リスティング広告は、検索キーワードに連動させて配信できるテキストリンク型の広告です。リスティング広告は即効性や費用対効果が高く、出稿のハードルも比較的低いなどの特長があります。WEBで広告を出す企業は急速に増え始めているため、できるだけ早く出稿の手続きを進めたいところです。
この記事では、Google リスティング広告の初期設定の方法を完全ガイドとしてまとめています。手順に沿って設定を進めれば、広告配信の準備はすぐに整いますので一緒にやってみましょう。
リスティング広告は、出稿後に細かな分析と改善を繰り返すPDCAサイクルが重要ですが、細かな要点は運用しながら実践していけば大丈夫です。まずは初期設定を済ませ、リスティング広告運用の第1ステップをクリアしましょう。
リスティング広告とは?特徴や費用、運用方法を解説
リスティング広告の基本的な知識から効率のいい運用方法、成果を出すためのポイントをご紹介します。
リスティング広告をGoogleで始めよう!Google広告の使い方を解説
目次
Google広告への出稿は、Googleアカウントの取得が必須です。Google広告のアカウントは、Googleアカウントとは別に取得する必要があるので注意しましょう。
Google広告アカウントの設定には、以下の情報が必要になります。
登録するメールアドレスは基本的には何でも構いませんが、Gmailのアドレスを使用するとスムーズでしょう。その際は、ビジネス用のメールアドレスを使用してください。支払に関する情報は、銀行口座かクレジットカードどちらか一つでOKです。
必要情報を確認し、Google広告アカウントの開設手続きを進めましょう。
Google広告のサイトにアクセスし「今すぐ開始」のボタンをクリックします。
上記の内容を順番に選択、入力していきます。
実際の広告の見出しや説明文を入力する画面が出てきますが、広告文や見出しなどのコピーはじっくり検討する必要があるため、ここはダミーとして適当に入力を済ませて構いません。
また、広告予算を入力する画面も同様です。後から設定変更できますので、ひとまずテストとして入力し先に進めましょう。
Google広告のアカウント開設ができたら、自社のランディングページ内にトラッキングタグを設置してください。
タグを設置しなくても、広告配信自体は可能です。ただし、広告とランディングページを紐づけしないと、広告からユーザーがどの程度流入しているか、どのような動きをしているか分析することができません。
リスティング広告では、分析をしながら改善を繰り返す作業が重要になります。そのため、ランディングページへのトラッキングタグは、この段階で設置しておきましょう。
方法は、グローバルサイトタグ(gtag)を使用する方法やGoogle タグマネージャー(GTM)を使用する方法が一般的です。
Google広告と、解析ツール「Googleアナリティクス」を連携させると、ランディングページへのアクセスに対する細かい分析データを見ることができます。Googleのリスティング広告からの流入数や、流入経路などの細かいデータをアナリティクス上で確認することが可能です。
Google広告のアカウントとアナリティクスのアカウントは、ユーザーやメールアドレスが違っていても「権限管理」の設定を行えば連携できます。大事なポイントなので、Google広告のアカウントとアナリティクスの紐づけ作業も最初に済ませておきましょう。
Googleアナリティクスとは?登録方法や使い方、分析方法を解説
Webサイト運営者の多くはGoogleアナリティクスに登録し、日々のデータを見てサイトの改善を行っています。でも、初めて利用する人には何を見て、どのようにサイトを改善していけばいいのかわかりませんよね?初心者向けにGoogleアナリティクスをわかりやすく解説します。
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続いてキャンペーンの設定をしていきます。
キャンペーンとは、Googleで配信する広告の、もっとも大きな区分けです。キャンペーンの中からさらに「広告グループ」「キーワード」と分類されていきます。
(1)先ほど登録したアカウントでGoogle広告にログインし「新しいキャンペーンを作成」のリンク、もしくは左側にある丸い青色の+印をクリックしましょう。
(2)このキャンペーンの目標を選択します。
(3)続いてキャンペーンのタイプを選択してください。リスティング広告は検索連動型の広告ですので左上の「検索」のカードをクリックします。
(4)次に、自社のビジネス目標を達成するために必要なものを選択します。サイトから商品を購入してほしい場合は「ウェブサイトへのアクセス」、問い合わせや電話予約を増やすのであれば「電話件数」など、自社のビジネスに合ったユーザーの行動を選択してください。
ここで、コンバージョンアクションを作成すると、顧客がどのような行動をとったかをトラッキングすることが可能です。
(5)さらに進むと「ターゲティングとオーディエンス」の設定画面になります。
オーディエンスとは、ユーザーの属性や趣味嗜好、興味関心、意図などを指定することで、ターゲットをピンポイントに絞って広告配信できるようになる設定です。
PRしたい商材に関連のある語句を入力し、オーディエンスを見つけて選択してみましょう。選択する語句は、広告とランディングページの関連性高いものにするのが重要なことを覚えておいてください。
(6)予算と入札単価の設定です。予算は1日あたりの予算を設定できます。1ヶ月あたりの広告予算を日割計算して入力しておきましょう。
実際には1日あたりの広告予算を上回ることも、下回ることもあります。あくまで目安として余裕を持った設定をしておきましょう。
入札単価では、目標に対し重視する要素として①コンバージョン②クリック数③インプレッションシェアの3つを選択できます。何を選択すればよいかわからない場合は、成果につながるアクションであるコンバージョンやクリック数を選んでおけばよいでしょう。
入札戦略では、目的に応じて自動入札してくれる機能を利用できます。広告配信の目的を選択すると、システムが自動で入札単価調整を行ってくれるものです。担当者がキーワードごとに細かく入札単価を設定したい場合には「個別のクリック単価」を選択してください。
(7)広告配信のスケジュールを設定できます。電話での問い合わせなどに対応できない時間帯があるなどの場合には、広告配信の時間を指定しておくとよいです。広告のローテーションも設定しておきましょう。
自社で複数の商材を扱っている場合には、キャンペーンを商材ごとに分けて広告の設定をするとよいでしょう。Google広告では「コンバージョン数の最大化」や「コンバージョン値の最大化」として、費用対効果が高くなるよう入札価格を最適化させる設定が可能です。
スマート自動入札の機能を使用し、コンバージョンの数や値の目標を設定すれば、自動的に無駄のない予算分配を行ってくれます。コンバージョンを事前に予測し調整するには、Googleが独自の学習機能を使ってユーザー属性や端末、リマーケティングリストなどの情報を分析するのです。
商材ごとに、ターゲットとなるユーザーの情報が異なる場合もあります。そのため、複数の商材を扱う企業では商材ごとでキャンペーンを分け、それぞれをスマート自動入札で最適化させていくのがおすすめです。上手に活用すれば効率よく運用できるので検討してみましょう。
Google広告では、1つのキャンペーンごとに1日あたりの予算設定ができるようになっています。日予算の設定はキャンペーン単位でしか設定できないため、キャンペーンをどのような分類で区分けしていくかも考えておきましょう。
キャンペーンは、予算を管理する単位であると考えればわかりやすくなります。予算を消化するための分配方法をキーワード別やターゲット別に変えたい場合には、キャンペーン内で調整します。
状況に応じて、キャンペーンの組み合わせを途中で変更することも可能です。キャンペーンの分け方で迷ったときは、以下のいずれかを基準に決めたり、組み替えたりするとよいでしょう。
リスティング広告のキャンペーン設計については、下記のブログはご参考ください。
リスティング広告のキャンペーン設計。予算管理のポイントを解説
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続いては広告グループを作成していきます。広告グループはキャンペーンの下層になっており、実際に広告の見出しや説明文などの広告文も入力していきます。広告グループごとに、見出しや広告文を変えることが可能です。
(1)まずは広告グループの名前・キーワードを設定していきます。キーワードは後から追加や変更が可能です。キーワード選定はリスティング広告の肝となる要素なので、別途しっかりリサーチしてください。
(2)レスポンシブ検索広告とは、リスティング広告の見出しや説明文を複数登録しておくと、ユーザー情報に合わせ自動で組み変えながら広告作成してくれる機能です。
広告見出し:3~15個
説明文 :2~4個
URL :2個
このように複数の広告文を登録しておき、より検索キーワードとの関連性が高くなるように自動調整してくれます。
(3)広告のURLオプションの設定は、トラッキング情報を入力したり、URLパラーメーターを追加したりできます。Google検索ネットワークに蓄積された、広告の運用状況データを確認するために必要な設定です。
(4)すべての項目が設定できたら、自動で審査のプロセスに入ります。審査状況を確認するには広告のステータスを確認しましょう。審査に通れば広告は「有効」になり、審査に落ちた場合は「不承認」と表示されます。
Google広告の審査は1営業日以内で結果がわかることがほとんどです。審査はGoogle広告のポリシーに沿ったものであるかを基準にしています。
以上が広告グループの基本的な設定方法です。
見出しと説明文は、実際に表示される広告テキストです。
上記の項目は入力必須となっています。その他の項目は未記入でも広告は配信できます。ただしクリック率を高め、サイトへの流入を増やすためにはなるべく詳細に、たくさんの項目埋めていく必要があります。
広告見出し1は青色のテキスト左側に、見出し2は右側に表示され、緑色の文字でURLが入ります。その下に説明文が入るので、ターゲットに必要な情報をしっかり盛り込みながら、目を引く広告文を考えてください。
広告文によって、ユーザーの反応が変わるのをダイレクトに実感できるでしょう。複数の見出しと説明文を登録し、データを見ながら組み合わせやワードの選び方などを工夫していくのが大切です。PDCAを回して、より適切なテキストを探してください。
リスティング広告の広告文については、下記のブログをご参考ください。
リスティング広告の広告文の作り方!コツ7つを徹底解説
広告グループを細かく分けると、グループの管理やデータの分析が難しくなるので要注意です。
広告グループを複数に分ければ、キーワードに対応させる見出しや広告テキストを細かく調整できます。丁寧に分類することで、キーワードの関連性や広告文とリンク先の関連性も高められるため、品質スコアの向上にも影響を与えます。
しかし一方で、広告の評価を決める品質スコアにはクリック数やインプレッション数などの数値データも絡みあってきます。そのため、データを管理しやすくすっきりまとめておくのも重要なポイントです。
グループの管理が面倒になったり分析データを統合するのに手間がかかるようになるため、やたらに広告グループを増やさないように注意してください。
最初は、似ているターゲットをもつキーワードを同じ広告グループにまとめておきます。広告グループ内の各キーワードは、関連性の高さで括るのが重要です。その後キーワードごとの効果に差が出てきたら、グループの組み替えを検討しましょう。
リスティング広告のグループ設計は、下記のブログをご参考ください。
リスティング広告のグループ設計とは?効果的なグルーピングを解説
Googleのリスティング広告は、一連のステップとポイントに沿って行えば決して難しくありません。まずは出稿準備を整え、配信をスタートさせてみましょう。
ただし、リスティング広告は配信したら終わりではなく、ここからの運用が肝心です。広告効果のデータをもとに仮説検証を繰り返し、PDCAを回すことに注力していくのが重要です。
リスティング広告を出稿したら、日々の運用のコツを学んでいく段階に入ります。費用対効果を高めるため、成果を伸ばすためのコツについても解説していますので、当サイトの記事を参考にしながら実践してみてください。
また、個別にサポートを受けたい場合は無料相談も実施しております。大手広告代理店出身、大規模アカウントを運用する経験を持つコンサルタントが対応させていただきます。お気軽にお問い合わせください。