技術的サポートやアドバイスなどの部分です。

また、格安のパッケージサービスでは運用面にも不安があります。対策キーワードの一覧を渡され、運用そのものはすべて自社で対応しなければならないケースも少なくありません。制作会社側と依頼した企業側の間でコミュニケーションや打合せが十分に取れず、要望を聞き入れてもらえない、細かい部分への対応をしてもらえないこともあるのです。

前章で、各作業ごとに必要な費用を解説したように、WEB制作においてはほとんどが人件費です。ツールや維持費といったものにかかるコストはほんの一部で、ほとんどは専門的知見やスキルといった、人の経験やスキル、創意工夫やアイデアなどにかかるコストです。

破格の値段でオウンドメディア制作を請け負えるのは、サイト設計やプロジェクトの進行管理、依頼企業との打合せなどの工数を削り、人件費を抑えているに過ぎません。顧客により良い情報やWEB体験を提供するには「多くの人の手や目が加わってこそ良いものができる」と考えた方が、成功に近づきやすくなるでしょう。

無駄な制作費用を抑えるための検討や工夫は大切ですが、費用面だけでWEB制作会社を選ぶと結果的に成果が出ず、集客数や売上も上がりません。制作会社を選ぶときは、サポート面の充実度をしっかり確認しましょう。誠実な対応と確固たる実績のある委託先を、多角的な視点で見極めるのが重要です。

どの工程を外注するかで費用が大きく変わる

オウンドメディアの制作費用を計算するときに「どの工程を外注するか」を明確に決めることも大切です。オウンドメディア費用の相場にバラつきや幅があるのは、自社で賄える作業や工程、用意できる予算などの状況が企業ごとに違うため、平均額の統計が取りづらいためでもあります。

例えば、自社にオウンドメディアやWEBマーケティングの知見がある人材がいれば、外部に委託するのはセキュリティや顧客情報管理などのサイト保守だけで済む場合もあります。サーバー維持費やCMS利用料などのコスト+最低限の外部委託費用だけでオウンドメディアの運用をはじめられるケースもあるでしょう。

しかし、自社にメディア運営やWEBマーケティングに精通した人材がいない場合、トータル的に支援してくれるWEB制作会社を選ぶことも視野に入れるべきでしょう。

このようなケースでは、毎月まとまった額の費用を支払い、継続的にサポートしてもらうことでコストは高くなりやすいです。一般的に、マーケティングやコンテンツ制作、分析など総合的な支援を受ける場合、月額30万円程度は見積もっておく必要があります。

ただ、社内にオウンドメディア運用のノウハウをもった人材がいる場合でも、人件費が発生していることを忘れてはなりません。メディアの規模によっては複数人のチームで運用することも多く、担当者をつけて新しい体制を作る必要があります。

WEB制作会社でトータルな支援を受ける場合、確かにコストは高くなります。しかし、プロによる前面的なサポートによって効果的な運用につながる他、既存社員の人員配置や社内体制の大幅な変更も必要としません。社員は通常業務をこれまで通り進められる、というメリットもあります。

このように、どの工程を外部に委託するかによって、オウンドメディアの制作費用は大きく変わります。まずは、自社内でできること、できないことを明確に分けて整理しておきましょう。

まずは自社が既に持っている知見やスキル、人的リソースなどを明らかにし、現状を把握してみてください。現状把握をすることで、しっかりコストをかけてプロに任せる工程と、自社で巻き取って費用を抑える工程とを区別できるため、無駄のない予算設計ができます。

自社で構築・運用してもコストはかかる

オウンドメディアの制作を自社で内製しても、コストはタダではありません。社内で制作できていれば、まるでコスト0のように感じてしまうこともありますが、外注費という別枠の出費がないだけで社内人件費はかかっています。

また、オウンドメディアの運用には最低でも2~3人のチームプロジェクトを立ち上げる必要があります。新しいプロジェクトが社内の人的リソースを圧迫するおそれも否定できません。

自社でプロジェクトを進めていくにあたって、体制を強化したり人材を教育する必要が出てくることもあります。このような場合、人材育成や外部からのコンサルを受けるための費用が発生し、結果的に外注よりもコストが高くつくケースもあるでしょう。

コスト削減のためにオウンドメディアを内製したが、結果的に外部委託したほうが安く上がった……という事例は意外と多いです。自社での構築・運用を考えている企業の方は、人件費や社内リソース、後から追加的に発生する費用の可能性なども考えて予算設計を行いましょう。

今後の運用を全体的に予測し、外注すべき工程や業務は積極的に外部のサービスを活用してみてください。

オウンドメディアにかかる費用シュミレーション

オウンドメディアにかかる費用シュミレーション

オウンドメディアをゼロから構築する場合、実際にかかる費用はどのくらいになるのでしょうか。大まかな目安としては、新規のオウンドメディア立ち上げには最低でも総額100~300万ほどの予算を想定しておきましょう。

ただ、ここまででも繰り返しお伝えしてきた通り「どの工程を外注するか」や「自社にどの程度のリソースがあるか」によってオウンドメディアの制作費用は大幅に変わります。

そこでこの章では、オウンドメディアにかかる費用のシュミレーションをパターン別にまとめました。自社の目的や状況ごとに、6つのパターンを用意しています。

「どの工程を外注するかで費用が大きく変わる」の項目でお伝えしたように、外部に任せる工程と、自社で賄える部分を区別する方法で費用の概算を見積もっていきます。自社の状況と照らし合わせて、大まかな見当をつけるのに役立ててみてください。

※このシュミレーションでは、立ち上げ段階の構築費とコンテンツ50本公開までを初期費用として想定しています。また、費用金額は仮定金額です。運用は1年以上の長期に渡るため、コンテンツ50本公開後の運用費の目安は別途記載しています。

パターン1:費用を抑えたい×社内リソースが余っている×運用の知識やスキルがある

「なるべく費用を抑えたい」という希望があり、社内のリソースや運用の知識、スキルなども十分に備わっている場合の費用パターンです。

費用を抑えたいので、CMSはWordpressのような無料CMS、もしくは低価格なCMSを採用します。CMSの利用料は平均年間2万円程度と見積もります。

社内には、オウンドメディアの運営に詳しい人材はいますが、デザインやコーディングはできないためWEB制作会社に依頼します。CMSを使ったデザインの外注には、30~80万円程度は必要です。この費用シュミレーションではデザインとコーディング費を50万円と仮定。

その他、コンテンツの制作やCMSへの入稿作業、分析や改善などの運用はすべて自社で行います。1人当たりの人件費は月額30万円で、合計3人のチーム編成で月90万円の社内人件費がかかることを想定します。

費用項目 金額(仮定)
デザイン
コーディング費
50万円
社内人件費 月額90万円
合計 170万円

デザインやコーディングなどの構築費は一時的に発生するものなので、立ち上げの初期費用としては約170万円ほど必要になるというシュミレーション結果になりました。サーバーやCMS利用料などのサイト維持費や社内の人件費は毎月継続的に発生するため、運用費が毎月90~95万円ほどかかる見込みです。

パターン2:費用をかけてもいい×社内リソースが足りない×運用の知識やスキルがない

費用をしっかり投資する余裕があり、社内リソースや運用の知識やスキルだけが不足しているケースの費用をシュミレーションしてみましょう。

オウンドメディアの運用スキルがないため、メディアの企画や戦略設計の段階から外部コンサルティングを委託します。Wordpressなどの手軽なCMSを利用し、デザインとコーディングまで構築をトータルで依頼。戦略設計やマーケティングに30万円、デザインとコーディングには80万円で基本の構築費は110万円ほどです。

運用は、コンテンツ制作からアクセス解析や改善レポート作成など、多面的にサポートしてもらう必要がありそうです。まずは1記事2万円の記事コンテンツを50本公開することを目標にし、コンテンツ制作費として最低100万円かかると仮定します。

さらにオウンドメディアの編集長や代表者を社内から1人選出するので、社内人件費は月額30万円。すべて合計すると初期費用は240万円です。

費用項目 金額
戦略設計
マーケティング費
30万円
デザイン
コーディング費
80万円
コンテンツ制作費 100万円
社内人件費 月額30万円
合計 240万円

本格的な運用を長期的にサポートしてもらう場合は、保守費用やレポート作成、コンテンツ制作費、コンサルティング費などとして月額30万円程度が継続的に発生すると考えられます。社内のオウンドメディア担当者の人件費30万円と合わせて、月額60万円前後の運用費が発生し、コンテンツを追加する記事数に応じてコンテンツ制作費用が加算されます。

パターン3:費用を抑えたい×社内リソースが余っている×運用の知識やスキルがない

費用を抑えたいが、社内にオウンドメディア運用の知見がある人材がいない。しかし、プロジェクトに必要な社内リソースは十分に確保できるというケースもあるでしょう。このケースでは、オウンドメディアの構築部分へはコストをかけ、運用は社内で内製化する方向で進めてみると良いです。

オウンドメディアへの知見がないため、構築では企画段階からWEB制作会社のサポートが必要です。Wordpressなど一般的なCMSを利用して、デザインとコーディングも外注します。戦略やマーケティング費用として30万円、デザインと実装に40万円ほどかかるとします。

社内の人材は十分に確保できるので、コンテンツは社員で制作することにします。とはいえコンテンツの制作業務は不慣れなので、余裕のあるペースで更新ができるよう社員3人をコンテンツ制作の担当に充てます。編集長と進捗管理のディレクターを1人ずつ配置し社員5人で回すと仮定しましょう。1人当たりの人件費は月30万円で、5人の担当者をつけると月の社内人件費は150万円になります。

費用項目 金額
戦略設計
マーケティング費
30万円
デザイン
コーディング費
40万円
社内人件費 月額150万円
合計 220万円

このシュミレーションでは、構築時の外注費と社内の人件費に重点を置き、立ち上げ時のコストはおよそ230万円前後になりました。実際の運用は、WEB制作会社のコンサルティングを受けながら、社内でプロジェクトを回せるように体制づくりや人材の教育を強化していきます。社内人件費+コンサル料として、運用は月額150万円~180万円が必要になりそうです。

パターン4:費用をかけてもいい×社内リソースが余っている×運用の知識やスキルがある

4つ目のパターンは、予算にも余裕があり、社内の人的リソースも運用の知見もある、というパーフェクトな条件です。このようなケースでオウンドメディアを立ちあげるのは、集客をメインとした本格的なオウンドメディアを運営したいという目的の場合が多いでしょう。

スキルと知識のある人材や、担当者として配置できる人材が多いため、企画や戦略設計などは自社内で行います。予算に余裕があるので、オリジナルで企業カラーを出せるデザインをWEB制作会社に依頼。構築費は80万円程度と仮定しましょう。

しっかり費用投資できるなら、ブランディングを強化し、より効果的なオウンドメディアを目指せます。コンテンツにインタビュー企画や動画撮影なども盛り込み、質にこだわることも可能。

社員がコンテンツを制作すると、担当者に別の業務が入ることや、退職などによってコンテンツの更新がストップしたり停滞したりすることも少なくありません。

また、元々ライティングスキルに適正のある人材を配置できるとも限りませんし、質の高い記事を書くには1日1記事が限界です。安定的な運用のためにも、コンテンツ制作は外部委託したほうが効率的な場合もあります。1本3万円のコンテンツを50本用意すると仮定し、250万円をコンテンツ制作費とします。

社内のオウンドメディア担当者は3人。社内人件費は月額30万円×3人=90万円です。

費用項目 金額(仮定)
デザイン
コーディング費
80万円
コンテンツ制作費 150万円
社内人件費 月額90万円
合計 320万円

初期の構築費用としてかかるのは、おおよそ320万円ほどになりました。予算に余裕があるうえ、オウンドメディアに張り付いて作業できる人材も多いです。必要な工程だけを外部委託したり、こだわりたい部分を明確化したりすることで、結果的に無駄のない費用設計ができる場合もあります。

運用はほとんど社内で回せるので、必要になるのは月額90万円の人件費と少額のサイト維持費程度です。コンテンツの内容や件数に応じてコンテンツ制作費が加算されます。

パターン5:費用を抑えたい×社内リソースが足りない×運用の知識やスキルがある

オウンドメディアの運用スキルや知識はあるが、費用はあまりかけられない上、担当できる人材も少ないという場合はどうでしょうか。

運用スキルと知識のある人材が、オウンドメディアの企画や戦略設計などの部分を進めます。デザインはWordpressなどの手軽でポピュラーなCMSを利用し、WEB制作会社に依頼します。構築にかかる外注費はデザインとコーディング費のみ。今回のシュミレーションでは50万円と仮定します。

コンテンツはクラウドソーシングを利用し、コストを抑えつつも品質が保たれたコンテンツを用意できるように工夫します。クラウドソーシングでは1記事数千円でも記事コンテンツを発注できます。1記事5,000円の記事を50本用意すると仮定した場合、コンテンツ制作費は25万円です。CMSへの入稿などは社内担当者がひとりで行うので、社内人件費は、月額30万円と仮定します。

費用項目 金額(仮定)
デザイン
コーディング費
50万円
コンテンツ制作費 25万円
社内人件費 月額30万円
合計 106万円

最低限の社内リソースと、最低限の外注化で進めるケースです。この場合、人員が少ないのでプロジェクトの進行はゆっくりペースになる可能性が高いです。しかし、立ち上げ時にかかる初期費用はおおよそ105万円と、最も低予算になりました。

人員リソースが少ない上に予算が限られている場合、クラウドソーシングを活用してコストを抑えつつコンテンツを量産するケースが多いです。

運用も担当者1人で行う場合、月額30万円の人件費と、コンテンツ制作費が毎月の運用費となります。オウンドメディアの知見があっても、まったく単独で業務を進めるのは難しいこともあるでしょう。外部パートナーに協力や支援を仰ぎたい場合、月10~30万円のコンサルティング費用をかければ、ブラッシュアップや軌道修正なども容易になります。

パターン6:費用をかけてもいい×社内リソースが足りない×運用の知識やスキルがある

オウンドメディア運営に関われる人材は足りない、しかし運用知識やスキルのある担当者がいて、予算もしっかり確保できる。このようなケースのシュミレーションです。

予算に余裕があるので、企画や戦略設計は自社の担当者ひとりで進めず、制作会社のコンサルティングを受けながら進めていきます。デザインやコーディングは、CMSツールを利用しつつ部分的にデザインや機能をカスタマイズする方法で、WEB制作会社に依頼します。コンサルティング15万円、デザイン・コーディング費用55万円と仮定し、構築費はおよそ70万円とします。

コンテンツを制作する社内リソースはないので、外注費がかかります。1本2万円の記事コンテンツを50本公開の目標を掲げ、コンテンツ制作費に100万円投資します。

社内のオウンドメディア担当者は1人で、制作会社やコンサルタントとの打合せや対応なども行います。社内人件費は月額30万円。トータルの初期費用は約170万円ほどになります。

費用項目 金額
戦略設計費
マーケティング費
15万円
デザイン
コーディング費
55万円
コンテンツ制作費 100万円
社内人件費 月額30万円
合計 170万円

構築後の運用には社内人件費の30万円と、作成するコンテンツ数に応じた費用が発生します。担当社員の作業負担が大きくなる場合は、外部パートナーに委託して作業工数を減らすなどの調整が必要でしょう。

以上全部で6パターンの費用シュミレーションを立ててみました。6つのパターンでは平均的な費用で計算しているため、立ち上げ時に必要な費用は100~300万円代で収まることが多いです。

ただ、依頼する制作会社によって金額には大きな差があります。格安なパッケージサービスもあれば、実績も豊富な人気のWEB制作会社もあります。想定より高い金額設定になる可能性もあるでしょう。依頼したい制作会社がある程度絞れている場合は、見積依頼をしてより実際の額に近い予算を確認してみましょう。

オウンドメディアの費用はトータルで考えよう

オウンドメディアの費用はトータルで考えよう

オウンドメディアの費用計算を考える上で必要な知識をお伝えしました。オウンドメディア制作の費用相場にバラつきが多い理由や、WEB制作会社を選ぶときの基準もイメージしやすくなったのではないでしょうか。

オウンドメディアは、立ち上げ時に100~300万円の費用がかかるのが一般的です。立ち上げ後もコンテンツの作成と更新、サイト分析や導線の改善など、根気のいる作業を長期的に継続する必要があり、運用費は毎月90~130万円ほどかかると考えましょう。

オウンドメディアは、成果が出るまでに少なくとも1年はかかります。非常に時間のかかる取り組みですので、費用を算出するときは構築から運用までを見据え、トータルで考えていく必要があります。

長期的な戦略を練ったり、費用の見立てを行うには、自社で今現在確保できる予算と人員リソースを明確にしましょう。また社員が持っているWEBマーケティングやサイト制作に関する知識やスキルなどを調査する機会も必要です。

まず自社の現状把握を徹底し、その情報をもとに「自社でできること」「外部に任せるべきこと」を分類していけば、予算の見立てはそれほど難しくありません。このような手順を踏めば、実際にオウンドメディアを運用し始めてから費用のギャップが問題になるリスクは最小限に抑えられます。

さらに、オウンドメディアは構築して終わりではなく、その先の運用が肝心です。効果的なオウンドメディアを制作するにはある程度まとまった予算が必要ですが、それだけのメリットをもたらしてくれます。

一度作成したコンテンツが、新規顧客への認知活動からリードの獲得までを半永久的に担ってくれます。そのためには良質なコンテンツを作り続けることが大切。運用に必要な費用とリソースを十分に想定し、確保しておくことを念頭に置いておきましょう。

ニュートラルワークスは、全国のWEB制作案件に対応しており、企業の運用目的に沿ったメディア設計・制作を行っています。構築後の運用に関するアフターケアも行い、充実したサポートを提供しております。費用に関してのご相談も随時受け付けておりますので、オウンドメディア運用についてお悩みの方は、ニュートラルワークスまでぜひ一度ご相談ください。

監修者紹介

津久井 渉

津久井 渉

取締役

1991年生まれ。オーストラリアの高校を卒業後、その後イギリスで建築学科を卒業し、大学院ではデザインシンキングを専攻していました。楽天株式会社へ新卒で入社。トラベル事業部でマーケティング職に約3年間従事した後、2017年には株式会社LIGにWebディレクターとして転職。2019年よりニュートラルワークスへジョイン。これまでの多岐にわたる経験を元に最高なサイト作りはもちろんのこと、貴社のビジネス上の課題解決へ導きます。