この記事のポイント
この記事でおさえておきたいポイントは以下です。
-
GA4に必要な初期設定
-
データ保持期間をデフォルトの2カ月から最大14カ月に延長すると、長期間にわたるデータトレンドと分析が可能になります。また、IPフィルタリングオプションを使用して、特定のIPアドレスを除外することでより正確でクリーンなデータを確保できます。
-
GA4のレポートで各指標を確認する方法
-
ページビュー指標:「レポート」→「行動」→「サイトコンテンツ」
セッション指標:「ユーザー」→「ユーザーの概要」
ユーザー属性指標:「ユーザー」→「デモグラフィック」or「地理」 -
探索(カスタムレポート)の基本的な使い方
-
探索機能を使う際は、まず変数のタブを開いて分析に利用したいセグメント、ディメンション、指標を選択し表示させ、探索画面の設定セクションで行と列に表示させたいデータポイントを設定します。
GA4(Google Analytics 4)は、Webサイトやアプリのユーザー行動を詳細に分析できる最新のアクセス解析ツールです。従来のUAは2023年7月にサービスを終了し、GA4への移行が必須となりました。しかし、UAとはデータ計測の仕組みやレポートの構成が大きく異なるため、「どのように使えばよいのかわからない」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、GA4の基本から応用までを詳しく解説し、自社での効果的な運用方法を紹介します。初期設定やレポートの活用方法、イベントの設定、さらには運用のポイントまで網羅しているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
【使い方の前に】GA4で何ができる?

GA4(Google Analytics 4)は、Webサイトやアプリのユーザー行動を分析する最新のアクセス解析ツールです。従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは異なり、イベントベースのデータ収集を採用し、ページビューだけでなくクリックやスクロールなどの細かいアクションも計測できます。
さらに、AIを活用したインサイト提供や、Webとアプリの統合分析が可能で、ユーザーの動きをより詳細に把握できます。プライバシー規制にも対応しており、Cookieに依存しないデータ収集が強化されています。GA4を導入することで、より正確なユーザー分析やマーケティング施策の最適化が可能となるため、今後のWeb運営において欠かせないツールといえるでしょう。
GA4とUAの違い

GA4とUAの違いは以下の通りです。
項目 | Google Analytics 4(GA4) | ユニバーサルアナリティクス (UA) |
---|---|---|
データ計測方式 | イベントベース | セッションベース |
ユーザー識別 | ユーザーID・機械学習による識別 | Cookieによるトラッキング |
分析対象 | Webサイト+アプリ | Webサイトのみ |
レポート機能 | カスタマイズ可能な探索レポート | 固定レポート中心 |
データ保持期間 | 最大14か月(標準設定) | 最大26か月 |
プライバシー対応 | Cookieレス対応・機械学習補完 | Cookie依存が強い |
イベント計測 | 自動計測(一部イベント) | 手動設定が必要 |
GA4とUAの最大の違いは、データ計測の方法にあります。UAは「セッション」を基準にページビューや滞在時間を分析するのに対し、GA4は「イベントベース」でユーザーの行動を細かく記録します。そのため、クリックやスクロール、動画再生などのアクションを詳細に追跡でき、より深いユーザー理解が可能です。
また、GA4はWebサイトとアプリのデータを統合して分析できるため、複数のプラットフォームをまたいだユーザー行動の把握に適しています。さらに、Cookieへの依存を減らし、機械学習を活用したデータ補完が行われるため、今後のプライバシー規制にも対応しやすくなっています。
レポート機能も大きく変わり、UAのような固定レポートに頼るのではなく、GA4では「探索レポート」を活用し、自由度の高いデータ分析が可能です。これにより、より柔軟で詳細なマーケティング施策の検討ができるようになります。
【GA4の使い方①】初期設定をする
GA4に必要な初期設定には、下記の項目があります。
- データ保持期間を延長する
- IP除外設定を行う
- クロスドメインを設定する
それぞれについて解説します。
データ保持期間を延長する
GA4では、デフォルトで2カ月に設定されているデータ保持期間を最大14カ月まで延長できます。この設定を有効にすることで、長期間にわたるデータのトレンド分析が可能になり、より精度の高いユーザー行動の把握ができます。
データ保持期間を延長することで、時間をかけた行動パターンの分析や市場動向の把握ができ、長期的な戦略立案やトレンドの予測に役立ちます。設定は管理画面の「データ設定」>「データ保持」から簡単に変更でき、年間を通じたマーケティング活動や季節ごとの変動を理解するうえで重要な役割を果たします。
IP除外設定を行う
IP除外設定を行うことで、社内からのテストアクセスや従業員の訪問が統計データに影響を与えるのを防ぎ、より正確なデータを確保できます。特に、内部アクセスが多い大企業や、開発者が頻繁にサイトを訪問する環境では、この設定を適用することで、実際のユーザーの行動を正しく把握できます。
設定は、管理画面の「データストリーム」セクション内の「IPフィルタリング」オプションから簡単に行えます。これにより、外部のユーザーデータに基づいた正確な分析が可能になり、マーケティング戦略やWebサイトの改善において、より信頼性の高い意思決定ができるようになります。
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クロスドメインを設定する
クロスドメイン設定を行うことで、ユーザーが複数の関連ドメインを移動する際の行動を一貫して追跡でき、サイト全体のユーザー体験を正確に把握できます。
ビジネスによっては、サブドメインの運用やキャンペーン専用の別ドメインを使用することがあります。その場合、この設定を適用することで、ユーザーの行動を正しく計測し、どのドメインが最も成果に貢献しているかを把握できます。
設定は「データストリーム」>「詳細設定」から簡単に行え、複数のドメインをまたぐユーザー行動を途切れることなく記録できます。これにより、サイト全体の効果的な改善点を見つけ、統合的なマーケティング戦略を策定するためのデータを得ることができます。
GA4で正確なデータを収集するためにも、使用前に必ず初期設定を行い、適切に適用することが重要です。
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【GA4の使い方②】画面の構成を把握する

GA4の管理画面には、データ分析や設定を行うためのさまざまなメニューが用意されています。それぞれの項目を正しく理解し、適切に活用することで、より効果的なサイト分析やマーケティング施策の最適化が可能になります。ここでは、GA4の主要な項目について解説します。
項目 | 概要 | できること | 主な利用シーン |
---|---|---|---|
ホーム | GA4のダッシュボード画面。主要なデータの概要が表示される | 直近のアクセス状況、主要な指標、トレンドの確認 | サイトのパフォーマンスを素早く把握したいとき |
レポート | 事前に用意された標準レポートを確認できる | ユーザー属性、トラフィックソース、行動分析などを閲覧 | Webサイトやアプリの利用状況を定期的に確認するとき |
探索 | カスタマイズ可能な詳細分析ツール | フィルタやセグメントを活用し、自由なデータ分析が可能 | 特定のユーザー行動やコンバージョンの要因を深掘りしたいとき |
広告 | 広告キャンペーンの成果を測定するセクション | Google広告や他の広告プラットフォームのパフォーマンス分析 | 広告の効果を測定し、改善策を検討するとき |
設定 | GA4の基本設定を管理する画面 | データ収集やイベントトラッキングのカスタマイズが可能 | データ収集のルールを変更したいとき |
管理 | プロパティやアカウント全体の設定を行う | 権限管理、データストリーム設定、データ保持期間の設定 | アカウントの権限変更やデータ管理の方針を決定するとき |
ホーム

GA4のホームは、ユーザーが最初にアクセスするダッシュボードです。ここでは、ユーザー数、セッション数、コンバージョン率などの主要な指標を一目で確認できます。
また、ホームでは、Webサイトやアプリのパフォーマンスを日々素早く把握するのに役立ちます。さらに、直感的なインターフェースが採用されており、重要なデータポイントをわかりやすく表示することで、迅速な分析や意思決定をサポートします。
レポート

レポートセクションは、GA4の中核となる機能で、ユーザー行動を詳細に分析できます。ここでは、ユーザーのデモグラフィック情報や行動パターン、コンバージョンパスなど、多角的なデータを確認できます。
ビジネス目標の達成度やキャンペーンの効果を詳細に把握するために欠かせない機能です。サイトユーザーの行動を分析し、その結果を基にUXの改善やマーケティング戦略の最適化を図ることができます。
さらに、カスタムレポート機能を活用することで、特定のビジネスニーズに応じた柔軟なデータ分析が可能になります。
探索

探索セクションは、より高度な分析を行うためのツールを提供する機能です。ここでは、複雑なデータセットを自由に分析し、カスタムセグメントの作成やデータポイント間の関連性の可視化が可能です。
この機能を活用すれば、特定のユーザー行動やパフォーマンストレンドを深く掘り下げ、ビジネス課題の解決に役立てることができます。
また、特定のユーザーセグメントがサイトやアプリとどのように相互作用しているかを把握し、データに基づいたマーケティング戦略の最適化が可能です。複雑なデータ分析を通じて、より効果的な施策を立案し、ビジネス成果の最大化を目指せます。
広告

GA4の広告セクションは、広告キャンペーンのパフォーマンスを追跡・分析するための機能です。ここでは、クリック数、インプレッション、コンバージョン、広告費用対効果(ROAS)などの主要な指標を確認できます。
これにより、広告の成果を評価し、投資対効果(ROI)を最適化するための重要なデータを得られます。キャンペーンの効果を測定し、予算配分を最適化することで、全体的なマーケティング戦略の改善に活用されることが多いです。
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設定

GA4の設定セクションでは、アカウントやプロパティの管理を行い、トラッキングコードの設定、データフィルタリング、目標設定、ユーザー管理などを調整できます。このセクションは、データ収集の方法やレポートのカスタマイズを含め、アカウントの詳細な構成を設定するための重要な機能を備えています。
また、データのプライバシーやセキュリティに関する設定もここで管理でき、ビジネスの変化に応じた調整が必要な場面や、データの安全性を維持するための定期的な見直しにも活用されます。
管理

GA4の管理セクションは、アカウント全体を統括し、重要な設定を行う中心的な機能です。新しいプロパティの作成や設定、ユーザー権限の管理、データストリームの追加・設定などを管理できます。
新しいWebサイトやアプリをGA4に追加する際や、組織内の異なるチームやユーザーに適切なアクセス権を割り当てる際に不可欠です。長期的なアカウント管理とメンテナンスを担い、組織全体のデータ戦略を一貫させるための重要な役割を果たします。
GA4(Googleアナリティクス4)とは?導入方法とUAとの違いを解説
Googleアナリティクス4(GA4)は、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)から進化した最新の解析ツールです。GA4の主要な特徴や導入手順、UAとの違いについて詳しく解説しています。
【GA4の使い方②】レポートで各指標を確認する

GA4のレポート機能では、ユーザーの行動やアクセスデータを詳細に分析できます。トラフィックの流れやコンバージョンの状況を把握し、サイトやアプリのパフォーマンス向上に役立てましょう。
ここでは、GA4のレポートについて、以下の指標の見方や活用方法を解説します。
- ページビュー
- セッション
- ユーザー属性
- テクノロジー
- クロスデバイスユーザー
- 流入経路
- エンゲージメント
指標名 | レポートでの場所 | 指標の説明 | 指標を知ることで得られること |
---|---|---|---|
ページビュー | 「エンゲージメント」レポート内 | ユーザーが閲覧したページの総数。1人のユーザーが同じページを複数回閲覧した場合もカウントされる | 人気のあるコンテンツを把握し、ユーザーの関心が高いページを特定できる |
セッション | 「ライフサイクル」>「集客」レポート内 | ユーザーがサイトやアプリを訪問し、一定時間内に行った操作 | サイトの訪問頻度やトラフィックの変動を分析し、集客施策の効果を評価できる |
ユーザー属性 | 「ユーザー」>「ユーザー属性」レポート内 | ユーザーの年齢、性別、興味関心、地域などの情報を表示 | 主要なユーザー層を特定し、ターゲティングやマーケティング施策に活用できる |
テクノロジー | 「ユーザー」>「テクノロジー」レポート内 | ユーザーが使用しているデバイス、OS、ブラウザなどを表示 | ユーザー環境を把握し、最適なデザインや機能改善の参考にできる |
クロスデバイスユーザー | 「ユーザー」>「クロスデバイス」レポート内 | ユーザーが異なるデバイス(PC・スマホ・タブレットなど)間でどのように移動しているかを分析 | マルチデバイスでの行動を理解し、一貫したユーザー体験を設計できる |
流入経路 | 「ライフサイクル」>「集客」レポート内 | ユーザーがどの経路(検索・SNS・広告・リファラルなど)からサイトに来たかを分析 | 効果的な集客チャネルを把握し、広告やSEOの最適化に役立てられる |
エンゲージメント | 「エンゲージメント」レポート内 | ユーザーがどの程度サイトやアプリを利用しているかを示す指標(スクロール、クリック、コンバージョンなど) | ユーザーの関心度やコンテンツの効果を評価し、改善の方向性を見極められる |
ページビュー
GA4の「ページビュー」は、ユーザーがWebサイトの特定ページを閲覧した総回数を示す指標です。「レポート」内の「エンゲージメント」セクションで確認できます。
この指標を分析すれば、どのコンテンツが注目されているのか、改善が必要なページはどこかが明確になります。ページビューの推移を把握することで、コンテンツ戦略の精度を高め、ユーザーエンゲージメントの向上にもつながります。
さらに、ページビューのトレンドを追跡すれば、マーケティングキャンペーンや季節的な影響を評価し、将来のコンテンツ計画に役立てることができます。
ページビュー数(PV)とは?目安、セッション数との違いを解説
ページビュー(PV)は、Webページの閲覧回数を示す指標で、サイトの人気や関心度を測るのに重要です。本記事では、PVの定義やセッション数との違い、増やすための具体的な方法を解説しています。
セッション
「セッション」は、ユーザーがWebサイトを訪問し、離脱するまでの一連の操作を指す指標です。GA4の「ライフサイクル」>「集客」レポートで確認できます。
セッション数はサイトのトラフィック量を示し、ユーザーの行動パターンや滞在時間を分析することで、エンゲージメントの高さやサイトの魅力を評価できます。
さらに、マーケティング施策やキャンペーンがトラフィックに与えた影響を把握し、より効果的な戦略の策定に活用可能です。異なる流入チャネルの比較によって、ターゲット層の理解も深まります。
セッションの意味とは?Webでの使われ方や分析への活用方法を解説
Webにおける「セッション」とは、ユーザーがサイトに訪問してから離脱するまでの一連の行動を指し、「訪問数」とも呼ばれます。ページビューとは異なり、ユーザーの活動全体を把握するための重要な指標です。
ユーザー属性
「ユーザー属性」指標は、年齢、性別、地域、興味・関心などのデモグラフィック情報を提供します。GA4の「ユーザー」>「デモグラフィック」レポートで確認できます。
ユーザー属性を活用すれば、製品やサービスに関心の高いターゲット層を特定し、より効果的なマーケティング戦略を立てられます。
また、地域別のトラフィック傾向を把握することで、特定の市場向けにコンテンツやプロモーションを最適化可能です。ターゲットに合った施策を展開することで、エンゲージメント向上やコンバージョン促進につながります。
テクノロジー
「テクノロジー」レポートでは、ユーザーが使用するデバイス、OS、ブラウザなどの技術情報を確認できます。GA4の「ユーザー」>「テクノロジー」レポートで閲覧可能です。
テクノロジーを活用すれば、サイトの互換性やパフォーマンスを評価でき、特定のデバイスやブラウザでエンゲージメントが低い場合、技術的な問題の発見やUX改善が可能になります。ユーザー環境に適した最適化を行うことで、利便性の向上や離脱率の低減につながります。
UI/UXとは?意味と違いをわかりやすく解説
この記事では、UI/UXのデザインに焦点をあてて解説します。近年競合サイトとの差別化を図るために、「UI」および「UX」が重要視されています。その理由やデザインする際のポイントなど、初めての方でも「UI」と「UX」について理解できるように紹介します。
クロスデバイスユーザー
「クロスデバイスユーザー」レポートは、ユーザーが複数のデバイスをどのように利用しているかを分析できる機能です。GA4の「ユーザー」>「クロスデバイス」レポートで確認できます。
クロスデバイスユーザーを活用すると、異なるデバイス間での行動の変化を把握し、マルチデバイスに対応した最適なユーザー体験を設計できます。例えば、モバイル経由の訪問が多いもののコンバージョン率が低い場合、モバイル向けのUX改善が必要になる可能性があります。
CV(コンバージョン)とは?意味やCVRを上げる方法を解説
コンバージョン(CV)は、Webサイト上での成果を指し、資料請求や会員登録などが該当します。この記事では、CVの意味やCVR(コンバージョン率)を向上させる方法を解説しています。
流入経路
「流入経路」レポートは、ユーザーがWebサイトに訪問する際の経路(検索エンジン、ソーシャルメディア、ダイレクト訪問など)を分析できる指標です。GA4の「ライフサイクル」>「集客」レポートで確認できます。
流入経路を活用すれば、どのマーケティングチャネルが最も効果的かを評価し、広告予算や施策を適切に調整可能です。例えば、ソーシャルメディアからの流入は多いもののエンゲージメントが低い場合、コンテンツ戦略の見直しが求められます。
エンゲージメント
「エンゲージメント」レポートは、ユーザーがサイトとどの程度相互作用しているかを測定する指標です。ページビュー、セッション時間、イベントの完了などのデータを確認できます。
エンゲージメントのデータを分析することで、ユーザーが関心を持つコンテンツや、エンゲージメントが高いエリア、改善が必要な部分を特定できます。さらに、このデータを基にコンテンツやデザインを最適化し、ユーザー体験を向上させることで、サイト全体のパフォーマンス向上につなげることができます。
【GA4の使い方③】イベントを活用する

GA4のイベント機能を活用すると、ユーザーの具体的な行動を詳細に分析できます。クリックやスクロール、動画再生などのアクションを計測し、サイト改善やマーケティング施策の最適化に役立ちます。ここでは、以下の項目に従ってイベントの種類や活用方法を解説します。
- GA4のイベントは4種類
- イベントを自社向けにカスタマイズする方法
- カスタムイベントの設定
- コンバージョンの設定
GA4のイベントは4種類
GA4では、ユーザーの行動を分析するために「自動収集イベント」「強化測定イベント」「推奨イベント」「カスタムイベント」の4種類のイベントが用意されています。それぞれの特徴と設定の要否を以下の表にまとめました。
イベントの種類 | 概要 | 設定の要否 |
---|---|---|
自動収集イベント | GA4が標準で記録する基本的なユーザー行動(セッション開始、ページビューなど) | 不要 |
強化測定イベント | クリックやスクロールなど、ユーザーの特定の操作をトラッキング | 有効化が必要 |
推奨イベント | 特定の業界やビジネス向けにGoogleが推奨するイベント(購入、ログインなど) | 手動設定が必要 |
カスタムイベント | ビジネスごとの独自のアクションを測定するために設定するイベント | 手動設定が必要 |
各イベントの特性を理解し、自社に適したイベントを設定することが重要です。次から、ビジネスの目的に応じたイベントのカスタマイズ方法について見ていきましょう。
イベントを自社向けにカスタマイズする方法
GA4では、カスタムイベントを設定することで、ビジネスの目的に応じたデータを取得できます。標準の自動収集イベントや推奨イベントだけでは計測できない、特定のユーザーアクションをトラッキングしたい場合に有効です。
1.イベントの定義を決める:
計測したいユーザーアクション(例:特定ボタンのクリック、フォーム送信など)を明確にする
2.Google タグ マネージャー(GTM)を使用して設定:
GA4と連携したGTMを使い、「タグ」からカスタムイベントを作成し、「トリガー」で計測対象のアクションを指定する
3.GA4の「イベント」セクションで確認:
設定したカスタムイベントが正しく記録されているか、「イベント」レポートでチェックする
4.コンバージョンとして登録(必要に応じて):
計測したイベントをコンバージョンとして設定することで、成果指標として活用可能になる
カスタムイベントを適切に設定することで、ユーザー行動をより正確に分析し、データに基づいたマーケティング施策の最適化が可能になります。次に解説する「探索」機能を活用するためにも、正確なイベント設定は欠かせません。
カスタムイベントの設定
カスタムイベントを設定すると、GA4で特定のユーザーアクションを追跡し、ビジネスの目的に応じた詳細なデータ分析が可能になります。設定手順は以下の通りです。
カスタムイベントの設定手順
1.GA4の管理画面にアクセス:
「イベント」セクションに移動し、「カスタムイベントを作成」を選択する
2.イベント名を設定:
計測したいユーザーアクション(例:ボタンのクリック、フォーム送信など)に適した名前を指定する
3.トリガー条件を定義:
どのアクションがイベントとして記録されるかを設定する(例:特定のURL遷移、クリック動作)
4.関連パラメータを追加(必要に応じて):
商品名やページタイトルなど、追加情報を取得したい場合に設定する
5.設定を保存し、動作を確認:
設定後、リアルタイムレポートでイベントが正しく記録されているかチェックする
カスタムイベントを活用することで、キャンペーンの効果測定、購入行動の分析、インタラクティブ要素の利用状況の把握など、多様なデータの取得が可能になります。
コンバージョンの設定
コンバージョンは、Webサイトやアプリ上でのユーザー行動がビジネス目標を達成したことを示す重要な指標です。特定のイベントをコンバージョンとして設定することで、どの行動が成果に直結しているかを測定できます。
コンバージョンの設定手順
1.GA4の管理画面にアクセス:
「イベント」セクションに移動する
2.コンバージョンとして設定するイベントを選択:
すでに記録されているイベントの中から、ビジネス成果に直結するものを特定する
3.コンバージョンとしてマーク:
対象のイベントの横にあるトグルスイッチをオンにする
4.新しいコンバージョンイベントを作成(必要に応じて):
「新しいコンバージョンイベントを作成」をクリックし、独自のコンバージョンを追加する
5.設定を保存し、計測を確認:
「リアルタイム」レポートでコンバージョンが正しく記録されているかチェックする
コンバージョンを適切に設定することで、広告のROIを測定し、マーケティング戦略の効果を正確に評価できます。これにより、ビジネス目標達成に向けた最適な意思決定が可能になります。
【GA4の使い方④】探索(カスタムレポート)を使いこなす

GA4の「探索(カスタムレポート)」は、ユーザーがデータを自由に分析し、詳細なインサイトを得るための強力な機能です。
1.セグメント・ディメンション・指標の理解
2.変数で利用したいセグメント・ディメンション・指標を選択
3.設定で行と列に表示するデータをカスタマイズ
これらのステップを押さえることで、より効果的なデータ分析が可能になります。ここでは、基本的な使い方を解説します。
1.セグメント・ディメンション・指標を理解する
GA4の探索機能では、セグメント、ディメンション、指標の3つがデータ分析の基礎となります。それぞれの役割を理解することで、より深いインサイトを得ることができます。
項目 | 概要 | 例 |
---|---|---|
セグメント | ユーザーやセッションを特定の条件でグループ化し、分析対象を絞り込む | 新規ユーザー、リピーター、特定の地域のユーザー |
ディメンション | データを説明する属性 | 地域、ページタイトル、デバイスカテゴリ |
指標 | 数値で表されるデータの量や成果指標 | セッション数、コンバージョン率、平均滞在時間 |
セグメントを使うと、特定のユーザーグループの行動を詳細に分析できます。ディメンションはデータを分類するための基準となり、指標はそのデータの計測結果を示します。
これらを適切に組み合わせることで、データの解釈が深まり、効果的な意思決定が可能になります。
GA4(Google Analytics 4)カスタムディメンション!設定方法やGTM活用方法
GA4(Google Analytics 4)のカスタムディメンション設定方法を詳しく解説しています。GTMを活用した実装手順やデータ分析方法も紹介しています。
2.変数で利用したいセグメント・ディメンション・指標を表示する
探索機能を活用する際は、まず「変数」タブを開き、分析に必要なセグメント、ディメンション、指標を選択します。ここで追加する変数は、レポートの行や列として表示されるデータポイントとなります。
設定手順
1.変数タブを開く:
GA4の探索レポート内で「変数」セクションを選択する
2.必要なセグメント・ディメンション・指標を追加:
例えば、特定のキャンペーンをセグメントに設定し、関連するページビュー数やコンバージョン率を指標として追加する
3.選択した変数をレポートに適用:
データの分類や分析ができるよう、行や列の構成を調整する
これにより、特定のキャンペーンやユーザー行動のパフォーマンスを詳細に分析でき、より深いインサイトが得られます。
3.設定で行と列に表示させたい数値を設定する
最後に、探索画面の設定セクションで、行と列に表示させたいデータポイントを指定します。これにより、カスタムレポートのレイアウトを整え、特定のデータを視覚的に分かりやすい形で表示できます。
設定手順
1.行にディメンションを追加:
例:「地域」を設定し、各地域ごとのデータを分類する
2.列に指標を追加:
例:「セッション数」「コンバージョン率」を設定し、地域ごとのパフォーマンスを比較する
3.レポートの見やすさを調整:
不要な指標を削除し、重要なデータに絞る
このように設定をカスタマイズすることで、ビジネスにとって重要なデータを効果的に分析し、意思決定に活かせます。
【GAの使い方⑤】フォーム到達数を探索で出す
GA4の探索機能を活用すると、Webサイトやアプリのユーザー行動を詳細に分析し、フォーム到達数を正確に把握できます。これにより、コンバージョンに至るプロセスの理解が深まり、効果的な改善策を検討する際に役立ちます。
ここからは、探索機能を使ってフォーム到達数を算出する方法を解説します。
1. 行をランディングページにして列の値をセッションにする
探索機能を活用し、「行をランディングページ」「列をセッション」に設定することで、フォームページへの到達数を分析できます。
設定手順
1.変数タブでディメンションと指標を選択:
・ディメンション:「ランディングページ」
・指標:「セッション」
2.設定タブでデータを配置:
・行に「ランディングページ」を設定する
・列に「セッション」を設定する
この設定により、各ランディングページ(特にフォームページ)へのセッション数が明確になり、ユーザーがどの程度フォーム到達しているかを可視化できます。フォームの流入状況を分析し、改善策を検討する際に役立ちます。
2. セグメントでフォームに到達したセッションを洗い出す
特定のフォームに到達したセッションのみを分析するため、セグメントを作成してフィルタリングを行います。これにより、フォーム到達ユーザーの行動パターンやコンバージョン率を詳しく分析できます。
設定手順
1.変数タブで新しいセグメントを作成:
・「セッションセグメント」を選択する
2.条件を追加:
・「新しい条件を追加」を選択する
・「ページロケーション」を指定し、特定のフォームページのURLを条件として設定
3.セグメントを適用し、分析を実施:
・フィルタリングされたセッションの行動パターンやコンバージョン率を確認
この設定により、フォームに到達したユーザーの行動、滞在時間、離脱ポイントなどを詳細に把握できます。分析結果を活用すれば、フォームの設計や流れを最適化し、コンバージョン率向上につなげる施策を立案できます。
GA4の使い方をマスターする2つのコツ

GA4は、従来のUAとは異なるイベントベースのデータ計測モデルを採用しており、分析の仕組みや操作方法が大きく変わっています。スムーズに習得するには、UAとの違いを意識しすぎるのではなく、新しいツールとして捉え、実際に使いながら慣れていくことが重要です。
ここからは、GA4を効果的に習得し活用するための具体的なポイントについて解説します。
UAとは違う新しいツールと心得る
GA4はUAとは異なり、「イベントベースの計測」を採用しており、セッション単位ではなく、ユーザーの行動を細かく記録できる仕組みになっています。また、探索レポートの活用や機械学習によるインサイト提供など、新しい機能も多く搭載されています。
そのため、UAと比較して使いづらいと感じるのではなく、まったく新しいツールとして学ぶ意識を持つことが、早くマスターするコツです。従来の操作感にとらわれず、GA4ならではのデータの見方や分析方法に慣れていきましょう。
使いながら慣れていく
初期設定が完了したら、まずは実際にデータを確認しながら操作に慣れていくことが大切です。最初からすべての機能を理解しようとするのではなく、以下のような基本的なデータを見ながら少しずつ習得するとスムーズです。
- 「レポート」でユーザーの訪問状況を確認する(セッション数、流入経路など)
- 「探索」を試しながら、カスタムレポートを作成してみる
- コンバージョン設定を行い、主要なKPIを可視化する
実際に触れていくことで、GA4の操作やデータの見方が自然と身についていくはずです。継続的にデータを分析しながら、最適な活用方法を見つけていきましょう。
GA4を自社で効果的に運用するポイント
GA4を導入するだけでは、十分に活用できるとは限りません。従来のUAとは異なるデータ構造や計測方法に適応するためには、運用体制の見直しや社内での情報共有が不可欠です。
ここでは、GA4を効果的に運用するためのポイントを解説します。
運用体制を整える
GA4はUAと異なり、イベントベースのデータ計測を採用しているため、従来のレポートの見方や分析手法では運用が難しくなる場合があります。特に、UAのデータに依存した業務フローをそのまま引き継ぐと、適切な分析ができず、運用の効率が低下する可能性があります。
運用体制を整えるための対策
- GA4に精通した担当者を配置し、データの取得・分析フローを再設計する
- 必要なKPIを見直し、GA4の計測仕様に合わせてトラッキング設定を最適化する
- マーケティング・開発・営業など、関係部署と連携しながら運用体制を構築する
UAの延長として捉えるのではなく、GA4に適した運用体制を整えることが、データ活用の成功につながります。
GA4の使い方をレクチャーして属人化を防ぐ
GA4の運用を一部の担当者だけが理解している状態では、業務が属人化し、担当者が変わると運用が滞るリスクがあります。そのため、関係部署に対してGA4の基本的な使い方やレポートの見方をレクチャーし、社内で情報共有をスムーズに進めることが重要です。
情報共有のポイント
- マニュアルやガイドを作成し、GA4の基本操作を社内で共有する
- 定期的な勉強会やワークショップを実施し、関係者の理解を深める
- マーケティング、開発、営業など、異なる部署間で必要なデータを明確にし、共通認識を持つ
GA4を組織全体で活用できるようになれば、データ分析の精度が向上し、マーケティング施策や業務改善にも役立ちます。社内でのスムーズな情報共有を促進し、GA4の運用を効率化しましょう。
GA4の使い方で困ったときは

GA4は多機能で柔軟な分析が可能な一方、従来のUAとは大きく異なるため、使いこなすのが難しいこともあるでしょう。そんなときは、公式のサポートページを活用するか、専門業者に相談して効率的に解決するのが有効です。
サポートページを確認する
GA4の基本的な使い方や設定方法で困った場合は、まずGoogle公式のサポートページを確認しましょう。以下のページでは、GA4の設定手順やトラブルシューティングなど、さまざまな情報が掲載されています。
参考ページ
- Google アナリティクス ヘルプセンター:
GA4の基本的な設定やデータの見方を解説 - Google公式 YouTube チャンネル:
GA4の操作方法を動画で学べる - Google アナリティクス コミュニティ:
他のユーザーの質問や解決策を閲覧できる
公式サポートを活用すれば、基本的な疑問は自己解決できる可能性が高いです。
また、以下の動画でもGA4の基本的な使い方を解説していますので、参考にしてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=oHxnT12HX0c&t=9s
専門業者に相談する
GA4は、データ収集の設定やカスタムレポートの作成、コンバージョンの最適化など、高度な活用には専門知識が必要です。初心者が一から学んで使いこなすには時間と労力がかかるため、効率よくマーケティングに活用したい場合は、専門業者に相談するのが最も確実な方法です。
専門業者に依頼するメリット
- 自社の目的に最適なGA4設定を構築できる
- カスタムレポートやイベントトラッキングを最適化できる
- 分析結果を活かしたマーケティング施策の提案を受けられる
特に、GA4をマーケティング戦略に本格的に活用したい企業や、社内にデータ分析の専門人材がいない場合は、プロのサポートを受けることで、データを最大限に活用できます。
GA4の導入・運用でお困りの方は、ぜひ専門業者へのコンサルティング依頼を検討してみてください。プロの知見を活用することで、データ分析の精度を高め、ビジネス成果の向上につなげられます。
GA4を使いこなしてマーケティングの成果を上げよう

GA4は従来のUAとは異なる計測方法を採用し、より詳細なユーザー行動の分析が可能な強力なツールです。
効果的に活用するためには、初期設定を適切に行い、レポートや探索機能を活用してデータを分析し、運用体制を整えることが重要です。特に、社内の関係者と情報を共有し、属人化を防ぐことで、よりスムーズなデータ活用が可能になります。
GA4は、正しく運用すればマーケティング施策の改善やビジネス成長に大きく貢献します。使いこなすには学習が必要ですが、公式サポートの活用や専門業者への相談も選択肢として検討しながら、データを最大限に活かしていきましょう。
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