サイテーションとは、Webサイトなどの名称がネット上で引用や言及されることを指します。自社サイトへのリンクがあれば「被リンク」、リンクがないものを「サイテーション」と理解するとわかりやすいかもしれません。
被リンクは以前からSEOにおける重要な役割を担っていましたが、Googleがコンテンツの質を評価する手がかりとして、近年ではサイテーションにも注目が集まりつつあります。
この記事では、サイテーションの概要から、SEO効果やサイテーションの獲得方法まで、詳しくご説明します。自社サイトのSEO施策に、サイテーション対策を組み込む際の参考にしていただければと思います。
まずサイテーションの意味について確認しておく必要があります。ここからは、よく混同されやすい被リンクとの違いを見比べながらご覧ください。
サイテーションという言葉は、直訳すると「引用」「言及」という意味です。この記事ではSEOの分野での「サイテーション」を解説しており、リンク以外の形で他のWebサイトやコンテンツについて記しているものを指しています。具体的には以下のようなものが挙げられます。
Googleがサイテーションとして検索する対象は、Webサイトやブログだけではありません。Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSでの投稿内容、Youtubeや口コミサイトのコメント欄も対象です。インターネット上のあらゆる場所での言及、リンク化されていない参照が、サイテーションとして収集されていると考えて良いでしょう。
「サイテーション」は「被リンク」と混同されがちですが、異なる種類です。端的に申し上げると、「サイテーション」と「被リンク」の違いは、リンクの有無です。
たとえばWebサイトやURLの記述があった際に、そのサイト名やURLをクリックやタップをして、画面が遷移するものが「被リンク」です。「サイテーション」はリンクが貼られていないため、遷移しません。
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Googleが公式にSEO効果を認めているわけではありません。しかし、以下のような複数の理由から、SEOに効果があると推測できます。順序立てて解説します。
まずこの理由の前提となるのが、「GoogleがSEO効果に関して公式なコメントを出していない」という点です。2014年にGoogleは「SNSのソーシャルシグナルが検索結果のランキングに直接影響することはない」と公言していますが、それ以外は言及された記録がありません。
しかし、サイテーションが間接的なSEO効果を持つことは広く認められています。自社のWebサイトやビジネスが、インターネット上でどれだけ言及されているかを測る指標になるためです。いわば、「オンラインでの知名度が上がればSEOの領域でもプラスとなる」という意味で、サイテーションには効果があると推測できます。
それ以外でも、Googleマップなどのローカル検索においても、サイテーションが評価の対象になるようです。これらの対策にも、サイテーションが直接的な効果を生んでいます。次の項目で詳しく説明します。
MEOとは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の頭文字をとった略称です。Googleマップでの検索結果において、店舗やサービスの情報を上位表示させる施策をいいます。別名「ローカル検索」や「ローカルSEO」とも言われ、特に店舗ビジネスにおいては重要なデジタル施策です。
MEO対策のためには、まずGoogleビジネスへの登録とプロフィールを入力する必要があり、店舗やビジネスの情報を入力します。このGoogleビジネスにある情報に関してGoogleは、「有益で関連性の高い情報をユーザーに提供することを目指しています」と言っています。
同時にGoogleは、「ユーザーにとって有益であることを評価するために距離や関連性、知名度を重視する」と公表しています。このうち「知名度」に影響するのが、サイテーションなのです。
Googleビジネスに登録された自社のビジネスの情報が、他のWebページやSNSに記載されたり、言及されたりすれば、検索エンジン側は知名度が高いと判断します。これによりGoogleビジネスの自社の情報が評価され、MEO効果を生むのです。
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そもそもサイテーションが意識されるようになった経緯として、SNSの普及が大きく関わっています。SNSは世界中に広がるほど定着し、日本でも2020年にはユーザー数が8000万人に到達しました。
GoogleにおけるSEOは、従来のWebサイトやブログを対象にしていましたが、SNSの情報量の増大や、ユーザーがSNSでも情報収集をしていることから、SNSもSEOの評価対象に含めるようになりました。
Webサイトやブログでは、他のWebサイトやコンテンツを紹介する際には、リンクを貼るのが一般的です。しかしSNSの場合、Webサイト名やサービス名、商品名などを投稿しても、そこにリンクを貼る人は少ないでしょう。
しかし、SNSで多くの人たちが言及すれば、注目されていると判断できます。同時にAIによって、その投稿が好意的なものなのか否定的なものなのかを推測することで、信頼性の高さも評価されるでしょう。
これらの理由から、SNSにおけるサイテーションはSEOの指標とされ、効果を持っていると推測できます。なので今後は、SNSでのサイテーションを増やす施策もおこなうべきです。具体的なSNSにおけるサイテーションの獲得方法は、後ほど解説します。
ここまで説明した通り、サイテーションの重要性は高く、今後もさらに高まると考えられるため、SEO施策のひとつとして加えるべきです。しかし、単純に多くのサイテーションを獲得すれば良いというわけではありません。その投稿がポジティブな内容なのか、ネガティブな内容なのかも判断されるためです。
サイテーションに関しては、Googleも「ポジティブ・ネガティブを判断する」としています。Webサイトの名称とともに「○○は楽しい」、サービスの名称とともに「○○は良い」などの記述があるものは評価され、SEO効果が高まります。この点に関してはGoogleガイドラインにおいても定義として定められているほどです。
SEO効果を高めるため、好意的なサイテーションを増やす必要があります。ところが、ポジティブなサイテーションだけを集めるという方法は実際できません。知名度が上がり多くのサイテーションを獲得できますが、同時にネガティブなコメントも増えてしまうからです。
また、サイテーションの大半が個人の投稿なので、自社のサービスに関するものであっても編集や削除はできません。たとえネガティブな投稿であっても、その内容を勝手に変えることはできないのです。
そこで、ネガティブなコメントの原因を改善するなど、サービスを向上させてポジティブなサイテーションを増やすように目指しましょう。多くのサイテーションを獲得しつつ、全体的にポジティブなものの割合を増やすことが、最も効果的な対策です。
自社サイトがサイテーションをどのくらい獲得できているのかを調べることができます。ただしサイテーションの対象となるものが、WebサイトやSNSなど多岐にわたっているため、複数の方法を組み合わせて調査することをおすすめします。
まずはGoogle検索を利用する方法です。Google検索で、以下のように入力して検索します。
“調べたい名称”-site:サイトURL
「“”」の中に調べたい名称を入れます。自社のWebサイト名や、ブランド名、サービス名、商品名など、調べたい名称を入力します。そして「-site:」の後に調べたいWebサイトなどの公式サイトのドメインを入力すれば大丈夫です。
このように検索すると、入力したドメインを除いて、調べたい名称を含んだサイトが検索にヒットします。この数が、調べたい名称に言及している、公式サイト以外のWebサイトの数と推測できます。例えば「ツイッター」のサイテーションについて調べたい場合は、下記のように検索します。
“ツイッター”-site:twitter.com
検索結果に表示される「件数」が、サイテーションをしているWebサイトの数です。
Googleサーチコンソールを使って、サイテーションの普及状況を調べることもできます。Googleサーチコンソールでは、調べたいWebサイト名やサービス名などの検索された回数をチェックできます。また、検索された回数のうち、実際にその検索結果のWebサイトが訪問された回数も把握できます。
ただしこの方法で把握できるのは「サイテーションを獲得できた数」ではなく「ユーザーによって検索された回数」です。ですが、検索された回数を調べることで、サイト経由でどれぐらい検索されているのか、獲得したサイテーションがどれぐらいアクセス数の増加に貢献しているのか、推測できます。
Google検索で対象となるのは主にWebサイトです。SNSも検索対象となりますが、クローラーが記録するまでに時間がかかるため、SNS特有のリアルタイム性が反映されません。そこで利用したいのが、「Yahoo!リアルタイム検索」です。
Yahoo!リアルタイム検索では、ほぼリアルタイムで投稿された「Twitterの投稿」と「Facebookの非公開設定にされていないアカウントの投稿」が検索対象です。Yahoo!リアルタイム検索で、調べたいWebサイトの名称や、サービス名、ブランド名、商品名などを検索すれば、SNSでサイテーションされている数を把握することができます。
ただし、Yahoo!リアルタイム検索で見ることができるのは、「Twitter」と「Facebookの公開データ」に限られます。「Instagram」「TikTok」などといったデータについては、それぞれのSNSアカウントを作成して検索して見るのが効果的です。また、多くのSNSをカバーしている「ソーシャルリスニングツール」を使う方法もあります。
サイテーションの獲得がSEOにおいても有効的であるとご理解いただけたかと思います。では、サイテーションはどのようにすれば効率的に獲得できるのでしょうか。具体的な方法とポイントを説明します。
サイテーションを獲得するには、WebサイトやSNS上で自社のサイト名やサービス名などに言及してもらい、Googleに認識してもらう必要があります。その際に間違った名称や、ユーザー独自の略し方で言及されても、サイテーションとはなりません。
言葉を言い換えると、自社のWebサイト名やサービス名は、ユーザーが言及しやすい名称であり、なおかつ覚えやすく、理解しやすいものが望ましいです。ユーザーに正しい名称をすぐ覚えてもらうために、Webサイトのタイトル、SNSのアカウント名、基本情報やロゴなど、すべてで名称を統一することも大切です。
また、自サイトの基本情報を構造化マークアップすることも重要です。「構造化マークアップ」とは、Googleのクローラーにテキスト情報の意味を理解してもらうための記述方法です。
Webサイトのタイトルを設定するように、会社名、店舗名、住所、電話番号などにも構造化マークアップをすることで、Googleが意味を把握しやすくなります。これにより、ユーザーの言及をサイテーション獲得へ結びつけることができます。
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サイテーションを獲得するためには、自社サイトやサービスの知名度を上げることが必要です。存在を知ってもらわなければ、ユーザーに言及してもらえないでしょう。そのためには、自社のWebサイトやSNSで、積極的に情報を発信する必要があります。多くの情報を発信すれば、ユーザーとの接触機会を増やし、認知度や話題性を少しずつアップできるでしょう。
また、オウンドメディアやSNSアカウントといった代表的な手法の他にも、プレスリリースやgoogleビジネスプロフィールなど、可能な限り多くのチャネルを活用できるといいですね。
そして、情報発信の際には、サイテーションの対象となる名称を正確に使えるかが大切です。Webサイト名、会社名、ブランド名など、覚えてもらいたいを繰り返しユーザーに伝えることで、間違えずに言及してもらえます。
サイテーションは自然に幅広いユーザーから獲得することが理想ですが、広告出稿によってより素早く獲得することも可能です。各SNSでは広告費用を支払えば、ユーザーのタイムラインに広告として自社の投稿を表示してくれます。これにより、ユーザーがその投稿をシェアしたり、自社サイト名やサービス名を覚えてくれるチャンスも期待できるでしょう。
ほかにも、SNS上で影響力を持っている人やフォロワーの多い人に自社について言及してもらう、いわゆる「インフルエンサーマーケティング」をおこなう企業もあります。オンラインでは、ドメインパワーのあるWebサイトや、影響力のあるアカウントからの言及は評価される傾向があるため、サイテーション獲得施策としても有効です。
また、広告やインフルエンサーの投稿によって自社のWebサイトやサービス名が広まれば、Web上だけでなく、テレビ番組や新聞・雑誌などで取り上げられる可能性もあります。さらに広く多くの人に認知されることで話題性を呼び、一気に大きなサイテーション獲得につながるでしょう。
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サイテーションとは、リンクを貼らずに他のWebサイトやコンテンツ、サービス名などを言及したものです。従来からSEOにおいて重視されている被リンクは、Webサイトやブログを主な対象としていました。しかしSNSの普及とユーザーの増加によって、リンクを伴わない言及が増えたことから注目されるようになった経緯があります。
GoogleはサイテーションにおけるSEOの評価要素について、正式なコメントや発表をしていません。しかし、サイテーションによって知名度や信頼性を測れることから、SEOへもポジティブな影響があると考えられ、SEO施策として取り入れる企業が増えています。
またサイテーションを獲得するには、WebサイトやSNSでの積極的な情報配信と、Webサイト名やサービス名などを正しく伝えられるかが大切です。多くのユーザーに認知・言及されることを目指して、サイテーション獲得方法を策定し、実行に移しましょう。