マーケティング

最終更新日: 2022.07.19

パーチェスファネルとは?意味や各段階ごとの解説、必要な施策を紹介

パーチェスファネルとは?意味や各段階ごとの解説、必要な施策を紹介

マーケティング用語で「パーチェスファネル」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。しかし、その意味を知っている人は少ないでしょう。

マーケティングにおいてファネルといえば、ほぼパーチェスファネルを意味します。パーチェスファネルは、顧客が商品を購買するまでの段階のこと。商品購入を促すためには、見込み顧客に対して、段階的に情報を伝えることが大切です。その際にパーチェスファネルを用いて、見込み顧客がどの段階にいるか明確にし、段階別に施策を打つ必要があります。

この記事ではパーチェスファネルの概要やメリット、マーケティング施策に活かす方法まで詳しく解説します。最後まで読んで、自社のマーケティング施策に活かし、商品の売上アップにお役立てください。

そもそもパーチェスファネルとは?

そもそもパーチェスファネルとは?

パーチェスファネルとは、購買に至るまでの顧客行動をフェーズ分けしたものです。ファネルとは日本語で「漏斗(ろうと)」という逆三角形の器具を指します。これを顧客行動に当てはめ、顧客が購買に至るまでに「認知→興味・関心→比較・検討→購入・申し込み」という購入プロセスを踏みながら、まるで逆三角形のように数が少なくなることを示しています。

例えば、AさんがBという商品を購入するまでの行動を、パーチェスファネルで見ていきましょう。

  1. Aさんが店先でBを見つける(認知)
  2. Bの特徴を知る(興味・関心)
  3. 他の諸品と比較する(比較・検討)
  4. 購入する(購入)

このように消費者が購買に至るまでの段階をパーチェスファネルといいます。商品に興味を持った消費者が、購入するまでの間に数が減ることを図で表したものです。

パーチェスファネルのもとになったAIDMAモデルとは?

パーチェスファネルには、AIDMAモデルという基となる考え方があります。AIDMAモデルとは、パーチェスファネルと同様に、消費者の購入プロセスを説明したモデルです。

  1. Attention(商品を知る)
  2. Interest (興味を持つ)
  3. Desire(欲しいと思う)
  4. Memory(記憶する)
  5. Action(購入する)

このような消費者行動をアルファベットで表し、その頭文字からAIDMAモデルと名付けられました。消費者は商品を購入するまでに、商品の特長を知り、他と比較検討し、最終的に一番良かったものを購入します。この時の購買に至るまでの消費者の無意識な流れを具現化したのがAIDMAモデルです。またAIDMAモデルは、さらに3つの段階に分けられます。

  • Attention→認知段階
  • Interest・Desire・Memory→感情段階
  • Action→行動段階

売上をあげるには消費者が購入するまで段階があることを理解し、それぞれのフェーズに合わせたマーケティング戦略を取ることが重要です。
AIDMA(アイドマ)とは?活用シーンとAISAS(アイサス)の違い AIDMA(アイドマ)とは?活用シーンとAISAS(アイサス)の違い

パーチェスファネル以外のファネルもチェック

パーチェスファネル以外のファネルもチェック

次にパーチェスファネル以外の3つのファネルについて見ていきましょう。

  • インフルエンスファネル
  • ダブルファネル
  • ルーピングファネル

これらのファネルは、顧客行動を理解する上で重要な役割を担っています。また、これらのファネルを活用して分析することをファネル分析と呼びます。それぞれについて詳しく解説します。

インフルエンスファネル

インフルエンスファネルとは、消費者が商品を購入した後の行動を三角形の図で表したものです。購入前の消費者の行動を示したパーチェスファネルとは逆に、購入者の行動を三角形で図式化しています。

インフルエンスファネルは、インターネットやSNSの普及により、消費者側が発信する文化が広がったことで誕生したモデルです。例えば、商品を購入した後の口コミやレビューをSNS投稿する「発信」がインフルエンスファネルにあてはまります。

  1. 購入者がSNSなどで拡散する(発信)
  2. ファンになってくれる(共有・紹介)
  3. リピーターになってくれる(継続)

インフルエンスファネルは、このような消費者の行動を段階的に説明した図式です。発信は三角形の一番下にあたる部分で、共有・紹介から継続に進むと数が減ってきます。しかし、多くの発信を狙うことで、確実な継続を狙えることも分かります。

このような点からも、発信を狙うのはマーケティング施策において重要なポイントです。そのためマーケティング施策を考える際に「発信を促すにはどうすればいいのか」「どんなイメージであれば発信したくなるのか」といった購入後の顧客行動まで推測する必要があります。インフルエンスファネルは、そういったイメージ戦略や広告戦略を立てる上でも利用されるモデルです。

ダブルファネル

ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせて、より高い効果を生み出す手法です。両方を組み合わせて、砂時計のような形で図式化されます。

ダブルファネルは、見込み顧客からスタートした消費者が購入に至り、その後発信して商品を拡散するまでを一連の消費者行動として捉えています。購入後の発信や拡散までを視野に入れて戦略を立てるため、売って終わりではなく購入後のケアも重要な点です。

特に購入意思決定までのプロセスが複雑で長期化しやすいBtoBの分野において、ダブルファネルの考え方は重要です。BtoBは購入後のケアまで視野に入れた取引によって、より大きな契約や継続につながることもあります。

BtoCのような一過性のものとは違い、BtoBは長期的な取引を増やすことが目的です。そのため、購入後まで視野に入れたダブルファネルの考え方でマーケティング施策を打つ必要があります。

ルーピングファネル

ルーピングファネルとは、購入までストレートにいかない消費者の行動や心理に対して「ループ(輪)」という言葉を用いて表現した図式です。ルーピングファネルは、複雑な消費者の行動を図で整理することで、消費者のフェーズをより分かりやすくします。

消費者が購入を迷っているときは、さまざまな商品と比較検討したり、SNSやサイトを見るなど、直接購買につながる行動は取りません。消費者は迷いながらそのフェーズに留まり続けます。その行動をループ(輪)として表現したのが、ルーピングファネルです。ルーピングファネルには、購入後の消費者行動も含まれています。

パーチェスファネルを活用するメリット

パーチェスファネルを活用するメリット

パーチェスファネルを活用するメリットは以下の2点です。

  • マーケティング施策の弱点がわかる
  • 段階別にどんな施策が必要かわかる

弱点や必要項目が分かることで、マーケティング施策を具体的に考えることができます。詳しく見ていきましょう。

マーケティング施策の弱点がわかる

パーチェスファネルを使用すると、マーケティング施策の弱点を見つけられます。なぜならパーチェスファネルに基づいて分析した数字と、マーケティング施策を比較することで、どのフェーズの顧客を逃しているか分かるからです。

例えば、流入先が「SNS」「広告」が多い場合、「認知」は多くの人にされていることが分かります。しかし商品の購入に至る人が極端に少ない場合は「関心」「比較・検討」というフェーズに、なんらかの問題があるということです。

そのため問題のあるフェーズに改善策を打つ必要があります。漠然と取りこぼしていた消費者が、どの段階なのかを見極めると、購買意欲が薄れた理由が見えてきます。そうすると、今までの訴求方法を見直すことができるでしょう。

段階別にどんな施策が必要かがわかる

マーケティング施策は漠然と打つのではなく、各フェーズに合わせた施策が重要です。そのためパーチェスファネルを使用することで、段階別に必要な施策を見出すことができます。

例えば、「関心」を増やすために「SNSで拡散を進める」「広告を出す」といった施策がありますが、これは「比較・検討」のフェーズにいる消費者には効果が薄いといえます。なぜなら「比較・検討」の消費者に対しては、「商品の良さを伝えるための施策」が必要なためです。

このようにマーケティング施策は、各フェーズに合わせたものを考え、打ち出すことで、より大きなリターンにつながります。

パーチェスファネルをマーケティング施策に活かす方法

パーチェスファネルをマーケティング施策に活かす方法<

パーチェスファネルをマーケティング施策に活かす方法について4つの手順で解説します。実際にマーケティング施策を考える際の参考にしてください。

1.まずは見込み顧客を分析する

まずは見込み顧客の分析を行いましょう。見込み顧客を分析するために重要なのが「ペルソナの設定」「ペルソナの心理を考える」2つです。理由について詳しく解説します。

ペルソナ設定をする

ペルソナとは、自社の商品やサービスを購入してくれる「理想の顧客像」のこと。ペルソナを具体的に設定することで、有効なアプローチを見つけることができます。ただ施策を打つのではなく、ペルソナに響くアプローチが購買につながるからです。例えば、下記の様にペルソナを設定します。

  • 31歳
  • 女性
  • 独身(長年付き合った彼氏と婚約中)
  • 年収280~300万円
  • 都内の大手企業で正社員の事務をしている
  • 都内近郊に住んでいる(調布、八王子など)
  • 家賃60,000円
  • 化粧品費:月20,000万円
  • 趣味:ヨガ、オシャレなカフェ巡り
  • 自分の時間を謳歌しながら貯金はしっかりする堅実派

このように、具体的な人物像に落とし込みます。ペルソナの設定には、顧客のあらゆるデータを分析し、より具体的な人物像を設定することが重要です。

ペルソナを設定することで、自社の見込み顧客が抱えている問題や悩みが明確になり、改善策を見出しやすくなります。さらに、それに合わせたマーケティング施策を打つことで効果も高まります。
ペルソナとは?役割と定義、設定ポイントを解説 ペルソナとは?役割と定義、設定ポイントを解説

ペルソナの心理を考える

次に設定したペルソナの心理について考えていきましょう。ペルソナの心理とは、ペルソナが「どんな心理状態で購入に至ったのか」ということ。

  • なぜ、このタイミングで商品を買ったのか
  • 比較した商品ではなく、自社商品を購入した理由
  • 購入の決め手は何か

購入時の心理が分かれば、その心理状態に持っていくための施策を打つことも可能です。ペルソナの心理から、自社の購買動機を理解することで、商品の強みや新たな側面を知ることもできます。

購買者の目線に立つことで、より深い商品理解につながるというもの。多角的な視点から施策を考えることも、マーケティングにおいては重要なポイントといえます。

2.見込み顧客を獲得する

見込み顧客を獲得するため、実際にパーチェスファネルを活用します。最初の段階である「認知」は、見込み顧客を獲得するために「どうすれば認知されるのか」に焦点を当てて考えましょう。

重要なのは、顧客になってくれそうな潜在層に対する広告やアプローチの仕方です。はじめから商品を打ち出すのではなく、まずは潜在層にとって価値ある情報を与えることが大切です。広告の打ち出し方には、さまざまな方法があります。

  • TVCM
  • メルマガ配信
  • SNS発信
  • ネット広告
  • ニュースリリース
  • 自社サイトのコンテンツを充実させる

広告の打ち出し方は多種多様です。見込み顧客に適した広告を選んで配信します。また認知段階では、次に繋げるために顧客情報を回収できる導線を作っておくことも重要です。

3.見込み顧客を育成する

見込み顧客を獲得したら、育成段階(興味・関心)に入ります。育成とは、獲得した見込み顧客に対して、製品やサービスの購入を促すために施策を打つことです。「この商品が欲しい」「これは良さそう」と見込み顧客が購買に意欲的となる情報を発信、提供することで、購買の後押しをします。

Webサイトやメルマガなどの発信で見込み顧客を育成しましょう。ステップメールなどで段階的に情報を与えるのも有効です。このときに他社製品の比較、実際の導入事例などを具体的に記すことで、購入後のイメージも湧きやすく、比較・検討のフェーズにいる見込み顧客にアプローチすることも可能です。

4.施策結果を分析・改善する

パーチェスファネルを活用したマーケティング施策の実行後は、結果を分析することが重要です。実際にどの位の見込み顧客が購入に至ったのかを分析し、各フェーズの人数や取りこぼしが多いフェーズを分析することで、さらなる改善策を見出すことができます。

このとき重要なのが、各段階で分析することです。段階毎の有効な改善策は何か、良くない点を見極め改善することで、より効率的な顧客獲得につながります。

パーチェスファネルは、あくまでも顧客行動を図式化しただけのモデルです。顧客獲得の精度を上げるためには、パーチェスファネルを活用した分析結果から、マーケティング施策の良し悪しを見つけ、改善を続けることが重要です

パーチェスファネルは時代とともに限界が来つつある

パーチェスファネルは時代とともに限界が来つつある

ここまでメリットを述べてきましたが、実はパーチェスファネルに対して「時代遅れ」「古い考え方」という声もあります。

なぜなら、インターネットやSNSの普及、社会生活の変化により、顧客が必ずしもパーチェスファネルのような購入行動を取るとは言い難いからです。

例えば、

  • 好きなインフルエンサーが紹介していたから
  • Amazonにいって、直接欲しいものを検索して購入した
  • SNSのタイムラインに流れてきたから

このような「認知」を飛ばす事例も増えています。同様に、その後のフェーズも順番通りに進むとは限らなくなりました。実際のところ、顧客行動の分析や誘導がこれまでどおりに行かないのが現状です。

時代の変化と共に複雑化する顧客行動は、パーチェスファネルにあてはまらないことも増えています。そのため近頃は、「ダブルファネル」「インフルエンスファネル」の方を重要視することもあるでしょう。施策を考える上で、自社にとってどのモデルが最適なのか、顧客分析と共に見極めることも重要といえます。

BtoBでは現在でもパーチェスファネルが有効

パーチェスファネルは、BtoB分野において有効だといわれています。一般消費者の購買行動は複雑化していますが、BtoBにおいてはそのような傾向は少なく、パーチェスファネルに沿った購入行動が多く見られます。

企業間の売買は、一般消費のように他の商品に目移りしたり、欲しいものが絶え間なく出てくるということはありません。例えば、勤怠管理システムを探していたにも関わらず、会計ソフトを購入していたというようなことは考えにくいためです。

このように一般消費者と違い、興味関心が移り変わるということがないため、購買行動は一直線のまま進むことがほとんどです。そのためパーチェスファネルに当てはまる行動が多いことが分かります。このように、パーチェスファネルはBtoBの商品においては活用できるモデルです。

パーチェスファネルを活用して有効なマーケティング試作を!

パーチェスファネルを活用して有効なマーケティング試作を!

パーチェスファネルは、消費者の購入行動を知る上で重要な指標となるモデルです。消費者の行動を段階的に分けることで、各フェーズに有効なマーケティング施策も打ち出しやすくなります。商品の購入を促すためには、消費者の行動を理解し、購買を後押しする施策が必要です。そのためにも、パーチェスファネルで消費者を分析し、消費者を理解することから始めましょう。

パーチェスファネルの活用方法が分からないとお悩みの方は、株式会社ニュートラルワークスにご相談ください。弊社はWebマーケティングのプロとして、コンテンツマーケティング運用代行、広告代行といった事業を推進し、売上向上などの多数の実績がございます。

専門家目線で御社のパーチェスファネルから、有効なマーケティング施策をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

監修者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319 |
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社にて起業。株式会社オプトにてWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社にてゲームプロデューサーとしてスマホアプリゲームの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスにジョイン。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格