この記事のポイント
この記事でおさえておきたいポイントは以下です。
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コンテンツマップとは
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コンテンツマップとは、Webサイトのコンテンツ構成を可視化した図のことです。Webサイトの構成を把握し、追加すべきコンテンツを明確にするために役立ちます。コンテンツマップを作成することで、コンテンツを有効な順序で追加していったり、チーム内での情報共有を円滑にしたりする効果があります。
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コンテンツマップの作成方法
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コンテンツマップを作成するために、まずは明確なペルソナを設定します。次にそのペルソナが検索しそうなキーワードを次々と列挙し求められているコンテンツを明確にしていきます。ペルソナに合ったコンテンツのをグルーピングしたら結果をコンテンツマップとして図に落とし込んでいきます。作成するときにはコンテンツの追加や更新を想定し余白を持たせておきましょう。
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コンテンツマップの作成に使えるツール
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ExcelやGoogleスプレッドシートによるコンテンツマップは、規模の大きいWebサイトを構築する場合におすすめです。行でページを、列で階層を表現することでマップが作成できます。
「Mindeomo」は、マインドマッピングやアウトラインの作成に活用できるWebサービスで、豊富なテンプレートが用意されているため、すぐにコンテンツマップを作成できる点が魅力です。
Webサイトの運営において、アクセス数の増加以上に重要なのがコンバージョン数の増加です。多くのユーザーにコンテンツを読んでもらえたとしても、一つの達成目標であるコンバージョンにつながらなければ成功とはいえません。そのため、コンテンツマーケティングではコンバージョン数の増加を目指すことになります。
コンテンツが乱雑に配置されたWebサイトでは、ユーザーが求める情報にたどり着きづらくなってしまいます。必然的にコンバージョン数の増加も期待できません。ユーザーの導線がはっきりしたWebサイトを設計するためには、「コンテンツマップ」の作成が必要です。
この記事では、コンテンツマップの概要や必要性、具体的な作成手順や作成に役立つツールについてご紹介します。
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コンテンツマップとは?
コンテンツマップとは、Webサイトのコンテンツ構成を可視化した図のことです。Webサイトのどの部分に、どのコンテンツがあるのかをわかりやすく記載します。新しいWebサイトの立ち上げや、リニューアルの際には、一般的にコンテンツマップが作成されます。
コンテンツマーケティングでは、コンテンツの投稿・更新頻度が重要です。一方で、やみくみにコンテンツを増やしても、Webサイトの方向性がぶれ、何のサイトなのかわからなくなってしまうことがあります。ユーザーが求めていないコンテンツが増えると、アクセス数やコンバージョン率の低下につながるでしょう。
コンテンツマップは、Webサイトの構成を把握し、追加すべきコンテンツを明確にするために役立ちます。内部リンクを最適化し、収益化につなげるためにもコンテンツマップの作成は重要です。
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サイトマップとの違い
コンテンツマップと同じくWebサイトの構造を図示する「サイトマップ」というものもあります。コンテンツマップとサイトマップの主な違いは、作成する目的です。
コンテンツマップは、ユーザーの導線を意識したうえでユーザー視点で作成されます。そのため、コンテンツ同士の関係性がわかるように作成することが重要です。「このコンテンツを読んだユーザーがどうするか」という点を意識すると、次に必要なコンテンツや設置すべき内部リンクがわかります。
一方、サイトマップはWebサイト内のカテゴリ整理を目的としています。すでに構築しているWebサイトの構成を確認するための図だと考えるとわかりやすいでしょう。
コンテンツマップが必要な理由
コンテンツマップは「コンテンツ制作の順序を決めるため」「情報共有しやすくするため」「コンバージョンの導線を把握するため」という3点の理由から重要です。以下では、それぞれの理由について解説します。
サイト内のコンテンツを整理して有効な順序で制作を進めるため
コンテンツマップは、コンテンツを有効な順序で追加していくために必要です。
コンテンツマーケティングでは、ハイペースでコンテンツを追加していくことが重要視されるケースがあります。しかし、コンテンツ構造がどうなっているのか把握しないまま次々とコンテンツを増やしても、理想的な導線のWebサイトにはなりません。「このコンテンツの次にどんな情報を求めるのか」をイメージし、理想的な導線になるように記事を追加していく必要があります。
コンテンツマップを作成すれば、コンテンツの偏りや、導線の着地先として不足しているコンテンツを把握できます。コンバージョンにつながりやすい有効な順番でコンテンツを制作していくことが可能です。
チーム内での情報共有がしやすくなるため
チーム内での情報共有を円滑にするためにも、コンテンツマップの作成は重要です。
通常、コンテンツマーケティングは複数人で実施されます。企業でコンテンツマーケティングを行う場合は、チームを組織して実施していくことが一般的です。時には外部の事業者に協力してもらってコンテンツマーケティングを進めていくこともあります。
コンテンツマップを作成しておくと、Webサイトに関わる人が多い場合も情報共有がスムーズになるでしょう。Webサイトの全体像や理想形が全員に共有されているため、それぞれが共通認識を持って作業を進められます。新施策や改善策などのアイデアが出やすくなる点も魅力です。
コンバージョンまでの導線をイメージしやすくするため
コンテンツマップを作成するとユーザーの導線をイメージしやすくなるため、コンバージョン率の向上が期待できます。
ユーザーによるアクセスをコンバージョンにつなげるためには、適切な導線設計が重要です。しかし、Webサイトの構造を把握せずにコンテンツ制作を始めると、適切な導線がないケースがあります。
ユーザーの目線になり、導線を書き込んでいくことがコンテンツマップ作成の主眼です。理想的な導線がわかるため、必要なコンテンツの内容やコンテンツを設置すべき位置が明確にわかります。このことから、理想的な導線をイメージし、コンバージョンにつなげるために、コンテンツマップの作成は非常に重要な作業です。
コンテンツマップを作る手順
コンテンツマップは以下の5つの手順で作成することが一般的です。
- 1.ペルソナを設定する
- 2.ペルソナが求めるコンテンツは何かを考えて洗い出す
- 3.洗い出したコンテンツを見直して整理する
- 4.作るコンテンツをグルーピングする
- 5.コンテンツマップに落とし込んで図にする
それぞれの手順について解説します。
1. ペルソナを設定する
コンテンツマップを作成するために、まずは明確なペルソナを設定します。
ペルソナとは、Webサイトや各コンテンツのターゲットとなる人物像のこと。性別や年齢の違いから、職業や住所、悩みの内容やライフスタイルの違いなどを見込んで細かく情報を決めます。ユーザーのニーズを明らかにすることが、ペルソナ設定の目的です。
例として、ダイエット情報発信サイトの場合は以下のようなペルソナを設定します。
性別:女性
職業:会社員(デスクワーク)
年代:30代
住所:東京都
悩み:
- 運動不足が続き、体重が増えてしまった
- 去年着れていた洋服が窮屈になってしまった
- 食事制限でダイエットを試みたがあまり続かない
これはあくまで一例であり、ペルソナ設定に明確な正解はありません。ただし、ペルソナ設定にユーザーニーズを仮定する目的があることは、常に意識しましょう。実際の情報を元に設定すること、また現実的にいそうな人物として設定することが重要です。
2. ペルソナが求めるコンテンツは何かを考えて洗い出す
続いて、最初に決めたペルソナが求めているコンテンツが何なのか思考を巡らせてください。ペルソナが検索しそうなキーワードを次々と列挙することで、求められているコンテンツを明確にしていきます。
自分の考えだけでコンテンツの内容を決めると、実際のユーザーニーズから離れてしまうことも少なくありません。そのため、コンテンツ制作ではサジェストキーワードを参考にして対策キーワードを決めるのが一般的です。サジェストキーワードとは、検索エンジンに単語を入力すると表示される検索候補のこと。ユーザーニーズを反映しているため、コンテンツの制作に役立ちます。
例として、ダイエットに関するサジェストキーワードとして以下のようなものがあげられます。
- ダイエット 食事
- ダイエット 運動
- ダイエット 継続
- ダイエット サプリ
サジェストキーワードから、ユーザーがダイエットに関して気になっていることが明らかになりました。さらにユーザーニーズを明確にするため、「食事」「運動」「継続」「サプリ」といったワードから、さらに深く掘り下げます。見直しは後の工程で行うため、この段階では少しでも多くのコンテンツを着想することを重視しましょう。
3. 洗い出したコンテンツを見直して整理する
前の工程で洗い出したコンテンツを見直して、整理しましょう。
整理の基準となるのは「ペルソナが本当に求めているコンテンツか」という点です。コンテンツの洗い出しの段階では、少しでも多くのアイデアを出すことを重視します。そのため、ペルソナが求めていないコンテンツが含まれていることも少なくありません。
あまりコンテンツの内容を広げると、Webサイトのイメージがぶれてユーザーからの信頼が落ちてしまいます。そのため、追加しようとしているコンテンツがペルソナに求められているのか、シビアに判断しなければなりません。あくまでもユーザー視点を重視し、洗い出したコンテンツの取捨選択をして行く必要があります。
この際、1人でコンテンツの見直しを行うと、結果が偏ってしまうケースがあります。複数人で話し合いながら、ペルソナとコンテンツのマッチングを客観的に判断できると好ましいでしょう。
4. 作るコンテンツをグルーピングする
ここまでの工程でコンテンツの方向性がまとまりました。続いて各コンテンツをジャンルごとにまとめ、グルーピングしていきます。
この段階では、単にキーワードが乱立している状態です。このままコンテンツを掲載しても、ユーザーには見づらい印象を与えてしまいます。グルーピングは導線を明確にし、ユーザーが求めている情報にたどり着きやすくするために重要な作業です。
具体的には、似たようなコンテンツを探し、ひとつにまとめていく作業を行います。例として、「サプリ 脂肪燃焼」「サプリ 代謝アップ」といったコンテンツがある場合は、「おすすめサプリ」というコンテンツでまとめられるでしょう。また、「サプリの選び方」といったコンテンツは同ジャンルのコンテンツとして近くに配置すると、導線がわかりやすくなります。
情報の階層が深いWebサイトや、情報が散らばっているWebサイトは、クローラーの循環が妨げられるためGoogleからの評価も下がります。SEO対策としても慎重にグルーピングを行うことは大切です。
5. コンテンツマップに落とし込んで図にする
グルーピングした結果を、コンテンツマップとして図に落とし込みましょう。
コンテンツの漏れや重複など、ユーザーにとって不親切な構造になっていないかチェックしてください。ユーザーがスムーズに希望の情報へたどり着けるか、また、コンバージョンにつながる構造か、を念頭において確認することが大切です。コンテンツマップ上で確認してみて漏れや重複が見つかった場合は、再度グルーピングに戻って考えてみましょう。
グルーピング→コンテンツマップの作成を繰り返し、不備がないことが確認されれば、コンテンツマップは完成です。コンテンツマップの作成に、特別なアイデアや専門的な知識は必要ありません。ユーザー視点の意識を徹底することで、ユーザーにとってわかりやすいWebサイト構造を目指してください。
コンテンツマップを作るときの注意点
コンテンツマップを作成する際には、以下の注意点を意識しましょう。
- ペルソナが求めるコンテンツを変更しながら思考を繰り返す
- 変化に対応できるように余白をもたせておく
- アクセス数よりコンバージョン数が増やせるように意識する
それぞれの注意点について詳しく解説します。
ペルソナが求めるコンテンツを変更しながら思考を繰り返す
ペルソナを決めたあと、どんなコンテンツを求めているのかを連想するときには、連想するキーワードを変更しながら思考を繰り返すことが重要です。メインキーワードに対してペルソナがさらに知りたい・求めているであろう情報を、いろいろなパターンで考えてみましょう。
メインキーワードを決めると、コンテンツの大まかな内容が定まります。そこからさらにコンテンツの内容をユーザーニーズに近づけていくためには、ペルソナをできる限り鮮明にイメージして、ふさわしいと思うネタを考えることが繰り返し必要です。
この際、最初に思いついた連想ワードだけでは、ユーザーのニーズを満たしているとは限りません。そのため、次々と連想ワードを変えながら、さまざまなパターンを探しましょう。
変化に対応できるように余白をもたせておく
コンテンツマップを作成する際には、余白をもたせておくことが大切です。ある程度の余白を設けてWebサイトの構造を決めると、ユーザーニーズの変化に対応しやすくなります。
ユーザーが求めているコンテンツは常に変化しています。その時点でのユーザーニーズを正確に捉えたコンテンツを作成しても、ユーザーニーズが変化すれば新しいコンテンツが必要です。Googleやユーザーに評価されるためには、継続的にコンテンツの追加や更新を行うことが求められます。
サイト構造を決める際は、こうしたコンテンツの追加や更新を想定しておくことが重要です。例として、WordPressは世界的に普及しているCMSですが、いつまでこの人気が続くかは誰にもわかりません。そのため「WordPress」というカテゴリーよりも「CMS」というカテゴリーを設けておいたほうが、変化に対応しやすくなります。
アクセス数よりコンバージョン数が増やせるように意識する
コンテンツマップは、コンバージョン数の増加を念頭において作成しましょう。
コンテンツマーケティングにおける最大の目的は、コンバージョン数の増加です。アクセス数の増加ばかりが重視されがちですが、問い合わせや資料請求、成約につながらなければアクセス数が多くても意味がありません。Webサイトの管理では、この点を見誤らないようにする必要があります。
記事の更新はアクセス数を増加させるうえで効果的です。しかし、コンバージョン数の増加のためには、サイト設計を最適化する必要があります。この「サイト設計の最適化」こそが、コンテンツマップを作成する目的です。コンテンツマップを作成する際は、アクセス数ではなくコンバージョン数の増加を意識しましょう。
コンテンツマップの作成に使えるツール
コンテンツマップの作成は、基本的に手書きでも問題ありません。しかし、チームでの共有を考えると、ツールを利用するのがおすすめです。以下では、コンテンツマップの作成に利用できるツールをご紹介します。
ExcelやGoogleスプレッドシート
ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ツールでコンテンツマップを作成できます。
おすすめは、行でページを、列で階層を表現する方法です。TOPページを1列目に記載し、2列目を第二階層、3列目を第三階層としてコンテンツを配置していきます。ページ数に応じて行数が増えるため、簡単に全体のページ数を把握できます。
ExcelやGoogleスプレッドシートによるコンテンツマップは、規模の大きいWebサイトを構築する場合におすすめです。後述するツリー状の図を作成するツールの場合、ページが増えると図が見づらくなってしまいます。表計算ツールの場合は行数を増やすことで容易にページ追加に対応できます。そのため、100ページ程度のWebサイトであれば、簡単にコンテンツマップを作成可能です。
Mindomo
「Mindeomo」は、マインドマッピングやアウトラインの作成に活用できるWebサービスです。シンプルで直感的な操作性が評価されています。ブラウザ版のほか、iPadやAndroid端末で利用できるアプリも提供されています。
豊富なテンプレートが用意されているため、すぐにコンテンツマップを作成できる点が魅力です。動画ファイルや音声ファイルを追加できるため、コンテンツのアイデアをさまざまな形式で記録できます。GoogleアカウントやOffice365アカウントでのログインも可能です。
基本的には無料で利用できるツールですが、無料版では一部の機能は制限されます。また、無料版では作成できるマインドマップの数が3つに制限されているため、複数のコンテンツマップを作成する場合は有料版に切り替えましょう。
Cacoo
「Cacoo」は、コラボレーションでの作業が想定されているクラウド型作図ツールです。誰でも使いやすいツールとして設計されているため、思いついたイメージをすぐにアウトプットできます。コンテンツマップに使えるテンプレートも充実しているため、導入してすぐに作業を開始できるでしょう。
チームでの共同作業に適した機能が多い点も特徴です。リアルタイムでの共同編集機能、ビデオ通話機能、チャット機能などが搭載されています。複数人の意見を聴きながらコンテンツマップを作成したい場合におすすめです。
コンテンツマップのまとめ
コンバージョン数を増やすため、コンテンツマップで導線を最適化したうえでWebサイトを設計しましょう。ただコンテンツ数を増やすだけのコンテンツマーケティングでは、コンバージョンにつながらずコストばかりがかかってしまうケースがあります。Webサイトの情報が散らばっている状態では、SEO上の評価も期待できません。コンテンツによる効果を最大化するため、また、検索順位を向上させるために、コンテンツマップを作成してみることをおすすめします。
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【成果に直結】Webサイトコンサルティング
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