採用情報に特化した採用サイトは、求職者へ企業の情報を発信し、自社の採用活動を支援するコンテンツとして役立ちます。さらに実際に働く社員の仕事や様子をアピールできるため、会社の魅力を知ってもらうきっかけにもなるサイトです。
しかし、会社によって扱う情報も異なるため、「採用サイトが本当に役立つのか不安」「採用サイトの作り方が分からない」とお悩みではありませんか。また、自社で採用サイトを運営するメリットをいまいち見出せないこともあるでしょう。どのような点に注意して作成や改善をすればいいのかと、迷うところもあるはずです。
そこでこの記事では、採用サイトの必要性や効果、企業サイトとの違いなどについて解説します。採用サイトの必要性に疑問を抱いている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
採用サイトがもたらす企業へのメリットを5つ解説します。思うように求職者が集まらない場合や、採用活動が進まない時のヒントになるはずです。採用サイトのメリットを活かして、自社にぴったりな人材を募集してみましょう。
人材を募集する際に、求人広告や求人サイトを活用する方法では、決まったフォーマットや文字数の上限など、アプローチするにも制限がかかります。そのため、掲載できる情報が限られてしまい、細かい自社の情報まで伝え切れません。
その点、採用サイトは取り扱う情報や掲載内容に制限もなく、自由に自社らしさをアピールできます。またデザインや写真、動画などの素材も制限なく使えるので、より自社のイメージに近いサイトにできるのも強みです。
デザインや掲載範囲が統一されてしまう他の求人媒体よりも深く自社を紹介できるので、競合他社との差別化もしやすくなるでしょう。社長からのメッセージや、社員の言葉など求職者に伝えたい情報があれば、採用サイトを活用して、より大勢の人たちに情報を発信してみませんか。
さらに求人サイトを利用している方も、より詳しい情報を得ようと採用サイトに流れてくることもあるため、求人サイトと自社の採用サイト両方を活用するのもおすすめです。
採用サイトを調べるほとんどの人たちは、自社に興味を持っている求職者です。自社の採用サイト内で自社の情報を多く提供すれば、採用サイトからの応募数もアップできます。
文字数やデザインになんの制限もない自社採用サイトだからこそ、他サイトでは調べることのできない情報や、就職に役立つ内容を掲載して特別感を待たせられるでしょう。しかし、自社の情報ならなんでも掲載すればよいというわけではありません。
求職者に寄り添った内容にするのが大切です。情報が多ければいいと思っている企業ほど、採用に関係ない情報まで掲載していることも見受けられます。採用サイトでは、自社の強みや魅力を伝えることはもちろん、どういった人材を求めているのか一目で伝わるサイトを目指しましょう。
また、採用サイトでは何を伝えたいのか理解できないと、自社の印象を悪くする可能性もあります。サイトの出来映え次第で求職者に与える印象も変わるので、上質な情報提供を心がけてください。
せっかく採用した人材であっても、自社の職場にマッチしていないケースでは、すぐに退社してしまうのも珍しくありません。たとえば「入社してみたけど、思っていた仕事と違う」、「会社の雰囲気が自分には合わない」などの理由です。
このような事態が起こってしまうのは、求職者が会社の詳しい情報を事前にキャッチできなかったのも大きく関わっています。一方で、採用サイトではより詳しい情報を掲載できるので、求職者は入社後のギャップがあまりない状態で働くことが可能です。
機密情報のような伝えられない内容もありますが、自社のことをできるだけ正確に詳しく伝えることで、自社とマッチした人材が集まるでしょう。ただし扱う情報を大げさにしたり虚偽の情報を記載したりするのは厳禁です。
他社との違いを出すためにインパクトを出したい気持ちはわかりますが、誇張しすぎた表現は、入社後のギャップにつながり、求職者や他企業から反感を買うことになります。事実と異なった情報を記載するのはやめましょう。
採用活動を進めていくためには、以下のようなコストが必要になります。
しかしこれらは、エントリーや内定の辞退などがあると、セッティングした時間やコストが無駄になってしまいます。さらに入社後すぐに退社となれば、採用だけでなく人材育成にかけたコストも無駄になります。採用サイトであれば、自社に興味を持っている求職者の中から、自社によりマッチした人材を採用できるため、辞退の確率が減り結果的にコストを抑えられるでしょう。
また求人広告や求人サイトでは、期間限定で登録する費用が追加でかかります。自社採用サイト制作をすれば、導入費や多少の運用費がかかりますが、追加費用なく掲載し続けることが可能です。
採用サイトから応募してきた求職者が、すべてマッチした人材というわけではありませんが、自社に関心を持ってくれた人が多いのは確かです。コストを抑えつつ、やる気のある人材が集まるのもメリットといえるでしょう。
採用サイトの費用相場は?目的別の料金、事例も紹介
採用サイトの流入経路は、以下のようにさまざまなものがあります。
自然検索の場合と自社サイトのリンクは、もともと自社に興味を持っているユーザーのアクセスが期待できるでしょう。求人サイトやWeb広告、パンフレットやポスターは、仕事に興味を持ってより詳しい情報を得たい求職者が多くいます。
SNSの場合は自社が投稿した内容に興味を示したユーザーや、そのユーザーが共有した情報を見て、アクセスしてくれるのが基本です。しかし、どこから流入してきたとしても、自社の魅力や役立つ情報がないとそれ以上の関心を持ってもらえません。満足できるコンテンツが揃った魅力的な採用サイトであれば、多くの求職者から応募してもらえるでしょう。
採用サイトは、企業が採用活動を行うためのサイトです。求職者をターゲットとした構成が行われ、扱うデザインや情報も、採用関連に特化されています。企業サイトとの大きな違いは、潜在顧客や顧客、取引先に株主、自社社員など、さまざまな人たちに幅広く情報を提供するかという点です。
企業サイトは情報量が多くなってしまい、採用情報に特化した内容にできません。そうした特徴から、求職者に向けたメッセージやデザインが満足に発信できず、採用に関しての訴求力が弱くなってしまいます。
採用の情報に特化したサイトは、人材獲得に役立つ、重要な役割を持ったコンテンツのひとつです。企業サイトも魅力的なものであれば、採用サイトへアクセスしてくれる可能性も高まるので、相乗効果も期待できるでしょう。
採用サイトには、どのようなコンテンツが必要になるのか紹介します。基本的な情報ですが、この情報に不備があると採用サイトとして不完全なものになります。掲載を忘れている情報がないか注意しながらコンテンツを作成しましょう。
トップページは、求職者が一番多く最初に開くページとなります。第一印象が決定づけられるページでもあるため、自社らしさを視覚的にアピールするために、適切なキャッチコピーや画像を使うのが大切です。
さらに、採用サイトでどのような情報を扱っているのか伝えるのにも適したページなので、各コンテンツでは興味を持たせるデザインが求められます。そのため、各コンテンツにつながるメニューには、アイコンや写真を活用してわかりやすくする工夫をしましょう。
トップページで求職者に「わかりやすい」「面白そう」と感じさせたり、「もっと情報を知りたい」と思ってもらえるかが、サイト内を回遊してもらえるかに直結します。
自社がどんな会社なのか、どのような事業を展開しているのかを紹介するコンテンツです。求職者にとっても重要な情報のひとつで、自身が働きたい会社かどうかの判断材料として扱われます。特定の事業に興味を持った求職者が応募するケースもありますが、他の事業担当になる場合も珍しくありません。そのため、事業同士のつながりや全体像を伝える必要があるでしょう。
そうすることで各事業のやりがいや重要性を伝えられ、就職後に求職者がどんな活躍をできるのか、具体的なイメージをもってもらえます。未来像を知っているか知っていないかで、会社で働く際のモチベーションに影響を与えるので、具体的かつ魅力的な内容になるようにしましょう。
採用サイトでは事業内容だけでなく、実際にどのような業務を行うのか仕事の内容も伝えます。たとえば事務仕事を伴うのか、接客や電話応対などが必要なのか、何か資格が必要な業務はないかなど、仕事の詳しい情報を記載しましょう。
求職者にも得意な仕事もあれば苦手な仕事もあるので、仕事の内容は働けるかどうか決める動機になります。特にミスマッチが起きやすい理由が、想定していた仕事との違いにあるため、求職者に誤解を与えないように提供する情報選びにはご注意ください。
また、間違った情報を扱ってしまうと、本来応募してくれていたはずの求職者の離脱にもなりかねません。正しい情報の提供をしましょう。採用活動は何よりも、求職者との信頼が肝心です。
社風や職場の雰囲気も、求職者が働きたいかどうか判断する理由に含まれます。誰しも共感を持てる職場や、安心して働ける環境を求めるでしょう。そのため、どのような社風で、どんな環境で働けるのかを採用サイトで知ってもらうのも重要なポイントです。
仕事内容が自身に合っていたとしても、会社の環境や人間関係、考え方が合わないと長続きしません。たとえば職場でメンバーと楽しく相談しながら仕事をしたい方にとって、黙々と個別で働くような職場は、働きにくい環境になってしまいます。
「働ければ何でもいい」という方もいるかもしれませんが、求職者の中でも少数の意見となるでしょう。自社で気持ちよく働いてもらうためにも、社風と職場の雰囲気は欠かせない情報です。
自社の業績成長推移や従業員数、男女比などの数値で、会社の現状をリアルに伝える手法も、自社を理解してもらうのに役立ちます。特に業績成長推移は、会社が軌道に乗っているかどうか確認できる数値となり信頼につながるでしょう。
またどれだけの人が働いているのか、男女比がどれくらいなのかも、働きやすさのパラメーターになります。たとえば女性の求職者であれば、男性だらけの会社よりも、女性社員もいる職場の方が働きやすいのではないでしょうか。
また、企業側が女性社員の募集をかけたいのであれば、働く女性の比率が高くなっていることを示す情報があれば、興味を持ってもらいやすくなります。さらに、業績成長推移が落ちていたとしても、原因や適切な改善策について書かれていれば、プラスに捉えてもらうことも可能です。
企業の顔である社長による代表メッセージは、企業の考え方や、事業に対する信念や取り組み、将来のビジョンなどを伝えるのに効果的です。また社長の想いは会社ごとに異なるので、競合他社との差別化にもなります。
しかし、社長の思っていることと会社の事業に矛盾点があると、不信感を持たれてしまうかもしれません。そのため、ただ思っていることを並べるのではなく、目的を達成するためにどのようなことをしているのか、正しく伝えることが重要です。
会社の代表が本当に従業員のことを考えてくれているのか、会社の将来を見据えた活動をしているのかも、求職者のモチベーションになります。
社員インタビューは、就職を決めた際に先輩となる社員の紹介や、言葉が聞けるので、働いている人のイメージや会社の雰囲気を感じることができます。きっちりとした会社の方向性を伝えるのも大切ですが、社員同士の関係性が伝わるとより働きやすさを感じてもらえるでしょう。
日々の何気ないことでもいいので、社員ブログを活用したコンテンツにするのもおすすめです。働いている人がやりがいを感じていたり、楽しく働いていたりする様子がわかるだけでも会社の雰囲気のよさが伝わります。
また、実際に働いている社員の言葉は信頼度も高いので、会社のイメージをより深く伝えたいときは社員インタビューを通して伝えるのもよいでしょう。会社の意外な一面が見れて、より興味を持ってくれる求職者が増えるかもしれません。
自社が求める人材に適した求職者をマッチさせるのに役立つのが募集要項です。募集している人物像や求めるスキル、福利厚生の有無、選考の流れなど、採用活動へ応募するのに必要な情報を記載します。
また、自社がどのような人材を求めているのか、何人まで受け入れる準備があるのかなど具体的な内容にしましょう。条件や日程などが明確になっていれば、求職者も応募しやすいため、採用サイトでは忘れずに記載するのがおすすめです。
特に条件は求めないという会社でも、会社でどんなふうに働いて欲しいか、最低限書いておくと、自社に合った人材が集まりやすくなるでしょう。
応募フォームは、採用募集や説明会に応募する際の、申し込みフォームを指します。採用サイトは、求職者に応募してもらうのが目的なので、申し込みの動線も整えておかなければなりません。
申し込みまでが複雑だったり、必要な入力項目が多すぎたりすると、離脱されるケースもあるため、わかりやすくて使いやすい応募フォームにしましょう。応募フォーム以外にも、サイト全体が使いにくいと思われると会社の印象も悪くなるので、誰でも簡単に情報が集められるサイト設計が大切です。
お知らせは、説明会や採用に関係するイベントなどの、最新情報を発信するコンテンツです。その他にも、直近の出来事や事業などの情報も扱って、会社の現状や様子を伝えましょう。特に採用活動に関するお知らせは、早ければ早いほど求職者の応募準備がしやすくなるので、日程が決まり次第すぐにお知らせするのをおすすめします。
また、最近情報の更新があるサイトは注目度も上がるので、どれだけ真剣に採用活動に取り組んでいるか、より多くの求職者に知ってもらえるでしょう。
採用サイトとは?効果の出る採用サイトに有効なコンテンツや活用方法を解説
採用サイトの中でも、求職者に人気の高いサイトのランキングを3位まで紹介します。どれもそれぞれの特徴や魅力が伝わる内容となっているので、3社の事例を参考に、多くの人に興味を持ってもらえるサイトを目指しましょう。
株式会社講談社の採用サイトには、さまざまな出版物を扱う会社をイメージとワクワクさを演出するために、ポップでカラフルなイラストが使われています。その見た目は、採用サイトの中でもオリジナリティにあふれていて、職場の楽しそうな雰囲気も感じられます。また、多岐に渡る業務内容を、詳しく分かりやすい内容でまとめているのが特徴です。
さらに実際に本ができるまでの工程を紹介し、それぞれの工程に携わっている社員が大切にしているポリシーも伝わる設計は参考になります。また文章も簡潔にまとめられているので、時間をかけずに読め、欲しい情報も効率よく得られます。
カルビー株式会社の採用サイトは、「Next is NOW 次のカルビーに手を伸ばせ」というキャッチコピーが目を引くデザインになっています。未来への展望や海外事業、仕事内容について詳しく見やすいように工夫され、読みやすい印象を与えるサイト設計が特徴です。
特に仕事内容は社員インタビューを掲載しながら、さまざまな職種について書かれていて、会社の雰囲気が感じ取れます。さらに「カルビーの社“無い”(しゃない)文化」というページでは、革新的な独自の制度についても紹介されています。そのように、働き方への挑戦や改革が感じ取れるのも、求職者に好印象を与える理由のひとつです。
本田技研工業株式会社の採用サイトは、インパクトのある動画と、強いキャッチコピーで引き込む、挑戦心と技術力が感じられる設計が特徴です。プロジェクトストーリーが紹介されているページでは、仕事内容や自社商品に寄せる思いが、社員の顔写真とともに紹介されています。
社員の顔写真はどんな人が働いているのかイメージしやすいです。自社製品への想いを強く感じさせるサイト設計の重要ポイントともいえるでしょう。またサイト内で使われている社員メッセージは、若手の声が使われており、求職者からの共感も集めやすい工夫がなされています。
強いインパクトを与えつつ親近感もあるデザインは、会社の明るさも伝わるので、ぜひ活用したいテクニックです。
採用サイトランキング20選!好感度が高い事例まとめ【2022年最新】
採用サイトを作成する際や、改善を行うときの、押さえておくべきポイントを紹介します。自社の伝えたいことだけでなく、サイトを活用するユーザーのことを考えた、見やすく使いやすい設計を心がけるのが大切です。
近年では、情報を調べるのはPCだけでなく、スマホから検索を行う人が増加し続けています。そのため、PCだけでは十分なアクセス数を稼げないことから、採用サイトのスマホ対応は必須です。
また、外出先や説明会に向かう途中などに、スマホから会社情報を調べる求職者も少なくありません。転職を検討している方であれば、仕事の合間に情報をチェックするケースもあります。そこで、採用サイトがスマホに対応していなかったり、スマホで見づらかったりすると求職者を取りこぼすことも考えられます。スマホから問題なくアクセスできるか確かめるのも重要です。
時代に合わせた対応ができなければ、興味を持つ求職者も減っていくため、どの検索媒体を使うユーザーがいるのか常に把握できるようにしましょう。
役に立つ情報を扱っている採用サイトでも、使いやすさや、見やすさ、操作のしやすさがないと集客につながりません。操作のしやすさや見やすさは、デザインと設計で決まり、いいデザインであればスムーズに情報が調べられます。たとえば以下のような項目に注意してサイト設計をすれば、訪れた求職者に興味を持ってもらえるでしょう。
サイトの操作性やわかりやすいのも大切ですが、読込速度にも注意が必要です。テキストだけでなく、画像や動画なども多く使いすぎると、サイトの動作が重くなってしまうので、情報の載せすぎには注意しましょう。
採用サイトに掲載する情報は、職場の雰囲気や待遇、勤務地や給与などが詳しく、わかりやすく書かれているのが前提です。もしも、情報を間違えて解釈した求職者が就職してしまうと、「思っていた職場と違う」というミスマッチを引き起こします。
また、文章ばかりで伝えるのではなく、動画や画像を取り入れるのも、わかりやすいサイトにするポイントです。特に社内の雰囲気は文章では伝わりにくいので、画像や動画があるとイメージしやすくなるため、テキストとバランスよく設置していきましょう。
情報と現実とのギャップをなくし、正確な情報を扱えば、正しく自社を理解した求職者が応募してくれるようになります。さらに求職者が就職した後に、イメージ通りに自社で働ければ、社員インタビューの際に快く応じてくれるでしょう。
採用サイトのデザイン事例30選!採用サイトの参考サイトを紹介
採用サイトは自社の仕事に興味を持ったユーザーが多くアクセスしてくるため、他のコンテンツでは手に入らないような役立つ情報が求められます。また文字数制限などもなく自由に情報を記載できるので、自社の強みやイメージをより具体的にアピールするのも可能です。
しかし、採用にあまり関係のない話があったり、情報が不足してしまったりすると、反対に悪い印象を与えてしまうかもしれません。そうならないようユーザーが求める情報を網羅し、自社ならではの雰囲気や魅力を伝えられるよう心掛けてくださいね。