Instagramは、いまや多くの企業がマーケティングの場として活用しています。Instagramを今現在運用しているものの、いまいち成果につながっていないと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事ではInstagramの基本や、アカウント設計時のポイント、運用の際のポイントなどを解説します。自社アカウントの数値をより伸ばしていきたいSNS担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
Instagramの現状
総務省の「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、LINE・Twitter・Facebook・Instagramなど11のSNSサービスの利用率に関する統計調査を公表しています。それによると、Instagramの利用率はLINEに次いで2番目に高く、利用者も年々増えているようです。10〜20代の利用率は70%を超えており、特に若年層に人気のあるSNSといえます。
参考:総務省情報通信政策研究所「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」
リリース当初に比べ、昨今では動画コンテンツの投稿機能も充実しており、リール投稿やIGTV、インスタライブといった機能が活用され、企業がユーザーとコミュニケーションを取れる機会も増えています。
また、ショッピング機能を利用することで商品詳細ページに紐づけたりと、ECサイトのように使用することも可能です。そのほか、カフェやレストランを探す際に、Google検索ではなくInstagramで検索されることも主流になりつつあります。
Instagramを運用するメリット
企業がInstagramを運用するメリットには、主に以下の5つがあります。
視覚的に訴求できる
Instagramは他のSNSと比較すると、テキストよりも写真や動画といった視覚的な訴求が得意です。化粧品を取り扱う企業であれば、商品パッケージの写真を投稿したり、使い方を動画で紹介したりといった使い方ができます。そのような視覚的訴求が効果的な商材であれば、Instagramとの相性がよく、成果も期待できるでしょう。
低コストでPRができる
低コストで運用や広告出稿ができるのも、企業がInstagramを使うメリットです。成果を出すためにはある程度の費用的コストや時間的コストが必要になりますが、まずは無料からでも試すことができるので、参入障壁が低く、心理的ハードルも低いといえます。
Instagram広告とは?広告種類から設定方法、成功事例までを解説
Instagram広告を活用して、効果的なユーザー層に宣伝活動の効果を上げる方法を詳しくご紹介いたします。Instagram広告の種類や設定方法、実際に効果を上げている広告事例などを詳しく解説しているページです。
直接のアクションにつなげやすい
Instagramでは投稿にCTA(コール・トゥ・アクション)機能を設置できるので、予約や購入といった行動につなげやすいといえます。
例えばストーリーズ投稿なら、キャンペーンの告知のために画像を投稿する際、「詳細はこちら」といったような形で詳細ページのURLを貼ることも可能です。また、この「詳細はこちら」のマイクロコピーを自由にカスタマイズすることも可能なので、自社の世界観や投稿のトンマナに合わせて工夫することもできます。
フォロワーを優良顧客につなげられる
フォロワーに需要のある情報や、楽しめるコンテンツを投稿することで、優良顧客に育てることも可能でしょう。フォロワーは自社の投稿に興味を持ってフォローをしてくれているはずなので、うまく運用できればCVにつなげられ、優良顧客に昇華させられる可能性もあります。
ユーザーの声を直接聞ける
Instagramでは、投稿へのコメントやDMでユーザーと気軽にコミュニケーションが取れます。例えば、雑誌を発行している企業であれば「AとBのコンテンツ企画、どっちが見たい?」といった形で、ストーリーズのアンケート機能を使ってユーザーの意見を聞くという使い方もできます。
アカウント設計時にやるべきこと
Instagramのアカウント設計とは、アカウントが発信する情報や運用目的を定めたものです。Instagramのアカウント設計時にやるべき内容を解説します。
1.Instagram運用の目的とゴールを決める
はじめに、Instagramで企業アカウントを運用する目的とゴールを決めましょう。これらを設定することにより、行うべき施策や、重要となる指標が変化します。
運用目的は、集客の強化や売上の向上、ブランディングの強化など、企業や商品・サービスによって異なります。自社の状況を踏まえて、Instagramの運用を通じて達成したいことは何なのか定めましょう。
2.ターゲットを明確にする
運用目的とゴールが決まったら、そこから逆算してターゲットを決めましょう。ターゲティングをしないことには、投稿内容がぶれてしまい、成果につながらない可能性があります。
ターゲット層を決める際には、少なくとも以下の項目を決めて運用チーム内で認識をそろえておきましょう。
- ①年齢
- ②性別
- ③職業
- ④行動パターン
- ⑤趣味や興味
ターゲット層をより詳細化したペルソナを決めると、さらに投稿内容を決めやすくなったり、分析がしやすくなったりします。
ペルソナとは?役割と定義、設定ポイントを解説
3.アカウントの世界観を決め、統一する
ターゲットが決まったら、アカウントの世界観を決めます。商品やサービスのトーンと、ターゲットが好みそうなトーンが交わるところを見つけましょう。
例えば、価格がアッパー向けの高級感のある化粧品であれば、投稿する写真は落ち着いた色味で統一したり、キャプションは絵文字は使わなかったりといった、投稿の世界観が決められそうです。
プロフィール設定時のポイント
Instagramのプロフィールページには、タグ検索や発見タブなどから投稿を見て、興味を持ったユーザーが訪問します。このプロフィールページを見て、引き続き投稿を見たいと思わせられれば、フォローのボタンを押してもらえるでしょう。その重要なプロフィールページのを設定するときのポイントを、4つ紹介します。
わかりやすいユーザーネームをつける
ユーザーネームは、わかりやすいもので設定しましょう。会社名や店舗名、商品名、サービス名などをベースにするのが基本です。候補が決まったら、確定させる前に一度Instagram上で検索して、名前がかぶっていないかなど確認するとよいでしょう。
フォローするメリットが伝わる文章にする
アカウントの自己紹介内容とともに、ユーザーが自社アカウントをフォローすると、どのようなメリットがあるのかを記載しましょう。設定したターゲットのニーズに合致するようなメリットを提示することがポイントです。
商品やブランドを想起させる画像を設定する
プロフィール画像には、ユーザーが見たときに商品やサービスをすぐに想起できるような画像を設定しましょう。例えば、カフェであれば人気No.1の看板スイーツや、お店のロゴ、外観などであれば、アカウント名を見なくてもすぐにそのアカウントだと特定させられます。
サイト(またはリンクツリーなど)のURLを記載する
Instagramのプロフィールには、URLを1つ設定することができます。自社の公式HPやECサイトを設定しましょう。もし掲載したいページが複数ある場合は、リンクツリーのような複数ページをURLを1つのページに集約できるサービスを使えば、企業HPやYouTubeなどへのリンクも貼ることができます。
ハッシュタグ活用のポイント
Instagramの投稿でハッシュタグをつけると、タグ検索から流入するユーザーにも見てもらえます。ここで、ハッシュタグを効果的に活用するポイントを2つ紹介します。
投稿する画像と関連性の高いハッシュタグを使用する
投稿する画像と関連度の高いハッシュタグを使用しましょう。例えば、渋谷のカフェであれば、「#渋谷カフェ」「#渋谷グルメ」「#渋谷カフェ巡り」「#東京カフェ巡り」といったハッシュタグがつけられます。
こうすることで、渋谷でカフェを探している人がこのタグで検索をした際に、投稿が見つけられやすくなり、来店につながる可能性が高まるでしょう。フィード投稿では30個までハッシュタグをつけられます。
ハッシュタグの人気度を見極めて取り入れる
Instagramの発見タブの検索窓からハッシュタグを検索すると、何件の投稿にそのタグがつけられているのかが調べられます。それにより、タグの人気度がわかります。人気度の高いハッシュタグばかりを使うと、タグ検索がされた際に他の多くの投稿に埋まってしまい、自社アカウントの投稿がユーザーに見られる可能性が低くなってしまいます。
そのため、投稿数がさほど多くないタグを見つけてキャプションにある程度入れることで、競争数が少ないタグでは表示される可能性が高まるというわけです。タグのトップに表示されれば、より多くのユーザーに見てもらえるでしょう。
フィード投稿を伸ばすためのポイント
フィード投稿とは、Instagramのホーム画面に表示される投稿です。フィード投稿の効果をさらに伸ばすためには、以下のポイントを参考に投稿してみましょう。
ユーザーニーズに合う投稿を作成する
アカウント運用開始前に設定した、ターゲット像にささる投稿内容を作成しましょう。企業アカウントの失敗例としては、自社がユーザーに伝えたい内容を投稿してしまう、というパターンが見受けられます。
そのため、自社が見てほしい投稿ではなく、あくまでもユーザーが求める情報を提供できるよう、写真選定・キャプション作成を行いましょう。どのような投稿内容であれば成果が出るのか迷った場合は、競合他社のターゲット層が類似していそうなアカウントを参考にして、どの投稿の結果がよかったのかを調べたり、それがなぜよい結果を生み出せたのか分析することで、打開策が見えてくるでしょう。
アルゴリズムを意識した投稿をする
フィード投稿で効果を出すためには、アルゴリズムを意識することが必須です。Instagramのアルゴリズムとは、ユーザーにどのような投稿を表示させるのか判断する仕組みのことです。Instagramでは高度なAIを利用して、ユーザーが個々に気に入る投稿を自動的に表示しています。このアルゴリズムを意識した運用をすることで、自社のアカウントを閲覧してもらえる可能性も高まります。
例えば、ユーザーがいいねやコメントを頻繁にしているアカウントの投稿は、Instagramのアプリを起動した時にすぐ見られるよう、フィードであればより上に、ストーリーズであればより左に表示されるようになっています。
上記のようにユーザーに見てもらいやすくするためには、エンゲージメント数(いいねやコメントといったリアクション数)を増やすことがポイントです。ストーリーズでアンケートスタンプを使ってフォロワーとコミュニケーションを取ったり、フィード投稿で保存されるように役立つ情報を詰め込んだ投稿をするなどが施策例として挙げられます。
ターゲット層の興味などを分析して、エンゲージメント数を獲得できる投稿をしましょう。
ユーザーと交流する
ユーザーから投稿にコメントをもらった場合は、返信するようにしましょう。これはアルゴリズムにも関連しますが、ユーザーとやり取りをすることにより、そのユーザーにとって自社アカウントは関心度合いの高いアカウントだと判断されやすくなります。そうなることで、ユーザーのフィード上に表示される可能性が高まります。
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投稿結果の分析ポイント
Instagramをさらに効果的に運用するためには、投稿したあとの分析が重要です。分析をすることにより、自社アカウントの魅力や強みをさらに伸ばしていくことができます。
分析には、ビジネスアカウント設定後に利用できる、Instagramインサイトを活用しましょう。分析の際に見るべき指標は、自社アカウントのKGIやKPIによっても異なりますが、基本的には以下の4つを算出して活用するとよいでしょう。
①保存率
リーチ数のうち、保存された割合を示すものが保存率です。この保存率は、「保存数÷リーチ数」で導き出せます。保存率を高めるには、あとで見返したくなる投稿内容にすることです。つまり、1つの投稿を見れば〇〇に関する情報をまるごと理解できるような情報量の多い投稿や、何か1つのトピックに対して情報をまとめたものなどであれば、ユーザーに保存される可能性が高くなるでしょう。
②ホーム率
ホーム率とは、フォロワーが投稿をフィード上で閲覧した割合のことです。ホーム率は「ホーム数÷リーチ数」で求めることができます。ホーム率が高いほど、アクティブユーザーが多いということがわかります。
③プロフィールアクセス率
プロフィールアクセス率とは、投稿を閲覧したユーザーが、プロフィールページに遷移した割合です。プロフィールアクセス率は、「プロフィールアクセス数÷リーチ数」で算出できます。プロフィールアクセス率を高めるには、「他にもこのような情報を紹介しています」など、他の投稿も見たくなるような文言を入れて、プロフィールページへの遷移を促すとよいでしょう。
④フォロワー転換率
プロフィールを訪問したユーザーがフォロワーになる割合のことを、フォロワー転換率といいます。この数値は「フォロワー増加数÷プロフィールアクセス率」で算出できます。
その他Instagram運用のポイント
Instagramには、独自のさまざまな機能があります。それらをうまく活用して、効果的な運用につなげましょう。
店舗地図情報や予約電話番号を載せる
実店舗がある場合は、ビジネスアカウント設定をして、自社情報の詳細を掲載しましょう。例えば、店舗へのアクセス情報や電話番号、メールアドレスなどです。それらを掲載することで、ユーザーにとっては利用しやすいと感じられ、信頼度も増すでしょう。
ジオタグを設定し、集客したい場所を明確化する
ジオタグとは、位置情報のことをいいます。このジオタグを設定して集客したい場所を明確化しておくことも、Instagramでは大切です。ジオタグを設定すると、その地域の位置情報で検索を行っていたターゲット層から見つけてもらいやすくなります。これにより集客力の向上や、商品の訴求にも寄与するでしょう。
【23年版】Instagram運用のコツ・注意点を徹底解説
ショッピング機能をつける
ショッピング機能をつけて投稿を行うと、写真と商品を紐づけられます。そしてその投稿を見たユーザーは、自社サイトやECサイトを訪れる可能性が高まり、商品を気に入ってもらえれば購入にもつなげられるでしょう。
ショッピング機能は、以下の工程で設定します。
①Instagramアカウントをビジネスアカウントに移行
②InstagramアカウントをFacebookページとリンク
③Facebook上でショップ開設またはビジネスマネージャでカタログを作成
④カタログショップ内で商品を登録
⑤ショップの公開
⑥Instagramでショッピング機能の審査を申請
⑦Instagramの投稿にショッピングタグを追加
Instagram広告の活用
Instagram広告とは、フィードやストーリーズ、発見タブに画像や動画で掲載される広告のことです。広告ではない通常の投稿と同じように表示されること、そしてきれいな写真やバナー画像を使われていることが多いため、他の媒体に比べて広告感が薄く、ユーザーに見られやすいという特徴がInstagram広告にはあります。この特性を生かして、比較的結果がよかった投稿には広告をかけることで、よりユーザーへのアプローチが可能です。1日100円と少額からの出稿も可能なため、少ないリスクでトライすることができます。
Instagram運用ポイントについてのまとめ
Instagramの運用は、初期のアカウント設定やユーザーにとって有益な情報を投稿することが大切です。運用の目的を明確にしなければ、効果があるのかわからない上、期待するような効果も得られないなどの結果に陥りやすくなります。
自社の商品・サービスの魅力をInstagramでどのように発信し、どんな結果を得たいのかによっても、最適な運用方法が変わってきます。例えばユーザーに人気の投稿に寄せてみたり、ハッシュタグを見直したりなど、その都度調整を行うことも大切です。自社の立ち位置や競合情報・ユーザー心理など多角的に情報を捉えて整理し、分析を繰り返しながら自社に適した運用方法を導入しましょう。
参考記事:Instagramのお店(店舗)アカウントの作り方・共有方法・注意点を解説|WEBRICHE
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