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2021.04.09 (公開: 2021.04.06)

リスティング広告の予算設計の考え方を解説。初期設定とこまめな運用がポイント

リスティング広告の予算設計の考え方を解説。初期設定とこまめな運用がポイント

リスティング広告は、自社の予算や目標に合わせて費用を自由に設定できる広告システムです。最低出稿金額の決まりがないため、自社で独自に出稿する場合は好きな金額で始められるという利点があります。

しかし、費用設定の自由度が高いからこそ、予算設計が難しいポイントになるのもまた事実です。リスティング広告の運用にかかる費用をロジカルに理解することが、適正な設定を行うポイントとなります。

この記事では、リスティング広告の予算設計時に考えるべきことをまとめています。費用計算に必要な一連のステップや、費用対効果を高めるポイントなどを頭に入れておきましょう。

リスティング広告で必要な予算項目

リスティング広告で必要な予算項目

リスティング広告の出稿時かかる費用には、複数の種類があります。自社で出稿する場合と、広告代理店に依頼する場合とでかかる費用項目や全体の予算額が異なります。まずは各費用の内容を確認し、自社のリスティング広告出稿にどの費用が必要になるかを確認してみてください。

広告費

広告費は、リスティング広告の出稿時に必ず発生する費用です。広告費とはGoogleやYahoo!などの広告媒体に直接支払うお金のことをいいます。

リスティング広告はクリック課金制の料金システムです。支払は広告管理画面から事前に予算を入金しておき、残高がなくなるまで広告表示する仕組みとなります。

このときの入金金額は自由に設定できます。最低出稿金額がないため、自社の予算に合わせて広告費の予算を決めてください。広告代理店にリスティング広告の出稿を依頼する場合は、広告費を代理店に預け、代理店から出稿先へ支払ってもらうケースが多いです。

初期費用

広告代理店にリスティング広告の出稿を依頼する場合は、初期費用がかかることが多いです。広告の初期設定や広告の制作を代行してもらうための費用となります。

ただし、自社が提示する予算によっては初期費用不要で相談に応じてくれる会社もあります。まずは見積もりや問い合わせなどで、詳しい費用について確認してみましょう。

自社でリスティング広告を出稿する場合初期費用は一切必要ありません。

運用代行手数料

運用代行手数料も、広告代理店にリスティング広告の運用を任せるときに必要な費用です。自社で運用する場合には必要ありません。

リスティング広告を継続的に運用していくには、広告設定の調整やデータの分析・調査などが必要です。このような運用業務を代行してもらうための費用が運用代行手数料となります。

リスティング広告の運用代行手数料は、広告費にかける金額の20%程度が相場とされています。この相場はあくまでも目安です。金額や形態は代理店によって異なり、手数料を固定額で定めている場合もあります。

その他

リスティング広告で成果を伸ばすには、ランディングページの作りこみが必要になる場合や、HPの改修をしなければならないケースもあります。広告リンクがクリックされても、ランディングページがイマイチだったり、HPの構造が使いにくかったりするとコンバージョンにつながり難くなるためです。

ランディングページ制作やHP改修をプロに依頼する場合は、そのための費用がプラスしてかかることを念頭に置いておきましょう。

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リスティング広告の予算を考えるステップ

リスティング広告の予算を考えるステップ

リスティング広告の予算を計算するのに必要なステップを確認しましょう。広告予算は、成果目標から逆算して導き出すのが一般的です。ここでは、自社の目標設定から広告予算を割り出す方法を紹介します。

ここで紹介する方法以外にも予算設定のやり方はありますが、まずはもっとも一般的な方法を理解しましょう。

1.目標設定をする

まずは、リスティング広告の成果として求める目的を明確にしましょう。

  • 自社サイトから商品やサービスの購入数を増やす
  • 自社への問い合わせや資料請求を増やす
  • 商品やサービスを広く認知させたい

このように、各企業ごとにリスティング広告を使って達成したい目的があると思います。この目的に対し、具体的な「数値目標」を出してみましょう。

売上に直結する購入や申し込み、またはその入口となる可能性の高い問い合わせや資料請求などを目的にする場合、目標CV数として定めるのが一般的です。出稿前には、まずはリスティング広告経由でどれだけのCVを獲得していきたいかの「目標数」を決めます。

2.目標に必要なクリック数を導く

続いては、1で決めた目標CV数を達成するために必要なクリック数を算出します。自社における現時点のCV数を、顧客がサイトを訪問した数を示すセッション数で割り、CVRを求めましょう。

CVRとはコンバージョン率(顧客転換率)のことで、自社サイトを訪問した人のうちどのくらいの割合でCVにつながったかを示す値です。

【CVR=現在のCV数 ÷ セッション数】

現在のCVRの値を使って、目標CVを達成するために必要なクリック数を導き出します。CVRの値は平均で1~2%といわれているため、ここではCVRを1%、目標CV数は20件と仮定して考えてみましょう。

【20(CV)÷ 0.1(CVR)=2,000】

CVRの値が1%のとき、1件のCVを達成するためには100人がサイトを訪問する必要があります。100人の訪問者のうち1件がCVにつながる場合、CV目標を20件まで引き上げるには2,000人にサイトを訪問してもらう必要がある、ということがわかります。

リスティング広告では「サイトの訪問者数=広告のクリック数」になるため、今回の計算式の例では目標CVを達成するのに必要なクリック数は2,000回となります。

3.求めるクリック数にクリック単価をかけて概算を出す

目標CVのために必要なクリック数がわかったら、この数にクリック単価の金額をかけて広告費用の概算を出します。

【広告費用の概算=クリック数 × クリック単価】

クリック単価は広告のジャンルごとに異なりさまざまな価格帯がありますが、ここではわかりやすく100円と仮定します。

【2,000(クリック数)×100(クリック単価)=200,000(広告費用)】

必要なクリック数が2,000回でクリック単価が100円の場合、広告費用の概算は20万円と見積もりを出すことができました。

4.予算が適正かどうか見極める

3で導き出された概算の広告費用が、自社の経営にとって適正かどうかをチェックしましょう。費用の適正はCPAやROASの概念を用いて考えるとよいです。

CPAは、1件のCVにかける広告費用を指します。

【CPA=広告費用 ÷ CV数】

CPAが商品やサービス1件あたりの損益分岐点を超えていないかどうかを確認してみましょう。損益分岐点とは売上の黒字と赤字を分ける境界点で『売値‐商品コスト』によって算出できます。

5,000円の商品を、生産コスト2,000円で作っている場合の損益分岐点は『5,000‐2,000=3,000』で3,000円となります。CPAが損益分岐点の3,000円を越えてしまうと広告費がかかりすぎている状態だと判断できます。

またROASとは、投資した広告費に対して売上がどの程度立ったかをパーセンテージで示す値です。ROASを使えば、トータルの広告費用を大きな視座でチェックできます。

【ROAS=広告からの売上 ÷ 広告費用 × 100%】

ROASの値が高いほど、広告経由での売上が多く出ていることがわかります。リスティング広告の貢献度を数値で判断できるようになるのです。ただし、ROASの値とともに粗利がしっかり出ているかどうかも同時に確認する必要があります。

粗利の中で広告費が占める割合を見定めましょう。売上に対する広告費の適正な割合はジャンル毎に差があるものの、1~20%に留めるのが重要です。

また、他の広告との比較をしながらリスティング広告の予算が適正かを見てみるのもよい方法です。複数の広告手法を使う場合には、リスティング広告に充てる費用が他の広告費用を圧迫しないかどうか確認しておきましょう。

導き出した広告予算が適正でない場合は、クリック単価を抑えたり、キーワード選定時に低い単価のキーワードを選ぶなどの対策をとれば調整可能です。

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リスティング広告の予算設計で考えておくべきポイント

リスティング広告の予算設計で考えておくべきポイント

リスティング広告の予算設計にプラスして、事前に準備しておくことで効率的な運用につながるポイントも知っておきましょう。広告の出稿後は、CTRやCVなどのデータを分析しながら、設定の調整を継続的に行い運用することが求められます。

限られた予算の中で、費用対効果の高い運用をするために考えておくべきポイントを確認しておきましょう。

CPAなどの撤退ラインを決めておく

無駄な広告費を使わないために、CPAの撤退ラインをあらかじめ決めておくとよいでしょう。

リスティング広告を実際に配信してみると、CPAが想定より高くついてしまったり、目標CVを達成できないなどの不測の事態が起こることも考えられます。思うような成果につながらないまま、同じ設定で広告配信し続けるのは避けるべきです。

CPAの値をこまめにチェックし、広告配信を撤退する基準値を決めておきましょう。撤退するラインは『予算が適正かどうか見極める』の項目でお伝えした損益分岐点を参考にし、許容できるCPAの値を決めてください。

予算運用を柔軟に考えておく

リスティング広告の運用時は、クリック単価やCPA、CVRなどの各数値が想定からズレてしまうことが多々あります。このとき、広告予算に余裕がないと効果がないまま出稿期間を終了し、無駄な経費を消費してしまうことになりかねません。

最初の予算設計の段階では、ある程度余裕をもたせた計画を立てておきましょう。実際の結果に多少のズレがあっても、予算に余裕があれば運用しながら細かく調整を行い、予算配分を変えることも可能です。柔軟に対応できるよう、ギリギリの予算設計にしないよう注意してください。

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予算の運用・管理のポイント

予算・運用管理

リスティング広告は、出稿後も継続的に予算を運用、管理していくことが求められます。出稿したまま放置してしまうと、予想以上に早く予算を消費したり、広告効果を得られなかったりするリスクがあるのです。

ここでは、リスティング広告の予算運用と管理における大事なポイントを解説します。

日予算・月予算を設定し余裕を持たせておく

リスティング広告では、日毎・月毎の予算を設定できます。ひとつのキャンペーンにつきいくらまでの広告費を使うか、日や月毎に定める設定です。設定していない場合、残高がなくなるまで予算を使い続けるため、想定以上の費用がかかってしまうおそれがあります。

1日あたりの予算上限はあくまでも目安です。検索数や表示機会の増減などにより、1日の予算を越えて広告配信する日もあるため、1日あたりにかかる実際の広告費にはバラつきがあります。

月予算は、1日の広告費 × 月の平均日数(30.4日)で計算します。システム上、月予算で設定した上限金額を大きく超えないよう自動で分配される仕組みになっているのです。ただし、月予算も日予算同様に目安の上限額となっているため、設定した予算額を実際の広告費が越える場合もあります。

予算をすべて消化した時点で広告配信はストップし、PRの機会損失となってしまうこともあるため、予算設定には若干の余裕を持たせておくとよいです。

PDCAを回すことを前提として運用する

リスティング広告は、出稿後も改善を繰り返しながら少しずつ費用対効果を高めていく広告手法です。広告パフォーマンスを改善するには、キーワードの再検討や広告文の変更などが必要になります。

また、予算分配の見直しも重要です。実際の広告パフォーマンスが良好でCVにつながりやすいキーワードには予算を多めにかけ、効果を加速させることもできます。限られた予算を、どのキーワードにどのくらい分配するかの費用管理も改善を繰り返していくべきポイントです。

リスティング広告を初めて出稿する場合、初月から多くの予算を投資するのはリスクが高いので注意してください。最初は余裕をもたせた予算設計を組み、広告パフォーマンスのデータを取りながらテストしていきましょう。PDCAを繰り返し、CPAやCTRの値がよくなってきたところで広告予算を多めに分配するなど慎重に進めるとよいです。

残高・進捗をこまめに確認する

リスティング広告を手動入金の設定にしている場合、残高がすべて消費されると広告配信がストップされます。知らぬ間に広告が止まってしまうことがないよう、残高はこまめに確認しましょう。

自動入金に設定している場合でも、予算額と実際にかかっている広告費に大きなズレが生じていないか確認する必要があります。

また、広告パフォーマンスの進捗状況もこまめに確認してください。予想以上にCPAが高騰する、そもそもCVが発生しないなど、課題は必ず出てきます。最初の予算設計や広告設定ももちろん大切ですが、その後の経過観察が効果的な運用の要となるでしょう。

リスティング広告は、広告設定を柔軟に変更しながら運用できるのが利点です。実際の広告パフォーマンスの結果に応じて、費用の増額や予算分配の変更、撤退などの設定変更を行いPDCAを回していきましょう。

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まとめ

リスティング広告の費用設定は大雑把にせず、適正な予算設計のもと運用していくのが重要です。まずは企業ごとに必要な費用項目を明確にし、詳細な金額はロジカルに考える必要があります。出稿から運用までに確認しておきたい各ポイントを押さえつつ、分析と改善を繰り返していきましょう。

ここで解説したすべてのステップは、リスティング広告運用のプロフェッショナルに任せることも可能です。専門家の知見と作業効率によって、成果目標達成のスピードも早まる可能性があります。リスティング広告の出稿作業の中でも予算設計は複雑な要素が多いため、プロの代行業者へ依頼するのも選択肢のひとつです。

ニュートラルワークスには、大手広告代理店で実績を積んだ優秀なコンサルタントのみが在籍しています。大規模アカウントの運用経験を存分に活かし対応させていただきます。広告運用でお悩みの方には無料相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

著者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社にて起業。株式会社オプトなど複数のIT企業にてWebマーケティングを学び、2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスにジョイン。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。また、ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントを運用していたこともあるので、Webビジネス全般を守備範囲としています!