Web広告をうまく活用するためには、広告の種類や広告を掲載する媒体別の特徴を押さえる必要があります。
この記事では、Facebookカルーセル広告の特徴、メリット・デメリットをはじめ、効果的な文字数やサイズ規定など、Facebookカルーセル広告で成果を高めるためのポイントをお伝えします。
Facebookカルーセル広告の運用を検討している方や、Facebookカルーセル広告の効果をより高めたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
Facebookで配信できる広告には主に14の種類があり、Facebookカルーセル広告はそのうちの一つです。
複数の画像および動画が横並びに表示され、画像・動画にテキストやリンクを設定できるのが特徴です。画像・動画をスワイプすると、別の画像・動画が表示されます。
SNS広告は、一つの広告に一つの画像・動画を掲載する形式が多いのに対し、複数枚の画像や動画の設定が可能であるため、
などのメリットがあります。
Facebook広告の種類は?特徴やメリットについて詳しく解説!
ここでは、Facebookカルーセル広告をどのような場面でどのように使えるのか、おすすめの活用シーンとメリットについて紹介します。
おすすめの活用シーン
・新機能を搭載した商材の紹介
テキストのみの情報や一枚の画像だけでは「どのようなメリットを得られるのか」が伝わりにくい。そのため、スワイプによって画像を切り替えながら訴求できれば、新機能やメリットが伝わりやすい
・使い方が難しい商材の紹介
高性能で良い商材であるにもかかわらず、使い方が難しいような場合、順序立ててプロセスを見せることで魅力を適切にアピールできる
Facebookカルーセル広告は、一つの商材について複数の画像・動画をカルーセルカードに設定できます。さまざまな角度から、機能・メリット・プロセスなどを展開できるのがメリットです。
おすすめの活用シーン
・テーマに沿った複数商材の訴求
「夏におすすめのおしゃれサンダル」「サンダルに合わせたいおしゃれ靴下」など、複数の商材を訴求できる
・CTAボタンの活用
カルーセルカードごとにCTAを設定することで、ECサイトのような役割を果たせる
カードごとに異なる商材とCTAを設置することで、カタログのように並べて紹介できる点も、Facebookカルーセル広告の大きなメリットです。
おすすめの活用シーン
・目に見えない商材の訴求
サービス業やIT関連サービスなどの商材は、その魅力を一枚の画像や動画で伝えきることが難しいため「信頼できる企業」「成果を出す企業」など自社のイメージが伝わるようなストーリー性のある広告を作ることで魅力をアピールしやすい
・美容関連商材に最適
美容院、エステサロン、ネイルサロン、まつエク、美容整形など、Before・Afterの画像や動画で効果や魅力を視覚的にアピールできる
商材によっては、一枚の画像広告だけで魅力を伝えきることは難しいです。しかし、Facebookカルーセル広告であれば、複数の画像や動画を活用することでイメージアップを狙うストーリー性も展開できます。
おすすめの活用シーン
・景色や建物などの訴求
車のダッシュボードから見る景色、魅力的な建物の内部など、ワイドな画像でこそ伝わる魅力を存分に伝えられる
・旅行やアウトドア関連の訴求
美しい自然、広大な台地など、観光地やアウトドア関連の商材、企業との相性も良い
ワイドな画像を表現したいときは、複数の画像を連続して見せることで、パノラマ写真のようなイメージを再現できます。
Facebookのカルーセル広告の注意点として、以下の3つが挙げられます。
それぞれ詳しく解説します。
出典:Meta(Facebook)
Facebookカルーセル広告で、掲載できるメインテキストは一つだけです。カルーセル広告では、複数枚の画像・動画を設定でき、スワイプによって表示が切り替わる仕組みと紹介しました。
しかし、表示する画像・動画を切り替えても、メインテキストは一つの共通テキストが固定表示されます。
カルーセルカードごとにテキスト設定ができないため、メインテキストは広告全体に共通する内容や、広告を通して伝えたいメッセージを記載することが重要です。
出典:Meta(Facebook)
Facebookの画像広告および動画広告内に設定するテキストを「テキストオーバーレイ」と呼びます。テキストオーバーレイについて、かつてあった「広告全体に占める割合を20%以下にする」というルールは撤廃されました。
しかし、現在もFacebook広告の公式サイトでは、以下のように文字数が多くならないことを推奨しています(ストーリーズとリールの広告のテキストオーバーレイとセーフゾーンについて)。
一つのFacebookカルーセル広告における文字数は、125文字以内と少なめです。しかしこれは、スマートフォンで表示されたときの文字切れや、見栄えの悪さを回避するのに役立つ視点といえます。
複数の画像に共通する重要なメッセージを、125文字以内に収めることは容易ではありませんが、注意深く取り組みましょう。
参考:
Meta(Facebook) カルーセル Facebookフィード
Meta(Facebook) テキストオーバーレイについて
出典:Meta(Facebook)
Facebookカルーセル広告のCTAボタンは、広告画像の下に設置されます(「Shop now」のボタン)。
そのCTAボタンのすぐ横に表示されるテキストが「見出し」で、カルーセルカードのタイトルのような役割を果たします。
この文字数についても、少なめの32文字内を推奨しています。いかに直感的にユーザーに届くメッセージで、CTAボタンを押したくなるよう促せるかがカギとなるでしょう。
※画像にはありませんが「見出し」のすぐ下に見出しを説明するための「説明」テキストを任意で追加できます。推奨文字数は、さらに少ない18文字以内となっています。
また、Facebookカルーセル広告のCTAボタンは、目的を意識して選びましょう。
広告でアプローチしている内容とCTAボタンが合っていなければチグハグな印象になり、不信感を与えてしまうおそれがあります。
広告による効果を高めユーザーに好印象を与えるためにも、CTAボタンは目的に合ったものを設定する必要があるのです。
Facebookカルーセル広告を入稿するまでの流れは、以下のように大きく4つの工程に分けられます。
1.広告設定から「+作成」を選択し「カルーセル」を選ぶ
2.カルーセルカードに画像の選択、見出し、説明文、リンク先を挿入する
3.カルーセル広告のメインテキストやURL、詳細を設定する
4.入力後「公開する」を選択して完了
それぞれ詳しく解説します。
カルーセル広告を含め、Facebook広告は広告マネージャで作成するのが一般的です。Facebookの広告マネージャを開き、左上に表示されている「+作成」を選択してください。すると、広告の形式を選択する画面が表示されるため「カルーセル」を選びます。
カルーセル広告に使用する画像を選び、カルーセルカードを作成します。カルーセルカードごとに設定できる項目は、以下のとおりです。
設定が必要な項目は、以下のとおりです。
必要事項の入力後「公開する」を選択すれば広告が完成します。「公開する」をクリックする前に、プレビュー画面を入念に確認し、不足や誤字などのミスがないかチェックしましょう。
Facebook・Messenger・Audience Networkにおけるカルーセルのデザイン仕様は以下のとおりです。
カルーセルカードの枚数 | 2~10枚 最小2枚の設定が必要 |
推奨アスペクト比 | 1:1 |
アスペクト比の比率許容誤差 | 3% ※Facebookの場合のみ |
推奨解像度 | 1080 × 1080ピクセル |
画像のファイル形式 | JPG、PNG |
画像の最大ファイルサイズ | 30MB |
動画の長さ | 240分以内 推奨15秒 |
動画のファイル形式 | 3G2・3GP・3GPP・ASF・AVI・DAT・DIVX・DV・F4V・FLV・GIF・M2TS・M4V・MKV・MOD・MOV・MP4・MPE・MPEG・MPEG4・MPG・MTS・NSV・OGM・OGV・QT・TOD・TS・VOB・WMV 推奨はGIF・MOV・MP4 |
動画の最大ファイルサイズ | 4GB |
※2023年10月現在
Instagram上で配信する場合の仕様は、以下となります。
カルーセルカードの枚数 | 最小2枚 ストーリーズは最大3枚、フィードは最大10枚 |
推奨アスペクト比 | フィード1:1 ストーリーズ9:16 |
アスペクト比の比率許容誤差 | 1% |
推奨解像度 | フィード1080 × 1080ピクセル ストーリーズ1080 × 1920ピクセル |
画像のファイル形式 | JPG、PNG |
画像の最大ファイルサイズ | 30MB |
動画の長さ | フィード60秒以内 ストーリーズ15秒以内 |
動画のファイル形式 | 3G2・3GP・3GPP・ASF・AVI・DAT・DIVX・DV・F4V・FLV・GIF・M2TS・M4V・MKV・MOD・MOV・MP4・MPE・MPEG・MPEG4・MPG・MTS・NSV・OGM・OGV・QT・TOD・TS・VOB・WMV 推奨はGIF・MOV・MP4 |
動画の最大ファイルサイズ | 4GB |
広告コピーのガイドラインは以下です。
Facebookカルーセル広告を配信する際のポイントについて、以下の4つの手順に沿って解説します。
カルーセル広告を出稿する際、はじめに取り組むべきは「ターゲット層」=「どのようなユーザー獲得を狙うか」についての分析です。
競合や市場などの外部施策、商材の特徴など内部施策の両面から分析し、マーケティング施策の一つとして出稿することが重要です。
Facebookカルーセル広告は、Facebookだけでなく、Instagram・Messenger・Audience Networkにも配信可能です。そして、配信するプラットフォームによってアプローチできるユーザー層は大きく異なります。
狙うユーザー層についてプランを練り、ターゲットを明確にしたうえで次のステップに進みましょう。
ターゲット層が明確になったら「何をユーザーに伝えるのか」「どこをゴールにするのか」を考察します。
Facebookカルーセル広告では、複数の画像・動画を設定できます。しかし、単純に画像を多く設定するだけでは、何を伝えたいのかがわからず、商材の魅力が伝わらないリスクが高まります。
そのため、広告はわかりやすさや訴求力の強さが重要です。複数の商材を紹介する場合も「梅雨のシーズンにおすすめのグッズ」など、大きなテーマについては、絞る必要があるのです。
CTAも共通の一つだけしか設定できないため、ゴールが「問い合わせ」なのか「購入」なのかで、広告を出稿する方針や目的が大きく違ってきます。何を伝え、何をゴールにするのか、ズレのないよう明確に定義しておくことが重要です。
Facebookリード獲得広告を使用するメリットや設定方法を解説
カルーセル広告は、スワイプによって表示される動画や画像が切り替わりますが、そもそも一枚目で興味を引くことができなければスワイプに至らず、他の画像や動画を見てもらえません。
画像や動画を複数枚設定できるというメリットを生かすためには、一枚目の画像に最も力を注ぐべきです。
画像の順番を固定する必要がない場合は、「一番パフォーマンスが高いカードを自動的に最初に表示」というオプションをオンにするのも有用でしょう。
カルーセル広告は、スワイプで画像が切り替わる仕組みですが、二枚目の画像は、一枚目を見ているユーザーには、左端に少しだけしか表示されません。
そのため、一枚目のカルーセル広告をパッと見ただけでは、二枚目の画像がスワイプで見られることに気付かない可能性があります。
カルーセル広告を連続して見てもらうためには、ユーザーがスワイプしたくなる工夫も重要になってくるのです。
最後に、Facebookカルーセル広告の活用事例を解説します。
株式会社ワンダーマークは、雑貨や文具製品を取り扱う日本企業です。同社は、自社ブランド「Ambiance Paper」のEコマースプラットフォームを構築し、以下のような施策を展開しています。
カタログをFacebookに統合し、Instagramで広告配信をした結果、売上が前月比5倍になりました。
続いて紹介するのは、海外のチョコレートブティック「KitKat Chocolatory Australia」の事例です。
同社は、クリスマスシーズンにおける店頭・オンライン両方での売上アップを目的に、広告の最適化を行いました。
クリスマスシーズンの売上アップを狙った広告最適化キャンペーンの結果、広告想起率が35ポイント上昇という成果を得ました。他にも、ブランド認知度6.7ポイント上昇、購入意向のリフトが2.2倍に上昇など、さまざまな成果を上げています。
最後に紹介するのは、スペインのアパレルブランドである「Brava Fabrics」の事例です。
同社は、広告出稿に際して複数の広告フォーマットの比較検討を行いました。
その結果、Facebookカルーセル広告が最も良好な成果を上げたため、カルーセル広告の活用を決めています。「Brava Fabrics」が配信したカルーセル広告の特徴として、以下の2つが挙げられます。
カルーセル広告活用によって、以下の成果を上げました。
カルーセル広告は、複数の画像を組み合わせることで、商材紹介やカタログ利用など、さまざまな訴求を行えます。
複数の訴求方法を試すことができるうえ、一括で設定ができるため手間もかかりません。Facebook 広告で EC サイトの広告を配信している方や、商材の機能訴求をしたいと考えている方は、この記事を参考にぜひ試してみてください。