この記事では、Webサイトの分析に役立つ、おすすめのアクセス解析ツールを紹介します。
「Google Analytics以外のツールでより効果的な分析をしたい」「無料で使える便利な解析ツールを知りたい」という方に向けて、それぞれの特徴も含めて解説しています。
また、検索順位をモニタリングできるツールや被リンクのチェックに便利なツール、そしてコンテンツ改善の分析ツールについてもまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
アクセス解析とは、Webサイトへアクセスしているユーザー(訪問者)の行動や属性、特性を分析することです。
アクセス解析を行うことで、以下のようなことが分かります。
このようなデータを分析すると、サイトの改善指標や動向を確認できます。近年ではさまざまな解析ツールが展開されているため、目的にあったツールを見つけることが大切です。
アクセス解析でサイトの課題を発見する代表的な2つの方法
ツール名 | 強み | 主な機能 |
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Google Analytics | Googleの広告サービスと連携可能 |
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Google Search Console | SEO管理ができる |
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Similar Web | ネットサーフィンしながら確認できる |
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忍者アクセス解析 | リアルタイムの解析ができる |
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Ptengine(ピーティーエンジン) | ユーザーの動きを可視化できる |
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アクセス解析研究所 | データ保存期間が無制限 |
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User Local | スマートフォン解析に特化している |
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無料で使えるおすすめのアクセス解析ツールがこちらです。ここからは、ツールごとの強みや機能について解説します。
強み | Googleの広告サービスと連携可能 |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 |
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価格 | 月額130万円~ |
Google Analyticsは、Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールです。Googleアカウントさえあれば誰でも利用できることから、スタンダードなツールとして多くの人が利用しています。
Google Analyticsの強みは、Googleの広告サービスと連携できることです。Google広告の高度な分析が可能なため、パフォーマンスを最大化できます。
無料版では、PV数や検索キーワードなどといった基本的な情報だけでなく、ユーザーのアクセス元やサイト内での動きも確認できます。
一方、有料版ではデータ量が無制限になるほか、Googleタグマネージャー360やSalesforceとの連携も可能です。サポートもあるので、トラブルが発生した際も安心といえます。
強み | SEO管理ができる |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 | なし |
Google Search Consoleは、Googleが無料で提供している解析ツールです。Google Analyticsとの連携が可能で、あわせて使用すると便利です。
Google Search Consoleでは、検索キーワードごとのクリック数やページの表示回数などを確認できます。設定したキーワードに対し、どのような反応があったのか確認できるため、SEO対策として重宝します。
出典:Similar Web
強み | ネットサーフィンしながら確認できる |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 |
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価格 |
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Similar Webは、Similar web Ltd.によって開発されたサイトアクセス解析ツールです。アメリカで誕生し、日本でも多くの企業が利用しています。
Similar Webの特長は、ネットサーフィンをしながら数字を確認できることです。無料の拡張機能を利用することで、サイトのランクやトラフィック調査などが簡単にできるようになります。
さらに有料版を利用すると、競合調査や業界分析なども可能になります。無料トライアルもあるため、気になる方は一度試してみるといいでしょう。
出典:忍者アクセス解析
強み | リアルタイムの解析ができる |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 |
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価格 |
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忍者アクセス解析は、忍者ツールズ株式会社が開発したサイト解析ツールです。リアルタイムの解析ができ、ユーザーの動きを細かく確認できます。
その他にも、収集したデータを最大4カ月まで保存できるため、ターゲット分析やサイト改善に役立ちます。
有料版にすると広告が非表示になり、アクセス上限も無料になるので、アクセスが月間30万件を超える場合は有料版のほうがおすすめです。
出典:Ptengine
強み | ユーザーの動きを可視化できる |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 |
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価格 |
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Ptengineは、株式会社Ptmindが運営するヒートマップツールです。Ptengineでは、一つのタグをWebサイトに設置するだけで、さまざまな機能を利用できるようになります。
Ptengineを用いれば、ユーザーの動きを可視化できます。トラッキングを自動でビジュアル化してくれるため、Webサイトの課題が一目でわかるようになります。
無料版も活用できますが、有料版にすると計測ヒートマップ枚数が無制限になったり、高度なヒートマップ機能を使用できたりします。
出典:アクセス解析研究所
強み | データ保存期間が無制限 |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 |
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価格 |
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アクセス解析研究所は、株式会社qualitteが提供している解析ツールです。データ保存期間が無制限となっており、Google Analyticsも長く保存できます。
そのため、長期間に渡ってデータを確認したいという場合におすすめです。加えて、簡単に扱える機能が豊富にあるため、初心者にもおすすめです。
出典:User Local
強み | スマートフォン解析に特化している |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 | なし |
User Localは、株式会社ユーザーローカルにより開発された解析ツールです。
User Localの強みは、スマートフォン解析に特化している点にあり、タブレットやスマートフォンからのアクセスをリアルタイムで分析できます。若者向けのWebサイトや、スマートフォンユーザーが多いWebサイトに最適です。
おすすめの無料ツールはどれも魅力的なものばかりですが、Google Analyticsを使用するにあたっては、いくつか注意点があります。例えば、Google Analyticsでは以下のようなアクセス解析ができません。
これらの解析を行うには、Google Analytics以外のツールを使用するといいでしょう。以降で、それぞれの解析方法について紹介します。
検索順位のモニタリングとは、任意のWebページの順位がどのように推移しているのかを確認することです。
例えば、あるページに対して「食洗機 電気代」というキーワードでは1位を獲得し、「食洗機 光熱費」というキーワードでは3位を獲得している、などというデータを取得できます。
検索順位モニタリングは、コンテンツSEOや検索流入によるサイト運営を行う際に必須のツールです。
検索順位チェックツールおすすめ16選!無料版やクラウド型も含めて徹底比較
SEOには検索順位チェックツールがとても役立ちます。自社サイトのページが上位表示されているか確認したり、競合と比較して負けている場合はリライトすべきかどうか判断できたりします。一歩先を行くSEOに取り組んでみませんか。
被リンク・競合サイト分析では、Webサイトの被リンク状況を確認したり、同じジャンルの競合サイトの分析を行ったりします。
被リンクの量や質を確認することで、ユーザーからの評価を確認できます。また、競合サイト分析では、「どのようなキーワードで流入しているのか」「どれくらいのユーザーがアクセスしているのか」などを調べられます。
競合サイトについて知ると、Webサイトの改善点や今後どのような施策が効果的か、仮説を立てやすくなります。
被リンクチェックツール15選!無料版、調べる方法と対策も解説
ヒートマップ・コンテンツ改善分析とは、ヒートマップツールを使ってWebサイトの改善点を分析することです。
データを色付けして強弱を示し、視覚的に分析していくため、直感的で初心者にも扱いやすいといえます。
ユーザファーストなコンテンツに改善をしたい場合には、ヒートマップ・コンテンツ改善分析が有効です。
ヒートマップツールおすすめ15選!無料・有料を比較して紹介
ユーザー行動の分析に役立つヒートマップツールについて、メリットや注意点、選び方からおすすめの無料と有料のツールなどを紹介します。記事内で紹介するツールを比較して、自社に合ったヒートマップツール探しに役立ててください。
データビジュアライズとは、収集したデータを可視化して分析しやすくすることです。数字だけを見て判断するのではなく、直感的に分かりやすく変換できることから、初心者にもおすすめの手法です。
Google Analyticsでは、カスタムレポートや既存のテンプレートを活用したビジュアライズは可能ですが、デザイン性やカスタマイズ性は低めです。
そのため、要点だけ抑えたレポーティングや、よりデザイン性の高いレポート作成をしたい場合には必須のツールとなります。
ツール名 | 強み | 主な機能 |
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GRC | 自動検索が可能 |
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Ranktracker | モバイル・デスクトップの表示を切り替えが可能 |
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検索順位チェッカー | 会員登録やダウンロードが不要 |
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検索順位をモニタリングツールとして、次の3つがおすすめです。有料版と無料版のどちらも紹介します。
出典:GRC
強み | 自動検索が可能 |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 |
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価格(※月払い) |
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GRCは、自社サイトの評価を確認できる検索順位チェックツールです。ボタン一つで一括調査や順位チェックなどの自動検索ができます。
他に、URLやキーワードを登録することもできるため、定期的なチェックがはかどり、サイト改善を効率化することができます。
有料プランは5種類あり、スタンダード以上であれば、LANを経由して他のPCのGRCのデータを閲覧する「リモート閲覧」が可能です。チームでアクセス解析を行う際に役立つ機能です。
強み | モバイル・デスクトップの表示を切り替えが可能 |
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有料版の機能 |
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価格 |
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Ranktrackerは、イギリスのRanktracker Ltdによって開発されたキーワードツールです。検索エンジンの検索結果を監視し、情報を定期的に通知します。
また、RankTrackerは、モバイル・デスクトップの表示を切り替えられます。ツールによってはモバイル版とデスクトップ版でそれぞれインストールが必要な場合もありますが、ツール一つでどちらの情報も得られるため、大変便利です。
出典:検索順位チェッカー
強み | 会員登録やダウンロードが不要 |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 | なし |
検索順位チェッカーは、無料で利用できる順位取得ツールです。対象ページのURLに対してキーワードを入力するだけで、簡単に順位が分かります。
また、検索順位チェッカーの大きな特長として、会員登録やダウンロードが要らないことです。ブラウザから使用できるため、ページを開いてすぐに情報を取得できます。
なお、1ページにつき最大5つのキーワードを調べられるため、現場で重宝しやすいツールです。
ツール名 | 強み | 機能 |
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Ahrefs | 世界最大級の被リンクデータ量を保持 |
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MOZ | WEBサイトの権威性や信頼性を数値化できる |
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SEMRUSH | ポジショニングを分析できる |
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被リンクや競合サイトの分析におすすめのツールは、上記の3つです。以降で、それぞれの強みや機能について解説します。
出典:Ahrefs
強み | 世界最大級の被リンクデータ量を保持 |
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有料版の機能 |
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価格 |
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Ahrefsは、シンガポールにあるAhrefs Pte.Ltdが開発したSEO分析ツールです。
世界最大級の被リンクデータ量を保持しており、26.9兆以上の巨大なリンクデータがあります。そのため、ほかのツールに比べてより正確な情報を得られます。
出典:MOZ
強み | WEBサイトの権威性や信頼性を数値化できる |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 |
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価格 |
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MOZはアメリカのMoz. Incが開発したリンクチェックツールです。Webサイトの権威性や信頼性を数値化できる点に特徴があります。
一般的にこうした指標は数値化が難しいですが、MOZ独自の指標によって可視化でき、サイトの評価を客観的に確認できます。
出典:SEMRUSH
強み | ポジショニングを分析できる |
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有料版の機能 |
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価格 |
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SEMRUSH(セムラッシュ)は、Semrush Incによって開発された競合分析ツールです。マーケターのために開発されたツールで、SEOや広告、コンテンツマーケティング、SNSなど幅広い用途で活用できます。
また、SEMRUSHでは、業界におけるポジショニングを分析できます。「Market Explorer」によって競合ドメインを発見することで、業界全体のトラフィック成長率や自社ドメインを比較できるため、よりターゲットを意識したサイト制作ができます。
ツール名 | 強み | 主な機能 |
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Clarity | トラフィック制限がない |
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ミエルカヒートマップ | ユーザー行動が見やすい |
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Ptengine | 23種のセグメントがある |
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ヒートマップやコンテンツの分析には、これらのツールがおすすめです。以降でそれぞれのツールについて解説します。
出典:Clarity
強み | トラフィック制限がない |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 | なし |
Clarityは、 Microsoftから展開されている分析ツールです。永久的に無料で使用できるため、個人でも導入しやすいです。
加えてClarityは、トラフィック制限なしで使用できます。無料ツールの場合、制限が設けられている場合が多いですが、Clarityなら半永久的に使用できるため、初めて導入するツールとしても最適です。
出典:ミエルカヒートマップ
強み | ユーザー行動が見やすい |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 |
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価格※ |
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※価格は「半年契約」の場合。年間契約の場合は毎月約30%引きで利用可能
ミエルカヒートマップは、株式会社Faber Companyによるヒートマップツールです。無料ツールですが、有料版にすることでより詳しく分析することが可能です。
「スクロールヒートマップ」「クリックヒートマップ」「アテンションヒートマップ」という、一度に3つのマップを表示でき、これによりユーザーの心理仮説が立てやすくなります。
出典:Ptengine
強み | 23種のセグメントがある |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 |
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価格 |
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Ptengine、株式会社Ptmindが運営するヒートマップツールです。Ptengineの特長は、23種のセグメントがあることです。
セグメントを切り分けて分析していくことで、平面では見られないようなユーザー心理を解き明かすことができます。また、新規ユーザーや再訪ユーザーなど、属性ごとに分析することもできます。
ツール名 | 強み | 機能 |
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Google Data Portal | Googleサービスと連携できる |
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Tableau | さまざまデータソースを活用できる |
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AIアナリスト | 自動分析ができる |
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データビジュアライズツールは、「データ可視化ツール」とも呼ばれ、収集したデータを可視化して分析しやすくできるツールです。ここからは、それぞれのツールについて紹介します。
強み | Googleサービスと連携できる |
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無料版の機能 |
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有料版の機能 | なし |
Google Data Portalは、Googleが提供しているデータビジュアライズツールです。完全無料で利用でき、データ収集から共有までできます。
さらにGoogle Data Portalは、Googleの各サービスと連携でき、GoogleアナリティクスやGoogle広告、Google Search Consoleなど幅広く対応しています。
オリジナルのコネクタを作成したり、他のユーザーがギャラリーに公開したコネクタを利用したりでき、柔軟に情報を取得できます。
出典:Tableau
強み | さまざまデータソースを活用できる |
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有料版の機能 |
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価格※1 (クラウド版) |
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価格※1 (オンプレミス版) |
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※1:価格はオプションの有無によって変動あり
※2:個人の利用は不可能
Tableauは、ヒートマップなどが利用できるBIツールです。他のツールに比べて直感的なデザインで、ビジュアルによる分析ができます。
また、Tableauはさまざまなデータソースを活用できます。Google Analyticsと連携すれば、分かりにくいデータ解析もヒートマップによって分かりやすくなるほか、Salesforceなどのツールとの連携も可能です。
加えて「Tableau ラーニング」を活用すれば、Tableauの使い方からデータ分析の方法まで幅広く学ぶことができます。
出典:AIアナリスト
強み | 自動分析ができる |
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有料版の機能 |
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価格 | 要問い合わせ |
AIアナリストは、株式会社WACULが開発した有料の分析ツールです。一般的なツールはデータをもとに自社で分析しなければなりませんが、AIアナリストではデータを自動で分析してレポートを作成してくれます。そのため、データ解析初心者でも安心して利用できます。
ほかにも、Google Analyticsのデータを元にデータ分析をしたり、改善ポイントを提案してくれたりします。
より効率的なサイト運営や、サイトの費用対効果を正確に計測するためにも、アクセス解析ツールは必須です。
ツールを用いることで、Webサイト運用を効率化し、パフォーマンスの向上も期待できます。
ツールごとに機能は異なりますが、より本質的なサイト運営にはツールの見極めやKPIの管理が必要です。運営しているサイトの目的にあわせて最適なものを選びましょう。