マーケティング

最終更新日: 2024.04.01

キュレーションサイトで記事作成をするには?コツや注意点を解説

キュレーションサイトで記事作成をするには?コツや注意点を解説

キュレーションサイトは、今や誰もが一度は見たことがあるメディアとなりました。需要も多く、ヒットすれば多くの人に読まれる人気記事になることも少なくありません。

また、「キュレーション記事は誰でも書ける」「ラクに作れる記事」というイメージを持っている方も少なくないでしょう。もしくは「キュレーション記事ってそもそもどうやって書くの?」と、イメージが湧いていないという方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、キュレーション記事を作りたい方のために「キュレーションとは何か?」という基本的な部分から、記事の書き方、おさえておくべき注意点までをまとめました。

通してお読みいただくことで、キュレーション記事について総合的に理解できるようになるはずです。当記事の内容を、ぜひ記事作成のスタートに役立ててみてください。

山崎盛哉

監修者

1973年生まれ。編集プロダクション、業界誌記者、出版社勤務などを経て、大手小売業グループのハウスエージェンシー、コンテンツマーケティング会社でコンテンツディレクターとして勤務。2021年よりニュートラルワークスへジョイン。
20年超にわたる編集経験を活かしたコンテンツ制作が得意領域。

QUERYY(クエリー)編集部

執筆者

株式会社ニュートラルワークス

QUERYY(クエリー)編集部

QUERYY(クエリー)は、株式会社ニュートラルワークスが運営するデジタルマーケティング情報メディアです。

キュレーション記事とは

キュレーション記事とは

キュレーション記事とは、特定のテーマに沿った情報を集めて整理し、わかりやすくまとめた記事のことをいいます。ネット上の膨大な情報から、ターゲットとするユーザーが欲している情報を集めて編集したものです。

キュレーションの語源は、美術館や博物館の展示物を選定する職業「キュレーター」からきています。キュレーターは美術館や博物館のテーマに合わせて、来館者に喜ばれる展示物を選び、管理します。

ネット上から必要な情報を集めて精査し、まとめることが、キュレーターの仕事によく似ていることから、「キュレーションサイト」という言葉が誕生したのです。

キュレーションサイトが登場した当初は、情報をただまとめるだけの記事が多く、制作側としては「ラクに作れる」というイメージもありました。

しかし、多くの企業がこの業界に参入している現在では、取材や独自の見解などを入れてリッチ化することが求められています。サイト流入数や記事のPV数を上げるためには、今や情報をただまとめるだけでは不十分。他社サイトとの差別化や、競合優位性を高めることが必要になってきています。

キュレーション記事の役割と掲載するべき情報

キュレーション記事の役割と掲載するべき情報

キュレーション記事の役割は、ユーザーの代わりに情報の収集や整理をすることです。膨大な検索結果の中から求めている情報を探し出すには、手間も時間もかかります。より効率よく、最良の情報を入手したいというユーザーニーズを満たすことが、キュレーション記事の役割となります。

キュレーション記事に記載すべきなのは、特定のテーマやジャンルに特化した情報です。企業がキュレーションサイトを立ち上げる場合、自社の専門分野やそれに関連する分野を扱うのが理想的です。なかには雑多な情報を扱うサイトもありますが、より新鮮で専門性の高い情報を提供することが望ましいと考えられています。

また、タイムリーなニュースを取り扱うキュレーションサイトもあります。ニュース記事はユーザーの反応を得やすいため、多くのPVを獲得することが可能です。最新情報やニュースを取り扱う場合には、常にトレンドにアンテナを張り、コンテンツの作成や公開にスピード感が求められます。

いずれにしても、キュレーション記事の内容は正確な情報を掲載することが大切です。単なるまとめ記事ではなく、ユーザーの代わりに、正しい情報を素早く届け、見つけやすくすることが重要だということを覚えておきましょう。

キュレーションサイトの種類

キュレーションサイトの種類

キュレーションサイトには「総合型」と「特化型」の2種類があります。サイトの種類によって特徴や役割、メリットなどが異なるので、それぞれチェックしておきましょう。

総合型キュレーションサイト

総合型キュレーションサイトとは、ジャンルを特定せずにさまざまな情報を掲載するサイトです。ジャンルやテーマを絞らない総合型は、幅広いターゲットを呼び込むことができるため多くのユーザー数を獲得できるというメリットがあります。

有名なサイトやサービスとしては、Smart NewsやLINE NEWS、グノシーなどが挙げられます。

総合型キュレーションサイト内では、サイト内でニュース・グルメ・経済・IT・政治・芸能・美容などジャンル分けをし、ユーザーは満遍なく情報を得ることが可能。現代の「新聞」のような役割を果たします。

特化型キュレーションサイト

特化型キュレーションサイトは、特定のジャンルに絞って情報をまとめるサイトです。車・美容・ファッション・ITなど、テーマを狭く絞り込んで集めるため、より専門性が高くニッチな情報を届けられます。また、総合型に比べて情報量も少ないため、低コストで運用できるのもメリットです。

特化型のキュレーションサイトには、エネルギーや気候変動を扱うEnergyShiftや、経済情報に特化したNews Picksなどが有名。

特化型の場合、サイト流入数や記事のPVはそこまで大きく見込めません。しかし、ニッチビジネスにつなげられる可能性があり、中小企業やベンチャー企業でも立ち上げやすいサイトです。
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キュレーションサイトのメリット

キュレーションサイトのメリット

キュレーションサイトは、ユーザー側と制作側の両方にメリットをもたらすメディアです。ここでは、キュレーションサイトのメリットをより深く掘り下げてみましょう。

ユーザーにとって情報が集めやすい

キュレーションサイトは、ユーザーが必要な情報を集めやすくしたり、興味のある情報を見つけやすくします。これまで、ネットの情報は検索結果を一つひとつチェックする必要がありました。また、その一つひとつの情報の信憑性も、ユーザー自身で判断しなければならなかったので「ネットの情報は嘘が多い」といわれていたこともありました。

しかし、キュレーションサイトが登場したことやキュレーションサイトの質が高まったことによって、手間や時間をかけなくても信憑性のある情報にたどり着きやすくなったのです。

また、これまでたどり着けなかったようなコンテンツに巡り合う機会を与えることもできます。SNSも主流の情報媒体ですが、SNSは自分が興味のある内容ばかりが表示されたり、他の情報に注意が向かなかったりします。一方、キュレーションサイトは雑誌や新聞のように、さまざまな情報がランダムに公開されるため、ユーザーは幅広く情報に触れられるようになります。

運営側の運用や記事作成にかかるコストが抑えられる

キュレーションサイトの制作は、低コストで行うことができます。自社で一から記事作成をする場合、取材やリサーチに費用と時間がかかり、制作ペースも遅くなりがちです。0から記事を作成するとなると、企画を練る必要もあり、早々にネタ切れが起こるケースもあります。

その点キュレーション記事は、運用コストが抑えられる上に、コンスタントに記事を公開できるメリットもあります。ネット上に公開された情報は誰でも自由に閲覧可能です。その情報を収集・編集して記事を作るため、新たな取材や特別な企画は必要ありません。既存のニュースや情報を要約して編集するため、クラウドソーシングを使って外部リソースで制作をまかなうこともできます。

情報の集め方や著作権への知識といった注意点はあるものの、0から1の記事作成とは異なり、制作や運用にかかるコストは格段に抑えられます。
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キュレーション記事作成のコツ

キュレーション記事作成のコツ

キュレーション記事は、比較的手間やコストがかからないコンテンツです。しかし適当に切り貼りしただけの記事でトラフィックを集めることは難しいでしょう。

比較的簡単に作れるとはいえ、キュレーション記事の作成時にはいくつかの基本手法やコツをおさえることが大切です。ここからはキュレーション記事作成において重要な4つのコツをお伝えします。

サイトごとのルールを確認する

キュレーション記事を作るときは、サイトごとに一貫したルールを設けておく必要があります。サイトごとに細かなルールを定めておくことは、キュレーションサイトに独自のカラーやブランド感を持たせることになります。

Webサイト制作上のルールは、サイトに一貫性や統一感を持たせるために重要な役割を果たします。ルールやレギュレーションを設けないと、記事ごとにテイストや方向性がバラバラになったり、文章に統一感がなくユーザーに不信感を与えてしまうこともあるでしょう。

まず、サイトのコンセプトや目的を明確にして全体に共有することが大事です。複数の制作者が目的を理解しないまま制作を進めると、コンテンツの方向性やテイストが雑多になり、成果に結びつきません。

また、文体のトーンをそろえる「トンマナ」や単語の表記を統一するための表記ルールなども必ず設けましょう。テキストだけでなく、画像のサイズやクオリティといった部分も、ルール化して統一する必要があります。

サイトのルールは、制作に関わる担当者がいつでも確認できるよう、共有や周知の体制を整えておくことも大切です。

インパクトのあるタイトルをつける

キュレーション記事のタイトルは、ユーザーを惹きつけるインパクトのあるものにしましょう。多くの情報を公開しているキュレーションサイトでは、タイトルにこだわることで記事のPVを大きく上げることができるためです。

  • 記事の内容がイメージできる
  • 数字を使って信憑性を持たせる
  • 記事テーマに関連するキーワードを入れる

このように、ユーザーが記事の内容を「読みたい」「知りたい」と思えるように工夫することが大事です。「〇〇について」というような、抽象的でぼんやりしたタイトルをつけてもクリックされにくいので、できるだけ具体的で、魅力的なタイトルをつけることを意識しましょう。

ただし、タイトルと記事の内容がズレてしまったり、タイトルが大げさになりすぎたりしないように注意してください。タイトルに惹かれて記事を読んでも、内容が想像していたものとあまりにかけ離れているとユーザーは離脱します。場合によっては「騙された」という不快な印象を持ってしまうこともあるでしょう。インパクトを意識しつつも、タイトルと内容がしっかりマッチするようにコピーを考えてみてください。
記事タイトルとは?例や文字数、SEOに効果的な付け方のコツを解説 記事タイトルとは?例や文字数、SEOに効果的な付け方のコツを解説 このページでは、ユーザーがコンテンツに興味を持つかどうか左右される記事タイトルについて、作り方や注意点などを解説しています。タイトル作成に役立つツールやキーワードの選定方法などについてもまとめているので、SEOにお役立てください。

文字数は1000〜2000文字ほど

キュレーション記事の文字数は、1000~2000文字がベストといわれています。キュレーションサイトはスマホでスキマ時間にチェックされることが多く、あまり長い文章だとユーザーが最後まで読めなかったり、途中で飽きてしまったりすることがあるからです。

キュレーションサイトの利点は、手軽に情報を入手できるところにあります。じっくり文章を読み込むのではなく「短い時間、少ない労力でさらっと読み進めたい」というユーザーニーズをしっかりと満たすようにしましょう。

また、スマホで読みやすい行数で改行することや、文字が詰まりすぎないように注意するなど、画面上での読みやすさや視認性にも配慮するようにしましょう。
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キャッチーな画像を活用する

キュレーション記事には、ユーザーの興味を惹く魅力的な画像を使いましょう。画像を活用すれば、ユーザーの視覚にも訴えかけることができ、記事の魅力を引き出したり、ユーザーの興味関心を掻き立てたりできるようになります。

タイトル同様に、画像を見て記事内容のイメージが湧くようなもの、記事の魅力をより引き立てるようなものを選び、アイキャッチ画像に設定してみましょう。

使用する画像にこだわることは、キュレーションサイトのブランディング、他社との差別化にもなります。そのため、サイト内で使用する画像のテイストは統一するようにしましょう。有料の素材サイトを利用したり、カメラマンやイラストレーター、デザイナーなどに依頼して制作してもらうのがおすすめです。

キュレーション記事を作成する時の注意点

キュレーション記事を作成する時の注意点

キュレーション記事は、低コストで運用も簡単というメリットがある一方「質」が低くなりやすいというデメリットもあります。

2016年には、キュレーションサイトが信憑性のない低品質な記事を大量に公開していた「WELQ問題」なども話題になりました。参入のハードルが低い分、質が低くなりやすいのがキュレーション記事の欠点であることは、今も変わらないでしょう。

ここでは、これからキュレーション記事を作成する場合に、これだけは絶対におさえておくべき4つの注意点をまとめていきます。

信憑性のある正確な情報を載せる

キュレーションサイトには、信憑性のある正確な情報だけを載せるようにしましょう。キュレーションサイトの役割は、ユーザ―の代わりに情報を集めて整理することにあります。そこに間違った情報や出所のわからない情報が混じっていては、ユーザーに不利益をもたらすことになってしまいます。

不確かな情報を掲載することは、サイトや企業の信頼性にも関わる重要な問題なので、必ず信頼できる情報を精査して集めるようにしましょう。

情報を集めるときは、一次情報を掲載することを意識してください。一次情報とは、調査や実験の結果、筆者が実際に体験して得た情報などのことを指します。一次情報は時間やお金、労力などがかかっている価値の高い情報です。

ユーザーの信頼を得てサイトを成長させるためには、このように正確な情報を正しい場所から取ってくることが非常に大切になります。

権利関係に注意を払う

キュレーション記事を作るときには、権利関係にも注意が必要です。ネット上のコンテンツは、個人や企業が独自に発信しているものです。無断転載やコピぺなどは絶対にやってはいけません。

また、引用元の情報に対して誹謗中傷するような、モラルに反する行為も厳禁です。権利関係を侵害した場合、著作権者から掲載の中止を求められるほか、場合によっては損害賠償を請求されることもあります。

キュレーション記事において注意すべき項目は、具体的に次のようなものがあります。

  • 画像や文章の著作権
  • 肖像権
  • プライバシー権
  • 名誉棄損

記事に画像や文章を引用する場合は、引用元を必ず明記し、権利者に確認を取る必要があります。

ただし、引用元さえ記載していればよいというものでもありません。あまりにも引用が多い記事は低品質な記事になってしまいます。「どれくらいなら引用してもよい」という明確な基準はありませんが、乱用しないように注意してください。

独自コンテンツに仕上げる

キュレーション記事は、独自性を持たせてオリジナルコンテンツとして仕上げることが大切です。情報を集めて並べただけでは著作権を侵害するコンテンツになってしまうだけでなく、他の記事の「マネ」や「パクリ」記事になってしまうおそれもあります。また、オリジナリティのない記事は競合他社との差別化を図ることができないため、サイト流入数や記事のPV数も上がりません。

独自性のある高品質なキュレーション記事を作るには、ライターの採用にコストをかけることが近道となります。ターゲットに刺さる情報を見つけ出すことや、その情報をわかりやすく編集したり、独自のコンテンツに仕上げることは素人には難しいでしょう。ある程度の実績を持つ、プロのライターやキュレーターを探し、コストをかけることがキュレーションサイトの成長に直結するといえます。
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コンセプトに合った記事を作成する

サイトのコンセプトに合った記事を作り続けることも重要です。キュレーションサイトでは、記事のPV数を上げることが目下の課題になりがちです。PV数を追い求めるあまりに、サイトのコンセプトやテーマから外れた記事を作ってしまうこともあります。

また、記事の文面が迷走してしまったり、記事ごとのテイストが異なったりすることでコンセプトが崩れてしまうこともあります。このような「脱線」が起こると、ユーザーは違和感を感じてサイトを離れてしまうでしょう。

記事作成をするときには、必ずサイトのコンセプトを再確認し、ターゲットとなるユーザーをイメージしながら作成しましょう。また、サイトコンセプトを制作担当者全員に周知し、浸透させることも重要です。
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キュレーションサイトで愛される記事を書いてみましょう

キュレーションサイトで愛される記事を書いてみましょう

キュレーションサイトの基本から記事作成のコツや注意点までトータルで解説してきました。キュレーション記事は、ユーザーの代わりに情報を集めて、わかりやすく編集した記事です。サイト流入数やPV数を獲得しやすいうえ、比較的低コストで制作・運用ができるメディアであることから、多くの企業が参入し始めています。

ただし、キュレーション記事を作るには、情報の信憑性や正確性への担保に注意しなければなりません。集めて並べるだけでは不十分で、独自性を出す必要もあります。ある程度の知識や技術も必要になるため、本当にキュレーションサイトを立ち上げるべきか慎重に検討することも大切でしょう。

その垣根にあるのは「ユーザーのためになる記事を丁寧に作り届ける」という視点に尽きます。キュレーションサイトの立ち上げを検討されている方は、ぜひ当記事の内容を参考に、多くの人に愛される記事を作ってみてください。

監修者紹介

山崎盛哉

山崎盛哉

コンテンツディレクター

1973年生まれ。編集プロダクション、業界誌記者、出版社勤務などを経て、大手小売業グループのハウスエージェンシー、コンテンツマーケティング会社でコンテンツディレクターとして勤務。2021年よりニュートラルワークスへジョイン。
20年超にわたる編集経験を活かしたコンテンツ制作が得意領域。