SNSで大きな影響力を持つインフルエンサー。そのインフルエンサーとビジネスタッグを組み、商品やサービスを紹介するインフルエンサーマーケティングは、認知度拡大に効果的な施策です。しかし「インフルエンサーマーケティングは、本当に効果があるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
そこで、この記事ではインフルエンサーマーケティングの効果やメリット、効果を発揮させるための作り方を解説します。測定方法についても紹介しているので、インフルエンサーマーケティングの運用方法を知りたい方にもおすすめの内容です。
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目次
インフルエンサーマーケティングの効果・メリット
インフルエンサーマーケティングには、どのような効果があるのか、メリットを大きく4つに分けて紹介します。どれも自社に合った施策を実施した結果なので、自社の商品やサービスが魅力的に伝わる、コンテンツや宣伝方法を作り出しましょう。
ターゲティングがしやすい
インフルエンサーのフォロワーは、ジャンルに対する興味関心が高いことから、ターゲティングしやすいのが大きな特徴です。基本的にグルメやファッション、美容などのジャンルに特化したインフルエンサーに宣伝してもらう形になります。
商品やサービスを利用してほしい年代や、性別で人気を集めているインフルエンサーを起用すれば、狙った層に情報が届くようになるでしょう。ターゲティングは、どのような人に商品を購入してほしいのか明確にし、効率的な施策が取れるようになるので、マーケティングにおいて重要な役割を担っています。
また、どのようなターゲットに商品を購入してほしいのか決まっていないと、顧客分析やコンテンツ作成も、おおよそでしか実行できません。多くの人に広く伝えるのも悪いことではありませんが、ターゲットを限定した施策はより効果も出やすく、ユーザーの興味関心を強化するのに役立ちます。
ターゲティングとは?マーケティング戦略とフレームワークを紹介
消費者目線・客観的視点のレビューを発信してもらえる
インフルエンサーに、商品を使ってもらった感想をユーザーに届けてもらえるため、消費者目線での客観的なレビューが魅力です。企業側にとっても、自社が気づいていない商品のよさや、悪い点を述べてもらえるので、新しい着眼点を持てるでしょう。
さらに、インフルエンサーが商品を使った感想を述べると、ユーザーに親近感を持ってもらいやすくなります。ユーザーが企業からの情報を信じて購入するには、何よりも信頼が大切です。
会社や商品に問題がないかはもちろん、自分にとって効果があるものなのか明確になっていないと、ユーザーに購入してもらえません。そのため第三者視点から得られる客観的な情報は、信頼性のある情報として興味を持ってもらうのも可能です。
企業からの積極的な情報提供も重要ですが、第三者からの発信は、ユーザーの購買意欲を高めます。より効果を高めるためにも、まずは自社の商品やサービスにマッチしたインフルエンサーを探しましょう。
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ネット広告やTVCMよりPR色が緩和される
企業側から発信するネット広告やテレビCMは、PR色が強く出てしまいますが、インフルエンサーマーケティングは、PR色を緩和させられます。たとえば、YouTubeで有名なインフルエンサーであれば、企画動画として活用できるので、PR色よりもエンタメ性もかもし出せます。
つまりユーザーは普段の動画を見るように楽しめるので、気構えることなく情報を自然に捉えやすくなるでしょう。企業側からのPRだけになってしまうと、ユーザーは広告を読むのを避けてしまいがちです。認知度の高い大企業なら、広告も見てもらえるかもしれません。しかし、中小企業などは、その大企業の広告に埋もれ、なかなか自社の広告に興味を持ってもらえません。
広告すら開いてもらえないケースも多くあるので、ファンが多くいるインフルエンサーに紹介してもらった方が、人の目に届きやすくなります。しかし、商品紹介が不自然に見えてしまうと、不信感を与えることも懸念されます。そこで、インフルエンサーのイメージを崩さないPRを心がけましょう。
SNSでの拡散を狙える
インフルエンサーは既に固定のファンを持っているので、SNSでの拡散がしてもらいやすいメリットがあります。自社の商品やサービスに興味を持っているユーザーであれば、自社のSNSから拡散を狙うことも可能です。
しかし、あまり知られていない状況では、多くのフォロワーに情報を届けられるインフルエンサーの方が、拡散性も高くなるでしょう。そこからフォロワーに情報が広まって、広告を見たユーザーが、さらに拡散していくのも期待できます。
SNSは同じ事柄に興味を持っている人だけでなく、フォロワー同士のつながりを利用できるのも強みになります。より影響力のあるインフルエンサーと、自社の商品やサービスがマッチすれば、認知度が一気に広まる可能性も高まるでしょう。
一方で、あまり商品と関係性のないインフルエンサーに宣伝を依頼すると、関連性の薄さからユーザーに興味を持たれないケースもあります。インフルエンサーなら誰でもいいというわけではありません。
インフルエンサーマーケティングの事例
InstagramとYouTube、Twitter、tiktokそれぞれのSNSで行われた、インフルエンサーマーケティングの事例を紹介します。自社製品ならどのように施策を行えばいいのか検討しながら見ていきましょう。
Instagram:大豆スナック菓子のPR例
株式会社おやつカンパニーでは、Instagramで3万人以上のフォロワーを持つ、フィットネスモデルの宮河マヤさんに宣伝してもらっています。PRした商品は大豆スナック菓子の「BODYSTARプロテインスナック」で、タンパク質20g入りを売りにした、アピールがされています。
家トレ(家でトレーニング)企画のキャンペーンと一緒に紹介されているので、商品イメージにぴったりな宣伝といえるでしょう。さらにPR投稿の結果、8,000回以上の「いいね」を獲得しています。
今回のケースでは、プロテインスナックとしての認知度を広めるために、体型をキープする食事制限や、運動を行っているモデルが採用されました。商品のイメージに合うインフルエンサーにPRしてもらえば、フォロワーに広く認知してもらえます。
YouTube:二重まぶた形成用商品のPR例
引用:まあたその「ほぼメインチャンネル」最近ちょっと顔が変わってしまった件について
株式会社アチーブでは、メイクやコスメ比較動画などを投稿しているユーチューバー「まあたそ」さんに商品を紹介してもらっています。動画は一重まぶたに悩んでいるまあたそさんが、二重まぶた形成用の商品「ルドゥーブル」を実際に使いながら、特徴や使い方を紹介する内容です。
もともと一重まぶたのまあたそさんが実際に使っていることで、効果がはっきりと見えるのが強みといえるでしょう。そのため、同じ悩みを抱えている人たちからの共感を得た結果、8万件以上もの高評価を受けています。
一重まぶたを二重まぶたにする商品の目的とマッチしているのはもちろん、商品を使った驚きが伝わる内容が評価されたのです。また、動画にすれば商品をどのように使うのか知ってもらえるので、説明するための文章もいりません。
ユーチューバーが抱えている悩みとマッチすれば、商品の効果もわかりやすくなるので、インフルエンサーの人選は慎重に行いましょう。視聴者の購入意欲を高めるためにも、結果がはっきりとわかる動画が必要です。
Twitter:頭皮ケアシャンプーのPR例
ドラッグストアをチェーン展開している、株式会社サンドラッグでは、頭皮ケアシャンプーのPRでTwitterを活用しています。他のSNSを活用したインフルエンサーマーケティングとは異なり、架空の「アンドー|スパイ」と呼ばれるアカウントを開設したのが特徴的です。
そこから、つぶやきシローなどの著名人にリツイートしてもらう方法で、1万件にも及ぶリツイートがされました。ユーモアを取り入れた宣伝方法と、一定のファンがいる著名人のインフルエンサーに拡散してもらう相乗効果が、うまく発揮されたケースです。また頭皮ケアに悩んでいる著名人や、スカルプシャンプーとコラボをした著名人を活用したのも注目を集めたポイントです。
どんなに有名な著名人でも、イメージに合わなければ宣伝効果も期待できないので、商品やキャンペーンとうまくマッチさせましょう。
tiktok:全身脱毛サロンのPR例
株式会社ヴィエリスが運営する全身脱毛サロン「KIREIMO(キレイモ)」では、Tiktokを活用したPRが行われています。内容は、お笑い芸人の渡辺直美さんがコミカルなダンスを踊る動画です。この動画は、「KIREIMO100%GIRLS!!PROJECT」の一環として投稿されました。「最高にカワイイワ・タ・シ、最高にカッコイイワ・タ・シ、」のリズムに乗っている姿が印象的です。
900万人以上もの、インスタフォロワー数を誇る渡辺直美さんの起用は、イメージも崩さず話題性も抜群だったといえるでしょう。tiktokはもはや、ただ動画を投稿するSNSではなく、ビジネス分野からも注目を集める媒体へと成長しました。また20代から40代の利用者の多いtiktokは、若者に向けたPRをするのにもおすすめです。
株式会社iHackさん運営の「Talentok Magazine」では、業界別・SNS媒体別などさまざまな切り口でインフルエンサーマーケティングの成功事例を『インフルエンサーマーケティングの成功事例|業界・SNS別にポイントを徹底解説』という記事にて、詳しく紹介していますので、併せてご参考にしてみてください。
インフルエンサーマーケティングの効果測定方法
インフルエンサーマーケティングでは、ビジネスにおける目標達成までの度合いを計測するKPIの分析が重要です。(KPIは、KeyPerformanceIndicator=重要業績評価指標の略語)
たとえば、「1年後に売り上げを200%増加」というKGIを設定します。そこから「1ヶ月で流入数を20万人にする」や、「1年までに客単価を倍増させる」などの、KPIを設定するのが基本です。そのKPIの効果を正しく測定できれば、インフルエンサーマーケティングをしてよかった点や改善点が明確になるでしょう。以下では、SNSごとの効果測定方法を紹介します。
Instagramを活用する際は、Instagramの分析や解析ツールを使用する方法がおすすめです。フォロワー数の増減の推移や、一番リアクションを集めた投稿の時間帯などがわかるものがいいでしょう。特にInstagramで分析を行いたい項目は以下の3つです。
- フォロワー数に対するいいね数の割合を示すエンゲージメント
- 自社URLのクリック数
- ブランド関連のハッシュタグの投稿数
中でもユーザーの反応数を示すエンゲージメントは、マーケティング効果があるかどうかの判断基準になります。また、適切なハッシュタグが使われているかどうかも、ターゲットに情報を届けるのに不可欠なので、ハッシュタグの変更も含めた施策を実施しましょう。
YouTube
YouTubeで確認が必要なKPIは以下です。
- インプレッション数
- クリック数
- 動画再生回数
- 視聴者数
YouTubeは、特にクリック数と動画再生数が重要で、動画中にURLを埋め込めば自社サイトへ直接アクセスしてもらうこともできます。動画再生数は、一定時間ユーザーが動画を視聴しなければカウントされないので、間違えて動画を再生した人を省けます。
クリック数が多ければ、多いほど広告効果が発揮されているかわかるので、数値を参考に動画投稿が成功したかどうか調べてみましょう。何件か動画をアップしている際は、どのような動画が人気を集めているのか比較するのも大切です。
Twitterでは以下のKPIが最低限必要です。
- インプレッション数
- プロフィールクリック率
- フォロー数
- エンゲージメント率
投稿が時系列順に並べられ、拡散性の高いTwitterは、投稿するタイミングも重要なポイントです。特に、どの時間帯に投稿をチェックする人が多いのか確認可能な、インプレッション数は効果的な投稿タイミングが把握できます。
また、いいね数は投稿した内容が好評を集めているかどうかわかるので、どのような投稿が好まれやすいのか調べてみましょう。適切なタイミングを見極めて、効果的な投稿が行えれば、より多くのユーザーに拡散してもらいやすくなります。
tiktok
tiktokでは以下のKPIを中心に分析を行います。
- 視聴率数
- エンゲージメント率
- 動画視聴者の所在地
- フォロワー数
Tiktokは、レコメンドに表示される動画が視聴される傾向にあるため、フォロワー数の確認も重要です。フォロワー数が多く確保できれば、それだけレコメンドに表示されやすくなります。
特に大切なのが視聴率で、合計視聴回数が多ければ人気の動画として扱われるようになるでしょう。しかし再生数が多くても、フォロワーが少ないとコンバージョン率が低くなるため、フォロワーの獲得も目指した動画を投稿するのが成功の近道です。Tiktokは今まで短時間動画しか投稿できませんでしたが、最近では10分の動画も投稿できるので、宣伝としても十分期待が持てます。
インフルエンサーの依頼方法
インフルエンサーの依頼方法には、直接依頼とマッチングプラットフォーム、広告代理店などがあります。それぞれのメリットやデメリットも紹介するので、自社に合った方法で依頼をしましょう。
直接依頼
直接依頼は、インフルエンサーに直接交渉を行うため、最も低コストでスピーディなやり取りが可能です。しかし、仲介を通さなければ依頼が出せないケースもあるので、まずは直接依頼ができるかどうか確認を取るようにしましょう。
また自社の意図が伝わりやすいので、より希望に近い形での施策が取りやすくなります。その反面、価格交渉やマネジメント、効果分析に投稿チェックなどの、マーケティング施策は自社で担当しなければなりません。スピーディーな交渉はできますが、コンテンツの管理や分析についてのノウハウや、人的リソースに、余裕が必要になるでしょう。
マッチングプラットフォーム
マッチングプラットフォームは、インフルエンサーを検索できるプラットフォームサービスを通して、依頼する形をとります。ツールからインフルエンサーへの連絡や効果分析、管理が可能な点はメリットとなるでしょう。
しかし、直接依頼と同様、マーケティング施策の全般の業務をしなければなりません。加えてインフルエンサーによっては、ディレクション費用も必要になるケースがあります。
広告代理店
広告代理店を活用する方法は、インフルエンサーキャスティング専門会社の紹介で、依頼を出します。自社に合ったインフルエンサーの選定や、効果の分析、施策の実施なども代行で依頼可能です。
企業によっては、質の高いインフルエンサーが数多く在籍しているため、候補者が集めやすい点が強みとなるでしょう。しかし中間マージンを取られる他、インフルエンサーとの交渉は代理店を通すので、詳細なすり合わせがなければ意思疎通が難しくなります。
インフルエンサーマーケティングのノウハウがなく、プロによるアドバイスが欲しい方は、広告代理店を活用するのがおすすめです。最もコストがかかる方法なので、予算にはご注意ください。
インフルエンサーマーケティングの注意点
インフルエンサーマーケティングを行ううえで、チェックすべき注意点を2つ紹介します。細心の注意を払って施策を実施しなければ、不十分な結果や自社に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。
宣伝したい商品と相性が合わないとPR効果不十分
どんなに人気のあるインフルエンサーに依頼できたとしても、宣伝したい商品と相性が合わないと十分な効果が期待できません。たとえば10代向けコスメ商品のPRを行うのに、60代の男性が商品の実演をするような動画をアップしても、興味を持ってもらえません。最悪の場合、役立つ情報が発信されないと思われて、悪い印象を与えることもあります。
独創性を求めるあまり、関係のないインフルエンサーを選ぶと矛盾が生まれるので、商品イメージに合わせるようにしましょう。
ブランドイメージの悪化・炎上の可能性あり
インフルエンサーがモラルに反する行動や言動をすれば、商品を提供した会社も誹謗中傷の対象になってしまいます。たとえば自社製品をアピールしようとするあまり、他社の商品を悪く言ったり、壊したりするような行為はブランドイメージの悪化につながるでしょう。
行き過ぎた動画は多くの人から反感を買うので、炎上も引き起こす可能性があります。自社のブランドイメージを傷つけないためにも、ルールをしっかりと設けて、意図と反する動画にならないよう、慎重に施策を進めましょう。
株式会社Raboさん運営のRabo Marketing Squareでは、インフルエンサーマーケティングとは何か、メリットや注意点、設定しておくべきKPIを「インフルエンサーマーケティングとは?今から始める場合のメリットや注意点!」という記事にて、詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてください。
インフルエンサーマーケティング効果まとめ
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーのフォロワーを活用した効率的な宣伝が行えます。また自社が設定したターゲット層とマッチしたインフルエンサーに依頼ができれば、より多くのユーザーに興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
その反面、インフルエンサーの行いに反感を持たれれば、ブランドイメージの悪化や炎上の可能性もあるため、慎重な判断が必要です。どのような内容が興味を持たれるか分析することはもちろん、ユーザーに不快感を与えないようにしましょう。
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