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2021.06.11 (公開: 2021.06.06)

リスティング広告のキャンペーン設計。予算管理のポイントを解説

リスティング広告のキャンペーン設計。予算管理のポイントを解説

リスティング広告の運用を行う中で、こんなお悩みはありませんか?

「リスティング広告のアカウント構成とは?」
「リスティング広告のキャンペーン設計をどうすべきか分からない」

リスティング広告では、アカウント、キャンペーン、広告グループでグルーピングしながら運用を進めていきます。

それぞれの構造で何ができるのか、どんな影響を与えるのかを理解しておくことで、運用時にどんなキャンペーン設計を行うべきか分かりやすくなります。

本記事では、キャンペーンの特徴と活用方法、日予算管理の考え方についてご紹介します。リスティング広告のキャンペーン設計についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

リスティング広告の基本構造

リスティング広告の基本構造

リスティング広告は、大きく分けて「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」といった3つの階層に分けることができます。

また、加えて最下層の「広告グループ」内には「キーワード」と「広告」を設定します。

階層名 階層の説明 設定可能な項目
アカウント キャンペーンを管理する最上位の管理階層 ・メールアドレス
・パスワード
・お支払い情報
キャンペーン 広告グループを管理する管理階層
アカウントの次にあたる管理階層
・配信ネットワークの設定(検索、ディスプレイなど)
・日予算の設定
・入札戦略の設定
・配信する曜日、時間帯の設定
・配信地域の設定
・配信デバイスの設定
・各種ターゲティングの設定(ユーザー属性、オーディエンスなど)
広告グループ 同じテーマとなるキーワード・広告の管理階層
キャンペーンの次にあたる管理階層
・キーワードの設定
・広告文の設定
・入札単価の設定
・配信デバイスの設定
・各種ターゲティングの設定(ユーザー属性、オーディエンスなど)
キーワード 広告配信を行う商品やサービスに関する検索語句のこと ・キーワード
・マッチタイプ(完全一致、部分一致、フレーズ一致)
・入札単価
広告 ユーザーが検索した際に表示される広告文のこと ・広告名
・広告テキスト
・リンク先URL

リスティング広告のアカウントは、基本的に1企業につき1アカウントで問題ありません。

また、Google広告とYahoo!広告では、それぞれ1アカウントで作れるキャンペーン数が異なります。

*1アカウントで作れるキャンペーン数
Google広告:最大10,000個(有効、一時停止中を合わせて)
Yahoo!広告:最大100個

Google広告では最大10,000個、Yahoo!広告では最大100個キャンペーンを作成することができます。広告配信したい商品やサービス数に応じて、GoogleとYahoo!を使い分けたり選んだりすると良いでしょう。

キャンペーン運用のポイント

キャンペーン運用のポイント

リスティング広告のキャンペーンでは、以下の項目を設定することができます。

*キャンペーンで設定可能な項目

  • 配信ネットワークの設定(検索、ディスプレイなど)
  • 日予算の設定
  • 入札戦略の設定
  • 配信する曜日、時間帯の設定
  • 配信地域の設定
  • 配信デバイスの設定
  • 各種ターゲティングの設定(ユーザー属性、オーディエンスなど)
  • 対象外キーワード

特に、以下の項目はキャンペーンでしか設定することができません。

  • 日予算の設定
  • 配信地域
  • 配信する曜日、時間帯
  • その他オーディエンス

リスティング広告を運用する上で、キャンペーンの分け方や運用は大切なポイントとなります。

なぜなら、リスティング広告を配信したとしても、以下のようにキャンペーンで設定可能な項目がターゲットから外れていることで、ターゲットへ広告を届けられずに成果へ繋がりにくくなるため。

  • キーワードが検索されていない
  • デバイス、地域、曜日や時間帯が適していない
  • 日予算が足りていない

せっかくリスティング広告を配信しても、そもそもターゲットに届いていないのであればコストがかかるだけでコンバージョンに達しません。

リスティング広告を効率よく運用するためには、キャンペーンごとの集客レベルに合わせて予算を調整したり、ターゲティングに合わせて別の広告を配信したりすることも必要です。

また、最近ではリスティング広告で活用される機械学習の精度が高まったことにより、以下のようなキャンペーンを求めています。

  • ニーズに合わせたテーマ別のキャンペーン
  • キャンペーンでのみ分けられる項目(日予算、配信地域、時間帯など)で分ける

ここでは、リスティング広告を運用する上で、キャンペーンの分け方や運用のポイントについて細かく解説します。

商材やWEBサイトでキャンペーンを組む

同じ企業でリスティング広告を配信するにしても、扱う商材やWEBサイトが変わる場合はキャンペーンを分けることをおすすめします。

商材やWEBサイトでキャンペーンを組むべき理由は、以下の2つです。

  • 広告運用を精緻に行うため
  • 広告の効果検証を正確に行うため

広告運用を精緻に行うため

配信地域やオーディエンス設定を商材やWebサイトごとに行うためには、キャンペーンを分ける必要があります。

広告運用の手間が省けるため

商材やサービス、リンク先となるWEBサイトが複数ある場合、商品・サービス・WEBサイトごとに広告の費用対効果を検証する必要があります。

そのため、扱う商材やWEBサイト別にキャンペーンを分けた方が、以下のように広告運用の手間を省くことができます。

  • 細かな広告運用や設定を行いやすくなる
  • 手軽にレポート作成できる

広告の効果検証を正確に行うため

商材が変わると、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)も変わります。

同じキャンペーン内で複数の商材に関する広告を配信すると、数値が均一になってしまい、広告の効果検証が正確にできなくなります。

そのため、広告の効果検証を正確に行うためにも、商材やサービスごとにキャンペーンを分けると良いでしょう。

目的やターゲットが変わる場合はキャンペーンを分ける

同じ商材だとしても、広告の目的やターゲットが変わる場合はリスティング広告のキャンペーンを分けましょう。

特に、ターゲティングとオーディエンスは、キャンペーンでしか設定することができません。

ユーザー属性ターゲティング

特定の年齢層、性別、子供の有無、世帯収入に該当する可能性の高いユーザー層へ広告表示できる機能

項目 分類
年齢 「18~24 歳」「25~34 歳」「35~44 歳」「45~54 歳」「55~64 歳」「65 歳以上」「不明」
性別 「女性」「男性」「不明」
世帯収入 「上位 10%」「11~20%」「21~30%」「31~40%」「41~50%」「下位 50%」「不明」
子供の有無 「子供あり」「子供なし」「不明」

さらに、住宅所有状況、学歴、子供の年齢など、詳しいユーザー属性をオーディエンスタイプとして利用することも可能です。

オーディエンス

オーディエンスとは、特定のユーザーへ向けて広告配信を行う機能。

リスティング広告では、リマーケティングが可能です。リマーケティングとは、以前にサイトへ訪れたユーザーをリスト化し、そのユーザーへ再度広告配信する手法のこと。

一度商材やサービスへ関心を持ってくれたユーザーへ集中して広告表示できるため、前回獲得できなかった見込み客をコンバージョンへ繋げやすいです。

また、ターゲットが変わる場合や、広告の目的(来店促進、販売など)が変わる場合も、キャンペーンを分けた方が有効な配信設定ができるでしょう。

ただし、ターゲットが大まかには一緒で設定を変えなくても良い場合は、1つのキャンペーンで運用するのも可能です。

インプレッションが多いキーワードは別キャンペーンの方が良い場合も

インプレッション数が多いキーワードを運用しているのであれば、別キャンペーンを作成した方が良い場合もあります。

キャンペーンの日予算は、キャンペーンごとに利用できる1日の費用の上限額をして設定する金額。つまり、キャンペーンの日予算は、キャンペーンに入っているグループ全体での予算となります。

もし、キャンペーン内にインプレッションや検索ボリュームが飛び抜けて大きいキーワードがあるとしましょう。そのキャンペーン内では、インプレッション数を多く獲得するキーワードやボリュームの多いキーワードに予算の大半を持っていかれてしまいます。

インプレッションや検索ボリュームの獲得が少ないキーワードの中にも、コンバージョンに繋げやすいものも存在します。結果、そのようなコンバージョンに繋がりやすい他のキーワードがインプレッションを獲得できないリスクも考えられます。

また、インプレッションが多いキーワードは予算規模も大きくなるため、キャンペーンを分けて細かく運用した方が良いでしょう。

インプレッションや検索ボリュームが大きいキーワードに絞ったキャンペーンを作成し、キャンペーンの日予算を多く設定しておくとスムーズに運用を進めることができます。

【注意】細かく分けすぎると運用が大変

リスティング広告のキャンペーンは、目的や商材に合わせてどのレベルまで分けるのか、分け方を考える必要があります。

日予算やキーワード、各種ターゲティングなど、ユーザーのニーズに合わせてキャンペーンを細かく分けた方が、個々のキャンペーンごとに細かく調整を行うことが可能です。

ただし、キャンペーンがあまりに多すぎると、運用の手間がかかり全てのキャンペーンの状況や数値をチェックすることが難しくなってしまいます。キャンペーンごとに手動で細かく調整を行うのも手間がかかって時間が足りなくなってしまうケースも少なくありません。

また、リスティング広告の効果検証を行う上でも、似たキーワードやグループは同じキャンペーンの方が良いでしょう。なぜなら、同一キャンペーン内で、テーマが近いキーワードや広告グループ同士を比較しやすくなるからです。

同じ商材・ターゲットのものは、1つのキャンペーンにまとめておきましょう。

日予算管理の考え方と注意点

日予算管理の考え方と注意点

日予算とは、キャンペーンごとに1日あたり使用できる費用の上限として設定する金額のこと。

1日のうちに設定した日予算に達すると、同日間では広告配信が停止されます。1ヶ月を通して、1日に費やしても問題ない金額を設定します。

この日予算を管理することができるのは、キャンペーンのみ。いつでも設定、編集ができるため、配信状況に応じて細かく運用することができます。

日予算は、以下の2点を考慮して設定しましょう。

  • 広告配信を行う上での目標
  • 1日に支払い可能な金額

*日予算の計算方法例

  • 1ヶ月あたりの広告費:30,400円
  • 1ヶ月の平均日数:365÷12=30.4

(例)30,400円÷30.4=1,000円/日

ちなみに、日予算として設定した金額を1円でも超えてしまったからと言って、必ずしも広告配信が停止されるわけではありません。

続いて、キャンペーンを運用する上で、日予算管理を活用するための考え方と注意点について解説します。

日予算はあくまで目安

キャンペーンで設定する日予算は、あくまで目安となる金額。

リスティング広告を運用していると、広告費が日予算を超える場合があります。なぜなら、日によって検索状況は変動するため。

日予算は、1ヶ月分の予算を月間平均日数で割って算出するため、毎日均一の金額となります。しかし、曜日や時間帯、天気、経済、メディアでの露出など、日によって検索状況は変動するでしょう。

このように、もし検索ボリュームが増えており、成果を上げやすい状況にも関わらず、従来の日予算通りで配信を行い予算に達したら配信停止とすると、獲得機会を逃すことになります。

したがって、機会損失のケースを少なくするため、広告費が日予算を超えても広告配信されるようになっています。ちなみに、現在は日予算の2倍程度までは変動する仕様となっています。

また、インプレッションされないリスクを低減させるため、上限を超える場合もあります。

予算の消化状況は日々モニタリングしておかなければ、予想よりも多い予算を消化している場合もあるため要注意です。

インプレッションシェア損失率と予算消化率をチェック

予算が適切に消化できているかの目安として、インプレッションシェア損失率(予算)と予算消化率をチェックしましょう。

インプレッションシェア損失率(予算)

  • インプレッションシェア
    広告表示機会の総数のうち、実際に広告表示された回数の割合
  • インプレッションシェア損失率(予算)
    広告表示回数の全体数のうち、予算が原因で実際に広告表示されなかった回数の割合
  • インプレッションシェア損失率(ランク)
    広告表示回数の全体数のうち、掲載順位が原因で実際に広告表示されなかった回数の割合

予算が原因でインプレッションシェアを損失した理由として、以下の要因が挙げられます。

  • キャンペーンの日予算
  • キャンペーンや広告グループの入札価格
  • アカウント残高が足りない

*インプレッション損失率の確認方法

  • Google広告
    ページメニューの「キャンペーン」>「表示項目の変更」>「競合指標」から
  • Yahoo!広告
    広告管理ツール「レポート」タブ、または「キャンペーン管理」タブから

予算消化率

予算消化率とは、広告配信の開始日から消化された予算の割合のこと

計算式:予算消化率=広告費÷予算

インプレッションシェア損失率(予算)が高い場合、予算が早く消化されてインプレッションされていないため、獲得機会を損失している状態です。

また、予算消化率が低い場合は、インプレッションやクリックが足りず目標の効果を生み出せていない状態です。

いずれにしても広告効果が低い状態なので、以下のような別途対策を行う必要があります。

  1. キーワード選定を見直す
  2. 入札単価を見直す

対策①:キーワード選定を見直す

1つ目の対策方法は、キーワード選定を見直すこと。

インプレッション損失率が高いということは、予算を投下しているにも関わらず入札したキーワードで広告表示が行われていないということです。

改めて、広告配信を行うキーワード選定を見直すことで、予算消化ペースを調整していきましょう。

インプレッションシェア損失率が高く予算消化ペースを調整したい場合は、以下の施策で予算を調整することが可能です。

  • キーワードを検索ボリュームが低いものに変える
  • CVに繋がらないキーワードへの出稿を停止する
  • 検索クエリから除外キーワードを選定する
  • クリック率の高いキーワードに出稿を絞る

検索ボリュームが高いキーワードは、他の企業も入札を行うため予算が多く消化されます。そのため、検索ボリュームが低いキーワードへ切り替えることで、予算消化ペースが緩やかになります。

また、コンバージョンに繋がりにくいキーワードを除外したり、クリック率が高いキーワードにのみ出稿を絞ったりすることで、効率良く予算を消化できます。

次に、予算消化率が低い場合の施策について考えていきましょう。

予算消化率が低いということは、そもそも広告配信数が足りておらずクリックやコンバージョンへ至っていないということ。

予算消化率が低い場合は、以下の施策で予算を調整することが可能です。

  • 検索ボリュームが多いキーワードに変える
  • CVに繋がるキーワードと類似キーワードを増やす
  • キーワードのマッチタイプを変更する

検索ボリュームが多いキーワードへ出稿することで、インプレッションシェアを増やしながら予算消化率を高めることができます。

また、検索クエリからコンバージョンに繋がりやすそうなキーワードを増やしたり、マッチタイプを変更して広告出稿の範囲を広げたりする手法も有効的です。

対策②:入札単価を見直す

2つ目の対策方法は、入札単価を見直すこと。

インプレッション損失率や予算消化率を改善したいのであれば、キャンペーンの入札単価を一度見直してみてはいかがでしょうか。

キャンペーンの入札単価を引き上げたり引き下げたりしても、予算を調整することができます。

まずは、キャンペーンの入札単価を引き上げた場合について。キャンペーンの入札単価を引き上げると、オークション時に広告の掲載順位が上位へ変動します。

加えて、他社とクリック単価や広告ランクが同等である場合、キャンペーンの入札単価が高い方が優先的に広告配信されます。

その結果、広告のインプレッションやクリックを増やすことへ繋がりやすくなると考えられます。

次に、キャンペーンの入札単価を引き下げた場合について。キャンペーンの入札単価を引き下げると、オークション時に広告の掲載順位が下位へ変動します。その結果、予算の消化ペースを緩めることができます。

これまでよりも広告が表示されなくなり、インプレッションやクリック数が少なくなる可能性も考えられます。

ただし「少しでも広告費用を安く抑えたい」「節約したい」と、やみくもにキャンペーンの入札単価を引き下げるのは要注意。なぜなら、キャンペーンの入札単価を引き下げることで、広告の掲載順位が下がり広告効果も失われるため。

現在配信している広告を通して、本当にコンバージョンに繋がっているかどうかも見極めることが重要です。

現状の広告配信状況や予算状況を考慮して、入札単価を引き上げるか引き下げるかについて検討し細かい調整を加えると良いでしょう。

まとめ

本記事では、リスティング広告のキャンペーン設計や予算管理のポイントについてご紹介しました。

リスティング広告のキャンペーンは「予算管理」「ターゲティング設定」の点で運用を変えることをおすすめします。

また、キャンペーンの予算管理は、細かく改善すると意外と大変。より効率よく広告運用を進めていきたい場合には、スマート自動入札を活用するのも手段として有効でしょう。

ちなみに、リスティング広告の運用代行を取り扱っている広告代理店であれば、自社で運用するリスティング広告の細かい改善もお任せできます。特に、多くの商材やサービスに関する広告運用を実施していると、なかなか全てのキャンペーンに手が回らないという運用者の方も少なくありません。

現在の運用状態のチェックもできるので、リスティング広告運用にお困りの方はぜひニュートラルワークスまで無料でご相談ください。

著者紹介

石田 哲也

石田 哲也

取締役CMO

取締役CMO。1984年生まれ。高校卒業後にISD株式会社にて起業。株式会社オプトなど複数のIT企業にてWebマーケティングを学び、2018年に地元の神奈川へ戻り、ニュートラルワークスにジョイン。SEO/Web広告運用/サイト分析・改善など、Webサイトの運用改善を得意としています。また、ゲームアプリ制作や数十万フォロワーのSNSアカウントを運用していたこともあるので、Webビジネス全般を守備範囲としています!