インフルエンサーマーケティングは、知名度のあるインフルエンサーの力を借りるマーケティング。認知度を高めるのに効果的な施策です。しかし、インフルエンサーといっても、さまざまな人がいます。
このような方と普段接触しない企業はと戸惑うこともあります。指示の出し方が分からなかったり、接触方法に悩んだりするでしょう。ほかにも「具体的に何をすればいいの?」「会社にとって、どれだけのメリットやデメリットがあるのか知りたい」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、インフルエンサーマーケティングの基本的な情報から、メリット・デメリット、始め方に事例などをわかりやすく紹介します。インフルエンサーマーケティングとは何なのか?を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
インフルエンサーマーケティングとは
まずは「インフルエンサーマーケティング」とはどういうものか、について解説します。インフルエンサーマーケティングとは、SNSやYouTubeの動画投稿などをして人気を集めている方に協力してもらうマーケティング施策を指します。
フォロワー数や、若い人たちから人気を集めている通称インフルエンサーと呼ばれる方に、自社の商品やサービスをPRしてもらう方法です。一般的には、フォロワー数の多い影響力のある人物に依頼を出し、消費者の行動や態度の変容を促すのが目的とします。
この方法を用いることで、ファン(ロイヤルカスタマー)の獲得が実現しやすくなるので、近年多くの企業から関心を集めています。インフルエンサーと自社の商品やサービスがマッチすれば、特定のユーザー層に大きな影響を与え、より多くの人たちから注目を集められるようになります。
自社だけのPRや広告でなかなか集客につながらない場合は、影響力のあるインフルエンサーに宣伝の協力をしてもらってみてはいかがでしょうか?
市場規模と今後
大手インターネット広告事業である「サイバーバズ」社と、デジタル広告事業主の「デジタルインファクト」社共同の調査によると、市場規模は2023年に605億円、2025年には723億円にものぼると推測しています。さらにSNSのマーケティング市場規模も、2025年には1,000億円に達するほど成長があると見込んでいます。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、オンラインシフトを導入する企業が増えたことや、SNSの利用者が増加したのも大きな影響を与えました。また、家にいる時間が増え、YouTube動画やSNSの投稿がより注目を集めたのも、インフルエンサーマーケティングの成長に拍車をかけたのでしょう。
さまざまな投稿に興味を持つユーザーが増え、インフルエンサーの影響力も大きくなり、多くの企業がビジネスに活用しようと動き始めています。インフルエンサーマーケティングは、今や大きなビジネスチャンスを生み出す施策になろうとしています。
参考サイト:【市場動向調査】2020年のソーシャルメディアマーケティング市場は5,519億円、前年比107%の見通し。2025年には2020年比約2倍、1兆1,171億円規模に。|CyberBuzz
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インフルエンサーマーケティングのメリット
インフルエンサーマーケティングで狙えるメリットについても知っておきたいですよね。自社にどのようなメリットがあるのか、大きく4つに分けて紹介します。自社とインフルエンサーがうまくかみ合えば、より多くのユーザーに商品やサービスの魅力が伝わります。
ターゲティングがしやすい
インフルエンサーは、グルメやファッションなど、何かのジャンルについて情報を発信しています。そのため、フォロワーも同じジャンルへの興味関心が高い傾向にあり、企業にとってはターゲットを絞りやすい環境(ターゲティングがしやすい)といえるでしょう。
つまり、自社商品やサービスに関連するジャンルの情報を扱うインフルエンサーにPRしてもらえば、見込み客の獲得がしやすくなります。さらに人気の年齢層や性別に合わせたインフルエンサーを選べば、特定の層に特化した施策の実行も可能です。
そのため、「誰がどのような投稿をしているのか」「どういった人たちがフォローしているのか」など、くまなく調査をするようにしましょう。たとえば、20代女性をターゲットにした化粧品を宣伝したいのであれば、20代女性からのフォロー数が多いモデルを起用します。
商品やサービスにマッチした人物であればあるほど、説得力が高まるので、ターゲットにぴったりな人物を探してPRを依頼することが大切です。
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消費者目線・客観的視点のレビューを発信してもらえる
インフルエンサーは、一般の方でもフォロワー数を稼いでいる人が多く、消費者目線や客観的な視点で、レビューを発信してもらえるメリットがあります。会社側の宣伝だけでは偏った情報と捉えられてしまうことがあるので、消費者目線や客観的視点からの意見は、多くの共感を得ることができる強みがあります。
たとえば実際に商品を使ってレビューをするような場合、使用した人しかわからない商品のよさや悪いところを紹介してもらえます。そのため、ユーザーが正しい情報を得られると同時に、企業側は自社製品の新しい魅力や改善点の発見があるので、ユーザーと会社のどちらにも得があります。
一般的には、悪い点を紹介すると商品イメージが悪くなると推測する企業は多いものです。確かに、商品として致命的な問題であれば印象が悪くなりますが、人の感じ方はそれぞれ異なるので、偽りのない情報として提供すれば「この企業は悪いところもさらけ出す」「偽りのない情報を出してくれると」より商品への信頼性が増します。
消費者や客観的な視点からレビューを発信した瞬間から商品の真価が発揮されるので、商品を実際に使用している動画やレビューは大きな宣伝効果を持ちます。
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ネット広告やTVCMよりPR色が緩和される
ネット広告やTVCMの場合、自社製品の強みを紹介するのがメインなので、PR色を強く感じることがあります。しかしインフルエンサーマーケティングは、企業と関係のない人に依頼します。これにより企業と関係ない人がレビューしていることが消費者に伝わり、PR感が緩和されます。
特にYouTuberの動画投稿は、企画の中で商品やサービスを紹介してもらえるので、エンタメ性を強調させ、PRっぽい売りつけを感じにくくなります。しかし企業側があまり口を出しすぎてしまうと、インフルエンサーらしさが薄れてしまうので、PRとエンタメのバランスをうまく取る必要があります。
インフルエンサーが自然体で自由に発言している姿は、自社ブランドの信頼度を高めるので、多くのユーザーに興味を持たせるのも可能です。ただし、商品を売りたい気持ちから執拗にセールスすれば、ユーザー離れを引き起こすので、注意しましょう。
SNSでの拡散を狙える
インフルエンサーマーケティングを実施するメリットとして、SNSの拡散を狙うこともできます。インフルエンサーは前述したとおり、特定のジャンルに詳しいため、同じ事柄に興味を持つフォロワーが多くいます。そのため、フォロワーによるSNSのリツイートやシェアによる拡散に期待が持てます。
また情報が拡散されれば、さまざまな人の目に付きやすくなるので、潜在顧客の獲得も見込めます。どれほどの影響力を与えるのかは、インフルエンサーのフォロワー数や個人差によりますが、同じ趣味や、悩みを持つ人たちに興味を持たせることができます。
しかし拡散を狙うには。自社の商品やサービスと、インフルエンサーのイメージがマッチしていないと、関心すら持ってくれません。どんなに優れた商品や、フォロワー数を保持している人でも、関連性が薄ければ影響力が弱くなります。どれだけフォロワーに関心を持ってくれるコンテンツを作成できるかが、目的達成の大きな課題となります。
インフルエンサーマーケティングのデメリット
インフルエンサーマーケティングは、より多くの見込み客を獲得しやすくなるメリットがありますが、その反面でデメリットもあります。ユーザーに与える影響力の大きい施策は、扱い方を間違えてしまえば、効果が出ないどころか、自社のイメージを悪くしてしまう可能性も持っています。そんな施策のデメリットを、次で詳しく紹介します。
フォロワーを買っているインフルエンサーもいる
インフルエンサーの中には、純粋にフォロワーから評価されている人だけでなく、フォロワーを買って数を稼いでいる人もいます。そのようなインフルエンサーに依頼をしても、興味を持ってくれるフォロワー数があまり多くないため、十分な効果が期待できません。
なので、フォロワー数のみならず、記事の閲覧数や動画の再生数などもチェックするようにしましょう。また、SNSに寄せられているコメントが同じユーザーのものや、全く同じ文章が使われているインフルエンサーには注意が必要です。実績や投稿者の性格、投稿に怪しい点がないかなど十分に注意しながら、依頼先を慎重に決めるようにしましょう。
宣伝したい商品と相性が合わないとPR効果不十分
どんなに優れているインフルエンサーでも、扱っている内容と、商品やサービスの相性が悪ければPR効果は低くなります。たとえば、50代の人達をターゲットにしているのに、10代や20代からの人気が高いインフルエンサーを選んでしまっては、ユーザーの興味が引きにくくなるでしょう。
また、インフルエンサーと無関係なジャンルの商品を紹介しても、反応が弱い可能性もあります。そのため、自社商品やサービスのイメージ、ジャンルに適した依頼先を探すのが肝心です。
ブランドイメージの悪化・炎上の可能性あり
万が一インフルエンサーが不祥事を起こしたり、制作物のコンプライアンスに問題があったりすると、ブランドイメージの悪化や炎上に影響します。どれだけ自社が意図した事態でなかったとしても、悪いイメージはなかなか払拭できません。
影響力が大きいインフルエンサーほど、会社に与えるダメージも大きくなりかねないため、人選はより一層慎重におこなう必要があります。不祥事を起こすかどうかは予測できませんが、過去に問題がなかったか、投稿に不適切なものはないかなど調べ上げたうえで、依頼を出しましょう。
インフルエンサーマーケティングの始め方
メリットやデメリットを把握したところで、インフルエンサーマーケティングのはじめ方を、手順ごとに分けて紹介します。どれかひとつでもおろそかになると、ターゲットや目的が曖昧になってしまうので、一貫性を持たせた施策にするための準備を進めていきましょう。
目的とターゲットを設定する
まずは、自社商品をどのような人に知ってほしいのか、どのようなCVを達成させたいのか明確にしましょう。インフルエンサーマーケティングに限った話ではありませんが、目的とターゲットが決まっていなければ、ユーザーに効果的な施策はできません。
また、ターゲットを設定する際は、年齢から学歴、居住地に年収、使用するメディアや端末など、具体的な設定にするのが大切です。自社が何を目指すのか明確に決まっていないと、どんなコンテンツを作ればいいのか、わからなくなってしまいます。
競合調査する
目的とターゲットが決まったら、競合がどのようなコンテンツを投稿しているのか比較する「競合調査」をおこないましょう。もし、競合がまだインフルエンサーを活用した施策をおこなっていなければ、大きなアドバンテージが得られます。
また、競合が既に実施していても、競合がどのようなインフルエンサーを活用しているのかわかるため、どのような人選をすればいいのか参考になります。しかし、競合と同じ内容にしないために、会社のオリジナリティを出さなければなりません。
KPIを設定する
KPIとは、重要業績評価指標と呼ばれる、会社が目標を達成するために用いる、指標を指します。最終目標であるKGIを達成するための指標がないと、施策がどんな効果をあげたのか調べられません。
そこで、CTRや、フォロワー数、いいね数など、目標となる数値(KPI)を決めて、その達成を目指します。クリアできた場合は、成功した理由を精査して更なる目標を立てましょう。もしうまくいかなかった場合は、改善点を探し、目標を達成できる施策を検討します。
KPI指標とは?KGIとの違い、設定例を分かりやすく解説
重要な指標を設定し、目標達成のために具体的な施策を考えるためにKGI、KPIを設定する手法が一般的です。では、具体的にどのようにKGI、KPIを設定すればいいのでしょうか?OKR、KSFの紹介とあわせて解説します。
運用ポリシーを決めて体制を作る
実行する施策の具体的なKPIとKGIが決まったら、作成するコンテンツの運用ポリシーを決めて、体制を整えましょう。たとえば、ハッシュタグの設定方法や、投稿内容と投稿しないルール、投稿する時間帯や担当者などを決めていきます。
コンテンツ作成の期限やルールが決まっていないと、いつまでにどのようなものを作ればいいのかわかりません。また投稿内容の範囲を決めておかなければ、インフルエンサーに好き勝手な内容を書かれたり、重要な情報が漏れてしまったりする可能性があります。
インフルエンサーを探して依頼する
制作から運用までの体制が整ったら、最後にコンテンツを作成するインフルエンサーを探して、依頼を出します。インフルエンサーに依頼を出す方法には以下のような方法があります。
- 直接依頼
- マッチングプラットフォームの活用
- 広告代理店に探してもらう
インフルエンサーに依頼をする際は、運用を丸投げしてしまうと想定外の行動を起こしかねないので、ルールをしっかりと決めておきましょう。インフルエンサーマーケティングの知識が不足している場合は、広告代理店を間に立てて交渉するといいでしょう。
インフルエンサーマーケティングの事例
インフルエンサーマーケティングが実際にどのように活用されているのか、媒体ごとの事例を紹介します。自社の商品やサービスはどの方法に適しているのか考えながら、今後のマーケティングをおこなっていく参考にしましょう。
Instagram:大豆スナック菓子のPR例
株式会社おやつカンパニーは、Instagramでモデルの宮河マヤさんを起用した結果、8000回以上のいいねを獲得しました。投稿の内容は大豆スナックである「BODYSTARプロテインスナック」のPRです。
栄養価の高い大豆と筋肉作りの助けになるプロテインスナックのイメージを壊さない、モデルとうまくマッチさせた施策といえるでしょう。この事例からもわかるように、商品の特徴とインフルエンサーのイメージを合わせられれば、目標達成につながります。
YouTube:二重まぶた形成用商品のPR例
引用:まあたその「ほぼメインチャンネル」最近ちょっと顔が変わってしまった件について
YouTubeでは、株式会社アチーブの二重まぶた形成用商品、「ルドゥーブル」のレビュー動画が話題になりました。ユーチューバーの「まあたそ」さんを起用したこの動画は、一重まぶたが二重まぶたになる結果がはっきりとわかる構成になっています。
さらに一重まぶたに悩んでいるまあたそさんが使っているため、同じ悩みを抱えているユーザーからの共感が集められている良い例です。その身近さから、8万件以上もの高評価がされる結果となりました。
Twitter:頭皮ケアシャンプーのPR例
Twitterの事例として紹介するのは、頭皮ケアシャンプーのPRをしている株式会社サンドラッグの施策です。この施策の面白いところは、公式が架空の「アンドー|スパイ」という名前のアカウントを作成し、著名人にリツイートをしてもらっているところです。
以前からイメージキャラクターとして宣伝をしていた「つぶやきシロー」さんのリツイートが話題を呼び、1万件ものリツイートを達成しています。著名人からのリツイートを活用して、話題を呼ぶ手法として参考になるでしょう。
tiktok:全身脱毛サロンのPR例
tiktokでは、株式会社ヴィエリスが運営している全身脱毛サロンの「KIREIMO(キレイモ)」が投稿した動画が注目を集めました。14秒と短い動画ながら、お笑い芸人の渡辺直美さんがコミカルなダンスを踊る、印象に残るコンテンツです。
KIREIMOという脱毛サロンの名前をうまく曲調に乗せているので、PR色をあまり感じさせない宣伝がうまくできています。また、tiktokは10分までの動画を投稿できるようになったため、新しいビジネスツールとしてさらなる注目を集めています。
Facebook:デザートフェアのPR例
Facebookの事例として、2018年に東京の高級ホテルである「ヒルトン東京」が開催したデザートフェアのPRを紹介します。起用されたのは「しまむら」のファッションを使ったコーディネートで話題になった「外村美姫」さんです。
投稿された写真には、昭和レトロでおしゃれに飾られた、パステルカラーのマカロンを中心にしたスイーツが並んでいます。また着物や浴衣で訪れたお客さんがプレゼントを受けられる、ファッションに関係する宣伝も、外村美姫さんとのイメージにぴったりです。
インフルエンサーマーケティングの費用
インフルエンサーマーケティングの費用は、「フォロワー数×2〜4円」が一般的な価格です。仮にSNSのフォロワー数が30万人だとすると、60〜120万円が相場になります。しかしこれはあくまで目安なので、インフルエンサーによっては、標準価格よりも安かったり、高かったりするケースもあります。
また、インフルエンサーの移動や宿泊が必要なキャンペーンをおこなう際は、それらの費用やスケジュールの確保も必要になるので、予算や期間をしっかりと決めてから依頼を出しましょう。
インフルエンサーマーケティングまとめ
インフルエンサーマーケティングは、自社とマッチしたインフルエンサーに依頼できれば、より多くのユーザーに商品やサービスを認知してもらうことができます。しかし、影響力の大きさから、一歩間違えれば、ブランドイメージの悪化や炎上につながるリスクもあります。
そうならないように、自社の目標や目的を明確にして、適切なインフルエンサーを選定するのが大切です。そこから自社ならではの魅力が伝われば、商品やサービスのファンを獲得するのも難しくありません。インフルエンサーマーケティングについてお悩みがあれば、コンテンツマーケティングの運用代行をおこなっている、ニュートラルワークスにお任せください。
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