マーケティング

最終更新日: 2024.03.31

D2C(DtoC)とは?メリットや事例をわかりやすく解説

D2C(DtoC)とは?メリットや事例をわかりやすく解説

最近注目を集めつつある「D2C」についてご存知でしょうか? D2Cは単に、ユーザーに直接商品を通販で販売するだけではありません。この記事では、D2Cのメリット・デメリット、BtoBやBtoCとの違い、成功するためのコツを紹介します。加えて、成功事例についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

石田 哲也

監修者

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
リスティング広告

■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
Google 広告検索認定資格
Google 広告ディスプレイ認定資格
Google 広告モバイル認定資格

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

目次

D2C(DtoC)とは

D2C(DtoC)とは?

D2C(ディートゥーシー)とは、「Direct to Consumer」の略で、卸や販売代理店を通さず、製造者から消費者へ直接、商品を販売するビジネスモデルのことです。企業対企業の取引を指すB2B(Business to Business)や、企業対消費者の取引を指すB2C(Business to Consumer)と同様のマーケティング用語を指します。

D2C(DtoC)の市場規模

D2C(DtoC)の市場規模

引用:株式会社売れるネット広告社 プレスリリース 2020年9月8日

https://www.ureru.co.jp/files/uploads/20200908.pdf (2022年9月17日)

売れるネット広告社が2020年9月に発表したプレスリリースによると、2025年のD2C市場規模は3兆円超になる見通しです。コロナ禍の影響もあって、ECサイトで買い物をする人が増えています。その際、D2Cで正規品を購入したいという人も増えているのでしょう。今後、ますます伸長することが予想されます。

BtoB、BtoCとの違い

BtoBやBtoCは、「企業から企業へ」や「企業から消費者へ」といった具合に、取引相手が明確です。対してD2Cは、誰と誰の取引かを表す言葉ではなく、「直接取引」という意味です。「誰に対して」を表すBtoBやBtoCに対して、「どのように」取引するかを形容しています。
BtoBとBtoCの違いとは?Webマーケティングの手法を解説 BtoBとBtoCの違いとは?Webマーケティングの手法を解説 BtoBは法人が対象、BtoCは個人が対象なのは皆さんご存知だと思います。それでは、BtoBとBtoCでWebマーケティング手法やWebサイトの作り方がどう変わるのでしょうか?その違いについて丁寧に解説します。

D2C(DtoC)のメリット

D2C(DtoC)のメリット

まずは、D2C(DtoC)のメリットを解説します。

メリット1. 顧客とダイレクトに関係構築ができ、顧客データも収集できる

BtoBのように卸業者や小売店を介すると、小売店への客足の増減が、ダイレクトに自社商品の売り上げに響きます。新型コロナウイルス感染症のような予期せぬ事態で消費者の行動が制限されても、D2Cはオンライン販売などで顧客にダイレクトにリーチできるため、消費者との接点が維持できます。

また、D2Cでの商品販売の場合、顧客データも収集できるため、DMやSNSを使ったプロモーションで関係構築を継続できます。

メリット2. 中間業者へのマージンがなく、利益率が高い

D2Cでの商品販売は利益率が高くなります。これまでの販路では、メーカーが卸業者を介すため、顧客に商品が届くまでに中間業者へのマージンが発生していました。しかし、メーカーが消費者へ直接商品を販売することにより、中間業者へのマージンがなくなり、結果的に販売価格が適正に抑えられ、利益率の向上が見込めます。

また、実店舗のみならずオンライン販売をすることで、店舗にかかる費用のコストカットができ、経費削減につながります。

メリット3. 商品のビジョンや魅力をしっかり伝えられる

メーカーや生産者が消費者に直接販売できることのメリットは、商品ビジョンや魅力をしっかりと伝えられることです。小売店など中間業者を介すると、競合他社の商品と並列され、どうしても自社商品の訴求性が低くなります。

本当に顧客へ伝えたいブランドイメージに、小売店の色がついてしまうことも少なくありません。商品イメージがラグジュアリーでありながら、販路にディスカウントストアが入っていては、ブランドイメージも確立されにくくなります。しかし、顧客へ直接販売するD2Cでは、商品イメージやビジョンを作り手の思い通りに伝えることができます。

D2C(DtoC)のデメリット

D2C(DtoC)のデメリット

では反対に、D2Cのデメリットには何があるのでしょうか?

デメリット1. 自社でECサイトと物流システムを準備しなければいけない

卸業者や小売店などの中間業者が行っていた顧客への販売システムを、D2Cではすべて自社で賄わなければなりません。従来の販売手法では、消費者へ商品を届けるルートや配送手配などの物流全般に関するシステムは、中間業者が担当していました。また、ECサイトの構築も必要になるでしょう。小売店のWebサイトなどでの販促活動も、自社サイトで行う必要があります。
ECサイトの種類を解説!取引形態と構築方法、選び方のコツまで完全網羅 ECサイトの種類を解説!取引形態と構築方法、選び方のコツまで完全網羅

デメリット2. ゼロからのブランディングや自社での集客が必要

自社ですべてを賄うD2Cは、自社でのブランディングや集客活動が必須です。たとえば百貨店で販路を形成していた場合、顧客は「百貨店への信頼感」から売り場へ足を運んでいたかもしれません。

買い物は、顧客にとってのエンターテイメントです。その商品に確固たるブランドイメージがあるものほど、顧客は場所を選ばず購入します。自社のECサイトに商品のファンを集めて軌道に乗せるまでのサイト運営コストが発生するのは避けられません。

D2C(DtoC)を成功させるポイント

D2C(DtoC)を成功させるポイント

ここからは、D2Cを成功させるポイントを紹介します。

ポイント1. こだわりのある商品をつくる

インターネット環境の改善により、実店舗やオンラインなど、消費者はあらゆるものを簡単に購入できるようになりました。消費者が多くの商品にアクセスできるということは、競合が多いことの裏返しです。価格が手頃なだけでは、消費者はあっという間に離れていくでしょう。

自社商品のオリジナリティを追求することで、コアなファンを獲得できます。商品づくりとブランディングに妥協せず、ブランド理念や商品ビジョンへの共感を意識しましょう。

他にもD2CにおけるLTVを最大化する方法はいくつかあります。D2CにおけるLTV最大化に効果的な6つのテクニックについては、こちらも参考にしてみてください
参考:マーケティングで重要な指標「LTV」とは|計算方法、向上させるための施策を解説|株式会社ジェネマーケ

ポイント2. SNSを活用し、顧客と積極的にコミュニケーションを取る

会う回数が多い人のことを好きになりやすい現象を、心理学で「ザイアンス効果(単純接触効果)」といいますが、これは商品にもあてはまります。道端やWebウェブサイトなどで目につく回数が多いほど、その商品が気になります。

この効用を高めるには、SNSを活用したプロモーションが非常に有効です。今やSNSはマーケティングに欠かせないツールとなっています。顧客との接点を少しでも増やし、商品が顧客の目に触れる機会を多くつくりましょう。
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ポイント3. 販売よりもブランディングに重点を置く

D2Cでの成功には、ブランディングが最重要だといっても過言ではありません。消費者に購買行動を促す際、「買ってください」と訴求する時代は終わりました。そもそも消費者心理を考慮すると、押し売りであるプッシュ型には限界があります。

そうではなく、商品が完成するまでのストーリーや商品に込めた思いなど、「商品に対するイメージ」を、顧客に持ってもらうことが大切です。顧客が抱いた商品へのイメージから、自然に購買行動へつなげる。これがD2Cでブランディングが最重要だといわれる理由です。
ECサイトのブランディングの重要性と手順・方法 ECサイトのブランディングの重要性と手順・方法

日本でのD2C(DtoC)の成功事例

日本でのD2C(DtoC)の成功事例

最後に、D2Cを実際に行っている企業の成功事例を見てみましょう。

D2C成功事例1. ドモホルンリンクル

ドモホルンリンクル

引用:ドモホルンリンクル

ドモホルンリンクルのテレビ広告は、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。基礎化粧品を製造販売しているドモホルンリンクルは、自社工場から物流までD2Cに徹底的にこだわり、中間業者へのコストを省いています。テレビCMやオフラインDMも何度も展開することにより、ブランド認知と顧客への意識づけを行っています。

D2C成功事例2. バルクオム(BULKHOMME)

バルクオム(BULKHOMME)

引用:バルクオム

バルクオムは、メンズ・スキンケア商品に特化したD2Cを展開している国内ブランドです。メンズ・スキンケアを特別なものではなく日常に落とし込み、すべての男性に提供すべく企業活動を展開しています。

シンプルな商品パッケージをSNSで積極的に露出させ、おしゃれなイメージづくりに成功しました。また、サブスクリプションでの商品購入を展開し、顧客関係構築にも力を入れています。

D2C成功事例3. ミニマル(Minimal)

ミニマル(Minimal)

引用:ミニマル

ミニマルは、「世界中の高品質なカカオを最小限な量で、顧客へ提供する」ことをビジョンとして掲げているチョコレート専門店です。カカオ豆の原材料の仕入れからチョコレート販売までを一貫してD2Cで行う「Bean to bar(ビーントゥーバー)」を採用しています。ミニマルは、日本国内でのBean to barの先駆けとなりました。

都内にある実店舗は白を基調とし、飽きのこないシンプルなイメージづくりに成功しています。また、オンライン・マーケティングにも積極的に注力し、ECサイト限定商品を扱うなどし、見やすいWebサイトへの注目を集めています。

D2C成功事例4. コヒナ(COHINA)

コヒナ(COHINA)

引用:コヒナ

ZOZOの台頭でアパレル業界のオンライン成功が示された昨今、アパレルブランドとD2Cの親和性は高くなりつつあります。コヒナは、150cm前後の低身長の女性をターゲットとしたアパレルブランドです。商品の市場流通数が限られる中、小さいサイズのニーズにフォーカスしたブランド展開を行っています。

コヒナの強みは、何といってもSNSでの発信です。インスタグラムでは約15万人のフォロワーを携え、潜在顧客と双方向のコミュニケーションを展開。商品開発時には、フォロワーからの意見を聞いて商品改良に役立てるなど、積極的なSNS活用をしています。オンラインマーケティングに欠かせないSNSでD2Cを成功させ、独自のポジションを確立しました。

生活者目線で見たD2C実態調査のアンケート結果

生活者目線で見たD2C実態調査のアンケート結果

総合マーケティング支援を行うネオマーケティングが2020年10月に「生活者目線で見たD2C実態調査」を実施しました。D2Cの改善を行ううえで、これらの結果が参考になるでしょう。

Q.あなたはこれまでにオンライン通販で商品を購入した経験はありますか。(単数回答)【n=4,120】

D2C実態調査のアンケート結果

10人中8人以上はオンライン通販での商品購入経験があると答えています。

Q.あなたが利用したことのある通販サイトとしてあてはまるものをすべてお答えください。(複数回答)【n=3,536】

D2C実態調査のアンケート結果

ショッピングモール系が9割超でダントツですが、次いで直販サイトが約4割という結果になっています。

メーカー直販サイトでオンラインショッピングをしていて不満に思った点をお答えください。(複数回答)【n=1,000】また、あなたがメーカー直販のオンラインショッピングで望むこと・改善してほしいところを具体的にお答えください。(自由回答)【n=1,000】

D2C実態調査のアンケート結果

送料の高さに不満を感じているようですね。上位を見ると、商品がわかりにくいといった不満を抱いているようです。

あなたがファンであるブランドの商品をオンラインで購入する際の行動としてあてはまるものをお答えください。(単数回答)【n=644】また、あなたがファンであるブランドの商品をオンラインで購入する際の行動としてそのように回答された理由をお答えください。(自由回答)【n=360】

D2C実態調査のアンケート結果

「だいたい直販を選ぶ」「その他サイトと値段に差がないのであれば直販を選ぶ」をあわせると5割超です。

その理由を一部取り上げてみました。

  • 直販の方が店頭で買い物した感覚があり満足感があるから
  • 直販の方がトラブルが起きた時の対応が良さそうだから
  • サポートが手厚そうだから
  • 同じ商品なら安価な方が良いが、 できるだけ直販で購入して売り上げに貢献したい
  • 直販の方が正規品感があって安心して買えそうな気がするから

正規品への安心感とともにブランドへの貢献が理由で購入する人がいることがわかりました。

参照:ネオマーケティング「生活者目線で見たD2C実態調査」

https://neo-m.jp/investigation/2581/(2022年9月17日)

D2CのWebサイト制作をコンセプトづくりからサポートします

D2CのWebサイト制作をコンセプトづくりからサポートします

ニュートラルワークスでは、D2CのWebサイト制作が可能です。PRしたい商品、サービスに合わせたWebサイトを提案いたします。DtoCを検討の方、自社ECサイトの制作を考えている方はShopifyなど導入コストが抑えられる最新のプラットフォームでのご提案も可能です。

また、ニュートラルワークスでは、2020年IT導入補助金のベンダーに採択され、Web制作全般での対応が可能です。国家資格である中小企業診断士や行政書士と提携をしておりますので、IT導入補助金の申請からサポートします。

ターゲットのニーズを正確にとらえ、サイトコンセプトからコンテンツ企画、マーケティングに必要なITツールの導入までをサポート可能なニュートラルワークスにお気軽にお問い合わせください。

D2C(DtoC)のよくあるご質問

D2C(DtoC)とは?

D2C(ディートゥーシー)とは、「Direct to Consumer」の略で、卸や販売代理店を通さず、製造者から消費者へ直接、商品を販売するビジネスモデルのことです。企業対企業の取引を指すB2B(Business to Business)や、企業対消費者の取引を指すB2C(Business to Consumer)と同様のマーケティング用語を指します。

BtoB、BtoCとの違いは?

BtoBやBtoCは、「企業から企業へ」や「企業から消費者へ」といった具合に、取引相手が明確です。対してD2Cは、誰と誰の取引かを表す言葉ではなく、「直接取引」という意味です。「誰に対して」を表すBtoBやBtoCに対して、「どのように」取引するかを形容しています。

D2C(DtoC)のメリットは?

新型コロナウイルス感染症のような予期せぬ事態で消費者の行動が制限されても、D2Cはオンライン販売などで顧客にダイレクトにリーチできるため、消費者との接点が維持できます。また、D2Cでの商品販売の場合、顧客データも収集できるため、DMやSNSを使ったプロモーションで関係構築を継続できます。
利益率が高くなることや、商品イメージやビジョンを作り手の思い通りに伝えることができるのもメリットです。

監修者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

Twitter:@te2319
株式会社ニュートラルワークス 取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社を起業。その後、株式会社オプトでWebマーケティングを学び、株式会社メタップスなど複数のベンチャー企業にて事業立ち上げを経験。前職はワンダープラネット株式会社でゲームプロデューサーとしてスマホゲームアプリの制作に従事。2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスに入社。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善~ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントの運用経験などWebビジネス全般を守備範囲とする。

■経歴
2003年 ISD株式会社/起業
2009年 株式会社オプト/SEMコンサルタント
2011年 株式会社メタップス/シニアディレクター
2013年 ライブエイド株式会社/執行役
2016年 ワンダープラネット株式会社/プロデューサー・BizDev
2018年 株式会社ニュートラルワークス/取締役CMO

■得意領域
Webサイト改善
SEO対策
コンテンツマーケティング
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■保有資格
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