この記事ではGA4のコンバージョン設定と、設定が反映されない場合の対処方法について詳しく解説します。初心者の方でもマスターできるよう、分かりやすくまとめているので、ぜひ最後までお読みください。
目次
そもそもコンバージョンとは、Webサイトで目標に繋がる成果のことを意味します。例えば、ECサイトであれば購入ボタンのクリックをコンバージョンとできます。
BtoB企業なら、顧客からの問い合わせをコンバージョンとみなすこともあるでしょう。このように、コンバージョンは売り上げに直結する行動を意味することが多いです。
GA4でコンバージョンを設定すると、コンバージョン達成までの過程を分析することが可能になります。こうしたデータ分析は、改善施策にも繋がるでしょう。そんなGA4ですが、コンバージョンに対する考え方はUA(従来のGoogleアナリティクス)と比較してほとんど変わりません。
ただし、UAに比べてGA4のほうがコンバージョン計測が多い可能性があります。その理由は、GA4では設定したコンバージョンがイベント発生の度にカウントされる仕組みになっているからです。
例えば、「商品詳細ページを閲覧する」というコンバージョンを設定したとします。UAでは1セッションで同じコンバージョンが何回も発火することはありません。しかしGA4ではセッション内でもイベント数の数だけ発火されてしまいます。その結果、あるユーザーが商品詳細ページを3回閲覧すると、UAでは1回とカウントされ、GA4では3回とカウントされてしまうのです。
このように、コンバージョンの設定内容によっては、GA4の方が計測数が多くなります。
GA4のコンバージョン設定は、以下のような流れで行います。
上記のように、GA4では初期設定のイベント内容と、初期設定以外のイベントは自身で作成する必要があります。なお、今回はGA4で特定のページに到達したことをコンバージョンとして説明します。
コンバージョンを設定する前に、イベントを作成してください。イベントの作成は、以下の手順で行います。
するとイベント作成画面が開きます。特定ページへの到達をコンバージョンとする場合、イベント作成画面では、以下のように入力していきましょう。
上記の入力が完了したら、「保存」をクリックして完了です。
イベントを作成したら、コンバージョンを設定します。コンバージョンの設定手順は以下の通りです。
上記の作業が完了すると、コンバージョンイベントとして反映されます。ただし、GA4のコンバージョン設定方法①で作成したイベントが反映されるまでに数時間かかるため、コンバージョンの設定は時間を置いてから取り掛かりましょう。
設定が完了したら、計測されているかを確認しましょう。確認手順は以下の通りです。
このように、「リアルタイム」にGA4のコンバージョン設定方法①で設定したイベントが反映されていれば問題ありません。
GA4のイベント作成は、以下のように2種類あります。
ここからは、それぞれの方法について解説していきます。
特定ページのクリックをコンバージョンとする場合は、タグマネージャーでイベントを作成します。大まかな設定手順は以下の通りです。
ここからは、各手順について詳しく解説します。
GTMを利用するには、GA4とサイトを連携する必要があります。そこではじめに、GTMに入力する測定IDを以下の手順で確認します。
ここで測定IDはコピー&ペーストするなどして控えておきましょう。続いて、GTMのタグを作成していきます。作成手順は以下の通りです。
最後にタグの設定を行います。タグの設定は以下の手順で進めてください。
配信トリガーは、適宜目的に合ったものを選択してください。
サイト連携が完了したら、GA4で計測したいイベントを作成していきます。作成手順は以下の通りです。
ここからは、トリガーを設定していきます。リンク先URLで設定する場合は、以下のように項目を入力します。
項目名 | 記載事項 | 例 |
Page Hostname | 閲覧ページのドメイン | https://n-works.link |
Page Path | ドメインに続くパス | /blog/ec-production/ecsite-cart |
Click URL | リンク先URL | https://n-works.link/ec-production |
この場合、演算子は全て「等しい」を選択してください。
ユーザーがページをスクロールしたことをコンバージョンとする場合は、以下のような手順で設定します。
続いて、「一致する条件」に以下のように入力します。
続いて完了ページをコンバージョンとして認識させるために、コンバージョンイベントも作成します。
GA4でコンバージョン設定を行なっても、場合によって反映されないことがあります。その場合は、以下の点を確認してください。
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1つ目の確認事項は、イベント作成から時間が経過しているかどうかです。無料版のGA4では、レポートへ反映するまでに半日〜24時間ほどかかります。有料版でも長い場合は4時間かかるため、即時反映されることはありません。こうした仕様から、イベント作成からコンバージョン設定までは時間を開けて行うようにしましょう。
2つ目の確認事項は、計測タグの設定を誤っていないかどうかです。タグが正しく設定されていないと、コンバージョン設定が反映されません。
そこで計測タグが正しく設定されているかどうかは、「Google Tag Assistant」を使って確認するといいでしょう。Google Tag AssistantとはGoogle Chromeの拡張機能で、計測タグが問題なく動作しているかを確認できます。Google Tag Assistantの使用方法は以下の通りです。
すると計測タグの状況が表示されます。緑色で表示されれば問題ありません。
そして3つ目の確認事項は、IPアドレスが除外されているかどうかです。IPアドレスとは、使用端末を示す文字列のことです。関係者のアクセスを計測しないために、自社端末のIPアドレスは除外設定されていることがあります。もし自社端末のIPアドレスが除外されている場合は、自身のスマートフォンからアクセスしてみてください。
GA4でコンバージョン設定する際は、以下5つのポイントをおさえましょう。
上記ポイントを知っておくことで、効率的に運用を行えます。ここからは、それぞれのポイントについて説明します。
GTMはアクセス解析によく利用されるツールですが、無理に使う必要はありません。これまでUAではイベント作成にGTMが必要でした。しかしGA4はUAに比べて、管理画面で簡単にイベントを作成できるようになっています。こうした変化から、複雑な処理がないようであればGTMを無理に使う必要はありません。
GA4で設定できるコンバージョンの数は、1つのプロパティにて最大で30個までです。プロパティとは、Google アナリティクスにおけるアクセスデータを収集・分析する単位のこと。現在あるプロパティの種類は、UAとGA4の2種類です。GA4プロパティの場合は、Web用やアプリ用として複数のトラッキングIDを発行できます。
コンバージョン設定の数を確認する場合は、「コンバージョン」から確認します。もし上限を超えた場合は、「コンバージョンとしてマークを付ける」のチェックを外しましょう。チェックを外したイベントはカウントされません。
GA4では、参照元分析からコンバージョンチャネルを発見することが可能です。コンバージョンチャネルとは、ユーザーがコンバージョンに至るまでのアクセス経緯のことです。コンバージョンチャネルを発見することで、ユーザーの行動を理解し、より効果的にコンバージョンへ誘導できるようになります。コンバージョンチャネルの確認方法は以下の通りです。
すると「マルチチャネルのコンバージョン概要図」という項目で、表と円グラフが表示され、チャネルからアクセスがあったかが確認できます。
GA4では無料でも経路分析でユーザ行動を確認できるようになりました。経路分析を行うと、ユーザーがコンバージョンに到達するまでにどんな行動を取っていたかが分かります。確認方法は以下の通りです。
すると表示エリアに樹形図が現れます。この樹形図をたどると、コンバージョンまでにユーザーがどんな動きをしていたのかが分かるのです。ちなみに、UAの場合は無料だと経路分析が使えませんでした。GA4を用いる場合は、ぜひ経路分析を使ってみてください。
目標到達プロセスを活用すると、サイトの改善部分が明確になります。目標到達プロセスとは、コンバージョンまでのプロセスを最大10ステップまでビジュアル表示してくれる機能です。目標到達プロセスの確認方法は以下の通りです。
選択したテンプレートに従って入力すると、コンバージョンまでのステップを確認できます。データにはステップごとの放棄率が表示され、放棄率が高いとそのページに問題があると考えられるでしょう。このようなデータを参考にして改善点を明確にしていくと、コンバージョンの向上に繋がります。
GA4のコンバージョン設定方法について解説しました。GA4のコンバージョン設定は、管理画面で完結できるためUAに比べて非常に簡単です。さらにコンバージョンの分析方法も様々なので、効果的な改善を行いやすくなります。
ただし、GA4のイベント作成にはパラメーターの理解などが必要になるため、ややこしいという弱点もあります。GA4のコンバージョン設定は数あるうちの1つなので、参考サイトを見ながら分析できる仕組みを整えるよう心がけてください。