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【完全版】失敗しない!ECサイト制作
ECサイト制作で「絶対に抑えるべきポイント」をECサイトのプロが解説!
コロナ禍での外出自粛によって、今までECサイトを使っていなかったユーザーや、使う頻度が稀であったユーザーが、ECサイトを使い出すようになり、EC需要は順調に上がっています。
つまり、小売業を初めとする多くの業界にとって、ECサイトは以前にも況して、売上向上の大きな役割を果たしています。
EC市場は2016年度以降、毎年5〜6%以上の市場拡大を果たしていたこともあり、今後も伸びていくと予想されますので、これから新規参入を検討している企業も多いことでしょう。
業界としても企業としても、伸びしろが多いECサイトですが、ECサイト担当者の多くはECサイトの運用に多くの悩みを抱えています。なぜなら、ECサイト運用と一言でいえども、ECサイトは多くの役割・機能を持つため、対応内容が幅広く、悩みや課題が尽きないからです。
「ECサイトを始めたが、売上が伸びずに困っている」
「新しくECサイトを開きたいと思っているが、何からはじめていいかわからない」
「ECサイトを開いたものの、顧客満足度が上がらない」
ECサイト担当者として、上記のような悩みを抱えていませんか?
悩みを解決する上で欠かせないことが、あなたのECサイトでの「成果」についてです。ECサイトでどんなことを目的にしているか、そしてその目的に沿った成果は何か、そこから逆算して指標や目標を決めます。
またECサイトと言っても、
- 楽天やYahoo!ショッピングに出店しているモール型
- クラウド上でECサイトを構築しているクラウド型
- すべて自社で開発を行っているフルスクラッチ型
など、いくつかの種類があるため、それぞれで悩みが異なることもあります。
ECサイト担当者がどのような悩みを抱えているのか、そしてその悩みは解決できるのか、解決方法はどのような手法があるのか。
今回は、ECサイトの構築支援、運用支援で多くの経験があるニュートラルワークスが、ECサイト担当者の悩みを解説します。
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目次
ECサイト担当者が抱えている悩みは?
2021年に株式会社ネオマーケティングが行った「EC運用の悩み」をテーマにした調査では、ECサイト運用で最も課題に感じていることは、「新規顧客獲得」が15.9%と一番多く、その後に「運用リソース不足」が14.5%、「サイト集客」が13.6%と続きました。
参照:株式会社ネオマーケティング 20歳~69歳の男女743人に聞いた「EC運用の悩みに関する調査」
以上の調査や、ニュートラルワークスでご相談いただく内容から、ECサイト担当者が悩んでいることのトップ3を以下に挙げました。
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ECサイト制作で「絶対に抑えるべきポイント」をECサイトのプロが解説!
1位 新規顧客の獲得や集客方法
第1位は、新規顧客獲得及びそれに伴う集客方法についてです。前述した「EC運用の悩み」では15.9%が、エルテックスが行った「通販・EC事業者の実態調査」では59.7%が、この悩みを抱えているとの結果でした。
実際のコメントを抜粋すると、
- 「サイトを訪れてもらうきっかけづくりに苦労」
- 「サイトに訪れる人はいるが、その後のサービス利用に繋がっていない」
といった意見が多く、どうやらECサイト担当者にマーケティングの知識があまりなく、課題に感じつつも業務に追われて学ぶ機会も少ない、といったケースが多いようです。
確かにECサイトは、リアル店舗と異なり、オープンしただけでお客様が来てくれるものではありません。ECサイトを開き、集客を行った上で、実際に購入までしてもらってはじめて売上が立つため、集客から購入までの導線を考えたマーケティングの知識が必要となります。
2位 戦略や展開の方向性
続いて第2位は、ECサイトにおける戦略や展開の方向性です。
こちらは前述の「通販・EC事業者の実態調査」で、新規客の獲得に次ぐ2番目に多い、54.7%が悩んでいるとのことです。
戦略や展開の方向性は、ECサイトでの成果の定義や、今後の施策に大きく関わってくるもので、ECサイト運用に必要不可欠と言っても過言ではありません。
ECサイト運営は幅広いマーケティングの知識を要し、業務が多岐に渡るので、中長期の戦略を立て、施策に優先度をつけて運用していく必要があります。
特に、ECサイト担当者のリソースは有限ですので、ECサイトに求めることは何か、自社ECサイトの価値はどこにあるのかを起点に、求める成果を出すまでのシナリオを描かねばなりません。
3位 商品開発(MD)
最後に第3位は、商品開発(MD:MerchanDiser)です。前述の「通販・EC事業者の実態調査」では、展開する商品の開発として48.3%が悩みに挙げていました。
ここで言う商品開発は、商品開発から販売促進を行うことです。具体的には、販売する商品を探し出してくることはもちろん、ECサイト上で商品のカテゴライズを工夫したり、お客様への魅せ方を研究することが含まれます。
商品にはそれぞれプロダクトライフサイクル(PLC)というものがあり、いまECサイトで売れている商品が、ECサイト担当者のテコ入れなしに、これからも売れ続けることは不可能に近いです。
そのため、商品開発を行い、その商品の改良版を作るのか、それとも関連商品を作るのかなど、その都度対応していく必要があるのです。
ECサイトでよくある課題の解決方法
それでは、ECサイト担当者の抱える悩みは、どのように解決するのでしょうか。
ここでは、ECサイトでよくある悩みのTOP3をそれぞれ解説します。
それぞれの課題に対して、解決方法は1つではありません。複数ある中から、自社のECサイトに適したものを選ぶ必要があります。
自社ECサイトの目指す姿や、自社ECサイトの形態により、対応できる施策も限られるかと思いますので、施策を行う際は注意深く検討しましょう。
また、施策を行えばヒト・モノ・カネのリソースが必要になります。
せっかくリソースを割いて施策を行うのですから、効果が最大限に得られるであろう施策から、優先順位をつけて行っていくべきです。
課題に対する解決施策を行う際は、
- 自社に適した施策内容であるか
- 最大限に効果が得られるもの(優先順位が高いもの)であるか
を十分に検討してから、手をつけ始めましょう。
新規顧客獲得のための集客
ECサイトを運営するにあたって、集客は最も重要と言っても過言ではありません。
特に新規顧客は、これから優良顧客へと育てていくこともできるので、ぜひ獲得したい顧客です。
ここでは新規顧客獲得のための集客として、以下6つの集客方法を紹介します。
- SEO対策
- リスティング広告
- SNSの活用
- アフィリエイト広告
- リマーケティング(リターゲティング)広告
- メールマーケティング
それぞれ、施策を行ってすぐに効果の出るものもあれば、施策を行ってから効果が出るまで半年〜1年ほど時間がかかるものもあり、特色は様々です。
以下ではそれぞれの項目に対して、より具体的に紹介しています。
SEO対策
SEO対策とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンや、Amazonや楽天内での検索で調べたときに、上位に表示されるようにECサイトを最適化することです。
メリット
メリットは大きく以下の3つに分けられます。
- クリックに費用が発生しない
- 商品・サービスに特化したワードの場合、購入意欲の高い顧客の流入が見込める
- 上位表示されていることで、顧客への安心感に繋がる
一般的なWEB広告とは異なり、検索結果で上位表示されたものからクリックされた場合、費用は発生しません。
さらに、自社ECサイトの扱っている商品・サービスに関連したワードで、SEO結果が上位表示されれば、クリック率が高くなり、集客に大きな影響を与えます。上位表示されたワードが、ロングテールキーワード(3〜4語単語から構成されるワード)である場合は、他のワードからの流入と比べ、クリックしたユーザーの購入意欲が高いため、高CVRを狙うことも可能です。
他にも、検索結果が上位に表示されていることで、「他のECサイトよりも優れている」「みんなから人気のサイトである」と顧客に安心してもらうことができ、自社のブランディング効果も見込めます。特に、ECサイトは決済情報を入力する必要があるので、「あやしげなECサイトは利用したくない」と考える方が大多数です。検索結果が上位であれば、「少なくともあやしいサイトではないのであろう」と思ってもらいやすく、CVまでの障壁を減らすことができます。
デメリット
SEO対策を集客の施策として扱うデメリットは、以下の2つです。
- 即効性のある施策ではない
- 絶対的な効果が見込めない
SEO対策は、施策を開始してすぐに効果が見込めるものではありません。ECサイト内のページをSEOに最適化しても、効果が出始めるのに半年は少なくとも必要です。
また、検索表示のアルゴリズムは、Googleをはじめとする検索エンジンが公にしていないため、アルゴリズムの大型アップデートなどで上位表示されなくなる可能性もあります。
アルゴリズムの大型アップデートは、SEOが得意な会社でも対応しきれないことが多いため、SEO対策をしていても、絶対的な効果は見込めないのです。
ポイント
SEO対策はECサイト運営にあたって、業種関係なく必ず行っておきたいものです。しかしながら即効性がなく・必ずしも検索上位に表示される確証がないために、SEO対策だけを新規顧客獲得の施策にすることは避けた方が良いでしょう。
SEO対策は新規顧客獲得の基本的なベースとし、他の施策を掛け合わせて対応することをおすすめします。
SEO対策とは?効果的なSEO対策の基本と実践方法【プロ監修】
リスティング広告
リスティング広告とは、特定のワードの検索結果上位に広告として表示させるものです。
表示にはお金がかかりませんが、ユーザーが表示結果をクリックすると、広告料としてお金が発生します。
そのため、別名では「検索連動型広告」や「PPC広告(PayPerClick:クリック報酬型広告)」とも言われます。
メリット
リスティング広告のメリットは、以下の2つです。
- 即効性がある
- SEOにかかわらず、検索結果で上位表示させることができる
リスティング広告は出稿してすぐに検索結果に反映されるため、即効性が高く、すぐに集客況してや売上に貢献する可能性があります。
また、SEO対策を行い、自社ECサイトを検索結果の1位に表示させるには時間を要しますが、リスティング広告は、広告料を支払う代わりにSEO関係なく検索結果の上位に表示させることができます。そのため、SEOと異なり今までの積み上げがいらず、スピード感を持って施策を進めることができるのです。
デメリット
リスティング広告のデメリットとしては、以下2つが挙げられます。
- 多くのユーザーに訴求できない
- インハウス化するには、少し難易度が高い
即効性があり、簡単に検索上位表示させることができるリスティング広告ですが、1回あたりのクリックでXX円といったPPC広告であるため、多くのユーザーに訴求することは向いていません。
リスティング広告は、狭く少なく、より興味関心の高いユーザーへリーチすることを目的としているからです。
また、リスティング広告をはじめとするWEB広告は、広告の理解はもちろん、顧客や顧客像の理解や定点観測が必要だったりと、インハウス化するには少し難易度が高い傾向にあります。
広告をかけるワードや、広告の遷移先、CVまでの導線をどう確保するかなど、広告を通した全体的な設計が必要だからです。
ポイント
即効性があり、SEO対策と同じ高い集客効果を得られるリスティング広告ですが、初心者には少し難しい施策です。
特に初心者が陥りがちなのは、高額な広告費を投入し、流入経路を作ることはできたものの、一向にCVしないというケースです。
そのようなケースを避けるためにも、リスティング広告は経験者もしくはプロから手解きを受け、初めは1日の広告予算を少額に設定し、PDCAを回して対応すると良いでしょう。
リスティング広告とは?特徴や費用、運用方法を解説 リスティング広告の基本的な知識から効率のいい運用方法、成果を出すためのポイントをご紹介します。
SNSの活用
今となっては多くのブランド・企業が活用しているSNS。
SNSは、主にユーザーとの交流の場として使われることが多いのですが、新規顧客獲得にも効力を発揮します。
しかしながら、SNSを上手く活用する場合、自社の顧客の特徴や発信したい内容によって、各種SNSを使い分ける必要があります。
メリット
SNSを活用するメリットは、大きく以下の3つです。
- ECサイトへの流入経路を確保できる
- 新規顧客獲得や、リピート購入を促すことができる
- ロイヤリティの高い顧客を育てることができる
各種SNSを企業アカウントとして作成すると、通常投稿とは別に、広告出稿もできます。ECサイトで取り扱っている商品・サービスに関連するキーワードで通常投稿を行ったり、SNS広告を出すことで、認知が広がり、ECサイトへの流入経路を開拓することができます。
また、SNSを通してフォローやリツイート、投稿などをきっかけにしたキャンペーン企画を行うことで、認知拡大と共に新規顧客に商品を手に取ってもらうことも可能です。独自企画を行い、しっかりと反響が返ってきやすいことも、SNSを活用するメリットとして挙げられるでしょう。
その他、SNSのフォロワーに向けた発信や、自社について触れてくれた人とSNSを通して接触することで、リピート購入を促したり、ロイヤリティの高い顧客を育てることも可能です。
デメリット
SNSを活用するデメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 即効性のある施策ではない
- SNSで配信するコンテンツを考えるコストが高い
- 炎上する可能性がある
SNSは現代生活に普及しているため、企業のSNSの活用と聞くと簡単そうに思えますが、実際に行ってみると、手間がかかる割にすぐに結果が出ないので、挫折してしまう企業が多いものです。
SNSは地道に積み上げていくものなので、大きなバズを期待して突然フォロワーやインプレッションが跳ね上がることはそうありません。
また、SNSをしっかり伸ばすためには定期的な投稿が必要になりますが、投稿する文章はもちろん、写真素材の用意など、SNS投稿は意外とコストがかかるものです。投稿のハードルが下がるように、投稿テンプレートを作成するなどシステム化すると良いでしょう。
その他、特に気をつけたいことはSNSでの炎上です。
最近では、表現方法や誤った情報の発信により炎上し、企業やブランドイメージを損ねてしまう場合が多々あります。SNS投稿の際は担当者1人の判断で投稿するのではなく、ダブルチェックをするなどして、様々な角度から見ても問題のない投稿を心がけましょう。
ポイント
今や多くの企業・ブランドがこぞって取り組んでいるSNSの活用ですが、SNSは地道に投稿を積み上げていくことが一番の近道です。
その上、定期的な投稿が肝となるので、予め1ヶ月分の投稿スケジュール・内容を定めておくことや、投稿のテンプレートを作成しておくなど、投稿のハードルを下げる工夫を行いましょう。
また、投稿内容は必ず複数の人に確認してもらうなどして、炎上リスクを避けるべきです。特に、自社ECサイトで扱う商材が化粧品・サプリメントの場合は、投稿内容が薬機法に違反していないかなど、細かい部分にも気をつけると良いでしょう。
コンテンツマーケティングでSNSは結果につながる?媒体別の活用事例と注意点
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、アフィリエイターと呼ばれるブログやSNSを運営している第三者に、自社ECサイトの商品・サービスを宣伝してもらうことことです。
報酬はユーザーがその広告から購入までに至った場合のみに発生するため、成果報酬型の広告となっています。
メリット
アフィリエイト広告のメリットは大きく2つです。
- 費用対効果が高い
- 間接的に自社ECサイトで扱う商品・サービスのSEOが上がる
アフィリエイト広告は成果報酬型広告のため、確実に購入に繋がった注文にしか広告費が発生しません。
既に挙げたリスティング広告のような多くの広告は、クリック報酬型広告であるため、購入につながらなかったものにも広告費を払います。
以上より、アフィリエイト広告は他の広告と比べ、費用対効果が高いのです。
また、アフィリエイト広告では、副産物的に自社サイトで扱う商品・サービスのSEO結果が上がることが多くあります。
アフィリエイト広告を行うアフィリエイターの多くは、ブログやSNSを運営しているため、アフィリエイト目的で書かれた記事や投稿が、検索結果の上位に表示されることは珍しくないのです。
デメリット
アフィリエイトのデメリットは以下の2つです。
- 商品の特徴がある、もしくは有名なブランドの商品でないと少し難しい
- ブランディングを損ねる可能性がある
アフィリエイト広告は、数あるアフィリエイト商品の中から、アフィリエイターに選ばれる必要があります。
アフィリエイターは成果報酬型で動くので、商品特徴があったり、既に有名なブランド商品などの売りやすい商品を選びます。
そのため、商品に個性がなかったり、まだまだ発展途上の商品のアフィリエイト広告は少し難しい傾向にあります。
また、アフィリエイターは報酬を得るため、アフィリエイト記事や投稿の中で、様々な表現を用いて商品を売ろうとします。
そのため、誇大広告や他社批判といった過激な表現になり、化粧品・サプリメント商品だと、薬機法違反になってしまいがちです。
場合によっては、ECサイトや商品・サービスのブランディングを損ねる結果となる可能性もあります。
ポイント
アフィリエイト広告は費用対効果が高く、広告コンテンツの作成もアフィリエイターが自ら行うため、コストを低く開始できる広告です。
アフィリエイト広告を始める場合は、アフィリエイターに選んでもらいやすいように、アフィリエイトバナーのデザインを工夫したり、アフィリエイト商品の登録サイト内での紹介の方法を工夫すると良いでしょう。
リマーケティング(リターゲティング)広告
リマーケティング(リターゲティング)広告とは、一度サイトに訪れたことのあるユーザーをWEB上で追跡し、広告を表示することでアプローチする広告です。
リマーケティング広告では、他の広告と比べて購入意欲の高いユーザーにアプローチすることができるため、ECサイトを運営する上でぜひ採用したい広告です。
メリット
リマーケティング広告のメリットは以下3つです。
- 購入意欲の高いユーザーにアプローチすることができる
- カゴ落ちを阻止できる
- 何度も表示されることで、ザイオンス効果を期待できる
最大のメリットはやはり、購入意欲の高いユーザーにアプローチできることです。そのためCVRが高くなりやすく、結果として費用対効果の高い広告であることが見込めます。
またリマーケティング広告を行うことで、一般的に「カゴ落ち」とされるカゴに入れたまま購入されない状態を打破できる可能性もあります。
カゴ落ちする理由は様々ですが、カゴ落ちユーザーの多くは、カゴに入れたことを忘れてしまっているため、リマーケティング広告で思い出してもらうことができるのです。
その他に、リマーケティング広告では、接触回数が増えるほどその対象に対して好印象を持つザイオンス効果も期待できます。これはマーケティングに用いられる行動心理学として有名なもので、リマーケティング広告で接触回数を増やすことで好印象を得ることができるのです。
デメリット
リマーケティング広告のデメリットは以下2つです。
- 運用方法によってはユーザーに不快に思われてしまう
- 他の広告と比べて、新規顧客の獲得が弱い
リマーケティング広告では、広告を配信するターゲットのリストを細かく設定できるのですが、この設定を見誤ってしまうと、購入意欲が高くないユーザーにまで表示されてしまい、不快に思われてしまう可能性があります。
また、一度サイトを訪れたユーザーに対する広告であるため、リマーケティング広告そのものは新規顧客を集めることに適していません。他の方法で集客したユーザーでこぼれ落ちてしまった人に対する施策なので、これ一本で新規顧客獲得の施策とすることは無理があります。
ポイント
リマーケティング広告では、広告を配信するターゲットのリスト設定が最重要です。
この設定次第で、ユーザーの受け取り方が、接触回数が多い=好印象、何度もしつこい=不快の両極端になってしまうからです。
リマーケティング広告を行う際には、ECサイト内でもどのページにアクセスしたユーザーが購入意欲が高いのかを考え、設定すると良いでしょう。
リマーケティング広告とは?リターゲティングとの違いや種類を紹介 一度サイトを訪れたがCVに至っていないユーザーに再アプローチするのがリマーケティング広告(リターゲティング広告)広告です。どんな配信種類があり、CPAやCVRを高くするためのポイントをご紹介します。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、その名の通りメールを通して顧客に商品・サービスを購入してもらえるようにマーケティング施策を考えることです。
メールマーケティングには、ステップメールやメールマガジンなどがあり、どちらもECサイトでは欠かせない存在です。
メリット
メールマーケティングのメリットは以下3つです。
- 低コストでインハウス化しやすく、始めやすい
- リピート購入を促しやすく、クレームを減らすことができる
- ロイヤリティの高い顧客を育てることができる
ECサイトにおいて、顧客情報は一般的なオフラインショップよりも手に入れやすく、手に入れた顧客データの活用法として、メールマーケティングが注目されています。
メールマーケティングは分析ツール以外の費用がなく、結果を見てPDCAを回しやすいため、専門的な外部協力会社を入れずとも、低コストでインハウス化しやすいことが最大のメリットです。
メールマーケティングでは、基本的に自社ECサイトで購入した顧客を対象に行うため、購入後すぐや配送後、商品到着1週間後などタイミングを指定して配信することができます。
そのため、商品・サービスやECサイト運営へのクレームを減らしたり、商品のリピート購入を促しやすいのです。
また配信するメール内で、扱う商品・サービスに関する周辺知識を提供することで、ロイヤリティの高い顧客を育てることもできるため、非常に優秀な施策です。
デメリット
メールマーケティングのデメリットは以下2つです。
- リスト作成が難しい
- リストによっては、新規顧客獲得に向かない
メールマーケティングを行うには、メールを送る配信リストの作成が必要です。
配信リストは、一般的に自社ECサイトで一度購入したことのある顧客がほとんどなので、新しくECサイトを立ち上げた場合はリストが少なくなってしまいます。
また、自社ECサイトの顧客をリストとする場合、新規顧客はその中にいないため、新規顧客獲得はできません。
特定のサイトでメールマーケティング用の配信リストを購入すると、新規顧客を獲得することもできますが、残念ながらおすすめはできません。
ECサイトと関係のないリストを購入した場合、登録していないサイトから届いたとのことで、クレームやブランディングの棄損に繋がりかねないからです。
ポイント
メールマーケティングは、注文してから商品を受け取ってしばらくしてまでのフォローや、消費財であればリピート購入の提案、メールマガジンでの商品・サービスに関する周辺知識の提供など、既存顧客を対象に導線を作ると結果が出やすいです。
既存顧客の反応が良ければ、クチコミでアフターフォローが良いと噂になり、間接的に新規顧客を獲得することも見込めます。
戦略や展開の方向性
ECサイトにおけるマーケティングは、ECサイトの役割・機能が幅広いことから、比較的難易度が高いものです。
特徴としては、ECサイト特有のマーケティング知識のみならず、従来のマーケティング知識も必要で、顧客データやECサイトの分析データなど、扱う数字や取得できる数字が多いことが挙げられます。
そのため、中長期の戦略を立て、施策に優先度を付けることは、ECサイトのマーケティングにおいて必要不可欠です。
自社ECサイトの価値はどこにあるのかを起点に、求める成果を出すまでのシナリオを「いつまでに(期限)どこまで(数値)の達成を目指すのか」まで具体的に落とし込むと良いでしょう。
また、ECサイトのマーケティングは複数人で担当するケースがほとんどです。
ですから、定めた戦略・目標を担当者内に浸透させ、その都度報告しあうことも欠かせません。
それぞれの担当者が行っている施策が、定めた戦略や目標のどの部分を担い、その施策を通してどれほどの数字を達成すべきなのかを明確にすると、効果の検証が行いやすく、PDCAが回るようになります。
今回は、ECサイトにおける基本的な戦略を以下4つ紹介いたします。
- カスタマーエクスペリエンス(CX)を高める
- コンテンツマーケティングで店舗や商品の魅力を伝える
- オムニチャネルを目指す
- SNSの有効活用
カスタマーエクスペリエンス(CX)を高める
カスタマーエクスペリエンス(CX:Customer Experience)とは、顧客が体験する価値のことを表ます。
ECサイトにおける「カスタマーエクスペリエンスが高い状態」を簡単に言うと、「顧客が商品・サービスを見つけたその時から、購入後まで満足している状態」です。
近年、ECサイトではカスタマーエクスペリエンスの重要性が高まっています。
EC市場拡大化により、数多くのECサイトが存在する今、その中から自社のECサイトを選んでもらうには、自社ECサイトにしかない「付加価値」を提供する必要があるからです。
カスタマーエクスペリエンスを高めることによる効果は、以下3つの大きなメリットがあります。
- リピート購入が見込める
- クチコミが投稿されやすく、評判が広まる
- 既存顧客が他のECサイトに乗り換えることを抑えることができる
既存顧客へのアプローチもできる他、クチコミの波及で顧客自らが新規顧客を呼び寄せてくれるなど、一度利用してもらった顧客がファン化し、定着化を狙うことができます。
また、自社商品でなく、卸し商品を扱っているECサイトだと、他のECサイトへ顧客が流れることを阻止する効果もあります。
実際にカスタマーエクスペリエンスが高いとされる企業では、Amazonが代表されます。
Amazonのミッションは「地球上で最も顧客第一主義の会社」であり、そのミッション通りカスタマーエクスペリエンス向上に力を入れ、成功している会社です。
Amazonの元CEOであるジェフ・ベゾスは、品揃えが多ければ、顧客は欲しい商品が見つかるためカスタマーエクスペリエンスが高まり、よりAmazonに人が集まり、人が集まるとAmazonで商品を売りたい出品者も集まる、そうすると品揃えが多くなり…とカスタマーエクスペリエンスが高まるビジネスサイクルを作り上げました。
さらにその上、事業そのものが低コスト体質であること、商品価格が低価格であることを追加したため、さらにカスタマーエクスペリエンスが向上しやすいサイクルを生み出したのです。
このように、カスタマーエクスペリエンスを高めると、好循環が生まれ、よりカスタマーエクスペリエンスを高めるサイクルを生み出すことができるのです。
コンテンツマーケティングで店舗や商品の魅力を伝える
コンテンツマーケティングとは、コンテンツ(ブログ・SNSなど)の読者にとって有益な情報を発信することで、信頼関係を得て、見込み顧客として育成し、最終的にファン化させた上で、その信頼関係の元に自社の利益に繋がる行動を促すことです。
現在、コンテンツマーケティングが効力を発するとされているのには、デジタル化によりユーザーが1日に接する広告の量が多くなったことが原因とされています。
Forbesによると、一般的なユーザーは1日に4,000〜10,000もの数の企業広告に触れているとされています。
そのため、昔に比べて広告を通したユーザーのアプローチは難しく、別の方法で自社商品やサービスを知ってもらえないか辿り着いたものが、コンテンツマーケティングなのです。
ECサイトにおけるコンテンツマーケティングのメリットとしては、以下が挙げられます。
- 潜在顧客と接点を持つことができる
- ECサイトの認知度を上げることができる
- 自社のファンを作ることで、ロイヤルカスタマーへと育てることができる
コンテンツマーケティングで潜在顧客と接点を持つことで、今までは知り得なかった顧客ニーズに辿り着き、今後の戦略や施策に生かすことができるのは大きなメリットでしょう。
また、広告費をかけることなく、自社ECサイトの認知度をあげることができたり、ロイヤルカスタマーの育成が行いやすいなどの影響もあります。
実際に、コンテンツマーケティングで店舗や商品の魅力を伝えて、成功したしたECサイトには、「北欧、くらしの道具店」が挙げられます。
北欧くらしの道具店では、ECサイトを「自社商品を販売する場」ではなく、「読者にとって有益な情報を発信し、楽しんでもらう場」に変えたことで、わずか2年で売上が2億を越える偉業を達成しました。
ECサイトを覗いてみると、商品の宣伝の場は少なく、ほとんどが「北欧のような暮らしを行うためのまめ知識」や、「実際に商品を使って暮らしている様子」で、商品を購入しなくても十分に楽しめる内容になっています。
その結果、商品の宣伝をしなくても、コンテンツに触れていると自ずと商品が欲しくなってしまうのです。
このように、コンテンツマーケティングを行い、ECサイトを「読者にとって有益な情報を発信し、楽しんでもらう場」にすることで、商品の宣伝なしに商品を売ることができます。
売上を生むコンテンツマーケティング手法と成功ポイントを解説
オムニチャネルを目指す
オムニチャネルとは、ECサイトだけでなく、顧客との接点(実店舗、アプリ、SNSなど)をそれぞれ連携してアプローチすることです。
例えば、実店舗を持っているECサイトの場合、
- 予約販売の商品だったので、ECサイトで予約し、実店舗で支払いと受け取りを済ませる
- 実店舗に行ったところ在庫がなかったが、ECサイトには在庫があったので、支払いのみを実店舗で済ませて期日自宅に配送
といったように、チャネル(流通経路)を跨いでシームレスに連携し、購入できることを言います。
現在、オムニチャネルが注目されている背景には、テクノロジーの進化によるスマホの普及があります。
スマホの普及により、インターネットが10年前よりもずっと近い存在になり、SNSが発達したことで、ユーザーは情報にアクセスしやすくなり、消費者行動が変化しました。
その結果、企業も消費者行動に合わせた販売戦略が必要とされ、実店舗と自社ECサイトの顧客情報を一つにまとめ、区別をなくし、様々な顧客ニーズに合わせることが求められたのです。
オムニチャネルを採用することのメリットとしては、以下が挙げられます。
- 顧客が欲しいと思ったタイミングを取りこぼすことがない
- 全チャネルで顧客データが活用しやすくなる
オムニチャネルの最大のメリットは、顧客が「いつ」「どこでも」商品を欲しいと思った好きなタイミングで商品を購入できるため、購入の機会損失を防ぐことができることです。複数の販売チャネルが用意されていることで、好きな販売チャネルをその都度選んで購入できる、顧客主導の購入経験が現代において求められています。
また、特に実店舗では顧客情報を取得しづらい傾向にありましたが、オムニチャネル化により、顧客情報が一元化されるため、顧客データが活用しやすくなることも嬉しいポイントです。
実際にオムニチャネルで成功している企業としては、資生堂が挙げられます。
資生堂では、以下3つのチャネルをシームレスに連携させて、顧客にアプローチすることで、オムニチャネル戦略を実行しています。
- 美と健康に関する、企業や専門家と資生堂がコラボした情報サイト「Beauty & Co.」
- 公式ECサイトを兼ねた総合美容サービス「 watashi+」
- 全国の様々な場所にある「実店舗」
「Beauty & Co.」で、美容情報をリード企業や専門家とコラボすることで発信し、美容市場を広げるように働きかけ、総合サイト「watashi+」で商品や店舗の魅力をコンテンツ化し、その後はECサイトで購入、もしくは全国の実店舗で商品を試したり、購入したりするように誘導しています。
このように、様々なチャネルを使って顧客主導の導線を引くことで、顧客の取りこぼしがなくなり、売上の向上に繋がるのです。
SNSの有効活用
SNSの活用については、新規顧客獲得のための集客でも触れましたが、ここでのSNSの有効活用は、顧客との接点を増やしてファン化し、ロイヤルカスタマーを育てることにあります。
スマホの普及により迅速に浸透したSNSは、近年顧客との接点が持てる場として多くの企業に注目されています。
3〜5年前までのSNSの活用と言えば集客目的がほとんどでした。
しかしながら、SNS成熟期の現在は、
- 顧客と直接コミュニケーションを取れる場
- 顧客の投稿による反応の確認
- 既存顧客に限らない幅広い層への情報発信
といった「接点」を重視したSNSの有効活用に重きが置かれています。
SNSの有効活用で、顧客との接点に重きが置かれている背景には、スマホ・SNSの普及による消費者行動の変化が挙げられます。
スマホ・SNSの普及以前までは、AIDMAモデルとされる購買心理の動き方でした。
- Attention:認知
- Intrest:興味
- Serch:検索
- Action:購入
- Share:共有
しかしながら、スマホ・SNSが普及し、購入前にスマホやSNSでクチコミを調べる行動に変化したことで、ULLSSASという購買心理の動き方が提唱されるようになったのです。
- UGC(UserGeneratedContents):認知
- Like:いいね
- Search 1:SNS検索
- Search 2:Googele,Yahoo検索
- Action:購入
- Spread:拡散
つまり、SNSで顧客との接点をしっかり持ち、管理することで、既存顧客へのアフターフォローにも繋がる他、見込み顧客や新規顧客にも良い影響を与えることができるのです。
実際に、SNSの有効活用で成功している企業としては無印良品が挙げられます。
無印良品は「広告よりも”つながり”に投資する」を掲げており、SNSを通して顧客と「人と人」として繋がることをモットーにしています。
そのため、FaceBook、Twitter、LINEなどの多くのSNSを積極的に活用しており、中でもInstagramはフォロワーが270万人、LINEアカウントは400万人と、フォロワーだけで見ても多くの顧客との接点を持っています。
無印良品では、SNSを通した顧客との繋がりの中で、価格やスペックを訴求するのではなく、無印良品の考える理念や共感を伝え、顧客と会話することを重要視しています。
その結果、現代の消費者行動とマッチし、SNSマーケティングの好循環を経て今に至ります。
このように、顧客との接点を大切にすることがSNSの有効活用と言えるでしょう。
商品開発(MD)
ECサイトを運営するにあたって、販売する商品・サービスを考える商品開発(MD:MerchanDiser)は切っても切り離すことはできません。
商品開発はECサイトの要であり、いくらECサイトのマーケティングが得意であったとしても、肝心の商品や商品の魅せ方が良くなければ、結果として売上は上がらないからです。
ここで言う商品開発(MD)では、商品開発〜販売促進を行うことを差します。
また、一般的に商品開発には、商品企画担当者と別で存在することが多く、ECサイト担当者は主に販売促進を担うケースがほとんどです。
ですので、今回は商品開発における販売促進についてをお伝えいたします。
商品開発(MD)において、最も重要なことは、仕入れ担当者(または、商品企画担当者)が、その商品を
- なぜ仕入れてきたか(企画したのか)
- 誰(顧客)に向けての商品なのか
- なぜその顧客にあっていると考えているのか
- 何がその商品の特徴・バリューなのか
- なぜその値段なのか
ECサイト上で正しく表現できるようにすることです。
つまり、サイト上でユーザーにきちんと伝えるための情報や考えをまとめ、EC部門内のすべての人に伝えることが必要になります。
ここでは、そのための手法として以下の内容を紹介します。
- MDカレンダー
- 商品構成、カテゴリーミックス
- 商品マスター
- 商品情報
- 商品のカテゴリーを決定する
- 「関連商品」を選定する
- 商品特集ページの要不要を決める
- 商品の掲載・販売期間を決定する
- EC限定商品の取扱を検討する
- ECの取扱商品の確保と在庫管理を行う
- 在庫切れやリンク切れに対処する
MDカレンダー
ECサイトの戦略・展開の方向性が定まり、目標とEC部門での予算編成が終わり次第、1年間を通して行う施策を考えます。
その際に、扱っている商品・サービスの時期ごとの売れ行きや、販売・仕入れ計画、展開計画を策定します。
一般的に、この1年の計画のことをMD(Merchandising)カレンダー、もしくはMDスケジュールと呼びます。
MDカレンダーには、策定した計画の他、販売促進に役立つ1年間の商戦やイベントなど、
自社ECサイトに関わるすべてのイベントの要素をすべて記載することが大切です。
その後、MDカレンダーを元に1年の目標・計画から、3ヶ月、1ヶ月、1週間と期間を小さくして、その期間ごとの目標を立てます。
そうすることで、複数人で動くことの多いEC部門でも、それぞれのチームやメンバーごとに目標が可視化され、進捗の共有や確認がしやすくなるのです。
ECサイト運営において、商品や商品情報は最も重要と言っても過言ではありません。
その商品・商品情報を、商戦やイベントに合わせてカスタマイズしたり、特設ページを作成するためにも、ECサイトに携わる全員がMDカレンダーを元に動く必要があるのです。
商品構成、カテゴリーミックス
ECサイトにおける商品構成やカテゴリーミックスは、既に実店舗で販売をしている場合や、これから新しくECサイトを作成する場合のどちらでも重要です。
いわゆる品揃えをどうするかは、競合他社に勝てるかどうかに関わってくるからです。
注意する必要があることは、「商品数を増やせば売れる」という勘違いです。
総合ECサイトは別として、単品通販路線の店舗の場合は、商品数を増やしすぎない方が一般的には良いとされます。
商品数を無闇に増やしてしまうと、その分管理などの仕事が増え、商品担当者のリソース不足になってしまいます。
また、商品数が少ない店舗は「少ないながらも厳選した商品を扱う専門店」というプラスのイメージがつきやすいことに対して、漠然と商品数を増やしてしまうと「没個性の大型ECサイト」といったマイナスのイメージがついてしまいがちだからです。
ECサイトでは、専門店型もしくはセレクトショップ型の商品構成・カテゴリーミックスが良いでしょう。
なぜなら、専門店型、セレクトショップ型は、商品の質・量も共に追求して揃えやすく、顧客からのイメージもコントロールしやすい傾向にあるからです。
商品マスター
ここで言う商品マスターとは、主に商品の型番やJANコードことを差します。
商品マスターの登録は軽んじて見られがちですが、オムニチャネルやO2O(Online to Offline)に対応するなどでECサイトから販路を拡大したときに、ロジティクスに大きな影響を及ぼすため、実は重要なものです。
商品マスターに法則性をつけず、1つの商品に対して複数の商品マスタが登録されていたりすると、出荷や梱包作業などロジティクスに影響が出てしまう可能性があります。
そうなってしまうと、配送に余分にコストが生じたり、指定日の配送が間に合わなかったりと、クレーム発生の元となります。
MD担当者は、商品マスター登録のミスを防ぐためにも、登録のテンプレートを作成して登録の際の法則性を定かにし、商品マスター一覧を用意してEC部門で共有できるようにすると良いでしょう。
また、商品マスターが登録できない限り、ECサイトへのアップロードができず、顧客への露出もできないので、機会損失に繋がります。
商品マスターを行う際は、迅速に正確に行う必要があるのです。
商品情報
商品情報、商品ページの情報は、ECサイトにおける売上に最も深く関わる情報です。
商品情報をしっかりと作りこむことで、商品のCVRにも関わってきますし、更にはECサイト自体のSEOにも関わってきます。
商品情報を登録する際に気をつけるポイントは、大きく3つあります。
- 商品画像をしっかりと作り込む
- 購入までの導線を意識した商品情報コンテンツの配置にする
- SPで見たときのデザインを中心に作成し、余力があればPC用のデザインを作成する
ECサイトでは、顧客は実際に商品を手に取って見ることができないため、商品情報内に掲載されている写真を元に購入の判断を下します。
そのため、写真が一番大事だと言っても過言ではありません。
商品画像は、顧客が購入を検討する際に必要な情報は何かを考え、その情報から必要な画像を逆算して用意しましょう。
また、商品写真のクオリティは高ければ高いほど良いです。
カメラマンに依頼し、ECサイト掲載用の商品画像を撮ってもらうようにしましょう。
また、商品情報コンテンツは顧客が購入を検討する導線に沿って掲載する必要があります。
欲しい情報をまとめて、わかりやすく掲載することも大切ですが、どの順番で情報を出していくかも同じだけ大切なのです。
その他、ECサイトは多くの方がスマホで閲覧するため、スマホ中心のデザインを心がけましょう。
パソコン向けのデザインは、閲覧がスマホに比べてあまりないため、余力があればで結構です。
商品のカテゴリーを決定する
商品のカテゴリーは、ECサイトにおいて顧客への魅せ方や誘導方法として重要です。
一般的に、ECサイトでは商品ページの導線作りで、コンテンツページや商品カテゴリーページから商品の誘導行います。
顧客に商品を購入してもらうには、適切な商品ページへ誘導することが大切です。
顧客がほしい商品をハッキリと自覚している場合、適切な商品ページへの誘導はストレスなく行う必要があります。
もし、この適切な商品ページへの誘導がうまく行われていなければ、どこを辿ればお目当ての商品に行き着くかがわからず、ストレスを与えてしまい、結果として離脱してしまうからです。
また、欲しい商品が漠然としている顧客の場合は、ECサイトのページを通してこちらからサジェストし、欲しいであろう商品を見つけてもらうよう工夫しなければなりません。
- あいまい検索で見つかるよう、特定キーワードでの登録
- ブランド名での登録
- 価格帯での登録
- サイズ、カラーなどでの登録
- 用途での登録
取り扱っている商品にも寄りますが、具体的には上記のような切り口で商品を登録すると、欲しい商品が漠然としている顧客にも、上手く商品を探してもらえやすいです。
「関連商品」を選定する
前述した商品カテゴリー以外で、顧客に商品を誘導する方法の1つに関連商品があります。
特にECサイトにおいて、関連商品は商品のアップセル・クロスセルに繋がるサジェストなため、抜かりなく登録しておきたいものです。
アップセルとは、現在検討中の商品を上位モデルに切り替えて購入してもらうこと、クロスセルとは現在検討中の商品と一緒に、別の商品も購入してもらうことです。
ECサイトの売上は「アクセス数 × CVR × 顧客単価」で表すことができ、関連商品はこの「顧客単価」の部分に関わるので、上手く関連商品を設定できると、売上の向上が見込めます。
関連商品の選定方法は、初めはMD担当者の仮説に基づいて設定をし、ECサイトのデータをある程度集めることができれば、そのデータから仮説を検証すると良いでしょう。
実際にECサイトの運営をしていると、意外な組み合わせがあったりするものです。
シャンプーとコンディショナー、ファンデーションと下地というような一般的な関連商品の登録も大切ですが、自社EC特有の関連商品も見つけることができれば今後の施策にも活用できます。
ECサイトのアップセル・クロスセルに繋がるレコメンド機能については、下記のブログをご覧ください。
レコメンドエンジンとは?仕組みと機能おすすめサービスを紹介
商品特集ページの要不要を決める
商品ページへの誘導方法には、商品カテゴリー、関連商品がありますが、こちらの商品特集ページも忘れてはいけません。
商品特集ページとは、商戦やイベントごとに特設された特集ページや、その他自社ECサイト内で企画したキャンペーン、よく購入されている組み合わせ商品についてなど、様々なものが考えられます。
より具体的な例を出すと、「母の日プレゼント特集」や「クリスマス特集」、「対象商品2点以上購入で20%キャンペーン」などのページが挙げられます。
特集ページを作成するか否か、そしてその時期やページの作り込みに関しては、MDカレンダーを作成する際に決めておくべき内容です。
特集ページは簡単に作成することもできますが、マーケティング施策やSNSキャンペーンと絡めて行う場合、大掛かりなページになってしまいがちです。
あまり特設ページを増やしすぎると、コストがかかってしまうことはもちろんのこと、ECサイト内での遷移が増えることで顧客の離脱も増えるので、あまり好ましくありません。
特設ページの作成に関しては、思いつきで実行せずに、慎重に検討して行う必要があります。
商品の掲載・販売期間を決定する
商品の掲載・販売期間は、新しく商品を販売する場合や、季節に左右される商品を販売する際は、入念に考えて決定すべき事項です。
新しく商品を販売する場合、商品を予約販売するか、ECサイトで先行発売するか、それともEC・実店舗共に同時発売するかなどを決めておく必要があります。
自社ECサイトをAmazonや楽天などの各種モールに構えている場合は特に、予約販売や販売開始の時期がモールのイベント時期と被っていないかなど、気をつける事項が多くなります。
また、季節商品の場合は、一番良い季節までに顧客に届けるため、少し早い時期からの販売となるので、スケジュールの調整が必要です。
例えば、クリスマス商戦に参加する場合、クリスマスまでに間に合うように、遅くても11月頭ごろには販売開始しておきたいところです。
なぜなら、顧客がプレゼントを購入する時期は12月に入ってからかもしれませんが、それまでに顧客が行う情報収集や、メディアがクリスマス商戦を取り上げる時期は、10月中旬〜11月中旬だからです。
このような、商品の掲載・販売期間については、MDカレンダーを参考に、顧客の手元に届けたい時期や顧客行動から逆算して算出しましょう。
EC限定の取り扱いを検討する
取り扱っている商品が既にAmazonや楽天などの大手総合ECモールで取扱がある場合、自社ECサイト限定の取扱商品を検討することをおすすめします。
GMOシステムコンサルティング株式会社が行った「D2Cサービスを利用する消費者調査」の資料によると、通販会社の公式ECサイトで商品を購入する理由の1位は「限定商品があるから」だったようです。
その資料によると、消費者はEC・通販会社の公式ECサイトと、Amazonや楽天などの大手総合ECモールを使い分けているとのことです。
既に他ECサイトで取扱がある商品を扱う場合は、自社ECサイトを選ぶわかりやすい理由があった方が、顧客に自社ECサイトを利用してもらいやすいのでしょう。
しかしながら、実店舗を持っている、自社オリジナルの商品を扱うECサイトの場合は、ECサイト限定商品の用意は注意深く検討した方が良いそうです。
そもそも自社でしか扱っていないオリジナル商品の場合、まったく同じ商品を扱う競合がいないため、ECサイト限定商品を用意したところで、その商品が売れるかどうかわからないからです。
売れるかわからない商品を扱うのであれば、既に売れていたり、売れる可能性のある商品を置いた方が良いので、オリジナル商品を扱っている場合は検討が必要です。
ECの取引商品の確保と在庫管理を行う
ECの取扱商品の確保について、実店舗で既に販売されている商品の場合、ECサイトで販売する許可を得る必要があります。
例えば、卸売りを行っている企業がECサイトで自社商品を売りたいと考えている場合、今まで商品を卸していた店舗に許可を取る必要があります。
卸売りを行っていた企業が、直接ECサイトで販売すると、商品を卸している実店舗よりも安く商品を売ったり、その影響で卸していた実店舗の販売が奮わなくなってしまう可能性があるからです。
具体的に、ECサイトでの販売の許可が降りないケースは以下が挙げられます。
- ブランドイメージが崩れてしまう恐れがあるため、自社ECサイト以外での販売は許可していない
- 卸売りで手に入れた商品の、ECサイトを通した二次販売を許していない
- ECサイトで売らないことを信条にしている
また、在庫管理については、在庫を切らしてしまうと顧客が欲しいタイミングで商品を届けることができないため、大きな機会損失に繋がります。
在庫管理はECサイト運営において、必ずハンドリングしたい要素です。
商品を販売してすぐは、在庫がどのくらいのペースで出るかわからないため、毎日在庫を確認するようにしておくと良いでしょう。
在庫切れやリンク切れに対処する
前述した通り、在庫切れは大きな機会損失に繋がります。
在庫にしきい値を設定し、ある一定数を下回ったタイミングでメールやデスクトップ通知が来るようにしたり、エクセルやスプレッドシートで在庫管理予測シートを作成したりするなどで、在庫切れが起こる前に在庫を補充できるシステム作りを行いましょう。
また、画像やサイト内部の遷移リンク切れは、必ず避けたいものです。
在庫切れは比較的気がつきやすい項目ですが、リンク切れは意識して確認していない限り、かなり時間が経った後に気づくことが多いからです。
リンク切れには、以下の2つのパターンが存在します。
- 商品マスターの登録や、商品ページの作成が間に合わなかった場合などの、準備不足が原因の場合
- 完売で商品の掲載を辞めたり、期間が終了したことで閉じてしまった特集ページなどのリンクが残ってしまった、オペレーションミスの場合
これらを避けるためには、定期的なECサイトの巡回をする他ありません。
リンク切れは顧客のイメージを下げ、SEOを下げる原因にもなります。
絶対に避けたいミスですが、人が作業する以上、人的ミスの発生は拭えません。
ですから、1日・2日置きにでもECサイト内部を巡回し、きちんと正常にECサイトが稼働しているか確認することで、万が一のミスにも対応できるようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、ECサイトを運営のよくある悩みと解決方法についてご紹介しました。
ECサイトの運営を行う担当者が課題に感じている悩みは、
- 1位 新規顧客の獲得や集客方法
- 2位 戦略や展開の方向性
- 3位 商品開発(MD)
で、特に1位の「新規顧客の獲得や集客方法」に関しては、実に59.7%もの通販・EC事業者が悩んでいるとのことでした。
なお、それぞれの悩みに対する解決方法は以下のように紹介いたしました。
新規顧客の獲得や集客についての解決方法
- SEO対策
- リスティング広告
- SNSの活用
- アフィリエイト広告
- リマーケティング(リターゲティング)広告
- メールマーケティング
戦略や展開の方向性についての解決方法
- カスタマーエクスペリエンス(CX)を高める
- コンテンツマーケティングで店舗や商品の魅力を伝える
- オムニチャネルを目指す
- SNSの有効活用
商品開発(MD)についての解決方法
- MDカレンダー
- 商品構成、カテゴリーミックス
- 商品マスター
- 商品情報
- 商品のカテゴリーを決定する
- 「関連商品」を選定する
- 商品特集ページの要不要を決める
- 商品の掲載・販売期間を決定する
- EC限定商品の取扱を検討する
- ECの取扱商品の確保と在庫管理を行う
- 在庫切れやリンク切れに対処する
ECサイト担当者は業務範囲が広く、忙しいことが多い為、悩みと課題に向き合う時間を持てないケースも多くあります。
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