USP(Unique Selling Proposition)が何かを理解できると、顧客に何をどうPRすべきか、何をどう磨いていくべきなのかを明確にできます。
そこでこの記事では、USPの概要や事例、企業傾向について解説していきます。自社商品・サービスのオリジナリティのPRやライバルとの差別化をどうすれば良いかわからないという方はぜひ参考にしてください。
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USPとは
そもそもUSPとは何を意味しているのでしょうか。ここでは用語の意味とUSPにおける3つの基準について解説していきます。
マーケティングにおけるUSPの意味
USPとは「Unique Selling Proposition(ユニーク・セリング・プロポジション)」の頭文字をとった略語です。
「自社が持つ独自の強み」と言い換えることができるのですが、USPの場合は、単なる強みの提示だけではありません。マーケティングにおいてUSPとは、「顧客に対して、自社だけが約束できる利益」を指していて、商品やサービスが持っている独自の強みを意味しています。
USPを作ることによって企業側にも顧客側にもメリットは生じます。企業は顧客に対して自社のサービス・商品にはどのような独自の強みがあるのかをアピールしやすくなります。また、顧客側からしても、あらゆる商品やサービスが溢れるなかから1つを選び出さなければいけない時、USPが明確で自分にとっての利益が理解できれば迷う必要がなくなります。
USPに求められる基準
USPというものは、1960年代にアメリカのコピーライターであるロッサー・リーブス氏が提唱した考え方です。リーブス氏は1940年代に成功した広告やキャンペーンを研究し、そこにはいくつかの共通点があることを発見しました。そしてその共通点をUSPという形でまとめたのです。
USPは50年以上経った今でも、重要な概念として多くのマーケティング活動に活かされています。
そんなUSPには以下のような3つの基準があります。
- 広告は顧客に対して何かを提案をしなければならない
- 競合が提案していないものであること
- その提案は多くの人を動かす力があること
ここからはこれら3つの基準の意味について、詳しく解説していきます。
1.広告は顧客に対して何かを提案をしなければならない
1つ目は、「広告は顧客に対して何かを提案をしなければならない」という基準です。この基準には、単なる言葉の宣伝ではなく、「この商品を買えば、こういう利益を手にする」と伝えるべきという意味が込められています。
例えば世界を代表するIT企業であるAppleでは、かつて「iPod」という製品を販売していました。iPodは「ポケットに1,000曲のミュージックライブラリを」というキャッチフレーズとともに販売されました。このキャッチフレーズには「ポータブルプレイヤーである」ことだけでなく、「ポケットにiPodを入れて音楽を聴きながら生活をしませんか」という提案が見て取れます。
このように、広告では単に商品の特徴をアピールするだけでなく、顧客に対して新しい提案をする必要があります。
2.競合が提案していないものであること
2つ目は、「競合が提案していないものである」という基準です。というのも、どの競合他社でもできるような提案であれば、差別化を測ることはできません。
例えば酒販店で成功を収めたカクヤスは、宅配サービスを武器にしています。近くのスーパーやコンビニでお酒を買うことができます。しかし安く買うためにケースで買うとなると、徒歩で移動するのは大変ですし、車を出すのも面倒です。
そこでスーパーやコンビニにはない宅配というサービスを顧客に提案することで、スーパーやコンビニよりも利用してもらうことができました。このように、競合が「できない」あるいは「しない」提案でなければならないのです。
3.その提案は多くの人を動かす力があること
3つ目は「その提案は多くの人を動かす力がある」という基準です。この基準には、提案には多数の人を動かすほど強力である必要があるという意味が込められています。マーケティングで成功させるには、既存顧客のみならず潜在顧客をも巻き込んでいくことが重要です。そのためには、提案に大きな影響力が求められるのです。
一般化したニーズをアピールすることに加えて、顧客がその先で何を求めているのかを考え、「本当はこんなことを必要としているのではありませんか?」という新しい提案を投げかけることで、多くの人を動かすことができるのです。
USPの主な用途
USPの主な用途は広告文やキャッチコピーです。広告文やキャッチコピーは顧客に商品の存在を知ってもらうだけでなく、その商品を利用することでどんなメリットが手に入るのかをわかってもらう必要があります。
そのため、安さ、品質、特徴的なサービスなど、他にはないメリット、自分だけが提供する価値を明らかにすることによって、効果的な広告文を作成することができます。
USPの重要性
ここまでUSPの用語の意味や基準について説明していきました。ここからは、USPの重要性について解説していきます。
なぜUSPが重要か
現在でもマーケティングにおいてUSPは重要とされていますが、その理由は下記のように2つあります。
- 競合のなかで際立った存在になれるから
- 多くの消費者が商品・サービスに注目するようになるから
1つ目の理由は、競合のなかで際立った存在になれるからです。各業界には多くの競合他社が存在しており、顧客に商品・サービスを購入してもらうためには、自ら選んでもらわなければなりません。そこでほかが真似できない自社だけの価値を提案できれば、競合のなかで際立った存在になり、商品・サービスを認知してもらうことができるのです。
2つ目の理由は、多くの消費者が商品・サービスに注目するようになるからです。優れたUSPは消費者にとってそのサービスにはどんなメリット・利益があるのかがわかりやすいです。すると数多くある商品・サービスの中から際立った存在となり、多くの消費者が注目するようになります。
優れたUSPを作る5つのポイント
ではUSPを考えるにあたって、どのようなポイントを考慮すればよいでしょうか。優れたUSPを作るには、以下のようなポイントを押さえることが重要です。
- 自社の商品・サービスを選ぶ理由が明確であること
- 自社の商品・サービスの「売り」を伝えること
- ナンバー・ワンではなくユニークであること
- 複数の要素を掛けあわせる
- 他社よりも早くUSPを発表する
1.自社の商品・サービスを選ぶ理由が明確であること
1つ目のポイントは、自社の商品・サービスを選ぶ理由が明確であることです。商品やサービスを選ぶ理由は、顧客層によって様々です。顧客によって「安いから」という理由で商品を購入する人もいれば、「品質が高いから」という理由で選ぶ人もいるでしょう。
ターゲットがどのような理由で類似商品を購入しているかを知ることによって、自社商品を選ぶ理由を明確にすることができます。逆に、ターゲットが類似商品を選ぶ理由から外れてしまっては、自社商品を選んでもらえることはないでしょう。
2.自社の商品・サービスの「売り」を伝えること
2つ目のポイントは、自社の商品・サービスの「売り」を伝えることです。1つ目のポイント、「選ぶ理由を明確にすること」を踏まえた上で、どんな点が売りであるかをお客様に伝えることが重要です。例えば「安いから」という理由で購入する顧客に対しては、「安い上に、他のサービスに比べてお得である」という売りを具体的に伝えることが重要です。
3.ナンバー・ワンではなくユニークであること
そして3つ目のポイントは、ナンバー・ワンではなくユニークであることです。というのも、マーケティングに重要なのは、ナンバー・ワンであることではありません。ナンバー・ワンとなるのは成功した結果であり、顧客が商品を選ぶ理由ではないのです。まずはどんな風にユニークであるかを伝え、その独自性がターゲットのニーズを満たしていることを確認しましょう。
4.複数の要素を掛けあわせる
前節で解説したように、大事なのは「ナンバー・ワンではなくユニークであること」です。独自性ばかりを追求していると、いつの間にかナンバー・ワンを目指していたなんてことがあるかもしれません。自社の強みを分解し、いくつの要素から成り立っているのかを理解しましょう。
ニトリであれば、「品質」×「価格」の掛けあわせが強みになっています。自社の強みを分解する具体的な方法としては、後述する「自社の提供する製品・サービスの特徴を整理する項目」の9つのポイントを意識して考えるといいでしょう。
5.他社よりも早くUSPを発表する
USPを元にした印象的なキャッチコピーが広告などを通して世に出ると、その印象が固まってしまいます。例えば、「自然と健康を科学する」というキャッチコピーを覚えている人は多いのではないでしょうか。漢方薬品メーカーの株式会社ツムラのキャッチコピーです。「科学する」というワードが効能の確かさをイメージさせます。
同じような漢方薬品があったときに消費者はツムラの商品のほうが効き目がありそうだなと感じてしまうのです。そのため、2番手がなかなか印象に残らなくなります。そうならないためにも、競合他社よりも早くUSPを決めて、強みをアピールしなければなりません。
コンセプトは自社視点、USPは顧客視点
USPと混同しやすいのがコンセプトです。どちらも自社の強み・独自性についてのことであることから一緒くたにされやすいのですが、消費者と企業のどちらの視点から発信しているのかが違います。コンセプトはあくまでも企業の視点から発信しているもので、対するUSPは顧客の視点から発信するものです。
例えば、とあるお店のコンセプトが「美味しい日本酒とそれに合う料理、懐かしさを感じさせる空間を提供すること」だったとします。これをそのまま消費者に伝えてもあまり魅力を感じてもらえないでしょう。
これを消費者の視点にしたものがUSPです。「全国にある100カ所の蔵元から取り寄せた、まだ飲んだことのない日本酒を、地元の名産品を生かした料理と共に提供するお店」とするだけで、かなり印象が違いますよね。ちなみに、これは「ラインナップの広さ」を強みとして打ち出したものです。
USPを作るときは、消費者の視点に立ち、どんなメリット(強み)があるのかを考えるようにしましょう。
USPを作るときの考え方
USPの重要性について知っていただけましたら、実際にUSPを作っていきましょう。ここからはUSPを探す方法について紹介していきます。
USPを明確にする方法
USPが重要なのは理解していても、自社のUSPをすぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか。強みと言われても何となくフワッとしたイメージがあるだけで、なかなか明確化できている人は多くいません。まずは、自社の商品やサービスの特徴を明確にしていきましょう。具体的には、以下で紹介する項目を整理していきます。
自社の提供する製品・サービスの特徴を整理する項目
自社の提供する製品やサービスの特徴について、下記の9つのポイントを軸に整理していきましょう。
- 価格
- 品質の高さ
- スピードの速さ
- サービスの充実
- カスタマイゼーション可能性
- 保証の充実度
- ラインアップの広さ
- 利便性
- 専門性
もし上記のポイント以外にもUSPとなりそうなものがあれば、それらも具体的な形にしていきます。例えば、安さに自信があるのであれば、ただ「安い」と表すのではなく、他社に比べてどれくらい安いのか数字で表すといいです。
USPを考える際の7つのコツ
USPの考え方について理解していただけましたでしょうか。ここからはUSPを考える際に役立つ7つのコツをご紹介していきます。
1.ユニークで個性的であること
1つ目のコツは、ユニークで個性的であることです。これはUSPの3つの基準にあった「競合が提案していないものであること」と関連しており、基本的でありもっとも重要なことです。
というのも、ほかの人が簡単に真似できる価値であっては、USPとはなり得ません。もし自社の商品やサービスにユニークさや個性がないのであれば、商品そのものについて考え直す必要があるでしょう。それほど、ユニークさと個性はマーケティングにおいて重要です。
2.さまざまな角度からの考えを組み合わせる
2つ目のコツは、複数の角度からの考え方を組み合わせることです。USPを作成する際には、1つの考えに固執せずに、複数の考えを掛け合わせることで、新たな価値が生まれることがあります。
例えば、フードデリバリーで有名なUberEATSはもともと、「Uber」という配車サービスが始まりでした。Uberとは車に乗って移動したい人と、乗せたい人をマッチングさせるサービスです。そこに「食」という考えを掛け合わせることで、料理を食べたい人、その料理を作る人、そしてその料理を運ぶ人という三社をマッチングさせる「UberEATS」というサービスが誕生しました。
このように、USPを作成する際には、ジャンルにとらわれず複数の考え方を掛け合わせることで独自性や新しい提案が可能になります。
3.専門性を売りにし、ニッチな市場で勝負すること
3つ目のコツは、ニッチな市場をターゲットとし、ニッチ分野での専門性を売りにすることです。USPのポイントにおいて「ナンバー・ワンではなくユニークであること」という項目があったように、広い市場でターゲットを広く設定することが必ずしも正解とは限りません。
ターゲットを広くすると多くの顧客に認知してもらえそうですが、逆に狙いを定めきれず、注目を集めることができません。
反対にニッチな市場をターゲットにすることで、見込み客にどんなニーズがあるかを把握でき、そのニーズにあった専門性を売りにすることで注目してもらうことができます。そのため、狭い市場のなかで、専門性を活かすことがUSPになりうると考えられます。
4.強みに価値を感じてくれるターゲットを喜ばせること
4つ目のコツは、ターゲットを絞って全員に喜ばれようとしないことです。この考え方は3つ目のコツで紹介した「ニッチな市場をターゲットとし、ニッチ分野での専門性を売りにすること」にも関連している考え方です。すべての顧客に喜ばれる商品やサービスを追求すると、結果として標準的でつまらないものとなってしまうことがあります。
例えば昨今でダイエット食品として注目されている商品に、「サラダチキン」があります。サラダチキンはダイエットをしている方や、コンビニで食事を済ませたいけど健康的なものを食べたいという方に向けた商品です。
そのため、おいしさを求める顧客にとっては唐揚げやフライドチキンのような商品の方が魅力的でしょう。おいしさを求める顧客もターゲットにしてしまうとダイエット志向の顧客にとっての魅力は無くなってしまいます。このように、全員に喜ばれる商品を作るのではなく、自分が提供するユニークな価値を求める一部の顧客を喜ばせることが重要です。
5.新ビジネスでは、なるべく早くUSPを広めること
5つ目のコツは、新しいビジネスの場合は、タイミングをはずさないことです。世の中になかった新しいビジネスを始める場合は、USPをなるべく早い段階で決めて、同じビジネスを他社が始める前に、タイミングよくそのUSPを広めることが重要です。
USPを決めるのが遅ければ、あとから同じビジネスを始めた企業がインパクトの強いUSPを発信した場合、その会社のほうが消費者に強い印象を与えます。すると、もしあなたの会社が最初に始めたビジネスであったとしても、先にUSPを発信した企業がビジネスのリーダー的存在とみなされてしまう可能性があるのです。
そのため、新しいビジネスである場合は、タイミングをはずさないでUSPを作成し、消費者に向けて発信していくことが重要です。
6.機能の高さ=USPではない
6つ目のコツは、商品の機能の高さはUSPではないこと。これは意外なことに思えるかもしれませんが、重要なポイントです。というのも、実際にすぐれた品質や性能であっても、消費者にとって価値あることと認識されなければ、USPではありません。そのため、顧客にとって利益があるUSPを作成することが重要です。
7.USPを指針にユニークな商品を作る
そして7つ目のコツは、USPは商品・サービス開発の指針になるということです。先ほどAppleが開発したiPodやUberEATなどの例のように、USPを指針にすることでユニークな商品やサービスを開発することができます。消費者に刺さる価値を指針に製品・サービスを開発・改善すれば、USPがどこにも見当たらないサービスを開発してしまうリスクは減らすことができます。
USPを作る際に役立つフレームワーク
USPを作る際、自社の強みを分析するのに役立つフレームワークを2つ、ご紹介しましょう。自社視点と顧客視点、どちらからも分析できるので、USP作成時に活用してみてください。
「4P分析」で自社の商品・サービスを分析
マーケティングに携わったことがある人であれば一度は聞いたことがあるかもしれません。以下の4つの要素から分析するフレームワークで、それぞれの頭文字を取って「4P分析」と呼ばれています。
・Product(製品・サービス)
・Price(価格)
・Place(販売場所・提供方法)
・Promotion(販促活動)
「4P分析」は自社視点の分析方法です。どのようなProduct(製品・サービス)を提供しているのか、そのPrice(価格)はいくらなのか、どのPlace(販売場所・提供方法)で提供しているのか、どのようなPromotion(販促活動)をしているのか。それぞれ競合と比べて考えてみたり、消費者のニーズをリサーチしてみたりして、4つのPを深く追求することで自社の強みが見えてくるでしょう。
「4C分析」で消費者心理を分析
こちらもマーケティングの戦略を立てる際に使われるフレームワークです。以下の4つの要素から分析します。それぞれの頭文字を取って「4C分析」と言われています。
・Customer Value(顧客価値)
・Cost(顧客コスト)
・Convenience(利便性)
・Communication(コミュニケーション)
「4C分析」は顧客視点の分析方法です。消費者が、その商品を購入したらどれくらいのCustomer Value(顧客価値)を感じるのか、その価値であればいくらのCost(顧客コスト)が妥当だと思っているのか、購入する方法のConvenience(利便性)は高かったか、購入後の消費者とのCommunication(コミュニケーション)はどうなっているか。
これらを顧客視点で分析します。そのため、よりUSPに近いと言えるでしょう。
4P分析、4C分析とは?違いと事例、テンプレート紹介
USPの事例
USPのコツについてご紹介していきました。ここからはUSPがどのようなものかをより具体的にイメージできる、マーケティング戦略が成功した国内外の参考になる事例を紹介していきます。
ドミノピザ
ドミノピザは、宅配ピザチェーン店で、「ホットでフレッシュなピザを 30 分以内にお届けします。もし30分以上かかったら、ピザの料金は頂きません」というUSPを掲げています。ここで注目すべきポイントは、「30分以内に届けられなければ無料」という、ドミノ・ピザが顧客に提供できるメリットを端的に表現していることです。
これにより、ピザのデリバリーに早さを求めているターゲットにドミノピザの「売り」を伝えることができます。そして「味」ではなく「早さ」を約束したドミノピザは、「味」を約束してほしい顧客は切り捨て、「早さ」を求める顧客に受け入れられることができました。
M&Ms
M&Msは、チョコレートブランドのひとつで、表面がコーティングされているのが特徴的です。そこでUSPとして「お口でとろけて、手にとけない」というポイントをアピールすることで、チョコレートの常識を覆し、手も服も汚さずに子供でも安心して食べられるお菓子を訴求することができました。
この場合ターゲットとなるのはお菓子を食べる子供ではなく、子供のためにお菓子を購入する母親達です。子供の洋服を汚さないチョコレートは母親たちの共感を得ることに成功し、結果的に子どもたちからも熱い支持を受けることとなりました。ちなみに、M&Msの「お口でとろけて、手にとけない」というキャッチコピーは、USPの始まりだったといわれています。
ASKUL
ASKULはオフィス用品に特化した通販サイトで、「明日来るASKUL! オフィスに必要なモノやサービスをスピーディに「明日」お届けします」というUSPを設定しています。
ここで注目すべきポイントは、スピードの速さが明確にアピールできていることです。やがてASKULは、幅広いアイテムのなかから必要なものを「明日」届けてくれるというスピードの速さを謳ったサービスと、そのサービスを表す企業名が広く知られるようになりました。
また、シンプルなキャッチフレーズと社名によって、サービスの便利さを印象付けられたのも成功のポイントです。
QBハウス
QBハウスはヘアカット専門店で、「お客様のカットに要する時間は、約10分。価格は、1,080円(税込)にて提供いたしております。」というUSPを掲げています。これは髪型にそれほどこだわりがなく、時間もお金もできるだけかけたくないと思っている層をターゲットにしたUSPとなっています。
理美容業界では一般的に、髪を切るには1時間程度かかり、安くても3,000円、という価格が主流でした。しかしQBハウスは所要時間10分で価格1,000円という大胆なUSPを打ち出したことで、理美容業界の常識を打ち破り、創業20年で年商100億を稼ぎだす企業へと成長しました。
ニトリ
ニトリは家具およびインテリア用品を販売する企業で、「「お、ねだん以上。」ニトリ」というキャッチコピーで知られています。この「お、ねだん以上。」というコピーでは、つけられている値段以上の価値があり、質の良い製品を提供するというUSPが消費者に伝わってきます。
そして質の良いものが欲しいが費用は抑えたいというターゲット層に刺さり、大企業として成長していきました。ニトリは現在、海外も合わせて300店舗以上のチェーンストアを展開しています。
ダイソン
掃除機を中心に革新的な家電製品を開発・販売するダイソン。「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」というキャッチコピーは強烈なインパクトを残しました。それまでの掃除機の機能では、いまいち納得できていなかった消費者が多い中、とにかく吸引力にこだわって掃除機を開発したことで、吸引力といえばダイソンというUSPが消費者に浸透したのです。
その結果、67ヵ国でダイソン製品が販売される世界的なテクノロジーカンパニーへと成長しました。
稲葉製作所
「やっぱりイナバ 100人乗っても大丈夫!」というキャッチコピーは、同社の物置きの耐性を強烈に印象付けるフレーズとしてCMで使われました。実際に、物置の上に100人が乗っているシーンを覚えている人も少なくないでしょう。丈夫で長持ちという理念のもと、品質を追求したUSPがあのCMと共に消費者に伝わっていったのです。
USPが重要になる企業傾向
マーケティングに成功している企業のUSP事例についてご紹介しました。最後に、USPが重要になる企業傾向について3つの観点から解説していきます。
競合他社や大企業と勝負する中小企業やD2C企業
まず、USPが重要となる企業には、競合他社や大企業と勝負する中小企業やD2C企業があります。マーケティングには独自性やユニークさが重要であることを繰り返しお伝えしました。競合他社や大企業と勝負する中小企業やD2C企業ほど、ターゲットにはどんなメリットがあるのか認知してもらうことがポイントとなります。そのためにも、USPをくまなく設定することが重要です。
中小企業やD2Cは知名度で大企業に勝つのは難しい
また、中小企業やD2Cは知名度で大企業に勝つのは難しいという性質からも、中小企業がUSPを設定する重要性が考えられます。中小企業やD2Cは、大企業に比べると小さな組織であり、リソースの多さや知名度では、大企業に勝つのは難しいです。現状あるリソースを最大限に生かしてマーケティングを成功させるにはUSPに力を入れることが大切です。
中小企業やD2CならではのUSPを考える
そして、中小企業やD2CならではのUSPを考えることがポイントです。先ほど中小企業やD2Cは知名度で大企業に勝負するのは難しいとお伝えしました。しかし別の視点に立ってみれば、小さな組織であるからこそ小回りが利くとも考えられます。
大企業がリスクを恐れてできないようなユニークな提案も、小さな組織だからこそできます。そのためにも、USPをしっかり決めていけばマーケティングでの新たな活路が開かれるのです。
USPとは?のまとめ
今回は、USPの概要や事例、企業傾向について解説していきました。USPとは言うなれば、あなたのビジネスのアイデンティティーです。そのため、自社の強みを最大限に伝えるマーケティング施策を検討していく必要があります。また、顧客は何を求め、どんなことに興味を持ったのか、お客様の声を分析することも重要です。
自社のサービスを見つめなおし、競合も考慮し、顧客のニーズを見極めながら、USPをしっかりと考えていきましょう。
しっかり分析し、見つけたUSPはWebサイト制作やランディングページ制作にも活かせます。ニュートラルワークスは商品・サービスの各種分析からお手伝いし、成果に繋がるWeb制作までをサポートできます。お困りごとがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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